SEOについて対策を練っていると、検索意図という言葉に出会います。
文字をみれば、なぜそのキーワードで検索したのかということだろうと察しはつきますが、SEOという分野においてはどういう意味をもつのでしょうか。
実は、検索意図はコンテンツ作りにとても重要な概念で、これを満たすコンテンツはSEOにも非常に効果的です。
そこで今回は、検索意図に関する基礎知識や調査法を解説し、最後に検索意図を満たすようなコンテンツ作りのコツもご紹介します。
読者にもGoogleにも評価される良質なコンテンツ作りを目指すかたは、ぜひ最後までお付き合いください。
検索意図とは
SEOにおける検索意図とは、ユーザーがGoogleやYahoo!などを使って調べごとをする際に持っている目的のことです。
サイトや本によっては検索インテントと呼ばれることもあります。
特定のキーワードを入力して検索をするとき、ユーザーは何かしらの情報を求めていますよね。
例えば、「布団乾燥機 選び方」と検索しているユーザーはどんな意図があって検索をしたのでしょうか。
おそらく、この人は布団乾燥機の購入を検討しているのでしょう。
そして、値段も機能も様々な布団乾燥機の中から、一体何を基準に製品を選べばいいのかを知りたいと思っていると予想できますよね。
このように、ユーザーの検索ワードから想定される背景にあるニーズのことを検索意図と呼ぶのです。
SEOにおける検索意図の重要性
SEOにおける検索意図の重要性は非常に高いといえます。
なぜなら、これを探ることでユーザーが求めるコンテンツを作るための手がかりを得ることができるからです。
また、その手がかりを活かして作られたコンテンツは、Googleからも評価されやすくなるでしょう。
Googleはユーザーファーストを理念に掲げています。
つまり、ユーザーのニーズを満たすコンテンツを提供することが重視されているということです。
満足度の高いコンテンツ作成は、検索意図からユーザーの要望を的確に読み取ることからはじまります。
そして、それを反映したコンテンツができれば、Googleにも高く評価され、結果として上位表示されることに繋がるというわけです。
検索意図の4分類
検索意図は次の4つの種類にタイプ分けすることができます。
- Knowクエリ
- Goクエリ
- Doクエリ
- Buyクエリ
Google社が提唱するこの検索意図の4分類を知っていると、検索意図の理解を深められコンテンツ作成への応用にも役立つことでしょう。
ここからは、各クエリの特徴について具体例を交えながら詳しく説明していきます。
Knowクエリ
ユーザーが何らかの情報について「知りたい」という意図をもっているのがKnowクエリです。
インフォメーショナルクエリと呼ばれることもあります。
例えば、次のようなものがKnowクエリといえるでしょう。
- リベラルアーツとは
- こんにゃく カロリー
- 大阪 週間予報
- information 複数形
Knowクエリの場合、利用者の最終的な目的は、検索したキーワードに関する情報を収集することです。
そのため、ユーザーの検索意図を満たすためには、コンテンツ内でキーワードに対する答えを提供することが第一に求められます。
加えて、情報の正確さや説明のわかりやすさなどにも気を付けることで、コンテンツに対する満足度をさらに高めることができるでしょう。
Goクエリ
特定のWebサイトにアクセスしたい、ある場所に「行きたい」という意図をもつとされるのがGoクエリです。
Goクエリはナビゲーショナルクエリと表されることもあります。
以下に具体例を示してみましょう。
- YouTube
- 外務省ホームページ
- 東京スカイツリー アクセス
- 青山 美容院
上の例からもおわかりいただけるように、ここでいうユーザーが行きたい場所は、サイトのようなオンライン上の場所だけとは限りません。
東京スカイツリーや青山の美容院のように、オフラインの場所の場合もあるのです。
サイト名・企業名などが直接入力された指名検索のイメージが強く、知名度・ブランド力の高い会社でなければ難しいイメージがあるかもしれません。
しかし、「青山 美容院」のように大まかなジャンルをキーワードに検索されることもあります。
自社の認知度に自信がなくても、地域・ジャンルなどで適切なSEO対策をしておけば、Goクエリでの流入を狙うことは可能です。
Doクエリ
何か特定の行動を「したい」という意図をもつのがDoクエリ。
トランザクショナルクエリとも呼ばれることもあります。
以下がDoクエリの例です。
- エントリーシート 書き方
- 確定申告 やりかた
- 転職 相談
- バスクチーズケーキ レシピ
「エントリーシート 書き方」と調べた人は、エントリーシートを書きたい・書いて求人にエントリーしたいと思っていると予想できますよね。
このように、DOクエリの検索ユーザーは情報を集めたあとに行動したいという意欲を持っています。
そのため、企業側からみれば、読者が自社製品を購入してくれたり、サービスを契約してくれたりする可能性が高いキーワードです。
ただし、その分広告を出している企業もたくさんあり、SEOで上位表示を狙うのが難しい側面があるともいえます。
Buyクエリ
ユーザーが「買いたい」という意図をもつのがBuyクエリといわれます。
Doクエリと似ていると思うかもしれませんが、BuyクエリはもともとDoクエリから派生したカテゴリーなのです。
Doクエリの中でも特にユーザーの買いたい・サービスを契約したいという目的に特化したカテゴリーと理解していいでしょう。
具体的な例は以下のとおりです。
- 米 20kg 通販
- 海外旅行保険 契約
- 浄水器 おすすめ
- ロンドン 航空券 格安
Buyクリエも、ユーザーが購買行動を起こすことを前提としているため、企業の視点からみると高いコンバージョン率が期待できます。
そのため、ライバルが多いジャンルだと自サイトが埋もれやすく、上位表示されるのが難しい傾向があることは否めません。
検索意図の調べ方
ここまでで、SEOにおいて検索意図を理解し、それに寄り添ったコンテンツを作ることがいかに大切かがおわかりいただけたことでしょう。
実際にユーザーの検索意図を調べる方法には以下のようなものがあります。
- 検索結果を参考にする
- サジェストキーワードをチェックする
- 関連語・共起語をチェックする
- Q&Aサイトを参考にする
ここからは、これらの調べ方について、1つ1つ詳しくみていきましょう。
検索結果を参考にする
対策キーワードですでに上位表示されている他サイトを分析してみましょう。
上位にランクインしているサイトは、検索エンジンが検索意図を満たしているとして評価しているコンテンツといえます。
つまり、それらのサイトを参考にすることで、検索意図理解のヒントを得ることができるのです。
具体的には検索結果1ページ目に登場するTOP10のページをのぞいてみましょう。
全てを熟読しなくても、それぞれのタイトルや見出しをみるだけで大いに参考になります。
上位ページに共通しているトピックや内容がないかをしっかりチェックしてくださいね。
ただし、他サイトと同じような情報ばかりを載せたコンテンツを作ればいいというわけではありません。
競合サイトを参考にした情報に加え、自サイトにしかない要素を盛り込むなど、オリジナリティを出すことにも気を配りましょう。
サジェストキーワードをチェックする
サジェストキーワードを確認することも、検索意図の把握に役立ちます。
サジェストとは、Googleの検索窓にキーワードを入力するとプルダウン形式で表示される検索キーワード候補のことです。
実際に検索される頻度の高いワードが表示されるので、これを参考にすることで多数のユーザーの動機を知ることができます。
例えば上の画像を参考にすると、「サジェストキーワード 調べ方」「サジェストキーワード ツール」などが表示されていますね。
そこで、ユーザーはサジェストキーワードを調べたい、そのツールにはどんなものがあるのかを知りたいという要望を持っていると予想できます。
1つ注意したいのは、サジェストには自分自身の検索履歴も反映されるという点。
これを避けるためには、シークレットモードを利用するのがおすすめです。
関連語・共起語をチェックする
関連語・共起語からも、検索意図を探ることができます。
関連語とは検索キーワードと関連性の高い語句のことです。
Googleの場合、検索結果画面の下部に一覧表示されます。
一方の共起語は、キーワードと一緒に使われることが多い語句のことです。
特定のキーワードについて書かれたコンテンツ内に多く出現するキーワードといいかえることもできるでしょう。
例えば、共起語を検索できるツールで「検索意図」について調べると、結果には次のような語句が表示されます。
- 上位
- 目的
- 検索エンジン
- ユーザー
- SEO
- 意図
関連語・共起語調査でわかったキーワードとの関連が高いワード、上位記事に共通して含まれる頻出ワードをもとに検索意図を分析してみましょう。
そこから読み取ったニーズをコンテンツ作りにいかせば、より網羅性が高く深みのあるコンテンツに仕上がるはずです。
Q&Aサイトを参考にする
インターネット上のQ&Aサイトを調査すると、よりリアルな検索意図を知ることができます。
Q&Aサイトとは、具体的にいうとYahoo!知恵袋や教えて!gooのようなサイトのことです。
これらのサイトにある質問や、質問者と回答者の疑問解決までのやりとりを閲覧してみましょう。
質問者の属性・置かれた状況・悩みの本質などを詳細に読み取ることができます。
また、Q&Aにある質問というのは、ユーザーがキーワードを使って検索しても求めている答えがみつからなかったトピックであることが多いのも特徴。
つまり、Q&Aサイトを調べると、競合サイトが見逃している検索意図を発見できる可能性が高いのです。
そのような悩みに答えるコンテンツを作れば、ユーザーに喜ばれますし、他サイトにないオリジナリティを持つことにも繋がります。
検索意図調査に便利なツール
検索意図を効率よく調べるには、各種ツールを使うのもおすすめです。
一言に検索意図調査ツールといっても、色々な種類のものが提供されています。
その中でも、無料で手軽に使えるツールであることを基準に以下の3つをピックアップしてみました。
- ラッコキーワード
- 共起語検索ツール
- SERPsアナライザー
それぞれの特徴を紹介するので、興味のあるツールがあればぜひ活用してみてください。
ラッコキーワード
ラッコキーワードはラッコ株式会社が運営する日本発のツールです。
検索意図を探るのに欠かせないGoogleやBingのサジェストや共起語を、サクサク・スピーディーに調べることができます。
また、Yahoo!知恵袋・教えて!GooといったQ&Aサイトから情報収集し、キーワードに関する疑問をまとめて確認することも可能です。
ほかにもSEO対策に便利な機能が揃っているので、何かと頼りになるツールといえるでしょう。
共起語検索ツール
共起語検索ツールは無料・回数制限なしで使えるツールで、名前から想像できる通り共起語を調べるための道具です。
Googleの検索ワードで上位30以内に表示されるサイトから共起語を抽出してくれます。
利用にあたっては、面倒な会員登録などは一切不要で、サイトへアクセスするだけで即座に検索意図調査ができて便利です。
使い方もいたってシンプル。
サイト中央付近に表示されている検索ボックスに任意のキーワードを入力し、「検索」ボタンをクリックするだけです。
結果も一瞬で表示してくれるので、ストレスフリーで使用できる点もうれしいポイントといえます。
SERPsアナライザー
SERPsアナライザーとは、ブログブートキャンプが運営する検索結果分析ツールです。
60個の共起語や上位サイトの見出しのほか、コンテンツの文字数も調べることができるなど、無料でも細かい情報まで抽出してくれます。
こちらも会員登録不要でいつでも気軽に利用でき、使い方もキーワードを入力して「検索」をクリックするだけというシンプル設計が魅力。
初心者でも使いやすいツールなので、一度試してみる価値はあるでしょう。
検索意図を満たすコンテンツ作りのコツ
これまでに、検索意図の調べ方やツールについてご紹介してきました。
しかし、一番大切なのは調査した検索意図をコンテンツづくりに応用することです。
そこでここからは、検索意図をくみ取ったコンテンツづくりのポイントとして、以下のようなコツを解説していきます。
- タイトル・見出しにユーザーが求める情報を盛り込む
- 内容にユーザーが求める情報を含める
タイトル・見出しにユーザーが求める情報を盛り込む
検索意図から読み取ったユーザーのニーズを、記事のタイトルや見出しに反映させましょう。
検索意図を分析して、読者の知りたいことは何かがわかりましたよね。
コンテンツ制作段階では、検索意図を満たすキーワードをタイトル・見出しに盛り込むことが大切です。
そうすることでユーザーが、この記事には自分の知りたいことが書かれていると瞬時に認識しやすくなります。
タイトルに関しては、30~35文字程度で、目にした読者がクリックしたくなるようなものを設定するのが理想的です。
文字数が限られているため、ムリにあれもこれも詰め込もうとせず、日本語としておかしくならない程度に重要なキーワードを含めるようにしましょう。
見出しについては、検索意図を満たすキーワードを含んだものにすることで、その記事に読者の知りたいことが網羅されていることをアピールできます。
内容にユーザーが求める情報を含める
タイトル・見出しができたら、内容部分には検索意図からくみとったユーザーが求める情報や要素を含めるようにします。
具体的なやり方について、例をあげながら考えてみましょう。
例えば、検索意図の4分類を通して読み取れるユーザーの欲しい情報や要素を考えてみます。
仮に、検索ワードがBuyクエリの「フライヤー 通販」だとしましょう。
フライヤーを買いたいユーザーに必要な情報には、どのようなものが考えられるでしょうか。
- 商品の写真
- 価格
- 商品紹介
- 口コミ
- 購入ボタン
記事内に上記のような情報があれば、ユーザーは商品について知り、価格を確認し、口コミを読んで納得した上でフライヤーの購入まで進めて便利です。
もう一つ、今度は上位サイトに共通する要素・不足する要素を分析して、それを自サイトのコンテンツに含む例をあげてみます。
「○○新宿店 行き方」という検索ワードがあるとしましょう。
上位サイトを分析してみると、複数のサイトに共通して地図が含まれています。
そのことから、地図は必須の要素だと考えられるので、自サイトでも地図を取り入れることにしましょう。
逆に、他のサイトには、最寄り駅に関する情報がありません。
最寄り駅の情報や最寄り駅からのアクセスを付け加えれば、ユーザーにとってより利便性の高い記事になるはずなので、駅情報を補足します。
これらの例のように、検索意図から読み取ったユーザーが欲しい情報・あったら喜ばれそうな情報を組み込んだコンテンツづくりを心がけたいものです。
検索意図を満たせるコンテンツ作りをしよう
本記事では、SEOにおける検索意図をテーマに解説をしてきました。
検索エンジンで調べごとをするユーザーは、何かしらの目的があって検索行為を行っています。
その意図を十分に理解し、必要とする情報を掲載することで、ユーザーが満足するコンテンツを提供できるのです。
そして、ユーザーを喜ばせるコンテンツ作りをすることが、結果的に検索エンジンから評価され、SEOでの上位表示につながることもわかりました。
ぜひ、当記事で紹介した調査法やその結果の応用法を参考に、ユーザーの検索意図を満たすコンテンツづくりを実践してみてくださいね。