自社のWebサイトで集客するためには「SEO集客」が必須です。
SEO集客を成功させるためには、地道な取り組みと正しい流れを理解することが求められます。
時間はかかりますが、適切なSEO集客をすることで大幅なアクセス数の増加が見込め、自社の売上げアップも期待できるのです。
一方で、SEO集客と似ているもので「リスティング広告」があります。
この2つは、集客できるという意味では一緒ですが、その仕組みは全く違うものです。
そこで本記事では、SEO集客の流れやリスティング広告との違いを解説しますので、Webマーケティングに力を入れたいと考えている方はご一読ください。
SEOの集客効果とは
SEOの集客効果とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジン経由で自社サイトを検索上位に表示させることにより、ユーザーのアクセスが増えることです。
自社サイトへアクセス数を増やすことで大幅な集客だけでなく、自社の認知度もアップすることが期待できます。
SEOで集客を狙うには、まずはSEOを正しく理解することが重要です。
ここでは以下の項目について解説します。
- SEOとは
- SEOが集客に役立つ理由
SEOとは
SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、日本語にすると「検索エンジン最適化」になります。
つまり、WebサイトやブログをGoogleやYahoo!などの検索エンジンのアルゴリズムに合わせて最適化し、上位表示させることです。
statcounterの統計によると、世界で一番使われている検索エンジンはGoogleで、そのシェアは80%を超えています。
また、Yahoo!はGoogleの検索エンジンシステムを利用しているため、ほとんどの検索エンジンはGoogleを基準にしていると考えていいでしょう。
そのため、「SEO=Googleの検索エンジンへの最適化」と言っても過言ではなく、SEOで集客効果を狙うにはGoogleのアルゴリズムを基準にすることが重要です。
SEOが集客に役立つ理由
SEOが集客に役立つ理由としては、自然検索による流入数が増えることと、コストをかけずに集客ができるということです。
自然検索(オーガニック検索)とは、検索結果の一番上に表示される検索連動型広告(リスティング広告)を除いた純粋な検索結果のことを指します。
SEOクラリティによると、2021年の日本におけるクリック率(CTR)は検索1位が13.94%、10位が1.32%となっており、10倍の差があります。
このように、同じ自然検索でも検索1位と10位ではクリック率に大きな違いがあるため、検索上位になることはSEO集客には必須事項と言えるでしょう。
また、広告費を支払うリスティング広告とは違い、SEOでの集客は出稿費などのコストをかけることなく、検索結果の上位表示を狙うことが可能です。
SEOによる集客のメリット
SEOは効果的な集客手段であり、得られるメリットは大きいものがあります。
また、長期的に成果を得るためにSEO対策は重要です。
SEOによる集客のメリットは主に以下の2つがあります。
- 無料で集客できる
- 検索エンジンの利用者数は膨大
無料で集客できる
SEO対策は基本的にリスティング広告とは違って広告費が発生しません。
リスティング広告とは、「検索連動型広告」とも呼ばれ、ユーザーが検索したときに検索結果の上位に表示される広告のことを指します。
リスティング広告は企業が広告費をGoogleやYahoo!に支払っているため、常に上位表示されることが多いのです。
一方で適切なSEO集客の対策をしていれば、無料でリスティング広告を上回る集客が期待できます。
ただし、SEOに対して知識がない場合は専門業者に対策を依頼することもあり、その場合は費用が発生します。
また、無料でSEO対策ができたとしても、その効果が出るまで一定の時間がかかることを理解しておきましょう。
検索エンジンの利用者数は膨大
日本での検索エンジンの利用者数は年々膨大しており、2021年7月のデータでは、1位のGoogleが5980万人、2位のYahoo!が4110万人となっています(参照:マナミナ)。
このように、検索エンジンの利用者数はますます膨大になることが予想されるため、SEOでの集客が最重要であることは明確です。
また、日本における検索エンジンのシェアはGoogleとYahoo!を合わせると90%を占めています(参照:statcounter)。
Yahoo!はGoogleの検索エンジンシステムを利用しているため、日本においてはGoogleに特化したSEO対策をすることで、自社サイトを上位表示させることが期待できるのです。
SEOによる集客のデメリット
SEOでの集客はメリットばかりではなく、デメリットも存在します。
しかし、デメリットを正しく理解し適正な対策をとることで、集客は十分可能です。
ここでは、以下2つのSEOによる集客のデメリットについて解説します。
- 時間と労力がかかる
- 検索結果が変動する
時間と労力がかかる
SEOによるWebサイトへの集客は、対策を講じてもすぐにはその効果が現れません。
WebサイトやブログでSEO対策をした場合、その効果が出るのは早くても半年程度の期間が必要とされています。
そのため、SEOで集客するためには中長期を見越した施策が必要です。
特にベンチャー企業などは、自社サイトが検索エンジンに認知されていないことが多く、サイトの評価を得るまでには一定の時間がかかります。
このようなことから、SEOの効果が出るまでには時間と労力がかかるため、地道に取り組む姿勢が集客の秘訣と言えるでしょう。
検索結果が変動する
Googleの検索アルゴリズムは年に2〜4回の割合でコアアップデートを行っています。
コアアップデートとは、Googleが検索アルゴリズムを見直すため、検索結果を大幅に改善することです。
このコアアップデートにより、これまで上位表示していたサイトが次の日には圏外になってしまうことも珍しくありません。
このようなことから、SEOで集客するためには常にGoogleのコアアップデートに注目し、必要に応じて対策を行うことが重要です。
SEOとリスティング広告の違い
SEOとリスティング広告は仕組みそのものが違います。
SEOは「検索エンジン最適化」の意味であり、主にGoogleの検索エンジンでの対策を行うことです。
SEOは、自社のサイトをGoogleのアルゴリズムに最適な対策を施し上位表示を狙えます。ただし、Googleに評価されるまでには一定の時間がかかるため、短期的に結果が出ることはありません。
そのため、時間をかけて地道に取り組むことが必要です。
一方、リスティング広告とは「検索連動型広告」と呼ばれる課金型の広告です。
企業などが広告費を支払うことで検索結果に自社のサイトを載せることができます。
広告費をかけているため検索上位に表示されることが多く、即効性が高いのが特徴です。
リスティング広告がターゲットにしているユーザーは、今すぐそのサービスを購入(利用)したい人達であり、「これから購入する予定」「どんなサービスなのか知りたい」というユーザー向けではありません。
SEO集客の流れ
SEOで集客するためには、ユーザーが知りたい情報や悩みを解決するようなコンテンツを制作する必要があります。
そのためには、正しいSEOの集客の流れを理解し実行することが重要です。
ここでは、SEOで集客するために行うことを以下の6つのステップに分けて解説します。
- 【ステップ1】キーワード選定
- 【ステップ2】ペルソナ設定
- 【ステップ3】見出し作成
- 【ステップ4】タイトル作成
- 【ステップ5】文章作成
- 【ステップ6】確認と改善
【ステップ1】キーワード選定
SEO集客のために最初に行うのがキーワード選定です。
キーワード選定とは、SEOの施策を行うための「単語」や「文章」を選ぶことを指します。
適切なキーワードを選定することで、そのサービスを求めているユーザーのアクセス数の増加が期待できるため重要な作業です。
例えば、ステーキ店を経営していて「低価格 ステーキ おすすめ」とユーザーが検索した際に自社サイトが上位表示されれば、それをきっかけに多くの来店客が見込めます。
キーワード選定には以下の3つの要素が重要です。
サジェストキーワード
サジェストキーワードとは、検索窓にキーワードを入力した際に表示される「候補となるキーワード」のことです。
例えば検索窓で「おすすめ スマホ」と入力すると、その後に「低価格」「ハイスペック」「アンドロイド」など、ユーザーが過去に検索したであろうキーワードが自動的に表示されるのがサジェストキーワードです。
サジェストキーワードは検索エンジンに蓄積された膨大な情報の中から検索頻度や関連度が合致する言葉が表示されます。
そのようなことから、サジェストキーワードは検索される頻度が高いため、SEOでの集客には欠かせないキーワードと言えるでしょう。
共起語
共起語とは、キーワードと一緒に使われやすい単語のことです。
例えば「SEO」について書いた記事の共起語には「Google」「検索」「Webサイト」「コンテンツ」「ユーザー」などが多く出てきます。
共起語は記事の中で自然に使われ、文章に応じた意味を形成する必要があるため、無理に見出しや文章に入れ込めばいいという訳ではありません。
検索窓で自動的に表示されるサジェストキーワードに対し、共起語はキーワードと一緒に文章の中に出現する単語という違いがあります。
共起語を使うことでユーザーが欲しい情報にアクセスしやすくなり、SEOにも効果が期待できます。
関連語
SEOにおける関連語とは、ユーザーが検索に使うキーワードから連想する言葉や同時に検索する言葉を意味します。
共起語がキーワードと一緒に使われる言葉に対し、関連語は検索するキーワードを元に、ユーザーが連想しそうな言葉を表したものです。
例えば「Webライター」と検索するとその後に「副業」「始め方」「資格」などが関連語になります。
また、関連語はGoogleの「関連するキーワード」をチェックすると10項目の関連語(キーワード)で表示されるため、簡単に調べることができます。
関連語が多く表示されることで、キーワードに関するユーザーの欲しい情報が分かるため、SEOでの集客にもいい効果が期待できるのです。
【ステップ2】ペルソナ設定
ペルソナとは、そのサービスや商品のターゲットになるユーザーのことです。
SEOで集客するためには、ペルソナを設定し、ターゲットユーザーを明確にする必要があります。
ペルソナは主に下記の7項目を設定しましょう。
- 年齢
- 性別
- 職業
- 収入
- 趣味
- 家族構成
- 生活環境
例えばこれを元に、住宅関連の記事を書くときのペルソナを設定してみると下記のようになります。
「34歳男性会社員、IT関連の会社に勤務し年収は350万円。趣味は釣りと筋トレ。妻と5歳の男児一人の三人暮らしになったことで、マイホームを購入しようか迷っている」
このような感じで具体的な主人公(ペルソナ)を想定した記事には、該当するユーザーがサイトに流入しやすくなります。
その結果、Googleにも有益な記事だと判断され、SEOの集客にも繋がることが期待できるのです。
また、具体的に人物を絞り込むことで、ペルソナ以外のユーザーにも刺さりやすいことも理解しておきましょう。
【ステップ3】見出し作成
SEO対策の初心者が忘れがちなのが、見出し作成です。
見出しはその記事のタイトルや目次、検索結果に表示されるための重要な役割があります。
Web上の記事だけでなく、雑誌や新聞などでも見出しが目に留まって読んだという人も多いのではないでしょうか。
記事を書く際には、まず全体の見出しを作成することから始めましょう。
例えば家を建てる前には設計図が必要なように、記事を書く際も見出しを最初に作成し、記事の大まかな設計図を完成させることが重要です。
また、Googleの検索エンジンは「title(タイトル)」の次に「h2(大見出し)」→「h3(小見出し)」→「h4(小見出し)」の順で記事全体の流れを理解しています。
そのため、「h3(小見出し)」→「h2(大見出し)」のような逆の流れにすると、Googleもまともな評価ができず、SEOに悪影響が出るため注意が必要です。
【ステップ4】タイトル作成
記事を書くときにまずタイトルを決めるという人は多いと思います。
もちろん、タイトルはどのタイミングで決めても問題ありませんが、理想としては見出し作成が終わったあとがベストでしょう。
なぜなら、最初にタイトルを決めてしまうと、タイトルとかけ離れた見出しや本文になる可能性があるからです。
万が一、記事のタイトルに対し見出しや本文が異なっていると、ユーザーは混乱してしまいます。
その結果、記事から離脱することが多くなり、Googleにも信頼性のない記事だと認識されることがあるため、注意が必要です。
また、検索エンジンも記事のタイトルと見出しや本文の内容が一致することを重視していることから、検索ランキングにも影響が出るのは間違いありません。
ユーザーに刺さるタイトルを付けることで、SEO効果とサイトのアクセス数が上がることが期待できるでしょう。
【ステップ5】文章作成
見出し作成が終わったら見出しに合わせて文章を作成していきます。
文章は「ユーザーファースト」を常に頭において作成することが重要です。
Googlが掲げる10の事実の中でも、「Googleは、当初からユーザーの利便性を第一に考えています」と述べています。
そのため、ユーザーの検索意図に沿った良質なコンテンツを継続して発信することで集客を伸ばす「コンテンツSEO」を意識することも重要です。
また、GoogleではE-E-A-Tを重要視しています。
E-E-A-Tとは「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の意味です。
つまり、その記事がどれだけ「経験値に沿っているか」「専門性があるか」「権威性があるか」「信頼性があるか」で、Googleの評価にも大きな影響があります。
これらをまとめると、文章作成は「ユーザーファーストかつE-E-A-Tを満たしている」ことが重要と言えるでしょう。
【ステップ6】確認と改善
記事の文章作成まで終わったら、いよいよ記事をネット上に公開します。
しかし、記事を公開してそれで終わりではありません。
Googleのアルゴリズムは定期的に更新されるため、公開した記事も定期的に確認や改善をしていく必要があります。
記事を公開後は以下の2点を行うことが重要です。
- アクセス解析
- 記事のリライト
アクセス解析
アクセス解析とは、ユーザーの特性や行動を分析してWebサイト(ページ)の閲覧状況を把握した上で、効果が出そうな課題を定期的に改善していくことです。
改善するのはアクセス数(PVやセッション)の多いページから行いましょう。
PVはサイトのページが閲覧された数、セッションはユーザーがサイトを訪問した回数のことを指します。
PVやセッション数を把握することは、自社のサイトの成果を上げるために欠かせません。
同じサイトでもページごとにPVやセッション数が変わってくるため、ページごとのアクセス解析は必須です。
また、アクセス解析にはCVR(コンバージョン率)が重要なため、定期的にCVRをチェックする必要があります。
CVR(コンバージョン率)とは、サイトの訪問者数に対して購入・問い合わせ・申し込みなどのアクションを起こした訪問者数の割合を示す指標のことです。
CVRが減少した場合、必要に応じてタイトルや見出しの見直しも検討しましょう。
アクセス解析には集客経路やユーザーの行動が分かる「Googleアナリティクス」や、サイトのアクセス数や検索キーワードの状況が分かる「Googleサーチコンソール」などの無料で使えるツールを活用すると便利です。
記事のリライト
リライトとは、すでにネット上にアップした記事をより良いコンテンツにするために、文章の追加・書き換え・削除などを行うことを指します。
なぜリライトをするかというと、Googleのアルゴリズムが定期的にコアアップデートを行うためです。
アルゴリズムのアップデートにより、これまで上位表示されていたページが突然圏外まで落ちてしまうことは珍しくありません。
また、ユーザーの検索内容は日々変化していくため、SEOの環境も日進月歩です。
これらの変化に対応するため、既存の記事に古い内容があれば削除や書き換えを行う必要があります。
ただし、やみくもにリライトをすると、かえってGoogleの評価を下げることもあるため、リライトする記事を適切に選択することが重要です。
リライトをする記事のポイントとしては以下の3つがあります。
- 大幅に検索ランキングが下がったページ
- CTR(クリック率)やCVR(コンバージョン率)は高いが順位が伸びていないページ
- 「低品質なコンテンツ」だと検索エンジンに判断されていそうなページ
これらに該当する記事(ページ)は、Googleのコアアップデートにより検索エンジンに変化が生じた可能性があるため、早急にリライトを行いましょう。
SEO集客は地道な取り組みが重要
SEO集客は自社サイトのアクセス数を増やすために大事な施策です。
SEO集客は無料で対策ができるというメリットがある反面、時間と労力がかかるというデメリットもあります。
SEOで集客するためには、キーワード選定やペルソナ設定などを明確にすることや、SEOを意識した見出しやタイトルの作成をすることが重要です。
また、文章作成ではE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を意識し、Googleに評価されるサイトにすることでSEO集客には欠かせません。
サイトを公開した後でも、記事のアクセス解析やリライトなど、対策することは山ほどあります。
Googleアナリティクスやサーチコンソールなどの専用ツールを利用することも大事ですが、SEO集客の流れを理解し、トライアンドエラーを繰り返しながら地道に取り組んでいくことが重要です。