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マーケティングにおけるペルソナ

マーケティングにおける「ペルソナ」とは?メリットや活用事例をご紹介

この記事の監修者
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橋本 琢王
CIRANUI株式会社代表取締役 2015年にエンジニアとしてのキャリアをスタートし、制作会社のWEBディレクター、ヘルスケアスタートアップのWEBエンジニア、事業会社のプロジェクトマネージャー・プロダクトマネージャーなど様々なプロジェクトに参画。 プロジェクトマネージャー、WEBディレクター、WEBエンジニアとしてのキャリアを築く。 プロジェクトに参画しながら、2016年にフリーランスチーム「FIREWORKS」を立ち上げ、フリーランスで活躍するエンジニアやデザイナーと共に、WEBブランディング、WEB開発を行う。 2021年に個人事業主から法人化をしてCIRANUI株式会社代表取締役に就任。

マーケティング施策を考える前に作成するのが、自社商品やサービスを利用するユーザー像をイメージしたペルソナです。

ペルソナ設定をおろそかにしてしまうと、マーケティング施策が失敗に終わる可能性が高くなります。

あなた自身も、「ペルソナの意味がよく分かっていない」「ペルソナってどんなところで使われているの?」といった疑問をお持ちかもしれません。

そこで本記事では、以下の5つのテーマに分けてペルソナについて解説していきます。

最後まで読めばペルソナの特徴はもちろん、実務でもペルソナをうまく活用できるようになるでしょう。

マーケティングにおける「ペルソナ」ってなに?

マーケティングにおけるペルソナ_9

マーケティングにおけるペルソナとは、自社商品やサービスを利用する典型的なユーザー像を指します。

ペルソナを作成するときは年齢や性別、職業といった属性だけでなく、趣味や価値観といった内面的な部分も設定します。

具体例を挙げて、ペルソナとは一体どういうものか見てみましょう。

ペルソナのサンプル

名前 坂田結衣
性別 女性
年齢 30歳
職業 看護師
年収 450万円
家族構成 独身
移住地 東京都中野区(1Kマンション)
趣味 映画鑑賞、マッサージ、食べ歩き
休日の過ごし方 友達と予定が会うときは都内のカフェで食事に行く

基本的には家でゆっくり映画を見ながら過ごすことが多い

悩み 仕事の裁量が増えてプライベートの時間が減ってきた

お給料は十分もらっているのでこのまま続けるか辞めるかで悩んでいる

よく使うメディア Instagram、Twitter、Netflix

あくまでもペルソナは「架空の人物」ですが、実在しているかのような人物像をイメージして作成します。

ターゲットとペルソナの違い

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「ペルソナ」と似た意味の言葉に「ターゲット」があります。

ペルソナとターゲットは自社商品やサービスのユーザー層を定義する点では同じですが、

ユーザーの詳細度が異なります。

「30代女性」「首都圏在住」のように年齢や性別、移住地といった属性のみでユーザーを定義するのがターゲットです。

一方ペルソナは、「名前:加藤結衣」「30歳独身」「趣味は映画鑑賞・マッサージ・食べ歩き」「休日は家で過ごすことが多い」のように属性や趣味、ライフスタイルといった具体的な人物像を設定します。

ターゲットは不特定多数、ペルソナはある一人を定義した言葉だと覚えておきましょう。

ペルソナを設定するメリット3選

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ターゲット設定よりも手間と時間がかかるペルソナ設定ですが、わざわざペルソナを作成するメリットはどういったものがあるのでしょうか?ここでは下記の3つについて詳しく解説します。

  • ユーザー視点の精度を高められる
  • ターゲットとなるユーザー像をチーム内で統一できる
  • 時間やコスト削減に繋がる

ユーザー視点の精度を高められる

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ペルソナを作成するときは属性や価値観といった情報を決めて、具体的な人物像を作り上げます。

ペルソナの性格や考え方を理解すると「ペルソナが抱えている悩みや課題」「今、ペルソナが求めていること」といったニーズを把握できます。

設定したペルソナのニーズを満たす施策が打てれば、ペルソナと似た境遇にいるユーザーに響くアプローチが可能です。

また、ターゲット目線(例:30代女性・首都圏在住)でマーケティング戦略を考えようとするとターゲット範囲が広すぎて、商品コンセプトが曖昧になり競合他社との差別化が難しくなります。

独自の強みを見つけ競合他社の商品に負けないためにも、ペルソナの考えは必要不可欠なのです。

ターゲットとなるユーザー像をチーム内で統一できる

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ペルソナ設定するとユーザー像をチーム内で統一できるので商品やサービス、マーケティング施策の方向性がブレにくくなります。

しかし、ペルソナではなくターゲットでマーケティング戦略を進めてしまうと、チーム内で認識のズレが発生する可能性が高くなります。

たとえば、ターゲットを「30代女性・首都圏在住」と仮定しましょう。

人によって「独身女性」「働くママ」「専業主婦」など、さまざまな意見が出てくるかと思います。

上記の状態だと本当にユーザーが必要としているニーズが分からず、適切な施策が打てません。

チーム全員が同じ目標に向かってプロジェクト遂行するためにも、ペルソナ設定は必要です。

時間やコストの削減に繋がる

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ペルソナの作成は時間と手間がかかります。しかし、ペルソナがあるとプロジェクトを円滑に進められるので、結果として時間やコストの削減に繋がります。

なぜなら、ペルソナによってアプローチしたいユーザー像が明確になるので、プロジェクトの方向性が定まり、不要な施策を打つ必要がなくなるからです。

また、関係者間によるユーザー像の認識のズレが最小限に抑えられるため、作業の手戻りやコミュニケーションロスの削減が可能になります。

ペルソナマーケティングの活用事例

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「ペルソナの作成で本当にビジネスがうまくいくの?」と疑問に感じたあなたに向けて、ペルソナマーケティングの効果が分かる成功事例を3つご紹介します。

Soup Stock Tokyo

ペルソナマーケティングの成功事例として有名なのが「Soup Stock Tokyo(スープストック東京)」です。

ペルソナは「秋野つゆ」という37歳のキャリアウーマンで、特徴として下記の項目が設定されました。

・フォアグラよりもレバ焼きを好む

・プールに行ったら平泳ぎではなく豪快にクロールで泳ぐ

Soup Stock Tokyoの商品には関係なさそうな「豪快にクロールで泳ぐ」といった性格まで細かく決められており、まるで実在する人物かのように徹底的にペルソナを作り込みました。

そして、秋野つゆさんが満足しそうなメニュー開発や店舗雰囲気の改善を行った結果、創業10年で売上42億円に達しました。

アサヒビール

アサヒビールは消費者2000人へのインタビューと定量的なデータ分析結果をもとに、ペルソナを作り上げました。ペルソナは44歳の男性で、下記が具体的な設定項目です。

・44歳の男性

・都内在住

・自営業で年収900万円

・1歳下の妻、長男16歳、長女15歳の4人家族

ペルソナが求める商品を考え、冷えた発泡酒をイメージさせる商品名(クールドラフト)とパッケージが誕生し、結果として2009年3月から6月末までに296万箱の販売に成功しました。

日立アプライアンス

業務用エアコンを取り扱う日立アプライアンスは、消費者と直接やり取りする設備店の経営者「旭立信彦」をペルソナに設定しました。

実際に業務用エアコンの取り付けをしている1,800店舗以上にアンケートを行い、限りなく現実に近いペルソナを作り上げました。

ペルソナ設定により設備店が抱えている課題を解決し、市場シェアを9.8%から11.1%まで向上させたのです。

ペルソナ設定のマーケティングは古いって本当?

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ペルソナについて調べてみると「ペルソナは時代に合っていない手法」「古い」といった意見が出てきます。

結論からお伝えするとペルソナはマーケティング手法として有効ですが、時代に合ったペルソナの設定が必要です。

なぜなら、インターネットやスマホの普及、ビジネスにおけるSNSの拡大、マーケティング施策の多様化といった理由が挙げられます。

たとえば、ペルソナ設定した目的を「商品の認知拡大」と仮定します。

商品を知るには実店舗やWebサイト、SNS(Instagram、YouTubeなど)の広告やインフルエンサー経由など多数の選択肢があり、ユーザーの行動や考え方が煩雑化してきました。

しかし、一度設定したペルソナの見直しや、ペルソナに必要な項目を追加することで、時代の変化やユーザーのニーズに適したマーケティング施策は可能です。

ですので、ペルソナが「古い」ということはなく、現代でも十分に力を発揮しているマーケティング手法の一つになります。

ペルソナはカスタマージャーニーマップにも活用できる

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ペルソナはカスタマージャーニーマップにも活用できる手法です。

カスタマージャーニーマップとは商品やサービスと関わる過程でユーザーがどういった行動をとり、何を感じ、何を考えながらゴールまで辿り着くのかを可視化したフレームワークを指します。下記がカスタマージャーニーマップの簡単な例です。

ペルソナ:新しいリップを探している30代女性(独身・東京都中野区在住・年収450万)

フェーズ 探す 購入 利用 評価
行動 ・SNSで検索

・知人に相談

・ネットで購入 ・友達と遊びに行くときにリップを利用 ・SNSで共有

・コスメサイトにレビューを書く

思考 ・どこで購入できる?

・いくらで買える?

・クーポン利用で安く買えた

・届くまでに時間がかかった

・自分に合っている色だった

・マスクにもあまり色移りしなかった

・周りの評判もよくて嬉しい

このようにカスタマージャーニーマップを作成するときには、ペルソナは必要不可欠です。ペルソナがないとユーザーの具体的な行動予測はできません。

つまり、ペルソナをカスタマージャーニーマップに落とし込み、カスタマージャーニーマップの過程でペルソナが起こす行動を分析出来れば、より精度の高いペルソナマーケティングが可能になります。

ペルソナ作成の5ステップ

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ペルソナの作成手順は下記の通りです。

  • 自社分析
  • 仮定するペルソナの情報収集を行う
  • ペルソナの設定項目を決める
  • 具体的にペルソナを作る
  • ペルソナを確認する

1つずつの工程について詳しく解説します。

1. 自社分析

まずペルソナを設定する前に自社を取り巻く環境、強みや弱みを理解します。

そのためには3C分析と呼ばれるフレームワークを使用します。

3C分析とは「Costomer(市場・顧客)」「Company(自社)」「Competitor(競合)」の3つの視点から調査や分析をし、自社のビジネス戦略に活用する手法です。

3C分析するとユーザーニーズや自社の強みが把握でき、マーケティング施策の方針を定めやすくなります。

2. 仮定するペルソナの情報収集を行う

ペルソナを決めるためのデータを集めます。情報収集の方法は下記の通りです。

  • インタビューやアンケートの実施
  • アクセス分析データの活用
  • InstagramやTwitterなどのSNS
  • 口コミサイトのレビュー など

出来るだけ多くの方法を駆使して情報を集めると、新しい発見や特性が明らかになる可能性があります。リアルなペルソナを作るためにも、情報収集は念入りに行なってください。

3. ペルソナの設定項目を決める

ペルソナの設定は年齢や性別だけではなく仕事や収入、休日の過ごし方など、人物像が明確に分かるように設計します。

下記にペルソナ設定項目の例を挙げます。

  • 基本情報(名前、年齢、性別、移住地、出身地、誕生日など)
  • 職業(業界、職種、役職、年収など)
  • 学歴や職歴
  • 家族構成(独身、既婚、子どもの有無など)
  • 趣味 / 特技
  • 性格や価値観
  • 抱えている悩み
  • ライフスタイル(休日の過ごし方、お金の使い方など)

当たり前ですが、商品やサービスを購入するのは実在する人間です。

そのため、ペルソナも実在する人間に近づけていかなければなりません。

ペルソナの人物像を頭で思い描けるようにするためにも、ペルソナの項目を細かく設定する必要があります。

4. 具体的にペルソナを作る

ペルソナの設定項目が作成できたら、名前や年齢など具体的に決めていきます。

このとき、何も考えずに憶測や理想だけで人物像を決めないように注意してください。

2で集めた客観的なデータを用いて、ユーザー像が逸脱しないようにしましょう。

5. ペルソナを確認する

ペルソナが出来上がったら「現実離れしていないか?」「ターゲットとしてふさわしいか?」といった視点から関係者同士で確認します。

実際にお客さんと接している人に確認してもらえれば、より忠実なペルソナを再現出来るでしょう。

また、2で集めたデータとペルソナを照らし合わせて、大きなズレがないか確認するのも1つの手段です。

ペルソナ作成時の注意点

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ペルソナを作成し、有効活用するために注意するべき3つのポイントがあります。ここでは、下記3つについて解説します。

  • 必要な情報のみ定義する
  • 先入観や固定観念をなくす
  • ペルソナは定期的に見直す

必要な情報のみ定義する

ペルソナに必要な情報のみ定義し、不要な情報を付加しすぎないように注意してください。

余計な情報を付加してしまうとペルソナが複雑になってしまい、マーケティング施策の方向性を見失う可能性が出てきます。

たとえば、建築商品を購入するペルソナを決める際に「好きな花」や「からだに関する悩み」は関係ありません。

自社商品やサービスのユーザーを把握するために必要な情報のみ選択するように心がけてください。

先入観や固定観念をなくす

「ユーザーの特徴はこれだ」といった先入観や固定観念で、ペルソナ作成してはいけません。なぜなら、実際に購入するユーザーと大きくかけ離れる場合が出てくるからです。

たとえば、「なんとなく」30代の働くママをペルソナにし、ターゲット層向けのマーケティング施策を打っても全く成果が出ませんでした。なぜなら、実際に購入しているのは20代の独身女性がメインだったからです。

上記のような誤ったマーケティング施策を打たないためにもアンケートやSNS、ブログなどの媒体で集めたデータをもとにペルソナ作成を行なってください。

ペルソナは定期的に見直す

ペルソナは一度作成したら終わりではなく、なんども見直してブラッシュアップしていきます。

なぜなら、市場やユーザーの取り巻く環境の変化によりユーザーの行動や悩みが変わる場合があるからです。

また、実際にマーケティング施策を進めてみて、思ったような成果が出ない時にもペルソナ設定の見直しが必要になります。ペルソナの見直しを繰り返しながら、より現実の顧客に近いペルソナを作成していきましょう。

まとめ

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ペルソナの特徴やメリット、活用事例をお伝えしました。

ペルソナは自社商品やサービスを利用する典型的なユーザー像のことです。

似た言葉にターゲットがありますがターゲットは不特定多数を意味し、ペルソナはターゲットの中のたった1人を指します。

混同しやすい言葉なのでこの機会にしっかり覚えておきましょう。

ペルソナは「古い」と言われていますが、時代に合ったペルソナ設定が出来れば、十分に有効活用できるマーケティング手法です。

「ユーザーに合わせた商品やサービス作りに役立つ」「時間やコストの削減」といったメリットも兼ね備えているのが、ペルソナマーケティングです。

この記事を参考にし、より効果的なペルソナマーケティングを行っていきましょう。