ローカルSEOは、店舗を構えたビジネスをするときにユーザーに認知してもらうための対策であり、集客アップをするために重要な対策です。
SEOは多くの会社が対策していますが、ローカルSEOはこれから対策する会社が増えてくるでしょう。
早くローカルSEO対策をすることで、他の店舗より地域性の強い集客対策が可能になります。
本記事ではローカルSEOの概要から基本対策、ポイント、さらに注意点まで徹底解説します。
集客に力を入れ、収益を上げたい会社のSEO担当者や経営者の方は、ぜひ参考にしてください。
ローカルSEOとは?
ローカルSEOとは、特定地域や場所にフォーカスしたキーワード検索をした場合に、検索結果が上位表示されるよう最適化をすることです。
特定地域や場所にフォーカスしたキーワード検索とは、Google検索するときに「地域名+キーワード」や、直接地域の影響を受けるキーワードです。
具体的に以下のようなキーワードは地域情報の影響を受けます。
- 飲食店(レストラン・カフェ・居酒屋…)
- 地域密着店舗(美容室・クリーニング・花屋…)
- 地域密着の緊急性がある業態(水回りの修理・車の修理・鍵の修理…)
- 教育施設(学校・塾・スイミングスクール…)
- 医療施設(病院・歯科・眼科・皮膚科…)
- 士業(弁護士・税理士…)
「地域名+キーワード」で検索する人の多くは、その場所に訪れたい、ピンポイントの情報が欲しいとコアな目的がある人です。
そのため、地域性の強いキーワードで上位表示を狙えれば、集客に大きな影響がでてきます。
ローカルSEOを理解し、地域性の強いキーワードで検索結果を上位表示させる対策をしておくことはビジネスでは重要なのです。
ローカルSEOと関連対策の違い
ローカルSEOについて調べると「SEO」や「MEO」と似た言葉がでてきます。
「SEO」と「MEO」の言葉が、どういった意味を持っているか理解しておくことで、よりローカルSEO対策の理解が深まるでしょう。
では、ローカルSEOに対して「SEO」と「MEO」の目的や対策は何が違うのか、具体的に解説します。
SEOとの違い
SEOとは「検索エンジン最適化」のために行う対策です。
SEOでは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでキーワード検索した場合に、サイトが上位表示されることを目指して対策します。
サイトが上位表示できれば、サイトへのクリック率があがり、収益を得られるチャンスがあるのです。
そのため、SEOはWebサイトを運営するのに欠かせません。
一方、ローカルSEOは地域を限定するキーワードで対策をし、店舗情報や自社のビジネス情報の上位表示を目指します。
つまり、SEOはWebサイトが対象であり、ローカルSEOは実店舗や地域のサービスが対象と大きな違いがあるのです。
MEOとの違い
MEOとは、Map Engine Optimizationの略称で「マップエンジン最適化」のために行う対策です。
地域検索やローカル検索をした場合に、表示される店舗情報を最適化し、上位検索表示などを目的とした対策をします。
ローカルSEOは前述のとおり、店舗情報や自社のビジネス情報を上位表示させる対策です。
つまり、MEOとローカルSEOは同じ意味を示しています。
実は「MEO」という表現をするのは日本独自の言葉で、海外ではローカルSEOと呼ばれているのです。
そのため、MEOとローカルSEO対策は同じものだと認識しておいてよいでしょう。
ローカルSEOの種類
ローカルSEOの種類はいろいろありますが、ここでは代表的な以下の2種類を紹介します。
- ローカルパック
- ナレッジパネル
2種類のローカルSEOは、検索結果の画面表示が違うのが大きな違いです。
それぞれの要素や特徴を理解しておくことで、よりローカルSEOをさまざまな方向から対策できます。
では2種類のローカルSEOについて詳しく解説します。
ローカルパック
ローカルパックとは、検索したときにトップに表示されるGoogleビジネスプロフィールのリストのことです。
以下はGoogle検索で「新宿 美容院」と検索した場合のローカルパックです。
ローカルSEO対策をし、ローカルパックの上位表示に店舗情報が出てくるようになれば、集客アップを見込めるようになります。
ローカルパックには、以下の4種類があります。
- 通常のローカルパック
- ローカルスナックパック
- ローカルABCパック
- ローカルフィンダー
通常のローカルパックは「地名+業種」で検索したときに、Googleマップと一緒にトップに表示されるものです。
ローカルスナックパックは、飲食やサービス、娯楽(美術館・動物園)のカテゴリを検索したときに表示されます。
また、店舗の写真やサービス内容の一部が表示されます。
ローカルABCパックは、ブランド名やジャンル名を検索したときにABCで表示され、地図上にマークで示されるものです。
例えば、コンビニやガソリンスタンド、駐車場などです。
ローカルフィンダーとは、上位3店舗以外を表示させたときのリストを意味します。
ユーザーの目に留まる確率は低くなるため、集客アップのためには通常のローカルパックへ表示されることを目指しましょう。
ナレッジパネル
ナレッジパネルとは、企業名や店舗名、固有名詞を直接検索した場合に画面の右側に表示されるパネルのことです。
ナレッジパネルには、以下の2つの特徴があります。
- 公式サイトをクリックせずにユーザーは基本的な情報を収集できる
- Googleビジネスプロフィールの内容をもとにGoogleが自動生成してくれる
基本的な情報とは、営業時間や住所、予約方法、価格、口コミなど多くのユーザーが知りたいと思っていることが一目でわかるのです。
また、ナレッジパネルは自動生成されるからこそ、まれに情報が正しくないことがあります。
間違った情報はユーザーの好感度を下げ、ローカルパックの表示順位にも影響を与えます。
常に正しい情報になっているか確認し、正確な情報を掲載できるようにする必要があるのです。
まずは自社の店舗名を実際に検索し、目視でチェックをしましょう。
情報が間違っていた場合は、以下の手順で正確な情報を掲載させます。
- ナレッジパネルの左下にある「ナレッジパネルの認証を受ける」をクリック
- 「認証する」をクリック
- 認証を受けたGoogleアカウントにログインした状態で「ウェブとアプリのアクティビティ」を有効にする
- Google検索から自社のナレッジパネルを表示
- ナレッジパネルの上部に「情報の修正を提案」をクリック
- 修正情報を入力後送信
- 審査結果のメールを待つ
ローカルSEOを行うメリット
ローカルSEOをするメリットは、検索上位表示されるだけではありません。
以下の3つのメリットもあります。
- 競合が多くない
- 集客に直結しやすい
- 始めやすく費用対効果が高い
ローカルSEOはSEOほど多くの店舗が対策をしていません。
早く対策を実施すれば、メリットの効果はさらに大きくなるでしょう。
ではそれぞれ詳しく解説します。
競合が多くない
ローカルSEOは、近くの店舗の競合相手に対して行うため、競合が多くないメリットがあります。
Webサイト全般のSEOは多くの企業が対策をしているため、検索上位に表示させることは簡単ではありません。
しかし、ローカルSEOであれば競合相手が少ないので、場合によっては簡単に検索上位に表示させることが期待できます。
なぜなら、ローカルSEO対策をしっかりしている店舗が少ないからです。
ローカルSEOの認知度がまだ低い状況で、競合が多い都心部の店舗でも対策をしていない場合があります。
早めにローカルSEO対策をするだけで、大きく集客を伸ばせることが期待できるでしょう。
集客に直結しやすい
来店目的などがあるユーザーが、特定の地域や場所を絞って検索をします。
ローカルSEOは、興味を持ってくれているユーザーに対して直接店舗情報を見せられるため集客しやすいメリットがあります。
さらに、住所や店舗名、マップや電話ボタンがあるので予約などの集客に直結しやすいのです。
つまり、ローカルSEO対策をすれば来店するきっかけづくりやサービスを利用してもらうための導線をつくることができるのです。
また、ローカルSEO対策をすることで、店舗情報を何度もユーザーの目に触れさせる機会を作れます。
人は何度も目にしたものは、好感度や評価が上がる傾向があります。
長期的にみても、店舗の認知度アップや評価アップになり集客につながることもメリットでしょう。
始めやすく費用対効果が高い
Google検索の結果で利用できるGoogleビジネスプロフィールは、無料で登録ができコストもほとんどかかりません。
そのため、ローカルSEOは始めやすく費用対効果が高いメリットがあります。
Googleビジネスプロフィールを登録すると、WebサイトのURLから住所、電話番号など店舗情報を記載できるので集客が実質無料で見込めるのです。
記載する情報はGoogleビジネスプロフィールの通りに入力するだけなので、チラシのようにデザインや記載する内容に困ることはありません。
費用面だけでなく、記載内容があらかじめ決まっていることに関しても始めやすいと言えるでしょう。
ローカルSEOの基本対策
ローカルSEOの基本対策として以下の3つがあります。
- Googleビジネスプロフィールの登録
- レビュー集め
- NAP表記の統一
自分で対策できるものから、利用者の協力を必要とするものまであります。
しかし、ひとつずつ確実に対策していくことでローカル検索されたときに、上位表示を狙えるでしょう。
では具体的な対策方法から重要なポイントなどを詳しく解説します。
Googleビジネスプロフィールの登録
ローカルSEOで最初にすることは、Googleビジネスプロフィールの登録です。
なぜなら、ローカルSEOのランキング要因で影響力が高いものがGoogleビジネスプロフィールへの情報登録になるからです。
ビジネス情報を充実させることでローカルSEOの評価が高まります。
なるべく詳細は細かく、店舗の写真なども載せましょう。
写真は、文字だけでは伝えきれない雰囲気やイメージをユーザーに与えられるため、より集客につながります。
また、Googleビジネスプロフィールに登録をしていれば、自動でナレッジパネルが生成されユーザーに見てもらいやすくなります。
そのためローカルSEOの基本として、Googleビジネスプロフィールの登録からまず始めましょう。
レビュー集め
Googleビジネスプロフィールに良いレビュー、口コミを多く集めることがローカルSEOにつながります。
ローカルSEOの評価要因として、レビューの影響度が年々高くなってきているからです。
具体的なレビューの内容は、検索結果(ローカルパック・ローカルファインダー)に表示されるため、注目されやすくなります。
レビューは、人気度の指標であり、ユーザーが店舗に行くか行かないかを決めるときの貴重な判断材料です。
そのためレビューに対してできる限り返信するなどすることも、ユーザーの好感度が上がる要素になります。
レビューを集めるには、利用者にレビューを書いてもらえるような仕組みづくりをすることが重要になります。
NAP表記の統一
NAP表記とは「Name(店舗名)」「Address(所在地)」「Phone(電話番号)」のことです。
店舗名と所在地、電話番号の情報は表記を必ず統一させましょう。
情報を一致させないとGoogleに別のビジネスだと判定されてしまうリスクがあるからです。
例えば、以下の場合は別のビジネスと判定されるかもしれません。
- 店舗名:カタカナ表記やアルファベット表記がある、株式会社と(株)表記がある
- 所在地:番地表記とハイフンを使う、ハイフンが半角と全角を使う
- 電話番号:市外局番のある・なし、ハイフンとカッコを使っている(例「0000-000-0000」「0000(000)000」)
基本的な情報だからこそ、NAP表記は統一させGoogleに正確に伝わるようにしましょう。
ローカルSEO対策のポイント
ローカルSEO対策のポイントは以下の3つです。
- 関連性
- 距離
- 知名度
これらはGoogleビジネスプロフィールのサポートセンターで、ローカル検索結果のランキングの評価の仕組みと改善方法として公表されています。
3つのポイントを押さえて、ローカルSEO対策をしましょう。
では、それぞれがどんな要素でどう影響するのかを解説します。
関連性
関連性とは、検索されたキーワードとGoogleビジネスプロフィールに登録されている内容が一致している度合いのことです。
例えば、「美容院 カラー」と検索した場合を想定すると、Googleビジネスプロフィールのカテゴリや説明欄などにカラーに関する情報を入れます。
そうすることで、検索キーワードとGoogleビジネスプロフィールの関連性が強まり、検索上位に表示される可能性が高まるのです。
Googleビジネスプロフィールに掲載する情報が多いほど、検索キーワードに引っかかりやすくなります。
掲載情報を充実させることがローカルSEOのポイントです。
距離
距離とは、検索キーワードで検索した場所から店舗までの距離を評価する要素です。
例えば、「カフェ」というキーワードを地域を限定しないで検索した場合を想定します。
検索ユーザーの現在地情報をもとに近隣のカフェの検索結果を表示させるのです。
ユーザーが地域と業種などで検索する場合「その場所に行きたい」「その場所の情報が欲しい」欲求があるため、距離の要素を利用しているのです。
そのため、確実に来店につなげるためには、店舗の正確な場所を記載しておくことが重要になります。
また、地域を指定して検索した場合にも同様に、指定地域から店舗までの距離により検索結果が表示されます。
知名度
知名度とは、店舗やビジネスがどれだけ広く知られているかを評価する要素です。
有名なチェーン店やブランド店、ホテルなどは上位に表示される傾向があります。
知名度に影響するのは、レビュー内容・評価のスコアや口コミの数、サイテーションや被リンクの獲得などです。
つまり、インターネット上で自社の店舗やビジネスについて、ユーザーの行動があるかがローカルSEOの知名度に影響するのです。
開業したばかりの店舗が長年営業している店舗に対して知名度の評価で狙っていくのは簡単なことではありません。
しかし、レビュー集めをはじめたり、事業に対する姿勢や丁寧な接客対応など対策できることがあります。
地道ですが知名度に対して対策できることはあるので、早めに対策行動すると良いでしょう。
ローカルSEOを行う上での注意点
ローカルSEOを行う上で以下の2つの注意点があります。
- 情報の更新はこまめに行う
- ガイドライン違反
これらの注意点を守らない場合、ユーザーからの信用やGoogleからの信用を失うリスクがあります。
集客において、このリスクはかなり大きいので気をつけましょう。
ローカルSEOは、地道に注意点を守りながら対策をすることが大切です。
ではそれぞれ詳しく解説します。
情報の更新はこまめに行う
Googleビジネスプロフィールの情報更新はこまめに行うことを心がけましょう。
更新を怠った場合、古い情報によりユーザーの信頼度を落とす可能性があるからです。
例えば、営業日の変更をしていなかった場合、休みだと知らずに来店してしまうかもしれません。
「Googleビジネスプロフィールを確認して来店したのに…」とユーザーの期待を裏切ってしまいます。
また、情報が不確かで確かめようがないとユーザーは認識するので、再来店の機会を失ってしまうでしょう。
そのため、確かな情報を届けるためもGoogleビジネスプロフィールの登録後も情報をこまめに更新するようにしましょう。
効果的な情報更新は期間限定イベント情報です。
Googleは旬の情報や最新情報をユーザーにとって価値の高い情報とする傾向があるため、定期的に情報を投稿しましょう。
ガイドライン違反
Googleのガイドライン違反に注意しましょう。
以下の2つは違反行為にあたります。
- 口コミに報酬を払う
- 被リンクを購入する
もし、このような違反行為をするとペナルティを課せられ信頼を失います。
ペナルティは、ローカルパックの表示順位が下がったり、ナレッジパネルが削除されたりするなどです。
Googleは情報の正確さや公平さを重視しています。
そのため、純粋なユーザーからの口コミに価値をおいているのです。
ガイドライン違反をしてしまうと、これまで積み上げて対策したローカルSEOの意味が一瞬でなくなってしまいます。
無理な集客をせず、地道に対策をしていきましょう。
ローカルSEOを有効活用しよう
ローカルSEOは、特定地域や場所にフォーカスした検索をした場合に検索結果が上位表示されるよう最適化をするための対策です。
簡単に始めやすく、競合も多くないため検索上位表示できる可能性が高い対策になります。
また、上位表示できたときの集客効果は非常に大きく、費用対効果も高くメリットが大きいのが特徴です。
しかし、自分で行える施策以外のレビュー集めなどは地道にする必要があるため、早めにローカルSEO対策に取り掛かりましょう。
ぜひ会社のSEO担当者や、経営者の方はローカルSEOを有効に活用しビジネス展開してください。