Webエンジニアの仕事は度々きついと耳にします。
企業によっては残業が日常茶飯事だったり、休日出勤を命じられるなど様々な要因が考えられます。
しかし、何事にも向き不向きはあり、きついと言われている多くは“自分には向いていなかった”という人たちが発信した情報により起因しているものです。
そこで本記事では、頑張ってWebエンジニアになったあとに自分には向いていなかったとなってしまわないように、事前にWebエンジニアがきついと言われている理由を紹介していきます。
- Webエンジニアはきついのか?
- Webエンジニアを目指す前に知っておくべきIT業界のこと
- なぜWebエンジニアはきついと言われるのか?
- Webエンジニアに向いている人の特徴
- Webエンジニアに向いていない人の特徴
- Webエンジニアに転職する前に確認しておくべきこと
- Webエンジニアがきついと感じたら
最後まで目を通し、自分がWebエンジニアに向いているのかを確認していきましょう。
Webエンジニアはきついのか?
職場によって異なりますが、Webエンジニアは労働時間が増えがちです。
大きな理由として、
・納期に間に合わせるように残業
・予期せぬトラブル発生による休日出勤
をせざるを得ない職業だからです。
そのため、仕事よりプライベートを優先したい方には合わない可能性も出てきます。
しかし、1つ1つのプロジェクトにゴールが決まっている分、物作りが好きな方には達成感といった報酬を受け取ることができるため、クリエイティブ職ならではのやりがいを感じることができるでしょう。
Webエンジニアを目指す前に知っておくべきIT業界のこと
Webエンジニアを目指すうえで、IT業界は現状どのような環境化に置かれているのかを把握しておく必要があります。
これから紹介する3つの現状を事前に知っておくことで、Webエンジニアに対する転職後のギャップを減らすことができるでしょう。
- 基本的に実力主義
- 業界の流れは早い
- 慢性的な人手不足
基本的に実力主義
Webエンジニアの評価は実力により左右される傾向にあり、その人の能力次第で役職や収入に関わってくることもあります。
もちろんコミュニケーションスキルなど最低限に必要なものはありますが、必要なのは学歴や年齢ではなく実績やスキルです。
専門職となるため、スポーツの世界と同じように常に優れたパフォーマンスが発揮できるよう着実に実力を培っていきましょう。
業界の流れは早い
IT業界の流行の移り変わりは激しいです。
長年Webエンジニアとして勤めてきたとしても、新たなトレンド技術が出てしまえば再び一から勉強です。
そのため、今までの技術が置いてけぼりとなり、新たなトレンド技術を学んできた新人たちに実力で抜かされる可能性も出てきます。
新人たちに負けないように常にトレンドに対してアンテナを張り、自身のスキルを日々アップデートしていくように心掛けましょう。
慢性的な人手不足
現状、IT業界は人手不足が進行している状態です。
人手不足になると、企業によっては一人当たりの業務の幅が広がってしまい、必然的に残業や休日出勤が増えてしまいます。
Webエンジニアとして転職する際は、予期せぬ仕事を押し付けられてしまわないように、そこの企業が役割ごとに業務の細分化を行なっているか確認をしておくようにしましょう。
参照: IT 人材需要に関する調査 ー 調査報告書 – 経済産業省 1ページ目より
なぜWebエンジニアはきついと言われるのか?
上記で触れてきた内容ならどこへ行っても同じと思われた方もいるでしょう。
しかし、ここからはWebエンジニアがきついと言われている、より独自で具体的な内容を説明していきます。
- 一人がこなす範囲が広く業務量が多い
- アジャイル開発のためスピードが求められる
- 急な仕様変更やバグの発生で残業も珍しくない
- 技術変化が激しいので常に技術を磨き続ける必要がある
- シンプルに激務の職場がある
しかし、これらのことは企業により異なるため、あくまでも参考程度にしてください。
それでは一つ一つ詳しく見ていきましょう。
一人がこなす範囲が広く業務量が多い
先ほど軽く述べましたが、企業によっては単純に人手が足りていないことがあります。
また、最近ではWeb系ベンチャー企業が多数増え続けており、少数精鋭体制を取っている企業も少なくはありません。
全ての企業に当てはまるわけではありませんが、業務の細分化ができていない企業では必然的に一人にかかる負担が増えてしまう可能性があります。
その結果、本来の仕事を進めることができずに残業や休日出勤に繋がってしまいます。
アジャイル開発のためスピードが求められる
まず初めに、アジャイルとは“素早い”という意味があります。
アジャイル開発とは、現在のエンジニア業界で主流なフローであり『ヒアリング→設計→開発→テスト』といった開発工程を最大限早くし、納品を早める代わりに納品後のブラッシュアップを前提に開発を進めていく手法を指します。
そのため、サービス開始に向けたスピーディーな業務や、要件を決めながら開発を行うため手戻りが多くなりがちとなります。
ちなみに、今まではウォーターフォール開発といった『要件定義〜テスト』までの流れを仕上げてから納品するのが主流でした。
急な仕様変更やバグの発生で残業も珍しくない
開発途中の急な仕様変更やバグの発生は珍しくはありません。
納期が決まってしまっている場合、定時内で開発完了させることは難しくなってしまうため、必然的に残業に繋がるケースは多いです。
また、開発状況によっては休日出勤を命じられる企業もあるため、ワークライフバランスが取りづらくなってしまう可能性もあります。
技術変化が激しいので常に技術を磨き続ける必要がある
日々新たな開発手法が誕生しているため、昔に比べて、より効率的なWeb制作が可能となってきています。
同じものを開発する場合、工数をかけるエンジニアよりも工数をかけないエンジニアの方が需要が高いのは当然です。
効率的な技術が出てきた際には率先して勉強に励み、時代の波に流されないようなWebエンジニアを目指す必要があります。
シンプルに激務の職場がある
いわゆるブラック企業です。
残業が多く、休日出勤も当たり前の企業は残念ながら存在します。
最近では働き方改革により社会全体的に残業は減ってきていますが、IT業界で完全なホワイト企業は多くはありません。
転職前はあらかじめ企業研究を行い、理想とのギャップが生じないように企業の下調べを徹底しましょう。
Webエンジニアに向いている人の特徴
専門職ということもあり、スキル磨きをコツコツできる人や、最新技術に対して常にアンテナを張っている人はWebエンジニアに向いていると言えます。
自分で今後の課題を持ち、計画的にその課題を進めることができる人はぜひWebエンジニアを目指してみてください。
また、一例ですが、上記の他にWebエンジニアに向いている人の特徴を3つ紹介します。
- 論理的に物事を考えられる人
- 集中して黙々と作業できる人
- 最新の技術を追い求め自分のスキルを磨き続けられる人
論理的に物事を考えられる人
Web制作は、初めの設計という全体図を考える役割が重要となります。
何をどうしたらこのような結果になるのかなどの事例を含めつつ、正しくゴールへ導くことが必要です。
また、プログラミングに関しても順序を決めて組み立てを行うため、組み立てる方法を知らなければ編集や改修がしにくくなってしまいます。
よくプログラミングの例え話に出るのが大工さんで、プログラミング言語というノコギリの使い方を知ったところで、サイトやアプリという建物を組み立てることはできません。
全体像から逆算してシステムの開発に取り組める人は向いていると言えます。
集中して黙々と作業できる人
ひたすらパソコンの前でプログラムやコードを記述していく仕事のため、集中力が求められます。
ものごとに集中して取り掛かることのできる人は長時間作業も苦に感じにくいですが、注意散漫な人やパソコン作業が苦手な人は座っての長時間作業は大変になる可能性があります。
最新の技術を追い求め自分のスキルを磨き続けられる人
先ほど述べましたが、Webの技術は日々進化しており、効率のいい手法が誕生し続けています。
専門性の高い人は、仕事を楽しむようにそれらの新たなスキルを取得していくことが特徴で、受動態ではなく能動態で自ら興味を持って勉強をしていきます。
そのように自分のスキルを楽しみながら磨いていける人はWebエンジニアと相性がいいと言えるでしょう。
Webエンジニアに向いていない人の特徴
物事に対しての興味・関心が薄かったり改善意欲がない人は、常に技術を追い求めていきトライアンドエラーを繰り返すWebエンジニアと相性が悪くなってしまいます。
これらが全て当てはまるとは言い切れませんが、下記ではそれぞれの改善策を紹介します。
自分はWebエンジニアに向いていないと諦めるのではなく、なるべく意識を高く持ち、自身を変えていくようにしましょう。
- 最新技術の情報収集やスキル習得への関心が薄い
- 課題意識や疑問を持たない
最新技術の情報収集やスキル習得への関心が薄い
自分の成長に関心が薄い人は、何事にも興味を持って接していきましょう。
興味を持つことで視野が広がり、ものごとに対しての見方が変わっていくようになります。
自らこの分野についてもっと知りたいという気持ちに持っていき、最新技術やスキル習得への関心を高めるようにしましょう。
課題意識や疑問を持たない
仕事に対して「面倒臭い」「疲れる」などのようなネガティブな印象を受けている人がこのパターンに当てはまりがちです。
こちらも上記と重複しますが、興味を持たなければ今後の課題や疑問を持とうとはしません。
始めは難しいかもしれませんが、ある程度知識が付いてくるとWeb制作が難なくできるため楽しく感じてくるでしょう。
楽しく感じてこれるようになってきた際に、初めて知識に対して貪欲に追求することができます。
そのため、どれだけ早くWebサイトやアプリを純粋に作りたいという気持ちに持っていくことができるかが肝心です。
Webエンジニアに転職する前に確認しておくべきこと
Webエンジニアに希望を抱いて転職をした企業が理想と違ったなどとギャップがないように、事前に企業研究を行うようにしましょう。
調べる項目は以下の4点を重視してください。
- 有休取得率
- 賞与・昇給
- 平均残業時間
- 離職率
転職サイトなどの口コミを参考にするのがいいかもしれません。
有休取得率
有給休暇を取得しづらい企業もあるようですが、優良企業となると社員は当たり前のように有給休暇を取得できます。
有給休暇取得率が低いと人手不足など別の要因が考えられるため、主にこちらを参考に転職活動をしてみてください。
賞与・昇給
賞与や昇給が見込めないとなると、そこの企業で働き続けていくモチベーションを保つことはできません。
何を転職活動の主軸にするかで大きく変わりますが、収入をメインに考えている方はしっかり確認しておきましょう。
平均残業時間
最近では、働き方改革により残業を減らす企業が増えてきました。
しかし、定時ピッタリに帰れる企業も少ないのは確かです。
そのため、家事や育児などで残業を極力したくない方は平均残業時間をよく確認しておく必要があります。
また、参考程度にですが、36協定限度時間の固定残業代45時間に設定している企業は、それ以上の残業が発生する可能性があります。
離職率
こちらも有給消化率と並んで主に転職の参考にする項目となります。
優良企業は離職率が低い傾向にあり、働く環境が整っていることが予想できます。
離職率が高い職場は、何かしらの環境が不一致という人が複数人も現れているため、過酷な現場の可能性があります。
Webエンジニアがきついと感じたら
もし、せっかくプログラミングスキルを習得して就職することのできた企業が、過酷で思っていた業務と違うと感じてしまった場合は、Webエンジニア自体がきついと思ってしまうでしょう。
しかし、そこでWebエンジニアを辞めるという選択肢を取る必要はありません。
プログラミングスキルは応用を効かすことができるため、以下で述べるような他の道を選ぶことができます。
- 転職する
- フリーランスになる
- Webデザイナーなど他のWeb系職種に転職する
転職する
現状勤めている企業が過酷なだけの場合があります。
過酷な職場は至る所に存在するため、たまたまそこに就職してしまったに過ぎません。
転職は悪という風潮がありますが、転職を繰り返し、多くの企業を経験して自分に合った環境を見つけるのも一つの手です。
フリーランスになる
プログラミングスキルがあるならフリーランスにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
現在では、フリーランスエージェントやクラウドソーシングなどの多くのフリーランス向けサービスが展開されています。
営業力に自信がないといった方は、これらをうまく活用することで仕事に対する不安を払拭できるでしょう。
Webデザイナーなど他のWeb系職種に転職する
自身で多くのデザインをプログラミングをしてきたことから、プログラミングのしやすいデザインを既に知ることができている状態です。
ユーザーの操作性を意識することも大切ですが、プログラミングのしにくいデザインでは円滑にプロジェクトを進行させることが難しくなってしまいます。
自身の経験を元に、プログラミングのしやすいデザインを描いてスムーズなシステム開発を促してあげましょう。
また、マネジメントなどの上流工程に周り、プログラミングの知識を活かしたWebマーケターやWebコンサルタントなどに就くのも選択肢のひとつです。
まとめ
Webエンジニアは、働く環境やその人の向き不向きによってつらさが変わってきます。
自分がWebエンジニアに適合しているのかをしっかり調べて、理想とのギャップが生まれないようにしていきましょう。
また、本記事で自分には向いていないと感じてしまった場合は、「論理的に物事を考える」「集中力を高める」「自らスキルを追い求めていく」などのWebエンジニアに向いている人の特徴を意識して真似するようにして、自分を変える努力を怠らずに行なってみましょう。