WebエンジニアやWebデザイナーを目指す人が多くいる中で、つまづきやすいポイントが「プログラミング」です。
Webエンジニアはもちろん、Webデザイナーにもプログラミングスキルが求められています。
しかし、プログラミングとは別に、「コーディング」という言葉を聞いたことがあると思います。
「コーディングとはなんだろう?プログラミングとは何が違うのだろう?どっちを学ぶのが正解?」
きっと、このような疑問を抱え、本記事にたどり着いたのだと思います。
結論からお伝えすると、コーディングとプログラミングは似たようなものではありますが、厳密には違います。
この2つの違いがわかっていないと、学ばなければならないことが実は学べていなかったり、逆に学ばなくてもよいものを学んでいたりします。
本記事では、コーディングとプログラミングの違いについて詳しくご紹介しています。
ぜひ参考にしていただき、効率の良い学習を進めてください。
プログラミングとは?
プログラミングとは、コンピュータに実行させたいタスクを指示するための手順を記述するものです。
コンピュータは指示がなければ動きません。そこで人間がプログラミングしてコンピュータを動かすのです。
しかし、コンピュータは日本語も英語も通じないことから、コンピュータが理解できる言語「プログラミング言語」を用います。
プログラミング言語にはJavaScriptやJavaなど有名なものからそうでないものまで200種類を超えます。
プログラミングはスマートフォン、アプリ、ゲームを動かすのに無くてはならないものです。
つまりIT産業の土台を支えているものの1つにこのプログラミングがあります。
コーディングとは?
コーディングとは、プログラミング言語やマークアップ言語を用いてソフトウェアやアプリケーションを作成することを指します。
また「HTML」や「CSS」を扱いコーディングする人を「コーダー」と呼びます。
プログラミングが「プログラムを作成する作業全般」を指すのに対し、コーディングはプログラミング作業の一部ということです。
コーディングの基礎知識
コーディングとはWebデザイナーが制作したデザインをプログラミング言語を使いWeb上に表現することをいいます。
コーディングする際にはテキストエディタを使用します。
テキストエディタとは文章を作成・保存・編集するためのソフトウェアのことです。具体的にはWindowsの「メモ帳」、Macの「テキストエディット」がそれに該当します。
また、制作したデザインをWeb上に表示するにはHTML・CSS・JavaScriptのスキルが必須となります。
HTMLはマークアップ言語と言われる
HTMLとは、Webページを作成するためのマークアップ言語です。
マークアップ言語とは、見出しや本文など文章の意味合いを「タグ」で記述して分類し、コンピューターに理解させるための言語です。
HTMLは「タグ」と「要素」と「属性」で構成されています。タグは文章データをWeb上でどう表現するかを定義します。
具体的には、見出しを作成する際に使うh2やh3タグ、文章を段落させたい時に使うpタグなどです。
また、タグには「開始タグ」と「終了タグ」があり、開始タグは< h2 >や< h3 >、終了タグは< /h2 >や< /h3 >
のように記載します。
要素は「< h2 >見出し< /h2 >」このような文章全体を指します。つまり開始タグと終了タグを含んだ全体ということです。
属性はネット上に表示したい内容に仕掛けや飾り付けをします。例えば「href」はリンク先の指定、「src」は画像を表示させる意図があります。
また、HTMLはCSSやJavaScriptと組み合わせてデザインや機能をカスタマイズすることもできます。
HTMLは現代のウェブ開発において重要な技術であり、あらゆる開発者が知る必要のある技術です。
CSSはデザインを決める言語
CSSとは、HTMLなどのマークアップ言語で作成された文書のスタイルを定義するためのスタイルシート言語です。
主にWebページのデザインを変更するための言語です。HTMLで書かれた文章に装飾を加えたり、見た目を整える役割があります。
文字の色や大きさ・フォント・背景色・下線や枠・表を作ることも可能で、見栄えの良いWebページにできます。
HTMLとCSSを分ける理由ですが、HTMLだけで文字の色や大きさを変えているとコードが長くなり編集や修正がしにくくなります。
そこで構造とデザインを分けるために生まれたのがCSSです。
JavaScriptはプログラミング言語
JavaScriptとはブラウザを「動かす」ためのプログラミング言語の一つです。
HTMLやCSSで構成された静的なウェブページを動的なウェブページに変更できます。
HTMLやCSSとともに、ウェブ開発において広く使われています。
Webサイトでアニメーションが動いているのを見たことがある人は多いのではないでしょうか?
そのようなアニメーションはブラウザを動かすためにJavaScriptというプログラミング言語でコンピュータに指示を出しているのです。
コーディングルールを理解する
コーディングルールとは、エンジニアやプログラマーが複数人で開発する際に定めるルールです。
なぜルールを作る必要があるのかというと、エンジニアによってコードの書き方は異なる場合もあるため、他のエンジニアが作ったプログラムを理解するのは大変で時間がかかるからです。
そのため、コーディングルールを定めることで誰でも読めるプログラムにし、チーム内のコミュニケーションがスムーズになります。
また、コーディングルールが曖昧な場合、仕様がバラバラで読みにくくなったり担当者が変わると品質が下がることがあります。
チームでプログラムを組む時にはコーディングルールを守らなくてはなりません。
コーディングスキルが必要な職種
コーディングスキルが必要な職種は、Webデザイナー、フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア、コーダーなどがあります。
コーディングスキルは、Web開発においてはWebサイトやWebアプリケーションの作成やサイトの改善・更新などをする際に必要で、様々な分野で活用されるため汎用性の高いスキルといえます。
Webデザイナー
Webデザイナーとは、Webサイトのデザインを担当する職種です。
クライアントが求めるWebサイトを作るべく魅力的なデザインと機能的な構成を提案し、コーディングする役割もあります。
そのためコーディングの知識は必須です。
コーディングの知識を持っていると、Webサイトに表示される結果を想像してデザインができます。
これを理解していないと、Webサイト上で実装できないデザインになってしまったり、コーダーとのコミュニケーションが取れなくなってしまいます。
また、将来的にはWebディレクターを目指せる職業ですのでやはりコーディング知識をここでしっかり固めておく必要はあります。
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアはWebサイトなどのフロイトエンド(ユーザーが直接操作する画面や機能)の開発を担当する職種です。
フロントエンドエンジニアは、Webデザイナーが作成したデザインを元にHTMLやCSSを使ってレイアウトを実装し、JavaScriptを使って動的なコンテンツを作り上げます。
サイトを制作する上で最適な技術・構造は何か?を考え、Webデザイナーやディレクターとの連携も必要となってきます。
そのため、Web制作の技術的な側面やチームでの連携も兼ねてコーディング知識は必須といえます。
また、コーダーとの違いはプログラミング言語スキルがあるかどうかで、年収もコーダーより高い傾向にあります。
バックエンドエンジニア
バックエンドエンジニアとは、Webサイトなどのバックエンド(利用するユーザーには見えない部分)を担当する職種です。
サーバーサイド言語を用いてデータベースの構築やセキュリティ対策をします。また、システムで使用するハードウェアの選定や導入も担当します。
実際にコードを書く以外でも、フロントエンドエンジニアやデザイナーとのコミュニケーションに役立ち、時間の節約にもなります。
また、コードの理解力が高まりバグを見つけたりプログラムを改善することが容易になります。
特にフロントエンド開発を行うならコーディングは必須
フロントエンドとは、Webサイトやアプリなどで直接ユーザーの目に触れる部分のことです。
つまり、Webページで見える画面、リンク、アニメーションなどがそれに含まれます。
フロントエンド開発ではデザイナーが設計したデザインを元にマークアップ言語やプログラミング言語を用いてブラウザに表示できるようコーディングします。
そのため、HTMLやCSSのスキルは必須でこれらの言語について理解を深め最新のテクニックに精通することが求められます。
また、JavaScriptの理解は動的な機能を実現するために不可欠です。
フロントエンド開発にはJavaScriptの基礎から使用方法まで幅広く学ぶ必要があります。
コーディングの学習方法
一つは、書籍を読んで勉強するという方法があります。コーディングに関する書籍は多数出版されています。
自分のレベルに合わせた書籍を購入しましょう。実際にサイトやアプリを作ってみることも大切です。コーディングの目的はサイトやアプリを作ることです。
実際にサイトやアプリを作ることで実践的なスキルと知識を養います。
また、コードを模写したり、コミュニティに参加しスキルや知識のある人に教わるのもおすすめです。
学習サイトで学ぶ
勉強方法の一つに学習サイトという選択肢もあります。
コーディングの学習サイトとして代表的なサービスはProgateやドットインストールが挙げられます。
Progateはユーザー数290万人を誇るプログラミングを学べる初心者向けの学習サービスです。
料金が安く、イラスト中心の教材で実際にプログラムを入力しながら学べ、アプリ版もあるので、スマホやタブレットからも学習できる利点もあります。
ドットインストールは全てのレッスン動画が3分以内で学べるのが強みです。
スマートフォンからも視聴可能なため、移動中などの隙間時間に効率良く学べるという利便性があります。
また、会員になると現役エンジニアの講師に質問もできるというサポート体制も整っています。
学習サイトで学ぶメリットは、安く気軽に始められるという点です。
サポート環境のないサイトも多く、分からない技術があっても教えてくれる人がいないというデメリットもあります。
プログラミングスクールで学ぶ
プログラミングスクールではレベルの高い講師が対面で教えてくれるため、分からないことがあってもすぐに聞ける環境にあります。
プログラミングを独学で学ぶと、分からないことを聞ける環境になく挫折しやすいという面があり、プログラミングスクールで学ぶ人は少なくありません。
また、独学よりも効率的に正しく学べるメリットもあります。
プログラミングスクールで学ぶデメリットは、独学と比較すると費用が高いことが挙げられます。
プログラミングスクールは3ヶ月で30万円前後が相場で、独学であれば月1000円ほどの学習サイト代と書籍代ぐらいです。
安くて気軽に始められる学習サイト、費用はかかるが効率的なプログラミングスクールといったところです。
目的や経済状況によって判断することになります。
コーディングを学ぶ際の注意点
書籍はブログ記事に比べ信頼性が高いといえますが、時間が経つにつれ情報が古くなる可能性があり、ソースコードを書くなど実践的なスキルが身につきづらいという点もあります。
やはり、実際に手を動かさない限りスキルは身につきません。実践あるのみです。
また、コーディング学習は「挫折しやすい」という側面もあります。
コーディングを学ぶ際に大切なのは、分からないことがあっても相談できる環境に身を置くことです。
ネットを活用しオンラインサロンなどのコミュニティに入るなども一つの選択肢です。
とにかく、一人で悩まないことが大切と言えます。
丸暗記をしようとしない
学生時代の勉強方法は丸暗記することで一定の成果を挙げることができました。
しかし、それをコーディングの学習に当てはめるのは良くありません。
コードは膨大な情報量となるため全て暗記するのが難しく、常に情報がアップデートされるため一度暗記したものがこの先も役立つとは限りません。
コーディングを学ぶ目的は暗記することではなく、実践的なスキルを身につけることです。
インプットよりも、実際に手を動かしアウトプットしていきましょう。
コピペをしない
コードはコピー&ペーストして良い場合と良くない場合があります。
それはコードの内容を理解しているかどうかです。
自分で内容を理解していて、それを説明できるのならコピペしても問題はありません。
実際の開発現場でもコピペは通常的に行われています。
これは単純に開発効率が上がる為です。
コードの内容を理解していないと、問題があった時に修正や対処ができません。
利便性を求めるあまり内容を理解せずにコピペしてしまうのは、本末転倒といえるでしょう。
コーディングとプログラミングの違いを理解して効率よく学ぼう
プログラミングとはプログラミング言語を用い、コンピュータに指示を出すことをいいます。
コーディングとは、HTMLやCSSを使いWebデザインを表現することを指します。
プログラミングはプログラムの作業全般を指すのに対し、コーディングはマークアップ言語やプログラミング言語を記述することです。
コーディングルールは複数人でのプロジェクトに必須の規約です。
学習方法は、学習サイトやプログラミングスクールに通うメリットやデメリットについて述べました。
コーディングスキルやプログラミングスキルは現代社会において高い社会的価値を持っています。
小中学校ではプログラミング教育が必修化しているように、IT産業に積極的に関わる人材の育成は急務となっています。
この記事を参考に学習を始めてみてはいかがでしょうか。