プログラミング未経験者でも学びやすいことで人気を集めている「Python」。
PythonはAI(人工知能)やWebアプリ開発で使用されることが多く、汎用性が高い言語です。
しかしPythonは聞いたことがあるけど、「Pythonの具体的な特徴とは?」「Pythonでできることって何?」といった疑問を抱えている人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、大きく分けて6つのテーマについて解説していきます。
- Pythonの特徴
- Pythonでできること
- Pythonの学習方法
- Pythonのスキルを活かせる職種
- Pythonエンジニアの年収
- Pythonの将来性
本記事を読めばPythonについて理解が深まるので、Pythonエンジニアに興味がある人はぜひ最後までご覧ください。
Pythonってどんなプログラミング言語?
Pythonは1991年にオランダ人のグイド・ヴァンロッサムによって開発された、オープンソースのプログラミング言語です。
オープンソースとは利用者の使用目的によってソースコードの改変や、再配布を許可したソフトウェアを指します。
Pythonは技術発展が著しいAI分野を始め、Webアプリ開発やデータ分析の分野で採用されています。
また、Pythonは世界中のエンジニアから愛されている言語です。
TIOBE Softwareが発表したデータを見てみると、プログラミング言語人気ランキング1位がPythonだと分かります。(2022年8月時点)
参考:TIOBE
Pythonの市場シェアは過去最高の15.42%を記録しており、今後も需要が期待できる言語と言っても過言ではありません。
Pythonの特徴
注目度の高いPythonですが、一体どんな特徴を持っているのでしょうか?
ここでは下記3つの特徴について詳しく解説します。
- プログラミング初心者でも勉強しやすい
- コードの記述がシンプル
- ライブラリやフレームワークの充実
プログラミング初心者でも勉強しやすい
Pythonはプログラミング初心者でも勉強しやすいスクリプト言語です。
スクリプト言語とは可読性に優れ、比較的簡単に記述できる言語を指します。
Python以外にもPHPやRuby、JavaScriptもスクリプト言語の一種です。
また、Pythonを習得したいと考えている人が増えているため、書籍やオンライン学習サイトが充実しています。
ネット上にもPython関連の記事が多数公開されているので、分からないことが出てきても「調べれば解決できる環境」が用意されています。
コードの記述がシンプル
Pythonはコードの記述がシンプルで、書きやすくて読みやすいといった特徴を持っています。
実際にPythonのソースコードを見てみましょう。
具体例として「Hello World!」と表示するソースコードをPythonとC言語で記述してみました。
int main() {
printf(“Hello, world!”);
return 0;
}
ご覧の通りC言語では5行分のソースコードを書く必要がありますが、Pythonならたった1行で実装可能です。
ライブラリやフレームワークの充実
Pythonはライブラリやフレームワークが充実しています。
ライブラリはよく利用される機能(プログラム)を切り出し、再利用しやすいようにまとめたものを指します。
一方フレームワークは、必要な機能(プログラム)が組み合わさった「骨組み」と覚えておきましょう。
Pythonの代表的なフレームワークをいくつかご紹介します。
- Django(ジャンゴ)
- Flask(フラスク)
- Bottle(ボトル)
- Tensorflow(テンサーフロー)
- Pytorch(パイトーチ)
ライブラリやフレームワークを使用すると開発効率が上がるので、さまざまな現場で導入されています。
Pythonを使って出来ること4選
Pythonは汎用性が高いため、さまざまな場面で使用されています。
それでは実際にどのような分野で使われているか、事例とともに見ていきましょう。
AI(人工知能)開発
AI(人工知能)とは、人間が行う学習・予測・判断といった知能をコンピュータが表現することを指します。
PythonはAI開発向けのフレームワークが多数用意されているので、他のプログラミング言語よりもPythonが採用されることが多いです。
Pythonを活用した事例は下記の通りです。
- SNSなどの顔認証機能
- Google検索時の表示画像検索
- SNSの画面上の表示順序
- siriやGoogleの音声認識機能
Webサービス・アプリ開発
PythonはDjangoやFlask、BottleといったWebアプリ開発向けのフレームワークが豊富です。
フレームワークはログイン機能や会員登録など、Webアプリに必要な機能が備わっているため0から開発する手間を省いてくれます。
開発コストが減らせるPythonは、Webアプリ現場で重宝されています。
Pythonを活用した事例は下記の通りです。
- 動画共有プラットフォーム「YouTube」
- SNS「Instagram」
- 情報管理ツール「Evernote」
- オンラインストレージサービス「Dropbox」
スクレイピング
スクレイピングとは、Web上のデータを収集する技術を指します。
スクレイピングの例として、「ニュースサイトから特定のキーワードを含んだ記事を一覧にする」「毎週ECサイトの人気商品TOP10を抽出する」が挙げられます。
Scrapy(スクレイピー)やBeautiful Soup(ビューティフルスープ)、Selenium(セレニウム)を用いることでスクレイピング が実行可能です。
データ分析
Pythonを使うと複雑なデータ処理や解析、技術計算など効率よく実行できます。
Pandas(パンダス)やScipy(サイパイ)、Numpy(ナムパイ)がデータ分析分野で使われる有名なライブラリです。
活用事例としてPythonを用いたExcelの自動化が挙げられます。
PythonでExcelを操作すると下記に示した作業が自動化され、ヒューマンエラーや単純作業の削減が実現できます。
- Excelデータから請求書(PDF形式)を生成する
- CSVデータをSlackへ通知する
- フォルダ内のファイル名を取得する
Pythonの学習方法
Pythonの学習方法として手軽に始められるオンライン学習サイトや書籍、実践スキルが身に付くプログラミングスクールについて紹介します。
プログラミング学習は継続することが重要です。
無理なく続けられる勉強方法を選択し、着々とPythonの知識を身につけていきましょう。
オンライン学習サイト
オンライン学習サイトを活用すれば面倒な環境構築しなくても、すぐにプログラミング作業に取りかかれます。
「Pythonがどんな言語か実際に触って確認したい」「とにかく手を動かしながらプログラミングを学びたい」人にとっておすすめの勉強方法です。
さまざまオンライン学習サイトがリリースされており、マナジョブやドットインストール、Progateが有名なサービスになります。
ほとんどのオンライン学習サイトは一部機能を無料提供しているので、実際に使ってみて自分に合っているか確認してみてください。
書籍
書籍は必要な情報を網羅的に把握するのに役立ちます。
Pythonに関する未経験・初心者向けの書籍が多数販売されているので、自分のレベルに合った書籍を探してみてください。
プログラミングの知識が少なく、専門用語が分からない人は図やイラストを用いた書籍が良いでしょう。
書籍によっては文字とソースコードだけで構成されている場合もあるので、必ず中身をチェックしてから購入するようにしてください。
ただし、本を読んだだけではPythonを実務で使えるようにはなりません。
本を見ながら実際にプログラミングを行い、スキルを身につけていきましょう。
プログラミングスクール
確実に効率よくPythonの実践スキルを身につけたいなら、プログラミングスクールの活用を検討してみてください。
独学は相談相手がいなくてエラーや疑問点を解決するのに時間がかかったり、モチベーションの維持が難しかったりとデメリットがあります。
独学のデメリットを解消してくれるのがプログラミングスクールです。
プログラミングスクールでは受講生が質問できる環境を用意してくれているので、プログラミングで悩む時間を軽減してくれます。
またプロの講師が直接指導してくれるので「何を勉強すればいいか分からない」「専門用語が難しくて理解できない」などの悩みを解決できます。
独学に比べると費用は高額ですが、得られるメリットも多いのがプログラミングスクールの良さです。
Pythonのスキルを活かせる職種は?
Pythonエンジニアと一言でいっても、開発するものによって職種が異なります。
ここではPythonエンジニアの中でも代表的な下記3つの職種について解説していきます。
- AIエンジニア
- Webエンジニア
- データサイエンティスト
AIエンジニア
AIエンジニアはAI(人工知能)の開発や収集したデータの解析、AIが効率的な機械学習をするための設計を行うのが主な仕事です。
機械学習とはAIが膨大なデータ(ビックデータ)を読み込んで規則性やパターンを学習し、未知のデータに関する予測を可能にする技術を指します。
年々AIの市場が拡大しているのと比例して、AIエンジニアの需要も右肩上がりになっています。
最先端の技術に触れてみたいと考えているなら、AIエンジニアを目指してみるのが良いでしょう。
Webエンジニア
Webサイトやアプリ開発をメインに行うのがWebエンジニアです。
有名なWebアプリもPythonで開発されたものが多く、下記が一例になります。
- YouTube
- Dropbox
Webアプリ開発用のフレームワークが充実しているため、多くの開発現場でPythonが使用されています。
Pythonは、サーバーやデータベースといったユーザーの目に見えない部分(バックエンド)を開発する言語です。
もしユーザーの目に見える部分(フロントエンド)であるデザイン開発をしたい場合は、HTMLやCSS・JavaScriptを習得する必要があることを覚えておきましょう。
データサイエンティスト
データサイエンティストはビックデータを分析し、得られた情報を企業のビジネス戦略に役立てるのが主な仕事です。
Pythonエンジニアの中でも最も高収入を得られやすいのが、データサイエンティストです。
その分、求められるスキルも多くなります。
AIやプログラミング知識、統計学などの知識はもちろん、クライアントの課題を解決するスキルが必要です。
具体的にはクライアントの業界理解やデータに基づく根拠のある提案力、コミュニケーション能力などが求められます。
Pythonを習得すれば高収入が得られる?!
結論からお伝えするとPythonエンジニアの平均年収は会社員が597万円、フリーランスが840万円になります。
参考:求人ボックス , フリーランススタート
日本の平均給与は461万円なので、Pythonエンジニアは高収入と言えます。
参考:国税庁 平均給与
とは言っても、Pythonエンジニアの年収はAIエンジニア・Webエンジニア・データサイエンティストによって異なります。
求人ボックスによるとAIエンジニアの平均年収は596万円、Webエンジニアは564万円、データサイエンティストは699万円だと分かりました。
参考:求人ボックス
データサイエンティストはPythonだけでなく統計学や数学、プログラミング知識など幅広いスキルを求められるので年収は高めに設定されています。
データサイエンティストと比較するとAIエンジニアとWebエンジニアの年収は低く感じるかもしれませんが、800〜1,000万円超えの案件もあります。
もしPythonエンジニアとして高収入を得たいのなら、データサイエンティストを目指すか、フリーランスとして独立するのが良いでしょう。
需要のあるPythonの将来性は高い!
先述した通りPythonは汎用性が高く、さまざまな分野で親和性の高い言語なので需要があります。
また、近年市場拡大を続けているAI開発現場で採用されているので将来性も高いと言えます。
IDC Japanが発表した国内AIシステム市場予測によると、2021年〜2026年の年間平均成長率は24.0%で推移し、2026年には8,120億に到達することが分かりました。
次に、2022年1月にIndeed Japanが発表した求人データを見てみましょう。
参考:求人数が6万件を超えたPython 中高年のエンジニア未経験からPythonプログラマーに挑むには
他言語と比較してもPython求人の増加率(223%)が群を抜いているのが分かるかと思います。
以上のデータからPythonの需要は今後も伸びていき、将来性も十分に期待できる言語だと言えるでしょう。
まとめ
Pythonの特徴、Pythonエンジニアの仕事内容や将来性について解説しました。
Pythonは汎用性が高く、開発スピードを上げてくれるフレームワークが充実しています。
そのため、AIやWebアプリ開発、データ分析といったさまざまな分野で採用されている言語です。
Pythonエンジニアは将来性も高く、今後も需要が伸びていくことが予想されています。
また初心者向け書籍やオンライン学習サイトなど充実しており、Pythonを学べる環境が整っているので、継続して学習すればスキルが身につきます。
もし独学が難しいと感じたらプログラミングスクールを活用してみてください。
今からPythonの学習を始めて、Pythonエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか?