スマートフォンの登場によりいつ・どこにいても簡単にインターネットが使えるようになりました。
そのためWebサービスの利用が急速に普及したことにより、Web関連の職の需要は年々高くなっています。
特にサイトデザインを手がけるWebデザイナーは近年注目され、やってみたいと感じる人も多いのではないでしょうか?
しかし、中には「Webデザイナーはやめておけ」といった意見もあります。
「Webデザイナーになりたいけどやめた方がいいのかな」
「Webデザイナーに将来性がないって本当?」
せっかくWebデザインに興味を持っていてもこのようなネガティブな言葉を目にしてしまったら、本当にいいのか不安になってしまいますよね。
ですが、「Webデザイナーはやめておけ」といった言葉を鵜呑みにする必要はありません。
もちろん困難な面もありますが、それ以上にやりがいのある仕事だからです。
そこで本記事では、以下の4つのテーマについて紹介します。
- Webデザイナーはやめておけと言われる9つの理由
- Webデザイナーが得られる3つのメリット
- Webデザイナーに向いている人の特徴4つ
- 求められるWebデザイナーになるための秘訣
Webデザイナーについての見解は人それぞれですが、本記事ではWebデザイナーはやめておけと言われる理由について紹介します。
本記事を最後まで読むとWebデザイナーに関する実態を知ることができるため、本当に目指すべきか判断できるでしょう。
「Webデザイナーはやめとけ」と言われる9つの理由
ここでは、「Webデザイナーはやめておけ」と言われる9つの理由について順番に紹介していきたいと思います。
- 激務で残業が多い
- 給料が安くて稼げない
- キャリアパスが狭い
- フリーランスだと収入が不安定
- Webデザイナー志望の人が多い
- クライアントの依頼に振り回される
- 業務範囲が広い
- 未経験からWebデザイナーになるのが難しい
- 新しい技術についていくのが大変
ひとつずつ簡単に解説していきます。
激務で残業が多い
クライアントの多くは、デザインに関する細かい設計や要望がない状態での依頼が多いです。
そのため企画設計から始まるので、制作に取り掛かるまでに時間がかかるでしょう。
また制作物の納期が近ければ、残業する場合も多いです。
クライアントからの発注を元に制作しているので、納期は必ず遵守しなければいけません。
しかし直前に修正変更が入ったり複数案件を抱えていたり、作業量が多くなると勤務時間を超えてしまうこともよくあるからです。
給料が安くて稼げない
Webデザイナーの平均年収は347万円なので、あまり高いとは言えません。
現在サラリーマンの平均年収が461万円に対し、Webデザイナーが属するクリエイティブ職は372万円です。
Webデザイナーの給料が低い理由としては、1人前として働けるようになるまで時間がかかるからです。
特に未経験からスタートすると依頼されたデザインを制作するスキルしか持ち合わせていないので、人によっては年収200万円以下の場合もあります。
キャリアパスが狭い
Webデザイナーのキャリアパスは以下の通りです。
- Webディレクター
- UI・UXデザイナー
デザイナーのキャリアパスは狭く、デザイン業務に止まってしまうケースが多いです。
特にWebデザイナーとして活躍している人の多くは、Webサイトの制作管理を行うWebディレクターに転身する人が多くいます。
また、見た目のデザインに機能性を加えたUI/UXデザイナーはWebデザイナーとしての経験を活かすことができます。
しかしWebデザイナーは専門職種であるため、他のキャリアへの転向範囲は狭いでしょう。
フリーランスだと収入が不安定
時間や場所に囚われない働き方としてフリーランスになる人が多いですが、Webデザイナーが活躍するには不安定です。
会社勤務の場合は一定してクライアントから案件が降りてきますが、フリーランスになるとみずから案件を獲得し、納品しなければなりません。
また案件やクライアントによってはその場限りで契約が破綻してしまうこともあります。
フリーランスは受注案件によって毎月の収入も変化するので、安定しづらいでしょう。
Webデザイナー志望の人が多い
近年Webサービスの普及によって、Web関連の職を志望する人が増加しています。
特にWebデザインは特別な資格を保有することなく、スクールなども充実しているためチャレンジしやすい環境です。
しかしその分志望者も多いので、Webデザイナー間での競争が激化しています。
またクラウドソーシングサイトにはWebデザインスキルをもった人が多くありふれているので、個人的価値を見出せなければデザイン業界の人並みに埋もれてしまうでしょう。
転職市場も買い手市場(企業が優位になっている状態)になってきているため、転職も簡単ではありません。
クライアントの依頼に振り回される
Webデザイナーはクライアントの要望に沿ったプロダクトを制作していく仕事です。
そのためデザイナー個人の意志よりもクライアントの意向が常に重視され、思い描いたものを制作できないケースもあります。
また、クライアントはデザインに関する専門知識が少ないので抽象的な提案や修正を依頼してきます。
時には直前になってデザイン変更の指示をすることも多くあるため、精神的にも苦痛に感じることがあるでしょう。
業務範囲が広い
Webデザイナーとして活躍するためには、デザインの知識だけでなく、マーケティングやSEOといったWeb全般知識が要求されます。
さらに最近では、個人でウェブサイト制作が容易にできるシステムまでも開発されました。
そのため特に小さいWeb制作会社は顧客確保のため、デザイナー自らが営業までも行う場合もあります。
デザイナー志望で入社するも他の業務も担当することになり、理想のWebデザイナーとのギャップを感じるかもしれません。
未経験からWebデザイナーになるのが難しい
WebデザイナーはPhotoshopやillustratorといったパソコンソフトを使用して制作するので、未経験の状態からWebデザイナーになるのは難しいです。
特に独学の場合、専門用語が多く扱われているのであまりの難しさに挫折する人も多くいます。
また、ある程度の実務経験を求められるので未経験からの求人募集が少ないです。
会社では実制作の現場が多いので、丁寧にデザイン知識を教えてもらえる場所が少ないでしょう。
新しい技術についていくのが大変
Web業界はトレンドの移り変わりが早く、新しい状態であることが大切です。
特にデザインはソフトのアップデートに伴い最新の技術やトレンドが更新されていくので、日頃からスキルアップが欠かせません。
しかし、Webデザイナーの業務は多岐に渡るため業務以外の時間も活用しながら取り入れていきます。
そのため激務の合間を縫ってデザインに関する新しい知識や技術を学ばなければいけないので、大変でしょう。
Webデザイナーの離職率はそれほど高くない
ここまで紹介したようにWebデザイナーは業務が過酷な上に給料も低いですが、離職率はそれほど高くはありません。
厚生労働省による雇用動向調査の結果、Webデザイナーが含まれる情報通信業は全体の5.2%と他の職種に比べ低い結果でした。
Webデザイナーは長く同じ会社に止まるというよりも他の会社へ転職したりフリーランスとして独立したりする人が多いため、「離職率が高い」と思われがちです。
しかしパソコン1台で働くことができるため、スキルを身につけた人であれば自身のキャリアやライフスタイルに合わせて働くことができます。
実はおすすめ!Webデザイナーが得られる3つのメリット
Webデザイナーは過酷な業務ですがスキル次第では年収アップも見込めるため、非常にやりがいのある仕事です。
またインターネットの利用機会は今後も増加し続け、Webサイトの需要はますます高まります。
そのため、Webデザイナーは必要不可欠な職と言っていいでしょう。
ここでは、Webデザイナーが得られるメリットについて3つ紹介します。
手に職がつく
Webデザイナーは知識とスキルが重視される技術職なので、経験を積み重ね着実にスキルを磨けば自分にとって強い武器となります。
さらに昔に比べ転職が主流となったので、手に職がある人は即戦力として歓迎されやすいです。
今のうちからスキルを身につけておくことで今後のキャリアアップにも繋がるでしょう。
進化し続けるデザイン業界ですが基礎的部分に関しては変わらないところもあるので、一定の知識があれば幅広く応用できます。
スキル次第で年収アップが期待できる
Web業界では未経験者もたくさんいるので、スキルが高ければ高いほど貴重な存在として重宝され年収アップも期待できます。
そのためWebデザイナーは基本的なグラフィックツールに加えてマーケティングスキルやWeb全般知識を習得すると良いでしょう。
ターゲットやコンセプトにコミットした制作物を納品できれば、よりユーザーに届きやすくクライアントからの評価も高まり、収入アップへと繋がります。
フリーランスとして独立しやすい
Webデザイナーのメリットとしてはフリーランスとしても独立しやすいことです。
クリエイティブ職はパソコン1台で稼ぐことができる職業なので、時間や場所に囚われず仕事ができるでしょう。
特にWebデザイナーは技術職であるため、実務経験が豊富にあればスキルとしての証明になり受注しやすくなります。
また、独立してもクラウドソーシングや案件紹介など日々求人を出しているサイトが多いのでみずから応募しやすいです。
こんな人はWebデザイナー向き!気になる4つの特徴とは
Webデザイナーは人気な仕事である一方、合わないと感じたらすぐやめてしまう人も多いのが現状です。
では、一体どのような人がWebデザイナーに向いているのでしょうか?
ここでは下記4つの特徴についてご紹介します。
- 地道で細かい作業が得意
- 新しいトレンドを追いかけるのが好き
- 作業の効率化を意識できる
- 主体的を持って積極的に動ける
地道で細かい作業が得意(210/200)
Webデザイナーは一見すると華やかでキラキラしたようにも見えますが、日々の仕事は地道で細かい作業が多いです。
Webサイトを創り上げるためにはクライアントの意向が最優先となるため、綿密な打ち合わせを繰り返します。
また度重なる修正にも適宜対応していかなければならないため、デザインを作成する以外の細かい業務に黙々と集中することが必要です。
一つの作業を地道に続けることが苦にならない人は、Webデザイナーに向いているでしょう。
新しいトレンドを追いかけるのが好き
ファッションにもトレンドがあるように、デザイン業界でも流行りのコンセプトが存在します。
たとえば、3Dデザインやモノクロ配色など時期によってトレンドのデザインやカラーが変わります。
特にWebデザインは流行の移り変わりが早く、次々に新しい技術が出てくるのでみずから情報をキャッチアップしてデザイン制作に盛り込むことが重要です。
最新技術やトレンドについての情報感度が高く、敏感な人には向いているでしょう。
作業の効率化を意識できる
Webデザインは制作時間とクオリティを均衡に保つことが重要です。
工数をかければ高品質のものを納品できますが、クライアントと納期が定められているため時間は厳守しなければいけません。
しかし期限を優先して作業が疎かになってしまっては、クオリティの低い制作物になってしまいます。
そのため、いかに限られた時間の中で高いパフォーマンスを発揮できるかが大事です。
作業時間と品質のバランスを考えて、効率よく意識できる人は向いているでしょう。
主体的を持って積極的に動ける(206/200)
Webデザイナーはトレンドに敏感で、最新技術を取り入れることが大切です。
流行は常に変化していくため、デザイン技術を業務以外でも自主的に学ぶ必要があります。
また、最近ではデザインスキル以外にもWebマーケティングやWeb全般知識をもったデザイナーも増えています。
幅広い知識を学習することで他のデザイナーとの差別化を図り活躍できるでしょう。
ジャンル問わず主体性を持って積極的に学ぼうと動ける人は向いていると言えます。
スキルがあるWebデザイナーの将来は明るい
SNSやeコマースといったWeb業界サービスが成長したことにより、サイト制作を担うWebデザイナーの需要は今後も一層高まるでしょう。
しかしWebデザイナーの人気が急激に高まったことにより、一定のデザインスキルを持った人が横並び状態で多く存在します。
また最近では無料でも高品質なサイトを作れるようになったため、専門知識がなくても簡単にサイトが制作できるようになりました。
そのため高度なデザインスキルを身につけ、他との差別化を測ることが必要です。
優れたセンスやスキルを蓄積したWebデザイナーは将来活躍するでしょう。
求められるWebデザイナーになるための秘訣
Webデザイナーは将来性も高く、需要ある職業のひとつです。
しかし近年のWebデザイナーの数の増加により、一般的なデザイン知識やスキルはもはや当たり前になってきています。
今後も求められるWebデザイナーになるためには、どのようなスキルを身につけておくと良いのでしょうか?その秘訣について紹介します。
Webデザイン関連のスキルを常にアップデートする
もちろんWebデザイナーにはデザインスキルが必須です。
しかしデザインスキルをブラッシュアップすることで、デザイナーとしてのスキルやセンスがさらに磨かれます。
特にデザイン業界はトレンドが次々と入れ替わるため、動向を押さえておく必要があります。
日頃からサイトや本などを読んで学習するとデザイン知識が蓄積されるでしょう。
また最新技術によるデザインを表現できれば、クライアントが抱える課題を解決しやすくなります。
UI / UXスキルを身につける
Webデザイナーとしてステップアップを望むならUI/UXスキルも身につけておくと良いでしょう。
UI/UXデザインは、ユーザーが快適に使えるような機能性を含んだ情報設計が施されています。そのためWebサイトにUI/UXデザインの技術を取り入れることで、ユーザーの満足度を高めることが可能です。
企業が求めるデザインだけを構築するだけよりも、ユーザーの意図を汲み取ったコンテンツを作成できる人は今後とも重宝されるでしょう。
マーケティングスキルを身につける
Webデザイナーは、クライアントの要望を忠実に反映することが大事です。
たとえデザインが優れていてもユーザーに届かなければ収益として貢献はできません。しかしWebサイトのアクセス解析や、SEOといったマーケティングに関する基礎知識を身につけておくことでターゲットに刺さるコンテンツを提供することができます。
またマーケティングスキルを活かしたデザイン創作ができる人は、今後ともクライアントに求められる存在となるでしょう。
未経験からWebデザイナーを目指すならスクールを活用しよう
Webデザインは専門的なデザインソフトを利用するので、初心者の方はスクールで基礎から学ぶと良いでしょう。
スクールではプロの講師から必要なスキルを丁寧に教えてくれるので、効率よく学ぶことができます。
また時代のニーズに合った最新デザインスキルも指導してもらえるので、現場で制作する際に活かすことができるのもメリットです。
Webデザイナーとして早く成長するためには、プロの講師によるフィードバックを活用するといいでしょう。
まとめ
今回はWebデザイナーは「やめとけ」と言われる理由や、将来性についてご紹介しました。
世間一般では、業務内容が多い上に年収が低いという理由からやめた方が良いと考える意見が多くあります。
しかしデザイナーとしての経験を多く積むと手に職がつき、スキル次第では年収もアップも可能です。
Webデザイナーの激化が進んでいますが、デザイン以外の知識もみずからキャッチアップする能力を取り揃えていれば今後も求められる存在になるでしょう。