近年、インターネットやスマートフォンの普及により、多くの企業がサービスをWebから発信しようと考え、Web業界の需要は大きく高まっています。
Webサイトの需要に伴って、Webサイト制作に関連した職種の需要も高まっています。
特にデザインに優れたWebサイトを見て「自分もこんなデザインのサイトを作ってみたい」とWebデザイナーを目指す方が多いです。
そんな需要が高まっているWebデザイナーですが、現在は本業だけでなく副業の案件も増えてきています。
実際のWebデザイナーの副業事情はどうなっているのでしょうか?
本記事は、Webデザイナーの副業について始め方から案件獲得方法まで解説します。
Webデザイナーが副業をして稼げる?
パソコン1台あればできるWebデザインは「稼げる副業」として注目されています。
Webデザイン副業の収入・案件相場を紹介します。
- Webサイトのデザイン案件:10,000円〜300,000円/件
- バナー制作・デザイン案件:1,000円〜50,000円/件
- ロゴ制作・デザイン案件:500円〜10,000円/件
このように件数を重ねていけば本業も超えられる可能性があるのがWebデザインの副業案件です。
副業でも十分稼げることがわかります。
Webデザイナー副業の案件例
Webデザイナーの副業案件は大きく分けると4種類あります。
- Webサイトのデザイン制作
- バナー制作
- ロゴ制作
- LP制作
バナー制作、ロゴ制作はWebデザイン初心者でも取り組みやすい案件ですが、その分報酬も多くありません。
製作期間もそれほど長くないので、お小遣い稼ぎくらいに取り組みたい方にはぴったりかもしれません。
一方、Webサイトのデザイン制作やLP(ランディングページ)制作は中級者向けの案件で、取り組む期間が長い分報酬も高いのが特徴です。
将来はフリーランスや独立を考えている方はこういった案件にどんどん挑戦することをおすすめします。
それぞれ、詳しく紹介していきます。
Webサイトのデザイン制作
Webサイトのデザイン制作は、クライアントの望むWebサイトを構築するのが仕事です。
小規模なサイトをまるまる作ることもあれば、既存サイトを一部リニューアルしたり、WordPressの導入を行ったりと内容も色々あります。
基本的にはWordPressが使えること、フロントエンドの言語が扱えることが必要なので、勉強しておきましょう。
4種類の副業案件の中で一番副業収入が高いのが、Webサイトのデザイン制作です。
案件によって制作するサイトの大きさや内容も様々ですが、1件あたり1万円〜数十万円の収入が目安です。
バナー制作
バナーとは、Webサイト上のリンク付き画像のことです。
Webサイトに掲載し、他のWebページやサイトにアクセスを誘導するアイキャッチとして使われます。
バナー制作は画像を加工するPhotoshopやIllustratorが使える人であればすぐ始められる手軽さが魅力です。
また、写真などの素材やキャッチコピーなどの記載内容はクライアントが考えることが多いため、制作自体も難しくはないです。
ロゴ制作
ロゴとは企業の理念や商品のイメージを、文字や図形、イラストを使って図案化したものです。
Webサイトには多くのロゴやアイコンが使われているため、それを制作する案件も多く掲載されています。
こちらもIllustratorが使えればすぐ取り組めるので、バナー制作同様取り組みやすい案件といえるでしょう。
実際クラウドワークスなどで案件を探すと、商品のロゴや会社のロゴ制作の依頼が多く募集されています。
LP制作
LP(ランディングページ)とは、Webサイトで最初に訪れるページを指します。
大半の場合、広告をクリックした時に表示される、商品紹介ページがLPとなります。
このLPを制作する案件も最近非常に増えてきており、需要が高いです。
HTMLやCSS、JavaScriptなどのプログラミング言語を習得していれば、すぐに単価の高い案件に挑戦できるのがLP制作の魅力です。
プログラミングだけでなくマーケティングなどLPに関するスキルが増えると、その分仕事の幅も広がるので将来性もあります。
副業で稼ぐために必要なスキル
Webデザイナーとして副業で稼ぐにはいくつかスキルを身につける必要があります。
プログラミング言語の習得やPhotoshopを扱うスキルももちろん必要ですが、ここでは以下のスキルに注目して解説します。
- 要件定義スキル
- コミュニケーションスキル
- Webマーケティングスキル
どれもクライアントとやり取りして、案件に合った成果物を完成させるのに必須のスキルです。
これらのスキルは一朝一夕で身につくものではなく、実際にWebサイトやロゴを制作して案件をこなしていく中で身につけていくものです。
普段からこういったスキルを意識しながら案件に取り組みましょう。
要件定義スキル
要件定義とは、本格的な開発工程の前段階で、開発者の視点から要求をまとめ、具体的なゴールを決めることです。
Webデザインの案件でいうと、クライアントがどういった成果物を期待しているかをまとめて、デザインに落とし込んでいく工程をいいます。
副業ではクライアントと直接関わることが多いため、クライアントの要望を適切にくみ取ってデザインに反映するというスキルは非常に重要です。
本業では要件定義という上流工程に携わることは少ないため、副業ならではのスキルといえます。
コミュニケーションスキル
前述したように、副業でWebデザインの案件を獲得する場合クライアントとやり取りすることが多いです。
クライアントと直接関わることはもちろん、エンジニアなどともコミュニケーションを取りながら仕事を進めることが多いため、コミュニケーションスキルも非常に重要なスキルの一つです。
また、副業で案件を獲得する場合はクライアントや募集サイトへの営業も行うので、営業スキルとしてもコミュニケーションスキルが必要になってきます。
Webマーケティングスキル
Webサイトの商品やサービスが購入されるには、商品やサービスの品質がよいことが前提ですが、デザインの見せ方も非常に重要です。
そのため自分がWebデザインに携わるときは、ターゲットに適したフォントを使用するなどWebマーケティングのスキルを活用して取り組むと強いです。
またマーケティング分析なども行えるようになると、SNSやブログの発信での仕事がもらえるなど、より仕事の幅が増えます。
つまり、WebデザイナーだけでなくWebマーケターとしても活躍の幅が広がります。
Webデザイナー副業の始め方
Webデザイナーの副業の内容や得られる収入の相場は理解できたと思います。
では実際にWebデザイナーとして副業を始めようと思ったら、何から始めたらいいでしょうか?
いきなり副業を始めようと思うとハードルが高く感じる方もいると思います。
ここからはWebデザイナー副業の始め方を5つのステップに分けて解説します。
- ポートフォリオを用意する
- 受注する案件の単価を決める
- 案件を探す
- 条件交渉
- 案件開始
ステップを一つ一つ着実に進めれば案件獲得に繋がるので、ぜひ参考にしてください。
ステップ①:ポートフォリオを用意する
まずはポートフォリオを用意しましょう。
ポートフォリオとは、「自分の実力を提示できる作品集」のことです。
Webデザインの模擬案件を想定した作品(サイト)を何点か作成しておくとよいでしょう。
その際作品のコンセプトやこだわった点など、自分のスキルをアピールするための解説を盛り込むことが重要となります。
ただ見栄えがいいだけでなく、意図を反映させた設計をできるかがデザイナーとして重要なポイントだからです。
ステップ②:受注する案件の単価を決める
前述しましたが、Webデザイナーの副業案件は大きく分けると4種類あります。
- Webサイトのデザイン制作
- バナー制作
- ロゴ制作
- LP制作
報酬の相場でいうと、バナーやロゴ制作は1~5万円、LP制作は5~10万円、Webサイトのデザイン制作までいくと20万円程度です。
最終的に自分が副業でどれだけ稼ぎたいかを決めてから、これらの相場を参考にして案件の単価を決めるとよいでしょう。
ただし、最初のうちは経験もないので単価を安く設定して、案件をこなしていくうちに単価を少しずつ上げていくのがおすすめです。
ステップ③:案件を探す
自分が受注する案件の単価を決めたら、実際に案件を探しましょう。
副業案件が掲載されているサイトで探すなど詳しい案件の探し方は後述しますが、自分の希望単価に見合った案件を探すことが大切です。
Web未経験であれば、未経験歓迎の案件もあるので焦らず自分に合った案件を探してみましょう。
ステップ④:条件交渉
受注する案件が決まったら必ず契約内容をくまなく確認することをおすすめします。
単価・案件内容の確認・納期の確認など、あとから不利な状況に陥らないように、面倒でも隅々まで確認することが重要です。
気になるところがあればメールなどのテキストで交渉するだけでなく、必要であれば面談もして交渉を行いましょう。
ステップ⑤:案件開始
案件を決めて契約が結べたら、案件開始です。
案件をこなすことはもちろんですが、納期は必ず厳守し、クライアントとのコミュニケーションを密に取ることで、クライアントの信頼を獲得することも大事なので意識しましょう。
クライアントと信頼関係を築ければ、継続案件に繋げることも可能となり、その後の単価交渉もスムーズになります。
Webデザイナーの副業案件の探し方
先ほどのステップで案件を探すとありましたが、Webデザイナーの副業案件にはどういった探し方があるでしょうか。
近年、Webデザイナーの需要が高まっているのもあり、様々なところでWebデザイナーの副業案件が掲載されています。
ここでは、以下の4つに分けて解説します。
- クラウドソーシングの活用
- フリーランスエージェントの活用
- 知人・友人の紹介
- SNSで発信する
実際にどういった案件が取り扱われているかの紹介もしますが、案件の相場感をつかむためにもぜひ自分で案件を見てみてください。
クラウドソーシングの活用
Webデザイナーの副業案件を探す方法の1つ目はクラウドソーシングを活用することです。
クラウドソーシングとは、仕事を依頼したい人と仕事を受注したい人をWeb上で繋げるサービスのことです。
クラウドワークスやランサーズなど、Webデザイン案件を数多く取り扱っているクラウドソーシングサイトがあるため、ぜひ活用してみてください。
実際、1~5万円のWebデザイン案件が多く掲載されています。
自分の実力に合った案件に挑戦してみましょう。
フリーランスエージェントの活用
Webデザイナーの副業案件を探す方法の2つ目はフリーランスエージェントを活用することです。
フリーランスエージェントを利用すれば、コンサルタントがあなたのキャリアビジョンをヒアリングして、条件の合うクライアントや案件を紹介してくれます。
フリーランスエージェントを利用することで自分に合ったクライアントや案件をスムーズに見つけることができます。
レバテックフリーランスはとにかく案件数が多く、在宅OKの案件も多く副業で仕事をしやすいのが特徴です。
また、ITプロパートナーズもリモート案件や時間に融通のきく案件を豊富に保有しているのでおすすめです。
知人・友人の紹介
Webデザイナーの副業案件を探す方法の3つ目は知人・友人に案件を紹介してもらうことです。
Webデザイナー副業を始めようと思ったタイミングで、周囲に対してWebデザインの仕事を探していると伝えておくと、Webデザインの案件を貰える可能性が高まります。
また、既にある人脈で探せるのでクラウドソーシングなどより安心して仕事が受けられるというメリットがあります。
別の手段で案件を探し、その中で人脈を広げて案件に繋げることもできるので、自ら人脈を広げていき、積極的に自分から仕事を取りに行きましょう。
SNSで発信する
Webデザイナーの副業案件を探す方法の4つ目はSNSで発信することです。
Webデザインに関する知識やポートフォリオについてSNSで投稿することで、企業から仕事を貰える可能性があります。
ただし、フォロワー数が多かったりとSNSアカウントの信用性が高い状態である必要があるので、少し時間がかかることを念頭に置いて取り組むとよいでしょう。
また、SNS上でWebデザイナーを募集しているケースもあるため、自分から行動して案件を獲得することも可能です。
Webデザイナーとして副業する際に注意すること
Webデザイナーの副業案件を獲得する方法や探し方を解説してきたので、かなり副業に挑戦するハードルが下がったのではないでしょうか。
最後に、Webデザイナーとして副業するときの注意事項をご紹介します。
注意事項については以下3点を解説します。
- 就業規則を確認する
- 本業に支障が出ない範囲で働く
- 確定申告をする可能性がある
副業として取り組む分、本業と働き方が違ったりして慣れないこともあるでしょう。
本業ももちろんですが、仕事を選ぶときは慎重に取り組むことをおすすめします。
就業規則を確認する
自分が本業で働いている企業の就業規則を確認しましょう。
就業規則で副業についてどう記載されているかを確認することが非常に重要です。
就業規則などで副業を禁止することは法律で認められていないため、副業ができないということはありません。
しかし、もし副業を禁止していたり競合で働く際は、トラブルに繋がることもあり最悪解雇のリスクもあるので、注意しておきましょう。
本業に支障が出ない範囲で働く
副業に取り組むとなると、土日や平日の仕事終わりなど本業の業務時間外で取り組むこととなります。
このとき、本業に支障の出ない範囲で副業に取り組みましょう。
あくまで本業を第一優先にして、副業に割く時間がどれだけあるかを初めに確認する必要があります。
当然普段だったら休む時間も副業に充てることになるので、過労にならないように自己管理をすることが大事です。
本業が急に忙しくなることもあるので、本業に迷惑がかからないよう余裕を持ってスケジュールを確保するなど対策しておきましょう。
確定申告をする可能性がある
副業で年間所得金額が20万円以上に達する場合は、確定申告が必要です。
ただし、所得が20万円を超えた場合という点に注意です。
例えば、Webデザイナーとして副業で月収2万円の売上を得ると年間24万円の売上となります。
しかし所得は売上 – 必要経費で算出できます。
必要経費が4万円だとすると、所得は20万円となり確定申告の提出は必要ありません。
そのため、必要経費の算出も必要だということを覚えておきましょう。
副業で様々な経験を積もう
本記事は、Webデザイナーの副業について始め方から案件獲得方法まで解説してきました。
Webデザイナーの副業案件はいくつか種類がありますが、それぞれ得られる収入が異なります。
Webサイトのデザイン制作まで携われば、本業も超える収入を得られる可能性があります。
クラウドソーシングサイトやフリーランスエージェントを利用すれば、スムーズに副業案件を獲得することができ、初心者でも安心して副業に取り組むことが可能です。
ただし、副業を始めることで生活サイクルに影響が出たりするので注意しておきましょう。
非常に副業に取り組みやすい現状ですので、ぜひ本記事を参考にして挑戦してみてください。