近年、Web業界が伸びていることからWeb関連の職種の注目が上がっています。
Webサイトのデザインを行うWebデザイナーも注目されている職種の一つです。
そのため、キャリアチェンジの選択肢の一つとしてWebデザイナーという働き方を検討されている方も多いのではないでしょうか。
Webデザイナーという仕事は自宅でも副業としてできることから、最近では会社員や主婦にも注目されつつあり、勉強をしてスキルを身につければ未経験者でも取り組むことができます。
では、実際にWebデザイナーとして活躍するためにはどんなスキルが必要なのでしょうか?
本記事では、Webデザイナーが身につけるべきスキルと学ぶ際の注意点を解説します。
Webデザイナーに必須なスキル3選
Webデザイナーは、デザインスキルやコーディングスキルなどの専門スキルを駆使して業務を行う専門職です。
ですが、勉強してスキルを身につければ未経験でもWebデザイナーの仕事に就くことができます。
様々なスキルが必要とされますが、Webデザイナーとして業務を行うのに必須なスキルは以下の3つです。
- デザイン基礎知識
- デザインツールを扱うスキル
- コミュニケーションスキル
Webデザイナーの道を考えている方は、まずこの3つのスキルを抑えることを強くおすすめします。
デザイン基礎知識
デザインに正解はありませんが、デザインを作成するための一定のルールは存在します。
そのため、デザインの基礎知識や理論をきちんと理解することが大事です。
配色、レイアウト、フォント、デザイントレンドといった要素がデザインの基礎知識にあたるので勉強しておきましょう。
Webサイトのデザインでいうと、見出しや写真などの並べ方のほか、メニューや目次などの一覧表示、ボタンやチェックボックスの装飾などにはデザインの理論が存在します。
こういった知識・デザインからあまりにかけ離れすぎるととても見づらいデザインになってしまうため、基礎知識をあらかじめ学んでおくことが大切です。
デザインツールを扱うスキル
デザインを行うときに使用するツールとして、PhotoshopやIllustrator、Figmaなどのデザインツールがあります。
それぞれ使いこなせるようになっておくと、デザインの現場で役に立ちます。
Photoshopは有料のデザインツールで、画像の明るさを調整したり、画像の合成をしたりと画像加工が行えるツールです。
Illustratorも有料のデザインツールで、イラストの作成が行えます。
Webデザインでは主にロゴの作成やアイコン、イラストパーツの作成に使用します。
Figmaは無料のデザインツールで、ホームページのフォントやイラストといったインターフェースのデザインをブラウザ上で行えるツールです。
コミュニケーションスキル
Webデザイナーにもコミュニケーションスキルは必須です。
クライアントにヒアリングを行ったり、一緒にWeb制作しているチームメンバーと意思疎通を取ったりとWebデザインの現場でコミュニケーションを取る場面が多いためです。
クライアントにヒアリングする際に適切に課題を汲み取ることや、自分の考えているWebデザインをエンジニアなどのチームメンバーに正しく共有できると、仕事のスピードや完成度が大きく向上します。
コミュニケーションスキルは、Webデザイナーだけでなくどの仕事でも必要になってくるスキルなので、日頃から意識するとよいでしょう。
需要の高い人材になるために+αで身につけたいスキル4選
先ほど紹介したスキルを身につければ最低限のWebデザインの仕事をこなすことは可能ですが、他にもスキルを身につけておくと活躍の幅を広げることができます。
ここからは、Webデザイナーとしてより需要の高い人材になるために身につきたいスキルを4つ紹介します。
- UI/UXに関する知識
- コーディングスキル
- Webマーケティングの知識
- マネジメントスキル
UI/UXに関する知識
UIとはユーザーインタフェースの略語で、ユーザーがシステムやサービスを利用する上で実際に触れる画面などの仕組みを指します。
UXとはユーザーエクスペリエンスの略語で、ユーザーがそのサービス・システムを通して得られる体験(メリットなど)を指します。
両方の知識があると、ユーザーの利便性や使用感を第一に考えたデザインが作成できるため、ユーザー目線で満足度の高いWebサイトを制作することが可能です。
使いやすさを考えているので、ユーザーの離脱率を下げるためにも有効です。
コーディングスキル
Webデザイナーでもコーディングスキルを身につけておきましょう。
ホームページの構造を決めるHTML、ホームページの見た目を装飾するCSS、ホームページに動きをつけるJavaScriptが主に用いられる言語ですので、このあたりを書けるようにしておくと効果的です。
各言語で何ができて何ができないかを把握しておくことで、コーディングを見越したデザイン作成が行えるというメリットがあります。
またエンジニアとの共通知識ができるので、コミュニケーションをスムーズに進めることもできます。
Webマーケティングの知識
クライアントがWebサイト制作を依頼する目的は、完成したWebサイトを通じてクライアントの商品・サービスの売上げアップや課題解決するためです。
Webサイトのデザインを担当するWebデザイナーがその目的に沿ったデザインを手掛ける必要があるため、Webマーケティングの知識を持っておくことはとても重要です。
マーケティングに長けたデザイナーは、クライアントの要件に沿ったデザインを自分で提案したり、要素一つ一つに意味を持たせたデザインを制作することができます。
マーケティング目線でより付加価値の高いサイト制作を行えることから、需要の高い人材として重宝されます。
マネジメントスキル
Webデザイナーでのキャリアアップを目指すなら、マネジメントスキルはぜひ身につけておきたいスキルです。
制作実績がついてくると、任された業務をこなすだけでなく、今度は自分がプロダクトの進捗管理を行ったり、部下に仕事を割り振ったりと上流の仕事をこなすことも多くなってきます。
Webデザイナーの上流職としてWebディレクターやWebプロデューサーといった職種がありますが、マネジメントスキルがあればそういった職種へのキャリアアップが目指しやすいです。
いきなりチームをマネジメントするのは難しいので、日頃から周りのリーダーのマネジメントを観察して勉強しておきましょう。
Webデザイナーが常にスキルを磨き続けるべき理由
Webデザイナーとして活躍し続けるには、常にスキルを磨き続ける必要があります。
どの職種でもスキルを磨くことは重要ですが、ここでは以下3つの理由を解説します。
- 流行についていくため
- 他スキルとの相性がいいから
- 他デザイナーとの差別化
Web業界の職種という性質ゆえの理由もあるので、正しく理解しておきましょう。
流行についていくため
Webデザインのトレンドは移り変わるのが早いことで知られています。
そのため、トレンドを学び続けないと古いデザインで制作してしまい、クライアントに対して最適なデザインを提供することが難しくなってしまいます。
例えば一昔前ではAdobe FlashというソフトがWebサイトの作成に欠かせないといわれていましたが、「スマホ向きではない」「SEO対策が不得意」といった理由から、現在ではほとんど使われていません。
デザインのトレンドについていくために、常に最新情報に対して意識を持っておくことが重要です。
他スキルとの相性がいいから
Webデザイナーはデザインスキルに加えて他スキルを習得することで、キャリアの選択肢を広げることができます。
例えば、マーケティングスキルを覚えればWebマーケター、コーディングスキルを覚えればWebエンジニア、マネジメントスキルを覚えればWebディレクターといった具合です。
こういった職種も視野に入れておけば、技術が変遷しても臨機応変に役割を変えて働き続けることができます。
また、他スキルとの掛け合わせで希少価値を高めて高単価の案件を獲得するという手もあります。
一見デザインとは関係のなさそうなスキルや経験でも、数年後に思わぬ形で仕事に活かされることがあり、独自性のある人材と評価されるでしょう。
他デザイナーとの差別化
電子商取引やインターネット広告の市場規模の拡大に伴い、Webデザイナーの需要が高まっています。
その影響から全体のWebデザイナーの数が増えており、Webデザイナー間の競争が激化しているため、Webデザイナーとして働き続けるには他のWebデザイナーとの差別化が必要になっているのが現状です。
他デザイナーとの差別化を図るには、自分の得意なデザインスキルに特化するか、先述したように他スキルを身につけるかで市場価値を高めることがおすすめです。
また他社より1営業日速い納期に対応する、サイト全体に対して共通したデザインへの修正ができるなど、仕事のクオリティを上げることで顧客に提供できる付加価値を高めることも効果的といえます。
必要なスキルを学ぶ方法3選
ここまではWebデザイナーに必要なスキル、そしてスキルを磨き続ける理由を解説してきました。
未経験でも必要なスキルだけ習得しておけば、Webデザイナーとして働くことは可能です。
では、未経験からWebデザイナーとして必要なスキルを習得するにはどう勉強したらよいでしょうか?
ここでは、3種類の勉強方法を紹介します。
独学
最近では書籍やオンラインサービスでの学習コンテンツが増えたため、独学でWebデザインスキルを身につけることができます。
独学で学ぶ方法としては書籍のほか、UdemyやYoutubeなどの動画サイトを活用する方法があります。
独学のメリットは学習コストが低いことです。
書籍で数千円、動画サイトでは無料で学べるものも充実しています。
また、自分で学習計画を立てるため自分のペースでできるのもメリットの一つです。
自分一人ゆえにデメリットもあるので、注意が必要です。
一つはモチベーションの維持が難しく挫折しやすい点、もう一つは間違って覚える可能性があるという点です。
スクール
Webデザインを学べるスクールに通って学ぶのも一つの手です。
最近では現地へ通わなくても受講可能なオンラインスクールが増えているため、社会人でも働きながら学びやすいです。
また講師やメンターがついてくれるため、疑問点の解消や質問・相談がしやすく挫折しにくいのも大きなメリットといえます。
周りに一緒に学べる仲間がいるのも心強いでしょう。
注意点としては、学習コストが独学に比べて高いです。
スクールやカリキュラムによりますが、大体数万円から十数万円かかるため受講は慎重に決めるとよいでしょう。
資格取得
Webデザイナーとして働くうえで、必ず必要な資格というものはありません。
しかしWebデザイナーの資格はいくつか存在し、取得しておくことでスキルを客観的に証明する指標になります。
未経験からwebデザイナーを目指す場合、資格取得を経て正確な基礎知識を押さえることができますし、転職する際に学習意欲があることをアピールできるため、積極的に資格を取得することを推奨します。
おすすめの資格を挙げるとすると、Webデザイン技能検定、Webクリエイター能力認定試験あたりがよいでしょう。
気になった方はぜひ調べてみてください。
スキル習得の際の注意点
Webデザイナーに必要なスキルを習得しようとすると、上述した方法で勉強を行うと思いますが、その際に注意が必要です。
注意点として以下2点を解説しますが、どちらもよりスキル習得を効果的に行うためのものですので、しっかり理解した上で勉強に取り組んでください。
期間を決めて取り組む
基礎を学んだらすぐに実践する
期間を決めて取り組む
学習を始める際は期間を決めて取り組むようにしましょう。
Webデザインを学習してどうなりたいか?という自分の目的を設定した上で、いつまでにWebデザインの学習を完了させて転職・案件獲得に進むかを決めることが重要です。
これが決まっていないとダラダラと勉強だけ続けてしまい、本来の転職・案件獲得に進まないという事態に陥ってしまいます。
また自身で進捗管理して進捗が把握できると、ゴールまでの道のりが明確になりモチベーション維持にもなるので進捗を記載する時間を設けるのも大事です。
基礎を学んだらすぐに実践する
ある程度基礎知識が習得できたらすぐ実践するようにしましょう。
学んだ教材のものとそのまま同じものを作るだけでは本当にスキルアップしたとはいえません。
基礎知識を入れたうえで自身でWebサイトを探して、デザイントレースに取り組むのがおすすめです。
デザイントレースとはあるデザインを模写することで、デザイン感覚や思考力、デザイン知識を身につけることができます。
またトレースしたサイトが増えれば、転職の際に必要になるポートフォリオの作成に繋がります。
スキルを高めて価値あるWebデザイナーになろう
本記事ではWebデザイナーが身につけるべきスキルと学ぶ際の注意点を解説してきました。
必須で身につけるべきスキルと+αで身につけるべきスキルがあるので、未経験の方はまずは必須スキルを身につけることに専念しましょう。
一方ですでにWebデザイナーとして働いている方も、デザイントレンドの移り変わりの激しさ、他デザイナーとの差別化の観点から、スキルを磨き続けることをおすすめします。
スキルを身につけるには、独学、スクール、資格習得の3つの方法を紹介しました。
自身のお金、時間の都合や目的に合わせて勉強方法を選んでください。
その際に、期限設定をすること、学んだらすぐ実践することに注意しておくと、よりスムーズに学習を進めることができます。
Webデザイナーのキャリアを考えている方に、少しでも参考になれば幸いです。