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システムエンジニア(SE)の平均年収が高いってホント?システムエンジニアは稼げる技術職

この記事の監修者
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橋本 琢王
CIRANUI株式会社代表取締役 2015年にエンジニアとしてのキャリアをスタートし、制作会社のWEBディレクター、ヘルスケアスタートアップのWEBエンジニア、事業会社のプロジェクトマネージャー・プロダクトマネージャーなど様々なプロジェクトに参画。 プロジェクトマネージャー、WEBディレクター、WEBエンジニアとしてのキャリアを築く。 プロジェクトに参画しながら、2016年にフリーランスチーム「FIREWORKS」を立ち上げ、フリーランスで活躍するエンジニアやデザイナーと共に、WEBブランディング、WEB開発を行う。 2021年に個人事業主から法人化をしてCIRANUI株式会社代表取締役に就任。

IT業界の人手不足に伴い、システムエンジニアの需要が高まっています。

システムエンジニアへの転職や、すでにシステムエンジニアとして働いている場合、平均年収が気になる方も多いのではないでしょうか。

どれくらい収入を得られるかは、仕事のモチベーションに影響するでしょう。

そこで今回は、システムエンジニアの平均年収について解説します。

年代別のシステムエンジニアの年収や年収が高い理由、年収を上げる方法について紹介するので、ぜひ参考にしてください。

システムエンジニアの年収はどれくらい?

これからシステムエンジニアを目指す方は年収がどれくらいなのか気になると思います。

また、すでにシステムエンジニアとして働いている方は、自身の年収が妥当なのか確認しておきましょう。

システムエンジニアの平均年収は509万円です。
(参照:求人ボックス 2023年4月21日調べ)

日本全体の平均年収の443万円と比較すると、システムエンジニアの年収は高いことがわかります。
(参照:国税庁令和3年分民間給与実態統計調査

もちろん所属する企業の規模や雇用形態、保有するスキルによって上下があるので、あくまで目安としてください。

平均年収の509万円より低い場合は、スキルを身につけて、さらに上を目指してみてはいかがでしょうか。

【年代別】システムエンジニアの年収をご紹介

ここでは年代別のシステムエンジニアの平均年収を確認してみましょう。

システムエンジニアの年収は他の職種と同様に年齢が上がるにつれて高くなる傾向があります。

20代から50代までのシステムエンジニアの平均年収を紹介するので、自身の年代ではどれくらいの年収になるのか目安としてください。

日本全体の平均年収と比較してシステムエンジニアの年収が高いか低いかも合わせて紹介します。

20代システムエンジニアの年収

20代のシステムエンジニアの平均年収は392万円です。
(参照:求人ボックス 20〜24歳と25〜29歳の平均)

日本全体の20代の平均年収である342万円と比較すると、20代のシステムエンジニアの平均年収は高くなっています。

20代は働き始めたばかりでスキルや経験が少ない方も多い中、全体平均を50万円も上回りました。
(参照:DODA

20代のシステムエンジニアの年収で注目すべき点は、20〜24歳では339万円だった年収が、25〜29歳では445万円まで上がっていることです。

年齢を重ねて経験を積むと、スキルが身につくため年収が高くなります。

システムエンジニアは20代後半になると、日本全体の同年代の年収を大きく上回る収入を得られることがわかりました。

30代システムエンジニアの年収

30代のシステムエンジニアの平均年収は553万円です。
(参照:求人ボックス 30〜34歳と35〜39歳の平均)

日本全体の30代の平均年収である435万円と比較すると、システムエンジニアの平均年収は100万円以上高くなっています。
(参照:DODA

20代後半の平均年収と比べると108万円も高く、システムエンジニアは年収の上昇率が高い業種といえるでしょう。

専門職であるシステムエンジニアは、30代になると経験やスキルが磨かれ、任される仕事が増えることによって収入が上がります。

30代になると管理職やプロジェクトリーダーのポジションに就くことがあり、年収と比例して責任や求められるスキルも高くなります。

経歴によっては、好条件の企業への転職でさらに年収を上げていくことが可能です。

40代システムエンジニアの年収

40代のシステムエンジニアの平均年収は636万円です。
(参照:求人ボックス 40〜44歳と45〜49歳の平均)

日本全体の40代の平均年収である495万円と比較すると、システムエンジニアの平均年収が141万円高くなっています。
(参照:DODA

40代に入ってもシステムエンジニアの年収は高い水準で推移しています。

ただし、20代や30代と比べると年収の上昇率は落ち着き、40代前半が621万円なのに対して40代後半が651万円です。

40代以降も年収を上げていくためには、経験にとらわれず、常に新しい情報を取り入れて知識を身につける必要があります。

技術的なスキルだけではなく、管理職としてのマネジメントスキルも必要不可欠です。

40代以降に年収を上げるためには、転職やITコンサルタントなどの上位職種へのキャリアアップも検討しましょう。

50代システムエンジニアの年収

50代のシステムエンジニアの平均年収は659万円です。
(参照:求人ボックス 50〜54歳と55〜59歳の平均)

日本全体の50代の平均年収である596万円と比較すると、システムエンジニアの平均年収が63万円高くなっています。
(参照:DODA

50代前半の666万円が年代別の平均年収では最高額です。

50代後半になると少し下がって652万円となります。社内で役職まで出世できれば、役職手当をもらうことで年収を上げることが可能です。

そのためには、40代と同様にマネジメントスキルが必須となります。

ここまで年代別でシステムエンジニアの年収を紹介しました。働く企業の規模やポジション、雇用形態によって年収は変わります。

それを踏まえたとしても、年代を問わずシステムエンジニアの年収は高いということがわかりました。

【職種別】システムエンジニアの年収をご紹介

システムエンジニアの年収をより深掘りするために、職種別の年収を解説します。

システムエンジニアの職種は大きく分類すると、Slerに勤めるシステムエンジニアと社内SEの2つです。

同じシステムエンジニアでも働き方によって年収にどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、Slerのシステムエンジニアと社内SEの年収の違いを紹介します。

SIerのシステムエンジニアの年収

Slerとはシステムを構築する会社のことです。

クライアントの抱える課題の解決やニーズを満たすためのシステム設計から開発、運用、保守を請け負います。

Slerの仕事は1社で完結することが少なく、元請け企業と下請け企業の多重構造で成り立っています。

Slerに所属するシステムエンジニアの業務は、上記の企業で行われているシステム開発などです。

Slerで働いているシステムエンジニアの平均年収は458万円で、システムエンジニア全体の年収509万円に比べると低くなっています。
(参照:DODA

平均年収が低い理由は、大手である元請け企業と下請け企業を合わせたSler全体の平均となっているからです。

大手Slerで働くシステムエンジニアは高い年収を得られます。

大手Slerである野村総合研究所のIT系エンジニアの平均年収は939万円と非常に高いです。
(参照:enライトハウス

しかし、下請けのSlerでは、競合との価格競争によって、システムエンジニアの年収は低くなります。

このように、Slerのシステムエンジニアの年収は、所属する企業の規模やポジションに大きく依存します。

社内SEの年収

社内SEの業務はSlerとは異なり、自社のシステム開発です。社内に必要なシステムの企画や導入、開発のほか、従業員からの問い合わせへの対応やヘルプデスクの役割も果たします。

社内SEの平均年収は525万円です。
(参照:求人ボックス

システムエンジニア全体の平均509万円と比較すると高くなっています。また、Slerの平均年収458万円より高いです。

社内SEの平均年収が高くなっている理由としては、大手企業から中小企業までの平均年収であることが挙げられます。

社内SEの年収の幅は354万円〜972万円と広く、所属する企業全体の年収で上下します。

Slerのシステムエンジニアと社内SEの年収はどちらか一方が特別高い訳ではありません。企業の規模や自身のスキルとポジションで大きく異なります。

システムエンジニアの年収はなぜ高い?

システムエンジニアの年収は日本全体の平均年収より高いです。システムエンジニアの年収が高い理由として以下の3つの理由があります。

  • IT業界が人不足の状況だから
  • 専門性の高い職種だから
  • 企業によっては休日出勤や夜勤などがあるから

それぞれの理由を詳しく解説します。

IT業界が人不足の状況だから

近年、IT業界全体では人手不足が深刻な問題です。そのため、高い年収を出してでも優秀なシステムエンジニアを求める企業が増えています。

経済産業省の調査では、2030年にはIT業界で45万人もの人材が不足すると報告されました。
(参照:IT人材需要に関する調査

急速に進むIT化とIT技術の進歩に伴い、システムエンジニアの需要が高まる一方、供給が追いついていない状況です。

しかし、オンラインスクールや教材が登場したことで、プログラミング学習のハードルが下がりました。

学習機会が増えたことで、スキルや経験の少ないエンジニアが増えており、未経験でIT業界に飛び込む人が増加傾向にあります。

今後、システムエンジニアとして生き残るためには、たくさんの経験を積んで、スキルを高めていくしかありません。

IT業界は人手不足ではありますが、自ら進んで学習しなければ、技術の進歩に取り残されることになります。

専門性の高い職種だから

システムエンジニアは専門性が高く、プログラミングスキルやITの知識が必要です。専門性の高いスキルの保有者は希少価値があることから、高い年収が支払われます。

必要とされるスキルは幅広く、プログラミング言語ひとつ取ってもPHPやJavaなどさまざまです。

変化の激しいIT業界で高い収入を維持するためには、常に新しい情報を取り入れ、専門性を高く保つことが求められます。

また、クライアントの要望に応えるシステムを設計するためには、ヒアリング能力や提案力、コミュニケーション能力が必要です。

このように、システムエンジニアには、高いスキルと専門性が必要なため、高い年収が支払われます。

企業によっては休日出勤や夜勤などがあるから

システムエンジニアはクライアントとの間で決められた納期に間に合うよう作業を進めます。

納期に間に合いそうになければ休日出勤や夜勤をしてでも作業を進めることがあります。休日出勤や夜勤が増えると、その分時間外の手当がつくことで年収が上がりますが、体力的には辛いので、メリットとデメリットの両方があるといえるでしょう。

また、従業員がいない休日や業務時間外にシステムの導入や入れ替え作業を求められる場合があります。

ネットワークの監視やシステム運用など夜間の作業が必要な仕事は、あらかじめ夜勤がシフトに組み込まれていることがあります。

企業によってはシステムエンジニアに休日出勤や夜勤はつきものです。

システムエンジニアが年収を上げていく方法

ここからは、システムエンジニアが年収を上げていく方法について解説します。

システムエンジニアの需要が高いとはいえ、所属する企業や自身のスキルによっては平均年収を下回ります。

自身の年収が同年代の平均より低い場合は、これから紹介する方法を試してみてください。

システムエンジニアが年収を上げる方法は以下の3つです。

  • より待遇の良い企業へ転職する
  • 専門資格を取得する
  • その企業で昇進していく

システムエンジニアとして高い年収を得るための方法を確認していきましょう。

より待遇の良い企業へ転職する

いま勤めている企業の年収に疑問を感じたら、高待遇の企業へ転職を検討してみましょう。

IT業界は深刻な人手不足です。システムエンジニアの求人数は多く、売り手市場のため、比較的容易に転職ができます。

また、IT業界は人材の流動性が高く、転職する人が少なくありません。未経験からIT業界へ転職する人が増えているので、経験者は優遇されます。

転職回数が増えても、高いスキルを保有していれば、今よりも高待遇の企業へ転職ができるでしょう。同じシステムエンジニアでも業界によって年収に差があります。

年収を上げるために業界を変える転職もおすすめです。

特に金融業界と外資系は年収が高いので、転職先に検討をしてみてはいかがでしょうか。

専門資格を取得する

システムエンジニアの年収アップにはITの専門資格の取得が有効です。

企業によっては資格取得によって、資格手当や一時金が支給されることがあります。社内規定を一度確認してみましょう。

また、専門資格を取得していると、転職活動で有利になります。

資格を取得していることで、一定のスキルを保有していることを証明できます。システムエンジニアにおすすめの資格は以下の3つです。

  • 基本情報技術資格試験
  • 応用情報技術者試験
  • ITストラテジスト試験

いずれも難易度が高い国家資格ですが、取得しておいて損はないでしょう。資格取得は年収アップや転職に有利なだけではなく、試験勉強の中で高い専門知識が身につけられます。

知識を活かして、システムエンジニアからさらに上流のIT職種にキャリアアップを目指すことで年収アップが可能です。

その企業で昇進していく

勤めている企業でキャリアを積んで昇進することも、年収を上げる方法のひとつです。

先述した通り、システムエンジニアの年収は年齢とともに上がる傾向があります。理由としては、システムエンジニアとしてより上のポジションにつくことが挙げられます。

現場でシステム開発をするだけではなく、プロジェクトマネージャーとしてチームを管理する立場になれば年収が上がります。

もちろん社内で昇進することは簡単ではありません。エンジニアとしての技術力だけではなく、マネジメントスキルが求められ、場合によっては社内営業も必要です。

昇進先として、CTO(最高技術責任者)というポジションを用意している企業もあります。

CTOには役職手当が支給されるので、一般社員より高い年収を得られるでしょう。

システムエンジニアは難易度は高いが年収も高い職種

本記事ではシステムエンジニアの年収についてあらゆる角度から解説しました。

システムエンジニアは、高いスキルと幅広い知識が求められる難易度の高い職種です。

そのため年収が高く、日本全体の平均年収や同年代の平均年収を上回ります。

システムエンジニアの年収は所属する企業の規模によって上下するので、現在の収入に疑問を感じたら高待遇の企業へ転職を検討してみましょう。

IT業界の深刻な人材不足によって、未経験からシステムエンジニアへの転職も増えており、需要の高さが伺えます。

変化の激しいIT業界で通用するシステムエンジニアの年収は、今後も高い水準で推移していくことが予想されます。

システムエンジニアとして年収を上げるために、たくさんの経験を積み、常にスキルを磨き続けましょう。

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