未経験からWebエンジニアを目指す手段の1つとして挙げられるのが「独学」です。
しかし学習の進め方や転職方法を知らないと、学習中に挫折してしまったり、転職活動が失敗に終わる可能性が出てきます。
そこで本記事では「そもそも未経験から独学でWebエンジニアになれるの?」「未経験者でもできる独学での勉強方法が知りたい」「Webエンジニア転職のコツはある?」といった疑問を解決していきます。
今回は大きく分けて4つのテーマについて解説します。
- 独学でWebエンジニア転職を実現する方法
- 独学でプログラミングを勉強する際の注意点
- 独学でWebエンジニアを目指す人におすすめのサービス
- 未経験・独学でWebエンジニア転職を成功させるコツ
最後まで読めば、独学でもプログラミングスキルを身につける方法と転職活動を有利に進めるコツが分かります。
未経験から独学でWebエンジニアになれるのか?
結論からお伝えすると、未経験者でもWebエンジニアになることは可能です。
現在プログラミング学習用の書籍やオンライン学習サイトが充実しており、プログラミングを学ぶ環境が充実しています。
また未経験可(実務経験が不要)のWebエンジニア向け求人も存在します。
だからといって、誰でも未経験からWebエンジニアになれるわけではありません。
プロのWebエンジニアとして働けるようになるには、相当な努力と時間が必要になります。
とはいえWebエンジニアに求められるスキルを磨いて、ポートフォリオ作成や面接といった転職活動の対策がしっかり出来ていれば未経験でも転職できます。
独学でWebエンジニア転職を実現する勉強方法
まずは本や動画でプログラミングの基礎を習得し、その後はひたすら手を動かしてプログラミングするのがおすすめの勉強方法です。
それでは具体的な勉強方法を解説していきます。
本で学ぶ
本はテーマに沿った内容を網羅的に説明しているので、1冊で多くの知識を吸収できるのがメリットと言えます。
注意点として、初めからたくさんの本に手を出さないようにしてください。
Webエンジニアは覚えることが多いため「1度にすべての内容を把握しよう!」と試みると、中途半端になる可能性が出てきます。
「IT全般の知識」→「プログラミング基礎用語」→「プログラミング文法」のように、段階を踏みながら学習を進めていきましょう。
動画で学ぶ
「文字情報だけだとなかなか頭に入ってこない」「空いている時間を有効活用したい」という方であれば、動画を使った学習方法がおすすめです。
現在はさまざまな動画配信サービスがありますが、未経験者にまず利用してほしいのがYouTubeです。
YouTubeは高クオリティの動画を無料で視聴でき、プログラミング未経験者向けの動画が多数公開されています。
また1本あたり10分〜30分構成の動画が多いので、隙間時間に勉強できるのも学業や仕事で忙しい人には嬉しいポイントです。
しかし動画は、本のようにテーマに沿った内容をすべて網羅しているとは限りません。
ですので動画と本、または後ほど紹介するオンライン学習サイトと併用するのが良いでしょう。
とにかく手を動かす
本や動画を使ってプログラミングの基礎知識が身についたら、あとは実践あるのみです。
はじめは「本に載っているサンプルを真似する」「動画を見ながら解説通りにプログラムを組んでみる」といった見よう見まねの作業で構いません。
とにかく手を動かして、プログラミングの書き方やエラーの対処法を覚えていきます。
プログラミングに慣れてきたら「Webページを模写する」「ネット上にあるWebアプリの作り方を見ながら開発する」など、徐々に難易度を上げていきましょう。
独学でプログラミングを勉強する際の注意点
何も考えずに学習を進めるとモチベーションの低下や、途中で挫折する可能性が出てきます。
ここでは独学でプログラミングを勉強する際に気をつけてほしいことを3つ紹介します。
なりたいWebエンジニア像を明確にする
プログラミング学習は時間がかかります。
プログラミング未経験者がWebエンジニアになる場合、3ヶ月〜1年以上かかると肝に銘じておきましょう。
モチベーション低下の防止、学ぶべきプログラミング言語を決定するために学習の目的やゴールを設定します。
Webエンジニアは担当する仕事領域によって、「フロントエンドエンジニア」と「バックエンドエンジニア」に分類されます。
フロントエンドエンジニアはWebサイトやアプリなど、ユーザーが目にする部分を開発します。
使用言語はHTML・CSS・JavaScriptです。
一方バックエンドエンジニアはユーザーの目に触れない、サーバーやデータベース処理がメインの仕事です。
使用言語は案件によりますがPHPやPython、RubyやJavaがよく使われています。
このように、フロントエンドとバックエンドでは仕事内容がまったく異なります。
そのため、なりたいWebエンジニア像が明確になっていないと「思っていた仕事内容と違った」という事態が起こり得るのです。
あなたが目指すWebエンジニアになるためにも、まずは学習の目的と学習するプログラミング言語を明白にしましょう。
必要なものに集中して取り掛かる
学習する目的とゴール、学ぶべきプログラミング言語が決まったら学習に取りかかりましょう。
「あれもこれも学びたい」と手を出し、学習が滞らないように注意してください。
たとえば、Pythonを扱えるバックエンドエンジニアを目指していると仮定します。
Pythonを使って一人で開発が出来るようになる前に、RubyやPHPに手を出すのは控えてください。
覚えることが増えて負担が増えるだけでなく、Pythonの学習が中途半端になってしまい、必要なスキルが身につきません。
まずはPythonを扱えるバックエンドエンジニアに必要なPythonやWebサーバー、データベースなどの知識を優先的に学習しましょう。
質問できる環境を作る
プログラミング学習を進めると、プログラムエラーや分からないことが必ず出てきます。
自力で解決出来れば問題ありませんが、未経験者だとエラーを修正するために数時間、長いと丸一日費やすことも珍しくありません。
誰にも相談できずエラー修正に多くの時間を使ってしまうと、学習がなかなか進まず非効率的です。
学習を中断しないためにも、質問できる環境を用意することが大切です。
相談相手の探し方は「知人に依頼する」「Twitterでプログラミングに詳しい人を探す」などが挙げられます。
もし相談相手を探すのが難しければ、後ほど紹介するMENTAを活用してみてください。
独学でWebエンジニア転職を目指す人におすすめのサービス
独学でWebエンジニア転職を目指す人におすすめしたい、オンライン学習サイトを4つ紹介します。
どのサービスも一部無料・低価格で利用できます。
あなたに合ったサービスを見つけるためにも、まずは実際に使ってみてください。
Progate
Progateは、プログラミング未経験者でも気軽に学べるオンライン学習サービスです。
イラスト中心のスライドで学んでから、実際に手を動かしプログラミングを行います。
未経験者がつまずきやすい開発環境の構築をしなくていいので、すぐプログラミングが実践できるのが非常に便利です。
またスマホ用のアプリがリリースされているので、隙間時間に学習できます。
月額1,078円(税込)ですべてのカリキュラムが受けられるので、ぜひ試してみてください。
CODEPREP
CODEPREPは実践型のプログラミング学習サービスです。
最初は穴埋め形式の問題を解いていき、プログラムの動きを理解することから始めます。
その後は完成済みのソースコードを自由に編集し、自分でプログラミングする力を身につけていきます。
また他のユーザーと会話が出来るディスカッションボートが用意されているので、分からない問題が出てきてもすぐに相談可能です。
CODEPREPは手を動かしながら学習するのが前提なので、スマートフォンでは利用できません。
CODEPREPはPC環境(キーボード)が必要なので注意してください。
Udemy
Udemyは世界最大級のオンライン学習プラットフォームです。
2022年8月時点で20万種類以上の動画が用意されており、新しい動画が次々と配信されています。
プログラミングの基礎知識が学べる内容からWebアプリの開発手順を紹介する動画まで、レベルはさまざまです。
通常価格で20,000円以上する動画もありますが、セール期間に購入すれば2,000〜3,000円で購入できます。
さらに30日間の返金保証制度付きなので、気軽に受講できるのもUdemyのメリットと言えます。
MENTA
MENTAは、相談相手(メンター)を探すことができるサービスです。
メンターの中には現役のWebエンジニアも在籍しており、技術的な話やWebエンジニアのキャリアについて相談できます。
MENTAは単発1,000円、月額3,000円から始められるので、プログラミングスクールよりも格段に費用を抑えられます。
その代わりスクールのように手取り足取り教えてもらえるわけではありません。
あくまでもメンターは講師ではなく、アドバイスをしてくれる相談役です。
ですので、メンターに相談した後は自分の力で解決しようと努力できる人ならMENTAを有効活用できるでしょう。
未経験・独学でWebエンジニア転職を成功させるコツ
経験者に比べて実務経験がない未経験者の転職は難しくなります。
紹介する未経験からWebエンジニア転職を成功させる4つのコツを押さえて、転職活動を有利に進めましょう。
- IT系の資格を取る
- ポートフォリオを作り込む
- IT・Web業界専門の転職エージェントを使う
- 実務経験を積む
IT系の資格を取る
実務経験のない未経験者は、資格を習得してスキルと学習意欲をアピールするのが有効です。
下記に未経験者におすすめしたいWebエンジニア向け資格を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
資格名 | 証明できるスキル |
ITパスポート | IT全般の基礎知識 |
基本情報技術者試験 | IT全般の基礎・応用知識 |
HTML5プロフェッショナル認定試験 | HTML・CSS・JavaScript |
ウェブデザイン検定 | HTML・CSS・JavaScript・Webデザイン |
PHP技術者認定試験 | PHP |
Ruby技術者認定試験 | Ruby |
Python 3 エンジニア認定基礎試験 | Python |
Javaプログラミング能力認定試験 | Java |
ポートフォリオを作り込む
未経験者こそ時間をかけてポートフォリオを作り込みましょう。
未経験Webエンジニア向けの求人があるとお伝えしましたが、「Webエンジニアとしてのスキルは必要ない」という意味ではありません。
実務経験は無くても、Webエンジニアに求められる最低限のスキルが身についており、Webサイトやアプリを開発したことがある人材を企業は求めています。
ですので、自分の手で開発した作品はポートフォリオに掲載し、企業に見せられるように準備しておきましょう。
IT・Web業界専門の転職エージェントを使う
多種多様な業界の求人を扱っている転職エージェント(総合型)よりも、IT・Web業界に特化した転職エージェント(IT・Web特化型)を活用したほうが効率よく転職活動が進められます。
IT・Web特化型の転職エージェントを活用するメリットは下記の3つです。
- 総合型よりもIT・Web系求人が多い
- IT・Web業界を熟知した専門性の高いキャリアアドバイザーが多い
- 今後の市場動向を踏まえた上でキャリアの相談に乗ってくれる
ほとんどの転職エージェントは無料で利用できます。
より多くの求人から自分の希望にあった企業を見つけるために、転職エージェントを2〜3社活用する方法がおすすめです。
実務経験を積む
初心者向け案件が多いクラウドソーシングや知り合いから案件を受注して、実務経験を積むのも転職を成功に導くためのコツになります。
転職時に実務経験があれば、Webエンジニアとしてのスキルや営業力・そして熱意を企業にアピールできます。
しかしクラウドソーシングは単価が安い傾向にあるので、「最初の実績作りの場」と捉えておきましょう。
未経験・独学でフリーランスWebエンジニアになれる?
未経験から独学でフリーランスのWebエンジニアになるのは、限りなく不可能に近いと言えます。
フリーランスのWebエンジニアが仕事を獲得する主な手段は下記4つです。
- 転職エージェント経由
- 自ら企業に営業する
- クラウドソーシング経由
- 知り合い経由
未経験Webエンジニアが転職エージェントと企業経由で仕事を獲得するのは非常に難しいです。
仕事を発注する企業は即戦力として働けるWebエンジニアを探しており、スキルと実務経験を重視します。
フリーランスは社員ではないので、企業がわざわざお金をかけて教育することはありません。
次にランサーズやクラウドワークスなどのクラウドソーシングでは、未経験者・初心者向け案件が多数掲載されています。
しかし初心者向け案件は「Webページ一部修正」「Webアプリの保守」といった比較的簡単なタスクが多いため、単価は安めです。
ですので、未経験者がクラウドソーシングだけで生計を立てるのは非現実的です。
最後に知り合い経由の場合は、エンジニアやクライアントと人脈が形成されていないと仕事は獲得できません。
未経験者は企業のWebエンジニアとして実績を積んでから、フリーランスを目指すのが賢明です。
難しいと感じたらプログラミングスクールを検討しよう
独学でWebエンジニアになる方法をお伝えしてきました。
中には「独学でWebエンジニアになるのは難しそう」「一人で勉強するのは不安だ」と感じた人も多いのではないでしょうか。
効率よく学習を進め、1日でも早くWebエンジニアになりたいならプログラミングスクールがおすすめです。
スクールならプロ講師に指導してもらえるので、現場で使える実践スキルが身につきます。
またスクールが用意した独自のカリキュラムに沿って勉強を進めればよいので、教材や学習手順で迷うことが減ります。
何と言っても「相談できる環境が用意されている」のがスクールの最大の魅力です。
独学でプログラミングを学ぶ9割の人は途中で挫折すると言われており、「質問できる環境がない」ことが挫折する大きな原因になっています。
参考:プログラミング学習者は約9割が挫折を経験|挫折しないカギは「不明点を気軽に聞ける環境」
スクールによって特色は異なりますが、直接講師に相談できたり、チャットやビデオ通話で会話ができたりと学習サポートが充実しているスクールがほとんどです。
DMM WEBCAMPやポテパンキャンプなど多くのプログラミングスクールがあるので、あなたに合ったスクールを探してみてはいかがでしょうか?
まとめ
Webエンジニアに必要なプログラミングスキルを独学で身につける学習方法と、転職を成功させるコツについて紹介しました。
未経験からWebエンジニアになることは可能です。
書籍や動画配信サービス、オンライン学習サイトなどを駆使すれば、実務に使えるスキルは身につきます。
しかし独学の場合、気軽に質問できる環境が整っていなかったり、学習を終えるのに1年以上かかったりとデメリットがあるのも事実です。
効率よく学習を進めて、早くWebエンジニアとして活躍したいならプログラミングスクールを活用するのが良いでしょう。
Webエンジニアは需要も高く、フリーランスとして独立すれば高収入を得ることも可能です。
ぜひこの機会にWebエンジニアに必要なスキルを身につけ、IT・Web業界で活躍できる人材を目指してみてはいかがでしょうか?