アプリケーションエンジニアはアプリケーション(アプリ)開発に特化したエンジニアです。
スマートフォンにはアプリがたくさん入っていますが、連絡手段やゲームなど毎日を便利に楽しくしてくれていますよね。
もしそのアプリケーションの開発が自分でできたら、楽しそうと興味が出てきたのではないでしょうか。
現代のアプリケーションはスマートフォンをはじめ、Webブラウザ内のさまざまなサービスや公共交通機関のシステムと幅広いものに使われています。
そのためアプリケーションエンジニアの活躍できる場は多岐にわたり、社会貢献度がとても高い仕事でやりがいも感じられるでしょう。
また将来性もあるため、今から転職しても今後大活躍できる可能性があります。
しかしアプリケーションエンジニアについてよく知らない、具体的に何をしているのか、どんな職種なのか、自分に向いているのかなど、転職に向けて知っておく必要があるでしょう。
この記事では、アプリケーションエンジニアの仕事内容から年収、必要なスキルまで徹底解説します。
アプリケーションエンジニアはどんなシステムを作る?
アプリケーションエンジニアはWebの情報システムやアプリケーション、仕事場・公共交通機関のシステムなど私たちの生活に密着したものを作っています。
アプリケーションエンジニアの作るシステムは大きく以下の3つの系統に分けられます。
- Webアプリ開発
- スマホアプリ開発
- 業務系アプリ開発
これらはクライアントから依頼を受けてシステム開発する場合と、自社で企画したシステムを開発する場合とがあります。
では、それぞれのアプリ開発の特徴を解説します。
Webアプリ開発
Webブラウザ上で使うシステムを開発します。
パソコンやスマートフォンにアプリケーションのソフトをインストールする必要がなく、利用者はWebブラウザを通じてアプリケーションが利用できます。
たとえばメール(Gmail、Yahoo!など)やSNS(Twitter、Facebook、Instagramなど)、エクセル・ワードはWebアプリなのです。
また企業のECサイト、コンテンツ配信サービス(YouTube、Amazonプライムビデオなど)もWebアプリになります。
これらはアプリケーションをインストールしなくても、Webブラウザから利用できるように開発されているのです。
インストールを必要としないので、ストレージ容量を圧迫することなくさまざまなサービスが利用できるものです。
スマホアプリ開発
スマートフォンで利用するアプリケーションに特化した開発です。
「SNSアプリケーション」「ECアプリケーション」「動画・音楽アプリケーション」「ゲームアプリケーション」などがあります。
日本人のほとんどの人が連絡機能として利用している「LINE」もスマホアプリケーションです。
スマートフォンからダイレクトにアクセスを可能にし、最新情報を配信・収集することに優れています。
スマートフォンにはiPhoneとAndroidと2種類ありますが、OSの種類がそれぞれで異なります。
どちらのOSにも対応できる力が必要です。
スマートフォンは子供からお年寄りまで幅広い年代で利用されており需要は伸び続けています。
そのため今後スマホアプリ開発の需要はさらに伸び続けるでしょう。
業務系アプリ開発
企業が仕事効率化のために使用するアプリケーションを開発します。
たとえば顧客管理や売上管理、社員の出退勤などを簡単に把握するためのシステムが業務系アプリケーションです。
経営課題の改善にも利用され、企業には必要なアプリケーションです。
また社会的なインフラの中にも業務系アプリケーションがあります。
公共交通機関の自動改札機や銀行のATMなど、生活の利便性を向上させるものにアプリケーションが使われています。
町の生活をより便利にするための大規模なプロジェクトに関わるため、アプリケーションエンジニアはとてもやりがいがある仕事といえるでしょう。
アプリケーションエンジニアの仕事内容
アプリケーションエンジニアの仕事は「Webアプリ開発」「スマホアプリ開発」「業務アプリ開発」と分けられますが、どの開発も開発をするための仕事内容・工程は同じになります。
基本的にそれぞれの開発で「要件定義・設計」「システム開発」「テスト」「運用・保守」の4つの工程をするのがアプリケーションエンジニアの仕事です。
ただし、要件定義・設計の上流工程を担当するのは「システムエンジニア」とし、システム開発・テスト・運用・保守の下流工程を「アプリケーションエンジニア」と分けられる場合もあります。
では、それぞれ解説します。
要件定義・設計
まず最初に行うのは要件定義と設計です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
要件定義
要件定義は、クライアントがアプリケーションに求める要望をヒヤリングし、内容を具体的にまとめていく作業です。
アプリケーションを開発する目的、必要な機能などの要望からクライアントが求めることをしっかり理解する必要があります。
アプリケーションエンジニアはパソコンの前でもくもくと仕事をするわけではなく、コミュニケーション能力とヒヤリング力が大切です。
またクライアントの要望を具体的にまとめたドキュメント作成のスキルも必要です。
クライアントとの認識にずれが生じないように慎重に進めていく最も重要な仕事内容になります。
設計
設計は要件定義の内容から、実際の画面の見え方や動作の流れなどをさらに具体的な作り方を決定する作業です。
アプリケーションの設計は大きく2つに分けられ、基礎部分をユーザー視点で設計する「基本設計(外部設計)」と、システムの動作や機能の詳細を決める「詳細設計(内部設計)」に分けられます。
基本設計では、画面の構成やシステムが入出力する項目など、アプリケーションに関わる仕様を決めるのです。
そして詳細設計で機器単位の具体的な処理内容やプログラム内の構成を行います。
システム開発
システム開発は、設計の「詳細設計」に従ってプログラミングをしていきます。
開発するアプリケーションによってプログラミング言語が異なるため、それぞれの分野に合わせてプログラミングしていく必要があり幅広い知識が必要です。
たとえばWebアプリでは、「PHP」や「Ruby」などのプログラミング言語を使用します。
スマホアプリでは「Java」や「Swift」など、業務系アプリは「Java」や「C」「C#」「PHP」などです。
システム開発は複数のプログラマーによって作られることもあります。
開発の認識の食い違いが起きないように、コミュニケーションを円滑にすることが必要です。
そうすることで品質が高いアプリケーション開発が可能になります。
テスト
テストは開発したアプリケーションが設計通りに正しく動くかの動作チェックをします。
速度処理や応答時間などを含め性能要件がクリアしているか確認する作業です。
また、動作のテストだけでなく要件定義された機能がすべて備わっているかもテストで確認します。
そしてアプリケーション開発時には検出できない不具合などを発見するとともに、不具合の修正・調整を繰り返してアプリケーションを完成させていくのです。
複数のプログラマーがいる場合、「単体テスト」「連結テスト」「結合テスト」「受入テスト」と段階に分けてテストをします。
実際の使用状況を想定し、あらゆる環境でアプリケーションが実行可能かさまざまな角度から細かくチェックするのです。
アプリケーションの動作だけでなく利用者の使いやすさも考える必要もあります。
運用・保守
開発したアプリケーションの動作が正しく行われているか、運用・保守をするのもアプリケーションエンジニアの仕事です。
動作の不具合からサーバーダウンなどのトラブルが発生した場合に、すぐデータの修正やバックアップデータから復元などの作業をします。
またセキュリティ面の監視やハッキングからの防御対策もアプリケーションエンジニアの仕事です。
これらの問題が起こるとクライアント側だけでなく、個人で利用する人達にも大きな損害になるため、幅広い知識をもって対応を素早く的確にできるかスキルが問われます。
さらにアプリケーションのアップデートや追加の開発も行います。
アプリケーションによりますが最低でも数年から十数年と利用するのが一般的です。
利用している人からの改善要望や利用状況の確認をチェックし、アプリケーションを最善の状態にしていく必要があるのです。
アプリケーションエンジニアの平均年収をご紹介
アプリケーションエンジニアの平均年収は約574万円です。
月給にすると約48万円ですので、日本の平均年収より比較的高いです。
また、中部や九州などの地方でアプリケーションエンジニアの仕事をすると平均年収は約470万円。
地域関係なく比較的日本の平均年収より高い仕事といえます。
しかし、就職先や経験・スキルによって年収は大きく変わります。
そのため、アプリケーションエンジニアの初任給は約21万円が相場です。
もし未経験で転職しても生活していける給与額ですので、安心して転職活動に励んでください。
ちなみに年収1000万で活躍しているアプリケーションエンジニアもいます。
経験やスキルを磨き続け、プロジェクトリーダーなど部下のマネジメントを任されたりしたりすると、年収がどんどん上がるので1000万も夢ではありません。
アプリケーションエンジニアは、自身の成長に合わせて評価してもらいやすいため将来性がある仕事です。
(参照:求人ボックス)
アプリケーションエンジニアとシステムエンジニアの違いは?
アプリケーションエンジニアとシステムシステムエンジニアの違いは開発する内容です。
アプリケーションエンジニアはアプリケーションの開発のみに関わります。
アプリケーションに関わる「要件定義・設計」「システム開発」「テスト」「運用・保守」が仕事内容です。
一方でシステムエンジニアは情報システム全般の開発に関わります。
情報システムの「要件定義・設計」「テスト」「運用・保守」が仕事内容になります。
システムエンジニアはシステム開発をプログラマー(アプリケーションエンジニアなど)に託し、完成したシステムをテストするのです。
仕事内容は似ている部分が多いように感じますが、仕事をするならシステムを全体的に開発したいのかアプリケーションだけ開発したいのかで大きく違います。
そのためアプリケーションエンジニアになるか、システムエンジニアになるかしっかりと職種を選ぶ必要があるでしょう。
アプリケーションエンジニアに必要なスキル
アプリケーション開発に特化した仕事ですが、その中でも仕事内容は多岐にわたります。
そのため、アプリケーションエンジニアに必要なスキルもさまざまあるのです。
アプリケーションエンジニアに必要なスキルは「システム開発」「ビジネススキル」「業務スキル」の3つになります。
未経験からアプリケーションエンジニアに転職しても、学ぶ姿勢があればスキルは必ず付いてきます。
今は経験がないので全てのスキルがなくても問題ありません。
最終的に3つのスキルがしっかり身につくように意識すると、将来アプリケーションエンジニアとして大きく活躍できるでしょう。
では、それぞれ詳しく解説していきます。
システム開発スキル
アプリケーションに関わるシステム開発の幅広い知識のスキルが必要です。
アプリケーションエンジニアは「Webアプリ」「スマホアプリ」「業務系アプリ」とさまざまあり、その中でも仕事内容がシステムの設計から開発、運用・保守と多岐にわたります。
そのため、ソフトウェアやハードウェア、ネットワーク、データベースなどのアプリケーションを構成するための幅広い知識が求められるのです。
また、システム開発に使うプログラミング言語の種類はさまざまあります。
アプリケーションやプロジェクトに合わせて使いこなせるプログラミング言語スキルが必要です。
さらにWebアプリ開発にはHTMLやCSSのWebページに使う言語の知識やスキルも必要になります。
ビジネススキル
アプリケーションエンジニアには、一般的なビジネススキルも必要です。
パソコンに向かってずっとプログラミングをするだけではありません。
クライアントとやり取りをする作業もあるため、良好な関係を築けるコミュニケーション力、要望をまとめた内容を的確に使えるドキュメントスキルが求められます。
一般的なビジネススキルがないと、クライアントから良い印象を持ってもらえず求める要望を全てヒヤリングできずに仕事がうまくいかなくなる可能性があります。
社会人としての常識的なマナーは身に着けておきましょう。
このビジネススキルがあるとクライアントとやり取りをする時、要望に寄り添う提案がしやすくスムーズに仕事を進めることができます。
伝えづらいことを効果的に伝える能力などがあるとクライアントとの信頼関係が生まれやすいでしょう。
また、アプリケーションの開発はチームですることが多いため、チームメンバーとのコミュニケーションが上手に取れるスキルが必要です。
報告・連絡、相談ができる関係づくりが良いアプリケーション開発ができるかと大きく関わるからです。
業務スキル
アプリケーションエンジニアは業務や業界の幅広い知識スキルが必要です。
なぜならクライアントの要望に答えるためのアプリケーションを開発する必要があるからです。
たとえばアパレル系、飲食系、美容系、金融系と求めるアプリケーションは業界で全く異なります。業務や業界のスキルがあれば、クライアントの求める要望を深く理解でき、高品質のアプリケーション開発に役立つのです。
また、クライアントとの信頼関係も良好に築けるメリットもあります。
もし知識が浅くても、知識を身に着けようとする努力はクライアントにも伝わります。
どうしたら相手が満足できるアプリケーションができるかと、学ぶ姿勢を忘れず徐々に知識を広げていきましょう。
アプリケーションエンジニアは将来性のある仕事
アプリケーションエンジニアは将来性がある仕事で、私たちの生活に欠かせないアプリケーションを開発してくれています。
銀行のATMや公共交通機関の自動改札機などのインフラから、多くの人が使っているインターネット、また子供からお年寄りまで幅広い年代が持っているスマートフォンなど多岐にわたりアプリケーションが存在します。
これからもスマートフォンの需要は拡大し、さらにより便利な生活の仕組みが世の中に出てくるでしょう。
とても社会貢献度が高くやりがいがある仕事です。
また、専門的知識が必要な分野なので、これから転職して知識をつければさまざまな場所で活躍ができる可能性があり選択肢が広くなるでしょう。
誰かの役に立ちたい、便利なものを開発したいという考えがあるならアプリケーションエンジニアへの転職をおすすめします。