私たちの生活に欠かせない存在となってきたAI(人工知能)。
AI開発に興味はあるけど「どういったプログラミング言語で開発されているのか」「AI開発でできることがよく分からない」「AI開発の将来性や需要が知りたい」といった疑問を抱えたあなたに向けた記事になります。
本記事では大きく分けて3つのテーマについてご紹介します。
最後まで読めば、AIに対する理解がさらに深まるでしょう。
AIって何?AI開発でできることとは。
AI(Artificial Intelligence)とは、人間の知能をコンピュータによって実現する技術のことです。
既にAIは、私たちの生活の身近なところで活用されています。
例えば、お掃除ロボットや会話が出来るロボット、自動車の自動運転などが挙げられます。
多方面で活躍するAIですが、他にはどんなことが出来るのでしょうか?ここでは4つの開発分野についてお伝えします。
- 株価や仮想通貨の価格予想
- 画像・音声認識
- 検索・探索
- 自然言語処理
株価や仮想通貨の価格予測
株価や仮想通貨などの価格予測の実現には、AIの機械学習が利用されています。
機械学習とはコンピュータが大量のデータを読み込んでルールやパターンを学習し、未知のデータに関する予測や判断を可能にする技術です。
AIは株価や仮想通貨に関する過去のデータを収集、そして分析し「価格が上がるのか?それとも下がるのか?」といった価格予測を行います。
AIは常に機械学習を行なっているので、データが蓄積されるほどより精度の高い分析が可能です。
画像・音声認識
機械学習の一種であるディープラーニング(深層学習)を活用することで、AIの画像や音声認識の精度が飛躍的に向上しました。
ディープラーニングとは機械学習の一種です。
ディープラーニングにより画像や音声、自然言語といったデータをAIが学習できるようになりました。
例えば、「iPhoneの顔認証」「製造業の不良品検知」には画像認識技術が使われています。
また、「GoogleアシスタントやSiriといった音声アシスタント」「音声メモのテキスト変換」には音声認識技術が活用されています。
検索・探索
AIの機械学習を用いると、ある条件下で最適な答えを導き出せます。
チェスや囲碁、クイズといったさまざまなゲームでAI技術は使われており、AIが人間に勝利しています。1997年、IBMが開発したチェス専用のコンピュータであるディープ・ブルーが、当時のチェス世界チャンピオンに勝利し大きな話題を呼びました。
自然言語処理
自然言語処理とは、私たちが日常で使っている言葉をコンピュータが認識できるように処理する技術を指します。
自然言語には曖昧さが含まれていますが、コンピュータは曖昧な言葉を理解できません。
例えば、下記の例文を読んでみてください。
「私は姉に自分の部屋を掃除してほしいと話した」
例文だと「自分」が私なのか、姉なのか、人によって解釈が異なります。このように、自然言語には曖昧さが存在します。
AIは膨大なテキストデータを分析し、曖昧な言葉を理解して適切に処理することが可能です。
AI開発に使用するプログラミング言語6選
AI開発で使用されているプログラミング言語にはどういった種類があるのでしょうか?
ここでは6つのプログラミング言語についてご紹介します。
- Python
- JavaScript
- Java
- Julia
- C++
- R言語
Python
Pythonは、AI開発で最も使われているプログラミング言語です。
Pythonは文法がシンプルで分かりやすい構造なので、初心者でも学びやすいのが特徴です。
また、Pythonには数多くのライブラリが存在します。
特にデータ解析や数値計算、AI開発に特化したライブラリが豊富なので、AI開発するなら第一の習得言語としてPythonをおすすめします。
JavaScript
JavaScriptとはブラウザ側で動くスクリプト言語で、動的なWebサイトを実現します。
スクリプト言語とは可読性に優れ、比較的容易に記述できるプログラミング言語を指します。
JavaScriptは、AIをWebブラウザから使うためのライブラリが多数公開されており、ゲームやチャットボットなどさまざまなアプリ開発が可能です。
Java
JavaはC言語をベースにして作られたプログラミング言語です。
Java VM(仮想マシン)上で動作するので、ハードウェアやOS(WindowsやMacなど)に依存しないのが大きな特徴です。
Javaは処理速度が速いため、膨大なデータを扱うAI開発に向いています。
Julia
Juliaは2012年に公開された比較的新しいスクリプト言語です。
Juliaは他の言語の良いところを組み合わせた言語と言われています。
例えば、C言語並みの処理速度の速さ、Pythonのように書きやすいソースコード、MATLABのように高度な行列演算機能を有しています。
AI開発はもちろんのこと、Juliaはデータ解析にも強いプログラミング言語です。
C++
C++は、C言語を拡張したオブジェクト指向型のプログラミング言語です。
Java同様、C++も処理速度が速いためAI開発に向いています。
しかし、ハードウェアに関する知識の必要性やソースコードが煩雑化しやすいといった理由から、初心者には難易度の高いプログラミング言語になります。
R言語
R言語は統計解析やデータ解析を得意とするプログラミング言語です。
AI開発やデータサイエンスに活用されており、近年注目を浴びている言語の一つです。
また、R言語は統計解析やデータ解析に役立つライブラリが豊富に用意されています。
AI開発をするならPythonは学ぶべき
AI開発で使用されるプログラミング言語について紹介しましたが、まずはPythonの習得をおすすめします。
PythonはAI開発向けのライブラリやフレームワークが豊富なので効率的な開発が可能です。
また、AI開発で用いられるJavaやC++と比較しても書くソースコード量が少なく、ソースコードの文法も分かりやすいのが特徴です。
ですので、プログラミング初心者でも学びやすい言語になります。
さらに、PythonはAI開発だけではなくさまざまな用途で使われている言語です。
ですので、Pythonを習得するとWebアプリやゲーム開発、データ分析など幅広い分野で活躍できるエンジニアになれるでしょう。
Pythonを学ぶならUdemyの以下の講座がおすすめです。
AIの全般的な知識が身につき、Pythonのプログラミング技術をしっかりと身につけることができます。
他にも、Udemyには統計の講座などもあり、AI開発に必要なすべての知識を得ることができます。
多くのエンジニアが使っている学習プラットフォームですので、ぜひ使ってみてください。
AI開発には数学や統計学の知識も学ぶ必要がある
AI開発にはプログラミング言語の習得だけではなく、数学や統計学の知識も必要不可欠です。
AIには機械学習や統計学、線型代数学といった数理科学の知識が使われており、どの分野でも数学の知識は必須です。
AIの仕組みを理解するためにも、数学の勉強は避けて通れません。
また、AIの精度を上げるために未知のデータを予測しAIに学習させる必要があります。
未知のデータを予測するために、統計学の知識も合わせて習得しておきましょう。
AIをプログラミングで開発するための手順
いざAI開発をしたいと思っても、方法や手順が分からないと前に進めません。
ここでは、効率的にAI開発するための5つのステップをお伝えします。
- AIでどんなことをしたいか明確にする
- AI開発に必要なプログラミング言語を身につける
- 数学・統計の知識を身につける
- AI開発に使えるフレームワークとライブラリを活用する
- 実際にAIモデルを開発する
AIでどんなことをしたいか明確にする
まずは、AIでどんなことをしたいのか明確にします。
前述した『AIって何?AI開発でできることとは。』という項目を参考にし、あなたが開発したいAIモデルを決定します。
目標が決まらない状態でAI開発を始めてしまうと失敗する可能性が高くなります。
AI開発するためにはプログラミングや数学といった幅広い分野の勉強が必要ですので、モチベーション維持のためにもAI開発でやりたいことをしっかり決めておきましょう。
AI開発に必要なプログラミング言語を身につける
AI開発するためにプログラミングの習得は必要不可欠です。
『AI開発をするならPythonは学ぶべき』でお伝えした通り、AI開発で最も使われているPythonの習得をおすすめします。
Pythonに関する書籍や手を動かしながら学べるWebサイトといった学習環境は整っているので、実際にプログラミングを組みながらスキルを定着させていきましょう。
数学・統計の知識を身につける
AI開発には数学や統計学の知識も必要です。
統計・確率・線形代数・微積分が扱えるように基礎を固めていきます。
学習方法は書籍や、Udemyといった動画講座を活用する方法をおすすめします。
書籍を購入する際は、数学や統計学だけを学べる本ではなく、人工知能と数学を関連づけた本を購入した方が、AI開発の具体的なイメージをしながら読み進められるでしょう。
AI開発に使えるフレームワークとライブラリを活用する
初心者が0からAI開発するのは困難を極めます。
ですので、AI開発に使えるフレームワークやライブラリを活用し、あなたが作りたいAIモデルに応じて使い分けてください。
いくつかフレームワークとライブラリを紹介するので参考にしてみてください。
- scikit-learn(機械学習)
- TensorFlow(ディープラーニング)
- PyTorch(ディープラーニング)
- Open CV(画像処理)
実際にAIモデルを開発する
習得した知識をもとに、実際にAIモデルを開発してみましょう。
しかし、初めから完成度の高いAIモデルを開発するのは難しいかもしれません。
まずは、フレームワークやライブラリを活用しながら簡単なアルゴリズムを作成し、AIの理解を深めていくのが良いでしょう。
徐々に難易度の高い開発を経験しながら、スキルアップを図ってみてください。
AIを作る・使用する職業3選
AI開発に必要なプログラミング言語や知識を身につけると、どういった職業を目指せるのでしょうか?
ここからは代表的な職業を3つご紹介します。
- データサイエンティスト
- データアナリスト
- 機械学習エンジニア
データサイエンティスト
データサイエンティストは大量のデータを分析して、企業のマネジメントやビジネス戦略に役立つ情報を抽出し、新たなビジネスモデルを構築する職業です。
データサイエンティストはコンサルティング業に似ており、クライアントが関わる業界理解やビジネス分野の知識、コミュニケーション能力などが求められます。
もちろん、AIやプログラミング知識、統計学や数学の知識も必須です。
データアナリスト
データアナリストとは、収集したデータ分析を行うプロフェッショナルです。
データサイエンティストと似ていますが、データアナリストはデータ分析に特化しています。
データ分析は、企業の課題解決や事業戦略の策定時に大いに活躍します。
大量のデータを読み解くために、分析力や論理的思考力、統計学の知識などが求められます。
機械学習エンジニア
機械学習エンジニアは、AIにおける機械学習のアルゴリズム開発や実装を担当します。
アルゴリズムとは、ある特定の課題を解決するための手順を指します。
アルゴリズムも一度作ったら終わりではありません。
世間やクライアントのニーズに合わせて常にアップデートし、より精度の高い機械学習モデルを作る必要があります。
AI開発の今後の需要と将来性に迫る
結論からお伝えすると、AI開発における今後の需要は伸びていき、将来性も高いと予想されます。
その根拠をデータをもとにお伝えします。
株式会社富士キメラ総研によるとAIビジネスの国内市場は、2030年度に2兆1,286億円に到達すると予測しました。
2018年度は5,301億円だったので約4倍ほど拡大しており、今後も右肩上がりに伸びていくでしょう。
参考:本格的な導入が進む国内のAI(人工知能)ビジネス市場を調査
次にAI開発に関する求人を見ていきます。
求人ボックスで「AI開発」と検索すると、52,515件の求人がヒットしました。
以上より、多くの企業がAI技術を活用してビジネスを行なっていることが分かります。
さらに、AI開発によるサービスが世間に広がれば、人工知能は注目を集め今後の需要も高まっていくでしょう。
まとめ
「AI開発でできること」「AI開発で使用するプログラミング言語」「AI開発の将来性と需要」のテーマを中心にお伝えしてきました。
AI市場は急速に拡大しているので、AI分野を担えるエンジニアは引く手あまたの状態が続くでしょう。
しかし、AI開発をするためにはプログラミング習得だけではなく、数学や統計学など幅広い知識も求められます。
また、どのプログラミング言語を選択すれば良いか悩んでいるのなら、AI開発で最も使われているPythonを習得してみてください。
未経験でもAI開発に携われるチャンスはあるので、少しでもAIに興味があるなら積極的に挑戦してみてください。