インターネットが発達したことにより始める人も増えているWeb制作。
プログラミングやWebデザイン学習のハードルが大きく下がったことで、Web業界に転職する人や副業としてWeb制作を始める人が増えています。
しかし、ネットやSNSでは「Web制作はオワコン化している」という声も見かけます。
結論からお伝えすると、「Web制作はオワコンではないが、確実に近づいている」と言えます。
せっかくプログラミングやデザインを学んでも、仕事がなければ意味はありませんよね。
実際、あなたもWeb制作がオワコン化しているのではないかと心配になり、この記事にたどり着いたのではないでしょうか?
そこで本記事では、Web制作がオワコン化に近づいている理由と今後のWeb制作者の生き残り戦略を、Web制作会社として多くの企業を支援してきたCIRANUIがご紹介します。
プログラミングやWebデザインは今後も必要とされるスキルです。
ぜひ参考にしていただき、身につけたスキルを存分に活かしてください。
Web制作がオワコンと言われる理由3選
Web制作がオワコンといわれる理由はなんなのでしょうか。
ここからはWeb制作がオワコンといわれる主な3つの理由について解説します。
Web制作に興味があるけど、「オワコンと言われているから目指すのはやめておこう」となんとなく思わずにしっかりと理由を理解しておくことは重要です。
Webに関連する職種はいつの時代でもオワコンと言われますが、稼げている人がいることも事実としてあります。
噂やイメージなどで諦めてしまうのはもったいないので、Web制作の置かれている状況を正しく理解して、ぜひWeb制作の業界に挑戦してみてはいかがでしょうか。
ノーコードツールの台頭
Web制作がオワコンと言われる理由の1つ目は、誰でも簡単にWeb制作ができるノーコードツールが台頭してきたことが挙げられます。
ノーコードは難しいプログラミングのコードを書かなくてもWebサイトやWebシステムを開発できるツールです。
簡単なWebサイトであればコーディング知識がない素人でもそれなりのサイトをスピーディーに作れるようになっています。
実際にノーコードツールのGlideで作成されたアプリを紹介します。(参考:図書管理アプリ)
上記の図書管理アプリは、Googleスプレッドシートと連携させて情報の表示が可能です。
このように凝ったデザインを必要としない企業は、Web制作を外注せずに自社でWebサイトを制作することもできるようになったのです。
ノーコードツールを利用することで簡単にWebサイトが作れるわけですから、コーディングしかできない人材の需要が減ってしまい、オワコンといわれてしまうのも仕方ないといえるでしょう。
Web制作者の増加
2つ目の理由は副業解禁やフリーランスを目指す方が増えたことによるWeb制作者の増加です。
Web制作はリモートでも働きやすく、時間や場所を選ばない働き方を求める人材がどんどんと流れてきます。
Web制作者が多くなると安い価格で仕事を請け負う人も増えるため、クライアント側がより安い金額で仕事を発注しやすい環境となります。
Web制作はシステム開発などに比べると習得するハードルも低いので、未経験者でも参入しやすいです。
スキルの未熟な未経験者でも簡単なWebサイトなら作成できるため、ライバルの数はとても多く価格競争が激化しやすい状況になっています。
Web制作自体の需要は今後も高いため仕事は沢山ありますが、人によっては仕事を獲得しにくい状況も発生するでしょう。
とはいえ、Web制作以外の付加価値を身につければ、たとえWeb制作者が増えても動じることはありません。
労働環境の悪さ
元々、Web制作現場などは労働環境が悪いといわれています。
その理由がSlerや大手広告代理店等が案件の受注など上流工程を行い、中小企業がサイト制作などの下流工程を請け負うという流れが形成されているからです。
IT業界では下流工程にいくにつれて中抜きが発生して利益率が低くなるため、長時間働いても低い報酬になってしまうことが多いです。
更に納期に追われながら修正依頼に対応することもあるため、労働量が多くなって疲弊しないように気をつけておく必要があります。
低単価だと労働環境が悪い案件に当たる可能性が高くなるので、実績やスキル・経験を積み上げていく意識を持つことが重要です。
ただ、実際の労働環境については企業や案件によっても事情が異なるため、Web制作全体に関わる問題ではないと思います。
【実際オワコンなのか?】Web制作の実態を解説
Web制作がオワコンといわれる3つの理由を解説しましたが、結論はまだまだ「Web制作はオワコンではない」です。
本記事ではオワコンではないことを主張しますので、まずはWeb制作がオワコンではない根拠を示すために、Web制作の実態について解説していきます。
どの分野でも、向き・不向きや間違った取り組み方によって稼げない人は一定数います。
稼ぐことができない人がいる事実は認めつつ、そうならないために正しい業界の理解・行動を繰り返すことが稼ぐ上では重要です。
実際にWeb制作を行うことで学べることや実態などを交えつつ解説していますので、ぜひ参考にしてください。
Web制作を起点に仕事を広げられる
まずはじめに、Web制作は企業から頼まれたサイトを作成するだけが仕事ではありません。
Webサイトを制作する本質はクライアントの売上を上げることであり、そのための手段としてWeb制作の技術が利用できるという点を抑えておきましょう。
本質をしっかりと認識しておくことで、クライアントへ提案できる内容や仕事における交渉などが変わってきます。
クライアントの売上を上げるためには、Web制作技術を高めるよりもその他関連するスキルを身につける方が需要が高いこともあります。
Web制作と相性がいいのはマーケティングやライティングスキルになりますので、ぜひWeb制作を起点にマーケティングの分野にも関わり、クライアントの売上アップに貢献できる人材を目指しましょう。
コーディングだけできる人材は厳しい
HTMLやCSSなどのマークアップ言語を用いたコーディングはWeb制作の基礎となりますが、現実問題としてコーディングだけで稼いでいくのは難しいです。
なぜならコーディングは、プログラミングなどと比べて習得難易度が低くライバルが多いため、市場価値が高くなりにくいからです。
クラウドソーシングサイトなどでLP制作の単価を見ると1ページ約5000円ほどとなっており、単価相場が低いため数をこなさねばならず消耗してしまうことが分かります。
そのため、Web制作でオワコンとならないためには、コーデング以外のスキルを身につける必要があることには注意しておきましょう。
また、未経験からWeb制作者になる方も多いので、数多くいるライバルに埋もれないためには専門性や希少性を身につける必要があります。
デキる人は仕事に困らない
これはどの業界でも当たり前の話ですが、デキる人に仕事が集まるためクライアントからの評価を上げていくことができればオワコン化しない人材になることができます。
ここでいうデキる人というのはWeb制作をただ行うだけではなく、クライアントの売上アップに貢献できる人材のことをいいます。
Web制作者は数多くいますが、その実態は初心者〜中級者レベルの人ばかりで、スキルの高い人材はどこの企業でも足りていない状況です。
クライアントの売上を上げるために何ができるのかを常に考え積極的に提案するなど、誠実に仕事に取り組むことでクライアントの信頼を獲得することが重要になってきます。
信頼して仕事を任せてもらえるようになれば、クライアントから継続して仕事をもらえたり、新規クライアントを紹介してもらえる可能性もあります。
Web制作は最初は稼げずに辛いかもしれませんが、仕事をこなしていくうちに様々なスキルを身につけることで、オワコンとはいわれないようになるはずです。
クライアント目線に立つことを常に念頭に置きWeb制作に携わることで、ぜひクライアントの売上を上げられる需要の高い人材を目指しましょう。
Web制作で活躍するための方法
Web制作の実態やオワコンといわれる理由について解説してきましたが、ここからはそんなWeb制作現場で活躍するための方法について解説していきます。
まず、Web制作で活躍するために忘れてはいけないのは、サイト制作を行う目的です。
あくまで本質はクライアントの売上を上げることで、そのためにWeb制作スキルが必要になることは忘れないようにしましょう。
その上で、AIやノーコードツール・他のWeb制作者に代替されずに活躍し続けるためにできることを考えることが重要です。
低い報酬で長時間働いて消耗しないためにも、ここで紹介するポイントを抑えてWeb制作業界で活躍できる人材を目指していきましょう。
Web制作以外の仕事を巻き取る
Web制作で活躍する方法1つ目はWeb制作以外の仕事も巻き取ることです。
ここでいうWeb制作以外の仕事は、関連性のあるスキルのことを指しますので注意しておきましょう。
具体的には以下のようなスキルがあると重宝されます。
- SEOを意識したライティングができる
- 自社のWebサイトへの流入を増やすマーケティング施策を打てる
Webサイトは制作して終わりではなく、クライアントの売上を上げることが最終的な目的です。
上記のようなスキルをアピールしてWeb制作以外の仕事も巻き取ることで、クラウドソーシングサイトで数多くいるWeb制作者との差別化をはかり、需要の高い人材になれます。
とはいえ、まずはWeb制作の仕事で結果を出すことが重要ですので、焦らず徐々に自分のできる仕事の範囲を増やしていきましょう。
クライアントへ積極的に提案する
活躍するための方法2つ目は、Webサイトをいわれた通りに制作するだけではなく、売上アップを考えクライアントへ積極的に提案していくことです。
何度もお伝えしている通り、Web制作の本質はクライアントの売上を増加させることです。
SEOやSNS観点なども交えながら、Webマーケティングの知識を身につけて積極的に提案できるようになりましょう。
クライアント自身も気づいていない課題や解決するための手段を提示できるようになればリピートにも繋がるでしょう。
Web制作に限らずですが、新規顧客を獲得するコストは既存顧客を維持するコストの5倍かかるといわれています。
そのため毎回新規のクライアントを獲得しなくても大丈夫なように、クライアント目線に立って売上を挙げるための施策を積極的に提案できるよう意識して取り組んでみることをおすすめします。
希少性を高める
Web制作がオワコンといわれる理由でも触れましたが、副業ワーカーやフリーランスの増加に伴い、現在のWeb制作業界では初心者〜中級者が数多くいます。
しかし企業が求めているのは中途半端にWebサイトを作れる人材ではなく、専門性が高くて売上に貢献してくれる人材です。
他のWeb制作者との差別化を図り、Web制作業界で長く活躍していくためにも希少性を高めていく必要性が今後ますます重要になってくるでしょう。
「これを任せるなら〇〇さん」といわれるように何か一つの分野に特化して希少性を高める事ができれば市場価値も上がり、結果的により幅広い仕事をしていくことも可能です。
Web分野で特定のスキルを極めることができればオワコン化することはなくなるでしょう。
Web制作でオワコン化しない人の特徴
ここまでWeb制作で活躍するための方法について解説してきましたが、ここからはオワコン化しない人の特徴について解説していきます。
一言でいえば、クライアントの期待に常に応える努力をして、満足してもらえるように行動する人はどの業界でも活躍していけます。
クライアントや市場が求める人材像を常に意識しながら仕事に取り組むのがおすすめです。
Web制作者として長く活躍していくためにも、ここで挙げる特徴を意識してスキルアップを目指し、Web制作業界でもオワコン化しない人材になれるように行動してみてはいかがでしょうか。
上流工程に関わっている
Web制作でオワコン化しない人の特徴1つ目は上流工程に関わっていることが挙げられます。
何度もお伝えしている通り、コーディングやデザインのみなど、Webサイトを作れるだけのWeb制作者は今後生き残っていくのは難しいです。
そのためWeb制作でオワコン化しないためには、要件定義や企画の立案など戦略を考える立場やマネジメントをしたりといった上流工程の仕事にシフトチェンジしていくことが重要です。
実際、長く活躍しているWeb制作者はいつまでも実務をやっているわけではなく、要件定義や戦略の立案・企画に携わっています。
上流職に携わるには、意識的にスキルを身につけていく必要があります。
デザインやコーディングなど末端の業務をいつまでも続けず、なるべく早く上流工程に関わり、オワコン人材から抜け出せるように行動していきましょう。
リピートに繋がるクライアントを複数抱えている
Web制作でオワコン化しない人の特徴2つ目はクライアントを複数抱えていることが挙げられます。
複数のクライアントを抱えているということは、仕事に対して信頼を持ってもらえているということです。
また、複数クライアントがいれば収入が安定して気持ちにも余裕ができるため、新たな分野の知識を身につけてより幅広い仕事をできるようにもなるでしょう。
常にクライアントの売上アップのためにできることを考えて誠実に仕事をこなすことで、リピートに繋がるクライアントを増やしていけるように取り組んでみてくださいね。
リピートに繋げるためには、仕事での成果はもちろんですが進捗報告をこまめに行うなど、日頃のコミュニケーションスキルも重要になってきますので、そちらも意識して取り組んでみてはいかがでしょうか。
様々なスキルを掛け合わせている
Web制作でオワコン化しない人の特徴3つ目は、様々なスキルを掛け合わせていることが挙げられます。
デザイン作成からコーティングができるのはもちろんのこと、デザイン作成に入る前の設計段階からWebサイト制作後の集客に至るまですべての工程に関われるスキルを身につけることで希少性の高い人材になれるでしょう。
技術的なスキルのみではなく、クライアントとのコミュニケーション力やチームをまとめるためのマネジメントスキルなども身につけておくことでクライアントからの信頼を獲得することができます。
様々なスキルを持ち合わせて知識をつけておけば、クライアントの要望に応じた最適な提案もできるようになるため、仕事の幅もかなり広くなるはずです。
Web制作者は生き残り戦略を練る必要がある
本記事ではオワコンと噂されているWeb制作の実態や、活躍するための方法について解説してきました。
オワコンといわれる理由でも触れましたが、Web制作業界は参入障壁が低くライバルが多いため、コーディングのみなどしかできない人材は厳しいのが現実です。
また、クライアントが求めるスキルレベルの変化やライバルの増加により価格競争に巻き込まれやすいので注意しておく必要があります。
しかし業界全体がオワコンというわけではなく、仕事のできる人材になれば大きく稼ぐことも可能です。
Web制作はオワコンといわれる時代ですが、クライアントの売上アップに貢献できるように様々なスキルを身につけることでオワコン化しない需要の高い人材を目指していきましょう。