自社のWebサイトを新しく開設する場合や既存のサイトをリニューアルする場合、Web制作会社に依頼するパターンが多いですよね。
しかし、大半の人にとってサイト制作会社選びは馴染みのないこと。
その上、Web制作会社を調べてみると非常に数が多いことに気づきます。
1つ1つの企業を調べてみても、それぞれ強み・規模・価格も千差万別。
そのため、一体どうやって外注先を選べばいいかが分からず、悩んでいる担当者が多いようです。
そこで当記事では、Web制作を外注したいが委託先探しに不慣れという人のために、「失敗しないWeb制作会社の選び方」をご紹介します。
満足できるWeb制作会社選びのヒントにしてみて下さいね。
Web制作会社の選び方のポイントは5つ
Web制作会社を選定するにあたっては、 選び方のポイントがあります。
- 自社と近い業種の制作実績はあるか
- 制作の体制は整っているか
- 担当者とのコミュニケーションに問題はないか
- デザイン力に問題はないか
- 話を聞くばかりでなく提案をしてくれるか
- コストパフォーマンスは適切か
ここからは、Web制作会社の検討にあたって押さえておきたいこれらのポイントを1つ1つ解説していきます。
無数に存在する制作会社から納得のいく1社を選ぶため、ぜひ頭に置いておいて下さいね。
自社と近い業種の制作実績はあるか
Web制作会社のこれまでの実績を確認し、自社と同じ業界や事業形態が近い会社との取引実績があれば、その会社を候補に入れるメリットはとても高いといえます。
同業他社のサイト制作実績があれば、同業界への理解が深く、製作にあたってどういう点を踏まえるべきかや注意すべきかについても既に把握済です。
依頼する側が1から業界のことを説明する必要がないので、担当者の負担軽減にも繋がります。
例えば医療機関ならば、サイト制作にあたっては医療法に基づく広告規制を遵守する必要がありますよね。このルールに則った制作物がある会社なら安心して仕事を依頼できるでしょう。
制作会社を知るために過去の実績をチェックする際には、同業他社や類似の業者の制作物があるかをぜひチェックしたいものです。
制作の体制は整っているか
Web制作会社の制作体制を確認することは、サイトの質や納期などに大きく関わる重要なポイントです。
制作会社でのサイトの構築は、工程ごとの分業制が大半。
ディレクター、エンジニア、デザイナーなどが連携をとりながら仕事をすることになります。
これらの担当者が全て制作会社の社員なのか、部分的に外注しているのかは会社によりけりです。
どんな体制で制作していてもクライアントには関係ないだろうと思われるかもしれません。
しかし体制が整っていない会社に発注すると、トラブル発生時の対応が遅い、クオリティが低い制作物を提出されるといった危険性にも繋がります。
その点、しっかりした制作体制が整った会社を選べば、これらのリスクを回避し安定感ある成果が期待できるでしょう。
担当者とのコミュニケーションに問題はないか
Web制作チームの中で、主にクライアントとのやり取り担うのはWebディレクターです。
そのため担当ディレクターの対応をジャッジするのが重要といえます。
打ち合わせでは、こちらの要望を正確にくみ取るヒアリング力や、難しい内容を平易な表現で説明できる伝達力があるかどうかを見極めましょう。
また、ジャッジすべきは単純なコミュニケーション力だけではありません。
問い合わせに対するレスポンスの早さや、仕事の進め方といった面にも注意すべきです。
Web制作はいわばクライアントと制作会社の共同作業。
サイトの規模によっては長い時間を要するため、長期に渡る付き合いにもなります。
パートナーとして同じ目線で、ストレスなく仕事ができる相手を選ぶことは案外重要なポイントなのです。
デザイン力に問題はないか
発注を検討している制作会社に、自社が目指すWebサイトをデザインするだけの力があるかをチェックしてみましょう。
一言にデザインといっても、芸術的な面を重視するWebデザインと、ユーザーの操作性を重視するUI/UXデザインがあります。
仮に自社がビジュアル的なインパクトを狙ったサイトを作りたいと考えているとします。
それなのに、制作会社の過去の制作物が、操作性はいいがありきたりなデザインのサイトばかりではミスマッチの可能性が高いですよね。
もしも過去の実績の中にイメージと近いものがなければ、自社の理想に近い参考サイトを示し、同じレベルのものが作れるかどうかを聞いてみるのも手です。
満足のいく結果を得るために、こちらの要望を実現するデザイン力がある会社かどうかをしっかりと見定めておきたいものです。
話を聞くばかりでなく提案をしてくれるか
打ち合わせの際には、Webサイト制作の専門家という視点から提案やアドバイスをくれるかどうかも気にしたいもの。
こちらの要望をそのまま再現されても、自社が期待していた成果が上がらないものに仕上がる可能性が高いからです。
そもそも依頼する側は、Web制作に関して自社ではわからないことがあるから制作会社への依頼を検討しているわけです。
それなのに、こちらの言うことに従うだけの会社ならば、何のためにわざわざ専門家の協力を仰いでいるのかわかりません。
「こうすればコスト削減しながらより高い効果が期待できますよ」など、エキスパートだからこそできる提案をしてくれる会社はパートナーとして信頼できます。
クライアントの要望の真意をくみ取った上で、有用なアドバイスをくれる会社に出会いましょう。
コストパフォーマンスは適切か
コストパフォーマンスについては、初期費用と維持費を併せて適切な価格かどうかを判断しなければなりません。
Webサイトは一度開設すればおしまいというものではなく、むしろそこからがスタート。
定期的な更新や改善をしてこそ集客力が上がるものです。
運用・保守は自社で行えるという場合は別ですが、そうでない場合は開設後にかかる費用にも目を向けてみましょう。
運用・保守にかかる維持費は、初期費用と違い毎月ずっと払い続けることになるお金です。
1ヶ月分の額は大差ないように見えても、長期に渡って払い続けると大きな差が出てきます。
サイト制作時だけではなく、開設後も併せた長期的な視野でコストパフォーマンスの良しあしを考えるようにしましょう。
価格だけで選ぶのはリスクが高い
価格だけを見てWeb制作会社を選定するのはリスクが高いのでおすすめできません。
どこの企業においても、コストはできるだけ削減したいというのが本音でしょう。
Web制作は価格競争が激しい業界のため、低価格を売りにしている制作会社は存在します。
しかし、そういう会社は低価格を実現するために、どこかしらでコストカットを行っているわけです。
価格が安い分、サポートやアフターフォローを行っていなかったり、制作物のクオリティが落ちる可能性もあります。
価格に関しては単に高いか安いかではなく、値段に何が含まれているのかを把握し、総合的に吟味するようにしましょう。
その上で、一番納得できる価格を提示してくれる会社に依頼するのが賢明です。
Web制作会社に依頼する前にしておく準備
最良なWeb制作会社に出会えるか否かは、自社の準備の出来具合にかかっているといっても過言ではありません。
まずはサイトのコンセプトや予算を明確にしてみましょう。
これらの事前準備を行えば、候補となる企業は自ずと絞られてくるはずです。
またWeb制作会社の立場に立ってみましょう。
どんなにいい会社でも、依頼主の要望や条件が明確でなければ、適切な対応をするのが難しくなりますよね。
ここからは、Web制作会社を検討する前に最低限やっておく準備について解説します。
予算・納期・目的を明確にしておく
予算・納期・目的に関しては、社内で意思統一しておきましょう。
予算は「300万円以内で」などなるべく具体的な数字を提示したいものです。
サイト制作は予算によってできる内容が異なります。
予算内で一番いい提案をしてくれる会社を見つけるためにも、金額設定をしておきましょう。
目的に関しても具体性は重要です。
「サイト経由の問い合わせ率を上げたい」など、どんな成果を出したいのかを伝えられるようにしましょう。
納期については、「〇年〇月に公開したい」といった予定を伝えるようにします。
良さそうな会社を見つけても、スケジュール的に折り合いがつかない場合だってあるものです。
また「急いでないが、できるだけ早く」のような言い方だと、制作会社の都合で必要以上に待たされるかもしません。
予算・目的・納期については、なるべく具体的に伝えられるよう準備するのが重要といえます。
イメージに近いサイトをいくつかピックアップしておく
制作会社との打ち合わせの前には、自社が求めるイメージに近いサイトをいくつかピックアップしておくことをおすすめします。
Web制作に関する専門知識がない状態で、自社の要望を正確に伝えるのは難しいものです。
そこで役に立つのが参考サイト。
参考サイトを見せながらだと、口だけで説明するよりイメージを共有しやすくなります。
その結果、より理想に近い制作物に仕上げてもらえる可能性が高まるのです。
ただイメージに近いサイトを紹介するだけでもいいですが、さらに一歩踏み込んで参考サイトのどういう点がいいと思うかまで詳しく説明できるとさらに効果的です。
制作会社との打ち合わせまでに、理想に近いサイトをいくつか準備するのをお忘れなく。
REP(提案依頼書)を用意しておく
事前準備として要望や条件を明確にしたら、REP(提案依頼書)にまとめてみると便利です。
REPとは、依頼主が制作会社にどういう提案をしてほしいかという要望をまとめた資料のことです。
内容はプロジェクトの概要や、自社についての説明、サイトの機能など細部にわたります。
REPをまとめるメリットとしては、制作会社からの提案のクオリティを上げることが第一に挙げられるでしょう。
また、口頭でのやり取りによる曖昧さをなくし、認識のズレによる行き違いを回避、必要事項の伝達もれも防げます。
忙しい担当者だと、資料を作る時間が惜しいと感じるかもしれません。
しかし、REPで要望を明示しすることは、後々のトラブルを防ぐ効果もあり、全体的に見れば時間と労力の削減にも繋がります。
REPを準備することは依頼主・制作会社双方にとって有益といえるのです。
Web制作のコンペは実施すべきか?
Web制作会社の選定方法として、コンペというやり方があります。
コンペでは複数企業に競合プレゼンを行わせた上で、1番いい提案をした企業を選んで発注することになります。
一見効率よく制作会社を決められそうということで、とりあえずコンペをやろうと考える依頼者もいるかもしれません。
しかし、コンペ開催にはメリットだけではなく、デメリットが存在するのも事実。
コンペのメリット・デメリットを知り、本当に実施すべきかどうかを検討しましょう。
コンペ実施のメリット
コンペ実施には以下のようなメリットがあります。
- 複数企業からの提案を1度に比較できる
- プレゼンの内容を聞いて、費用以外の面も比べられる
- コンペプレゼンの日に担当者だけでなく社内の複数の社員に出席してもらうことで、複数人で制作会社を選べる
- 制作会社は他社と受注を競い合うことになるので値引きしてくる場合があり、その分依頼者側としてはコスト削減に繋がる
やはりメリットといえば複数の企業を同時に比較できることです。
コンペ参加企業間でいい意味での競い合いが起きれば、より良いアイディアがあがってくる可能性もあります。
また依頼する側としても1人だけでなく、社内の複数の人を呼んで一緒に比較・検討を行えます。
そのため上司や社内関係者を納得させやすい面があるのも事実です。
コンペ実施のデメリット
メリットがある一方で、コンペ実施には以下のようなデメリットもあります。
- 優秀な制作会社はコンペに参加しないことが多い
- 参加企業が多いと受注確率が低くなるので、その分制作会社の本気度が落ちる
- コンペ開催の準備に労力がかかる
- コンペ実施のスケジュールを確保しなければならない
最大のデメリットは、コンペでは実力のある会社を逃しやすい点です。
優秀な制作会社はコンペに出なくても依頼が途切れないケースがほとんど。
わざわざコンペのために労力や時間を割くメリットが少ないのです。
また、制作会社側から見れば参加企業が多ければ多いほど、受注確率は下がります。
コンペの準備に100%の時間と労力を費やしても無駄になるリスクが高いので本気度が下がり、結果的に提案の質を低下させる場合もあるのです。
選ぶならマーケティング支援も行ってくれる制作会社がおすすめ
Webサイトの立ち上げとマーケティング支援の両方をワンストップで行える制作会社は検討する価値が非常に高いといえます。
例えば、自社ECサイトの売り上げをアップさせるためにWeb制作を依頼したとしましょう。
どんなに立派なサイトが完成しても、設置後の訪問者数が少なかったり、商品の購買に繋がらなかったら意味がありませんよね。
Webサイトの効果を最大限に活かすには、適切なマーケティング施策を施す必要があるのです。
そもそもWeb制作とWebマーケティングは密接に関わっています。
そのため、両方を1社で完結できるのは効率がいいといえるのです。
せっかくサイト制作を依頼するなら、ただ作るだけの会社ではなく、効果の出るマーケティング支援も行っている会社を選ぶのがおすすめです。
Web制作会社は総合的な判断で選ぶことが大切
Web制作会社はたくさんありますが、その中から最良のパートナーを選ぶには総合的な視点から判断をするのがとても大切です。
間違っても「見積額が一番安いから」「有名な会社だから」「デザインがいいから」など、何か1点だけを理由に選定することのないように気を付けましょう。
当記事で紹介した、Web制作会社の選び方のポイントなどを参考に、複数の視点から制作会社を見つめてみてください。
異なる視点から見ても一定の評価がある会社は、しっかりしていて信頼できる可能性が高いものです。
また、自社がWeb制作において重視する点をできるだけ明確にすることも重要です。
その上で自社とWeb制作会社のマッチングを行えば、満足度の高い委託先が絞り込まれていきます。
Web制作会社探しでは戸惑うこともありますか、1点だけによらず総合的な判断で選べば、失敗のないWeb制作会社選びができるでしょう。