システムエンジニアはきつい仕事と言われていますが、実は将来性が高いやりがいのある仕事です。
本記事では、システムエンジニアがきついと言われる理由を具体的に5つ解説しています。
システムエンジニアに向いていない人と向いている人や、働く環境がきつい会社の特徴も解説しています。
IT業界の革新的な発展に伴い、これから最も必要な人材となるシステムエンジニアは将来性も高い仕事です。
これから新たにシステムエンジニアを目指したい人や転職したい人、フリーランスとして働こうと考えている人は参考にしてみてください。
システムエンジニアの仕事がきついと言われる理由5つ
システムエンジニアはIT技術が日進月歩の発展を遂げている現代において必要不可欠な職種です。
経済産業省は、デジタル人材育成について新たな人材を発掘すべくさまざまな施策を打ち出しています。
現状では進化を続けるIT技術の普及に対してまだまだ人材不足が否めない状況となっています。
さらに元々システムエンジニアの仕事は離職率が高いというイメージが広く浸透していてきつい仕事だと思われることも少なくありません。
システムエンジニアの仕事がきついと呼ばれるのには理由があります。
- 高いスキルが常に求められ勉強は欠かせない
- 残業、夜勤が多く、休日出勤もある
- クライアントの急な要求にも対応しなくてはならない
- 作業量と給与が割に合わないことがある
- 人間関係がストレスになる
これらの5つの理由について次で詳しく解説していきます。
IT業界への転職やこれからシステムエンジニアを目指したいという人は、参考にしてみてください。
高いスキルが常に求められ勉強は欠かせない
システムエンジニアは専門的な知識と高いスキルを要求されることが多い職種です。
システムエンジニアはITやシステムに強い人材として、現場から期待されます。
そのためシステムエンジニアは常に新しい情報や知識を増やし、実践で活用できるようにならなければいけません。
新しい技術が次々に導入されていくので、新たな技術について勉強する必要があります。
進化のスピードが早いIT業界においては、数年前の技術が時代遅れになってしまうこともあるのです。
ITシステムは幅広くさまざまな業界でシステムが導入され、ひとつのシステムでも上流から下流まで携わる業務が異なります。
ひとつの現場やシステムしか知らないという人は、時代の流れから遅れていってしまう業界といえるのです。
残業や夜勤・休日出勤がある
システムエンジニアは残業や夜勤、休日出勤が多いといわれています。
これはシステムエンジニアの業務がひとつの案件に対して作業量が多いことが理由として挙げられます。
企画段階で作業工数やリソース配分をおこなっていきますが、想定外の作業ボリュームが発生することもあるのです。
リソースの人数にもよりますが、特に納期前などの時期には納期を延長することが難しいことから時間外労働や休日出勤で対応せざるを得ない状況になることもあります。
またシステムの納期前のテスト稼働などは、納品先の業務に支障が出ない夜間や休日におこなうことも多いことから、夜勤や休日出勤が多く発生しやすいのです。
残業や夜勤などが頻発すると、睡眠時間やプライベートの時間が削られるので疲弊しやすく、体力的にきつく感じられることも多い職業といえるでしょう。
クライアントの急な要求にも対応しなくてはならない
システムエンジニアの仕事は作業以外にもクライアントからの問い合わせに対応する必要があります。
企画段階での話し合いではなかった急な実装要望を出してくるクライアントも少なくありません。
要望が当初の予定と異なる場合には緊急で打ち合わせを行い、スケジュールの調整や工数、リソースの配分を見直さなくてはなりません。
開発段階である程度プロジェクトが進行している場合、急なクライアントの要求で一からやり直しになることもあり、精神的にきつくなることもあります。
さらに納期間際で追加実装などの新たな要求が入るとスケジュール調整段階で難航することがあります。
このようにクライアントの急な要求に対して細かな対応や作業が求められることはシステムエンジニアにとってきついと感じてしまう場面といえるでしょう。
作業量と給与が割に合わないことがある
システムエンジニアは細かな作業や残業、休日出勤などが多いので仕事量と給与が割に合わないと感じる人も少なくありません。
作業時間や拘束時間が長いことで単純に時給換算すると低くなってしまうこともあるのです。
システムエンジニアは設計や開発、テストまでの全体的なシステム開発に携わっていくことから仕事量が増えてしまうことが多い仕事です。
またクライアントとの打ち合わせや問い合わせの対応など、作業以外にも時間がかかってしまうことも良くあります。
特に駆け出しや下請けメインのシステムエンジニアの場合、プロジェクトの単価そのものが低いことも少なくありません。
仕事量に対して給与が低く感じることもあり「システムエンジニアの仕事はきつい」と思う人も多いのです。
人間関係がストレスになる
システムエンジニアは同じプロジェクトのメンバーやクライアントと関わることが多い職種です。
そのため人間関係の悩みがストレスになることも少なくありません。
システムエンジニアは専門的にシステム開発をする職種ではありますが、クライアントのヒアリングなどのやりとりも頻発するのでストレスを感じることもあります。
またプロジェクトとして開発を進めていくためには、プロジェクトメンバーとの会議や議論も多く行う必要があります。
社内の雰囲気が悪かったり、メンバーの中に合わない人がいたりすると居心地の悪さを感じながら作業を進めていかなくてはなりません。
自分が経験していない言語や案件を担当することになった場合、チーム内で質問することもできず孤独感を感じながら作業を進めていかなくてはならないこともあります。
システムエンジニアはきつくてもおすすめできる理由
システムエンジニアは実はきつくてもおすすめできるメリットもあります。
システムエンジニアとして長く務めている人以外にも、同業他社へ転職する人やスキルを磨いて別のIT関連業種にチャレンジしたりフリーランスになって働いたりする人も多いのも事実です。
一見すると離職率が高い業界とみられがちですが、経験やスキルを活かして転職する人が多いシステムエンジニアの仕事をおすすめする理由は、
- 社会貢献度が高くやりがいを感じられる
- 会社によって給与や待遇が良い
- 手に職がつき将来性が高い
などが挙げられます。これらおすすめの理由について詳しく解説していきます。
社会貢献度が高くやりがいを感じられる
システムエンジニアの仕事は実は社会貢献度が高い仕事です。
現代ではどのような仕事や業界でも規模の大小はありますがシステムが導入されていない業種はほとんどありません。
たとえば、流通のシステム開発に携わったときには、実際に利用するクライアントの要望をヒアリングして一つ一つ開発していくものづくりの楽しさや、実際に稼働している様子を見ることができるのでやりがいを感じることがあるでしょう。
銀行や病院、航空業界や電気などの365日止めることができないインフラシステムに携わったときには、世の中の人々の役に立っている実感が湧き大きな充足感を得られます。
またシステムを導入することで業務改善が実感できたクライアントから感謝されるのもシステムエンジニアの醍醐味ともいえます。
専門的な知識や技術を活かして人々の役に立てるのがシステムエンジニアの仕事なのです。
会社によって給与や待遇が良い
2022年12月時点でのITエンジニアの平均年収について、下記の調査結果があります。
ITエンジニアの平均年収は442万円と、全体平均の403万円よりも39万円高いです。
参照:doda
このことから、システムエンジニアは年収が高い職業といえるでしょう。
20代から30代は技術面が評価されるのに対し、40〜50代のシステムエンジニアにはマネジメント能力の高さを求められる傾向があります。
システムエンジニアを求める会社によっては、経験や能力などに応じて年収が変わります。またシステムエンジニアがきついと感じる休日出勤や残業がほとんどない会社もあるので、転職や新たにシステムエンジニアとして就職を考えている人は自分の望む条件を提示してくれる会社を探してみましょう。
手に職がつき将来性が高い
システムエンジニアは、IT人材が不足する現在では「手に職がつく」将来性の高い仕事のひとつです。
磨いた技術や培った経験はIT業界やIT人材を探している企業にとって引く手あまたという現状があります。
そのため同業他社はもちろん、経験を活かして社内SEや請負SEとして転職することが可能になります。
扱えるプログラム言語が豊富である、または経験したシステムがあるシステムエンジニアは、会社という枠にとらわれずフリーランスで働くことも可能になるのです。
会社員だと給与は固定されてしまいますが、フリーランスで働くと自分の頑張り次第で給与は上がっていきます。
経験を活かして得意なシステム開発に携わっていくことや新しいシステム開発に挑戦することも可能なので、システムエンジニアは将来性が高い仕事といえるのです。
システムエンジニアに向いていない人の特徴
システムエンジニアの仕事にやりがいを感じていても向いていない人も存在します。
- 割に合わない仕事はしたくない
- 複数の作業を同時進行するのが苦手
- 他人となるべく関わりたくない
こうした向いていない人の特徴に当てはまっていても、今すぐシステムエンジニアを辞めることはありません。
働いているうちに価値観が変わることや、経験を経て苦手な作業もハードルが低くなっていくことが考えられるからです。
システムエンジニアに向いていない人の特徴を詳しく解説していきますが、もし当てはまっていた場合にはご自身の仕事に対するマインドセットに役立ててみてください。
割に合わない仕事はしたくない
「割に合わない仕事はしたくない」と考える社会人は多いものです。
とりわけシステムエンジニアの仕事をしている人で「割に合わない仕事はしたくない」と考えている人は、仕事がきついと強く感じてしまう傾向があります。
駆け出しのシステムエンジニアは、学ぶことが多く時間外労働や残業も多くなりがちです。
長くシステムエンジニアとして働いている人であっても、新たな技術についてキャッチアップをして自己研鑽を重ねています。
そのため稼働時間と報酬のバランスが悪いと感じる人は、社内SEや常勤型システムエンジニアとして働く方法もあります。
複数の作業を同時進行するのが苦手
システムエンジニアはマルチタスクをこなす必要があるので「複数の作業を同時進行するのが苦手」という人は向いていない仕事といえます。
システムエンジニアは設計書の作成からシステム開発以外にもクライアントやプロジェクトチームとの打ち合わせとスケジュール管理など、業務は多岐にわたり同時進行していく必要があるからです。
開発途中でのエラーやトラブルなどの解決など突発的で急を要する問題への対応や、下流工程に携わる他のエンジニアへの指示などもおこなわねばなりません。
開発の途中での仕様変更や追加なども起こるので、柔軟な対応が求められます。
他人となるべく関わりたくない
「他人となるべく関わりたくない」という人はシステムエンジニアには向いていません。
システムエンジニアは開発業務全般を担当するので、開発業務以外にも実際にはクライアントや開発プロジェクトのメンバーと関わりを持つ必要があるからです。
クライアントからは問い合わせや打ち合わせの時間もありますし、チームメンバーとは打ち合わせや会議、互いの進捗確認や質問などのコミュニケーションをとらないとプロジェクトの進行に影響がでてしまうことがあります。
「ITの仕事に関わりたいけれど、あまり人と関わりたくない」という人はシステムエンジニアよりも人と関わることが少ないプログラマーの方が向いています。
システムエンジニアに向いている人の特徴
システムエンジニアは経験がないと難しいと思っていませんか?
実は未経験でもやる気があれば現在の知識は関係なく目指せる仕事なのです。
未経験でもシステムエンジニアに向いている人の特徴は以下の通りです。
- 好奇心旺盛で向上心がある
- コミュニケーションをとるのが好き
- 貢献意欲が強い
これからIT業界を目指したい人やシステムエンジニアとして活躍したい人はまず自分には適性があるかどうか知っておくことが大切です。
システムエンジニアを目指すために心がけておくポイントでもあるので参考にしてみてください。
好奇心旺盛で向上心がある
好奇心旺盛で向上心がある人はシステムエンジニアに向いています。
IT業界は成長スピードが速く新しい技術や知識がどんどん生まれてきます。
今までの技術や知識に満足していてはいつか時代遅れになってしまう厳しい業界ではあります。
そのため今の仕事とは直接関わりがなくても、わからないことを積極的に調べ、自己研鑽のための勉強を進めている人はシステムエンジニアに向いているといえるでしょう。
また自分の生活や人生設計について向上心を持っている人も、きついシステムエンジニアの仕事を楽しめるので向いているといえます。
コミュニケーションをとるのが好き
コミュニケーションをとることが得意な人はシステムエンジニアに向いているといえます。
システムエンジニアは開発業務だけではなく、クライアントやチームメンバーとのコミュニケーションが大切になるからです。
打ち合わせや問い合わせ以外にもわからないことを質問したり、会議や打ち合わせを行ったりする必要もあります。
受け身の姿勢で待っていては開発や工程が進まないことも少なくありません。
特にはじめて触るシステムの場合には積極的に質問したり、確認したりすることが多いのでコミュニケーションを大切にしている人はシステムエンジニアに向いているといえるでしょう。
貢献意欲が強い
システムエンジニアには貢献意欲が強いことも大切なポイントです。
システムエンジニアの仕事は「システムで問題解決する」ことなので、白紙の状態からクライアントの要望に応じてシステムを構築していく作業を楽しめることが大切になってきます。
クライアントの要望を聞きながら、基本的な設計を作成し開発を進めていく中でクライアントニーズに応えられることにやりがいを感じられる人は、きつい仕事にも耐えられ大きなやりがいを得られます。
システムエンジニアは自分が作ったシステムが順調に稼働し、クライアントの業務が効率化したなどの成果を肌で感じられるため社会貢献できる仕事でもあるのです。
システムエンジニアのきつい原因があるこんな会社はやめとけ
未経験で新たにシステムエンジニアを目指す人のために「きつい原因がある」「こんな会社はやめとけ」ということをご紹介します。
- 経営者がシステムエンジニア未経験
- 平均残業時間が公開されていない
- 多重下請けを行っている
これらは求人情報サイトや就職しようとする会社のホームページ、会社の口コミサイトなどを良く見るとわかるポイントになります。
これからシステムエンジニアとして就職や転職を検討している人は是非参考にしてみてください。
経営者がシステムエンジニア未経験
経営者がシステムエンジニアの経験がない場合、システムエンジニアの仕事がきつくなる場合があります。
中小企業の場合には経営者が営業担当として案件を獲得してくることも少なくありません。
経営者がシステム開発の流れや案件規模と工数のバランスなどがわかっていない場合、納期スケジュールに無理があるプロジェクトが降りてくる可能性があります。
そのためシステムエンジニア泣かせの納期が厳しいプロジェクトばかりを担当することになる事も増え、残業や休日出勤が多くなる可能性が高くなります。
会社のHPにある企業概要などをしっかりチェックしておくことがポイントです。
平均残業時間が公開されていない
システムエンジニアの求人に関わらずハローワークの求人票や求人サイトの求人広告には、1ヶ月当たりの平均残業時間が公開されていない場合があります。
残業時間は記載が義務付けられていませんが、残業が少ないあるいは常識の範囲である企業や職種の場合には公開されていることが多いものです。
残業が多い職種といわれているシステムエンジニア職の求人に対して残業時間を公開していない場合、残業時間が多いことが想定されます。
一般的には1ヶ月当たりの残業当たりが20時間であれば普通、やや多くて40時間程度、60時間を超えると多いとされています。
求人情報に残業時間の記載がない場合には、あらかじめ転職エージェントや面接で確認するようにしましょう。
多重下請けを行っている
システム開発は建設業界と同じく多重下請け構造で業務が行われていることが多い業界です。
大手や中小IT企業から四次請けや五次請けがメインになっている企業の場合、システムエンジニアの待遇はさらに悪くなりやすい傾向があります。
大手からの請負の仕事は、安定的に仕事がある場合もあり、一概に受託請負をおこなっているのが悪いというわけではありません。
しかし、多重下請けの再委託が繰り返されると、納期までのスケジュールが厳しい案件のため残業や休日出勤が多いことやプレッシャーがきつくなること、給料が安くなるなどのデメリットがあるので注意が必要です。
システムエンジニアはきつくてもやりがいがある仕事
システムエンジニアは、自分の技術と知識を活かして、社会に貢献できる仕事です。
高いスキルや技術が要求され、クライアントからの急な要求に対応しなくてはならないことや就業時間が長くなること、また作業量と給与が割に合わないなどきついと思われることも多い仕事ともいえます。
しかし働くやりがいや楽しさを見出すこともできるシステムエンジニアの仕事は、好奇心や向上心を持てば未経験でも飛び込んでいける職種です。
進化を続けるIT業界の中で将来性が高く、会社に就職する以外にも手に職をつけてフリーランスとして働くことが可能なシステムエンジニアとしてあなたも働いてみませんか?