IT業界の拡大や働き方の多様化により、Webエンジニアという職種が注目を浴びています。
リモートワークや手に職をつけられることから、Webエンジニアを目指して転職活動をする人が増えている状況です。
しかし、軽い気持ちでWebエンジニアを目指してしまうと、思い描いていた未来と現実にギャップを感じて辞めてしまうことにもなりかねません。
Webエンジニアは人によって向いている・向いていないがあり、仕事内容によって必要なスキルは様々です。
プログラミングスキルだけでなく、コミュニケーションスキルや論理的思考力など、様々なスキルを組み合わせて初めてWebエンジニアとして活躍ができます。
本記事で紹介するスキルを元々持っている必要はありませんが、これから身につけていくとWebエンジニアとして大きく活躍できるでしょう。
ぜひ参考にしていただき、理想の働き方を実現してください。
Webエンジニアに必要なスキルは仕事内容によって異なる
Webエンジニアと一口にいっても、そのスキルセットは仕事内容によって大きく異なります。
具体的には、フロントエンドとバックエンドの2つの領域が存在し、それぞれ異なる技術を必要とします。
フロントエンドでは、ユーザーが直接触れる部分を作成します。
HTML、CSS、JavaScriptが基本となり、ReactやVue.jsのようなフレームワークの理解も必要になります。
一方、バックエンドでは、サーバーサイドの開発が中心となります。
Ruby、Python、PHPなどのプログラミング言語と、それらのフレームワークを使いこなす必要があります。
しかし、これらのスキルは一朝一夕に身につくものではありません。
長期的な視点で学習を進め、着実にスキルを積み上げていくことが大切です。
どの分野を選ぶかは、あなたの興味や目指すキャリアによります。
まずは基本から理解し、その上で自分の専門領域を見つけるのが良いでしょう。
Webエンジニアに必要なスキル5選
Webエンジニアと一言でいっても、担当領域によって必要な知識やスキルは異なります。
しかし、もちろん、Webエンジニア全体で見たときに共通して必要なスキルも存在します。
- プログラミングスキル
- ネットワークに関する知識
- セキュリティに関する知識
- 論理的思考力
- コミュニケーション力
上記5つのスキルは担当する領域に関わらず、Webエンジニアを目指すのであれば必要となる知識ですので、ぜひ身につけるようにしましょう。
ひとつずつ、詳しくご紹介していきます。
プログラミングスキル
プログラミングスキルは、Webエンジニアになるうえでは必須なスキルです。
しかし、担当する領域により、必要な言語は異なります。
フロントエンドでは、HTML、CSS、JavaScriptが基本的な言語となります。
HTMLとCSSでウェブページの構造とデザインを作り上げ、JavaScriptでデザインに動きをつけていきます。
また、Vue.jsなどのフレームワークは、より効率的に、そして複雑な動きを実現するために必要となります。
一方、バックエンドでは、Ruby、PHP、Pythonなどの言語が中心です。
これらの言語を使うと、サーバーとデータベースの連携、アプリケーションのロジックの作成など、ウェブサイトの裏側で動いている機能を開発することができます。
各言語の選択は、担当する領域やプロジェクトのニーズによります。
初めは基本の言語から始め、その上でより特化した言語やフレームワークを学ぶのが良いでしょう。
ネットワークに関する知識
Webエンジニアとして活躍するには、ネットワークに関する知識も必要不可欠です。
特にWebアプリケーションの開発においては、この知識は必須となります。
なぜなら、プログラミングを行う上で、TCP/IPのような基本的なネットワークプロトコルを理解していると、コードの動作をより深く理解できるからです。
また、クライアントとサーバー間でデータがどのように送受信されるか、Webアプリケーションがどのように動作するかを把握するためにも、ネットワークの知識は重要です。
さらに、ネットワーク以外にも、OSやミドルウェアについての基本的な理解も求められます。
セキュリティに関する知識
Webエンジニアの仕事の中で、特に重要な観点となるのがセキュリティに関する知識です。
サーバーやネットワークが関連するセキュリティは、利用者の情報を保護したり、サービス自体の信頼性を保つために不可欠です。
それゆえ、常に最新のセキュリティリスクに対する理解と対策が求められます。
具体的には、インジェクション攻撃、クロスサイトスクリプティング、クロスサイトリクエストフォージェリなど、Webアプリケーションに対する一般的な攻撃手法を理解し、これらを防ぐための対策を講じる能力が求められます。
セキュリティに関する知識は、ユーザー情報の保護や企業の評価に直結するため、Webエンジニアとして必須のスキルといえるでしょう。
論理的思考力
論理的思考力は、プログラムの構造を理解し、エラーの解決や新しい機能の開発を行うために重要なスキルとなります。
プログラミングは、論理的に問題解決をすることが重要です
コードが期待通りに動かない場合、原因を突き止め、解決策を見つけるためには、事象を理論的に分析し、原因と結果をつなげる能力が求められます。
また、新しい機能を開発するときも、要件を満たすためには、それを実現するためのステップを明確に理解し、それをコードに落とし込む必要があります。
これも論理的思考力が大切となります。
論理的思考力を身につけるには時間と経験を積むことが大切です。
Webエンジニアとして働いていく中で、自然と身についてくるものですが、本などであらかじめインプットをしておくといいでしょう。
コミュニケーション力
Webエンジニアの業務において、技術的なスキルだけでなく、コミュニケーション力も非常に重要となります。
プロジェクトを進行させるためには、チームメンバーやクライアントとの効率的なコミュニケーションが欠かせません。
自分の考えを明確に伝え、他人の意見を理解する力は、共同作業を円滑に進めるために必要です。
また、認識の齟齬を生じさせないためには、正確で明確な情報の伝達が求められます。
さらに、エンジニアはクライアントや他のチームメンバーに対して複雑な技術的な内容をわかりやすく説明する能力も必要です。
これは、プロジェクトの方向性を理解してもらい、必要な支援を得るために重要なスキルとなります。
コミュニケーションがスムーズなエンジニアは、チームの作業効率を上げ、プロジェクト全体のコミュニケーションコストを低く抑えることができます。
そのため、コミュニケーション能力を高めることは、より価値あるエンジニアとなるための重要なステップと言えるでしょう。
Webエンジニアになるなら押さえるべきツール3選
Webエンジニアとして活躍するためには、スキルだけでなく、各種開発ツールの使い方も押さえておくべきです。
ツールを使いこなすことでコーディングの効率を向上させるだけでなく、エラーの解消が迅速に行えたり、チームでの共同作業をスムーズにすることができます。
特に、Git/GitHub、Visual Studio Code、そしてChrome Developer ToolsはWebエンジニアにとって必須と言えるツールの一部です。
これらのツールを適切に使いこなすことで、より質の高いコードを効率よく作成し、エンジニアとしてのパフォーマンスを最大化することが可能になります。
それぞれのツールについて詳しく見ていきましょう。
Git/GitHub
Gitは、コードのバージョン管理を行うシステムです。
プログラミングでは頻繁にコードの変更や更新が行われますが、Gitを使うことで、その過程を詳細に追跡し、必要に応じて過去の状態に戻すことが可能です。
複数人での開発では、誰がどの部分を変更したのか明確にするためにも欠かせません。
一方、GitHubは、Gitを用いて作成したプロジェクトを公開・共有するためのプラットフォームです。
他の開発者との協業や、作成したプロジェクトのバックアップ、さらにはポートフォリオとして利用することも可能です。
これらのツールが使えないと、コードの管理が難しくなり、チームでの開発が困難になります。
また、自分の技術力をアピールする機会を逃すことにもなります。
Visual Studio Code
Visual Studio Codeは、マイクロソフトが開発した無料のソースコードエディターで、コードを書くための主要なツールの一つです。
多言語対応や強力なコード補完機能など、初学者からベテラン開発者まで利用することができます。
その大きな魅力は、拡張機能の豊富さです。
必要に応じてさまざまな拡張機能を追加でき、作業の効率化やエラーチェックなど、開発作業をより円滑に進めることができます。
Visual Studio Codeが使えないと、コード作成の速度が低下したり、エラーに気づきにくくなったりする可能性があります。
そのため、一日も早く慣れておくことが推奨されます。
Chrome Developer Tools
Chrome Developer ToolsはGoogle Chromeの内蔵ツールで、Webページの挙動をリアルタイムで確認し、検証することができます。
このツールは主にフロントエンド開発で活用され、HTMLやCSS、JavaScriptのコードをブラウザ上で直接修正・試行することが可能です。
DOMの構造を視覚的に確認したり、スタイルの調整を直感的に行えるだけでなく、パフォーマンスの計測やデバッグ、ネットワークの監視など、幅広い機能を提供しています。
Chrome Developer Toolsの使用に慣れていないと問題解決に時間がかかる可能性があるため、早めに身に着けておくといいでしょう。
Webエンジニアは常にスキルのアップデートが必要
Webエンジニアとして成功するためには、スキルのアップデートが欠かせません。
テクノロジーの進化は目まぐるしく、その変化に対応しきれなければ、市場価値が下がり、競争に遅れを取る可能性があります。
さらに、新たな技術を習得することは自身の市場価値を向上させ、より多くのチャンスを引き寄せることができます。
以下では、技術の移り変わりの速さ、競争率の激化、そしてスキルのアップデートが市場価値を高めやすい理由について詳しく説明します。
技術の移り変わりが早い
技術の移り変わりが早いのがWeb業界の特徴の一つです。
新しいフレームワークやライブラリが次々と登場し、既存の技術が見直されたり、時には廃れたりします。
フレームワークやライブラリとは、開発作業を容易にするためのツールやコードの集まりで、新しいものを学ぶことで作業効率や開発品質が向上します。
そのため、この流れに取り残されないためには、最新の技術を常に学んでいく必要があるのです。
短期間でのスキルの修得が求められるのは厳しいかもしれませんが、それが新たなチャンスを生む源泉でもあります。
競争率の激化
競争率の激化も、Webエンジニアとしてスキルのアップデートが求められる理由の一つです。
近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進やリモートワークの普及により、Webエンジニアの需要は急速に増加しています。
しかし、専門的なスキルを有するエンジニアの供給が足りていない現状があります。そのため、初心者レベルでは厳しい状況となりつつあります。
その中で市場価値を高めるためには、自身のスキルをアップデートし、他者との差別化を図ることが求められます。
競争が激化する中でも自身を価値あるエンジニアとして活躍するために、自己研鑽は欠かせません。
市場価値を高めやすい
Webエンジニアのスキルを持つことで、市場価値を高めやすいのも特徴です。
IT化が進む現代社会では、エンジニアを求める企業は年々増加しています。
特に、多角的な知識とスキルを持つエンジニアは重宝されます。
なぜなら、複数のスキルを掛け合わせることで、新たな価値を生み出すことができるからです。
市場価値を高めるための一つのコツは、トレンドを把握し、新技術の学習を続けることです。
また、特定の分野での専門性を深めることで、他者との差別化を図ります。
さらに、複数のスキルを組み合わせることで、より広範かつ深いソリューションを提供できます。
これらを行うことで、市場での自身の価値を高めることが可能です。
Webエンジニアに必要なスキルを学ぶ方法
Webエンジニアに必要なスキルを習得するための方法は様々あります。
どの方法を選択するかは、あなたのライフスタイルやゴール、学習に充てられる時間などによります。
独学で学ぶことも可能ですが、スクールを活用したり、資格勉強をすることで効率的にスキルを身に着けられるでしょう。
重要なことは、一度習得したスキルを常にアップデートしていくことです。
それぞれの方法の具体的な内容やメリットを解説していきますので、自身にあった学習方法を選択してください。
独学で学ぶ
独学は、時間と費用を自由にコントロールできる大きなメリットがあります。
書籍やオンラインのチュートリアル、動画講座など、さまざまな学習方法を利用可能です。
しかし、学習を進めていくには自己管理が重要となり、途中で挫折しやすいというデメリットも存在します。
また、わからない部分が出てきたときに、質問できる相手がいないことも独学のデメリットです。
そのため、問題が生じたときに質問できるコミュニティやメンターなど、問題解決ができる環境を整えることが大切です。
また、実際に手を動かしてプログラムを作成することで、理論だけでなく実践的なスキルを身につけることが可能になります。
独学でも十分にスキルを習得できますが、一方で自己管理能力や適切な学習環境の構築が必要というデメリットも把握しておきましょう。
プログラミングスクールを活用する
プログラミングスクールを活用すると、質の高いカリキュラムとプロの講師からの指導を受けることができます。
独学と比較すると学習内容の構造化が図られ、また、現役エンジニアとして活躍する講師からのフィードバックが得られるため、学習の進行がスムーズになることが多いです。
また、多くのスクールでは転職サポートも提供しており、スキル習得だけでなく、キャリア形成の面でもサポートが得られます。
しかし、スクール選びには注意が必要で、自分の学びたい内容やキャリア目標に合ったカリキュラムを提供しているか確認することが重要です。
適切なスクールを選べば、効率的かつ具体的なスキル習得につながり、エンジニアとしての道筋をしっかり描くことが可能になります。
以下の記事ではWebエンジニアへの転職支援付きプログラミングスクールをまとめています。
プログラミングスクールの選び方についても解説していますので、プログラミングスクールを検討している場合はぜひ参考にしてください。
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資格勉強をする
資格勉強は、Webエンジニアに必要な基本的な知識を体系的に学ぶのに効果的です。
必ずしも資格取得が必要というわけではありませんが、資格勉強によって深く理解することで、周辺知識の補強につながります。
具体的には、「ITパスポート」や「基本情報技術者試験」などの資格試験を対象とする学習は、広範でシステム全体の理解を深めるのに役立ちます。
これらの資格は、ITの基礎知識からビジネススキルまで幅広いテーマをカバーしているため、それらを学ぶことで一層のスキルアップを図ることが可能です。
ただし、資格取得はあくまで手段であり、目的は知識とスキルの習得にあることを忘れないようにしましょう。
スキル習得の際の注意点
Webエンジニアのスキル習得は、一見、難しそうに感じるかもしれません。
ここから解説する2つのポイントを押さえておくことで、効率的にスキルを身につけることができます。
- まずは計画を立てる
- 質問できる環境を用意する
ひとつずつ解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
まずは計画を立てる
効率的な学習をするためには、計画を立てることが大切です。
まずは目指す目標を明確にし、それに向かってどの程度の時間を設け、何を学びたいのかを決定します。
そして、3ヶ月や半年といった具体的な期限を設けて取り組みます。
この時、1日に何時間学習するかも計画に含めることがポイントです。
また、自身がWebエンジニアを目指す理由を明確にしておくと、挫折を防ぐことができます。
スキルを習得するには多くの時間を必要としますが、それらを短期・中期の目標に分けて設定することで、計画的に学習を進めることが可能になります。
質問できる環境を用意する
質問できる環境を用意することは、プログラミングの学習における必須要素です。
なぜなら、プログラミングは挫折しやすい学習領域であり、困難に直面したときに質問することで解決策を見つけることが求められるからです。
メンターやプログラミングスクールなど、自身の疑問を解決してくれる存在を活用することは、スキルアップに大いに寄与します。
さらに、エンジニアとして転職した後も、質問力は必要とされます。
なぜなら、プロジェクトでは常に新しい課題に直面するからです。
つまり、質問スキルはエンジニアにとって必須の能力と言えるのです。
迷ったときは積極的に質問をし、学習を進めていきましょう。
Webエンジニアには様々なスキルが必要
本記事を通して明らかになったのは、Webエンジニアに必要なスキルは多岐にわたり、その習得は継続的な学習と試行錯誤を伴うことです。
しかし、それらのスキルは単なるツールの使い方だけではありません。
コードを書くための思考法やプロジェクトの管理法など、エンジニアとしての基本的な姿勢を形成するものでもあります。
さらに、学び始める段階で明確な学習計画を立て、質問できる環境を整えることで、スキル習得の過程がスムーズに進むことが期待できます。
技術の進歩と共に、Webエンジニアとしてのスキルも進化し続ける必要があります。
それぞれのスキルを習得しながら、全体像を見失わずに効率的な学習を進めましょう。