企業の情報やサービスなどを発信するのに欠かせないWebサイト。
しかし、Webサイトをつくろうと思っても、どうすればいいのか困ってしまいますよね。
そんなときおすすめなのが、Web制作を外注する方法です。
Web制作に関する専門的な知識がなくても、外注ならサイトのデザインや構築をプロにお任せできます。
「外注で具体的にどうやって制作するの?」「費用はどのくらいかかるの?」と思っている人もいるかもしれません。
そこで今回は、Web制作を外注するメリットや制作の流れ、費用の相場などを解説します。
Web制作を外注すべきかどうか悩んでいる人は、ぜひ本記事を参考にしてください。
外注・自社制作の違い
Web制作の方法として、外注と自社制作の2種類があります。
それぞれどのようなもので、どのような特徴があるのでしょうか。
この章では、外注・自社制作の違いを解説します。
自社のサイトを制作するためには、外注と自社制作のどちらを選ぶべきか、参考にしてみてください。
外注
外注とは、外部に依頼してWeb制作してもらう方法です。
依頼先には、Web制作会社やフリーランスなどがあります。
外注の特徴は、Web制作が必要になったときだけ依頼できるところです。
サイトを新規で立ち上げる場合はもちろん、一部リニューアルの場合でも依頼できます。
デザインやコーディングなどの作業もすべてお任せできるので、自社でWeb制作に関する専門的な知識やスキルを持つ人材を採用・育成する必要はありません。
自社制作
自社制作は、自社内でWeb制作する方法です。
Web制作の知識やスキルを持つ人材が自社内にいる場合は、自社制作することもできます。
自社制作の特徴は、デザインの変更や機能の追加など、融通が利きやすいところです。
またコミュニケーションをとりやすいので、認識のずれも起こりにくいでしょう。
企画からデザイン・サイトの構築まですべて自社制作することもできますが、一部の工程のみ自社制作して、ほかの部分は外注することも可能です。
外注のメリット
ここまで、外注と自社制作の違いを解説しました。
自社にWeb制作のスキルを持った人材がいないため、外注を検討している人もいるでしょう。
しかし、Web制作を外注することでどのようなメリットがあるのか、具体的なイメージがまだ湧かないかもしれません。
そこで、この章では外注のメリットを4つ紹介します。
- 高品質のサイトができる
- 費用を変動費にできる
- メイン業務に集中できる
- スケジュール通りに公開できる
高品質のサイトができる
Web制作を外注することで、高品質なサイトがつくれます。
例えば、Web制作にはさまざまなスキルが必要です。
- デザイン
- コーディング
- マーケティング
- SEO
- ライティング
外注の場合、これらのスキルを身につけた専門チームが制作するため、クオリティの高いサイトをつくることができます。
またデザイン性だけではなく、機能性にも優れたサイトの制作も可能です。
一方で自社制作の場合、サイトのクオリティはWeb制作にあたる人材のスキルに大きく左右されます。
すべての面で高いスキルを持つ人材を確保するには、時間もコストもかかってしまうでしょう。
外注することで、こうした人材を集める手間を省き、質の高いサイトを制作することができるのです。
費用を変動費にできる
Web制作にかかる費用を変動費にできるというメリットもあります。
多くの場合、常にWeb制作の業務が発生するわけではありません。
新サービスの発表時やイベントの開催時だけコンテンツを更新することもあるでしょう。
外注なら必要なときだけ依頼できるので、変動費としてWeb制作の費用が発生します。
しかし自社制作だと、Web制作の業務がなくても人件費や社会保険料などの固定費がかかってしまうのです。
そのためトータルで見ると、自社制作の固定費よりも外注の変動費のほうが安く済むこともあります。
日常的にWeb制作の業務が発生しない場合は、コストの面でも外注にしたほうが有益でしょう。
メイン業務に集中できる
メイン業務に集中できることも外注のメリットです。
外注の場合、企画と要件定義を済ませれば、あとは外注先が作業を進めてくれます。
進捗確認や問い合わせ対応は必要ですが、Web制作に関する自社での作業量を大幅に減らすことができるのです。
自社制作で本業とWeb制作を両立させるのは、担当者に大きな負担がかかります。
Web制作に力を入れすぎて、本業がおろそかになってしまうこともあるでしょう。
しかし、サイトはあくまでも事業やサービスなどを認知してもらうための手段です。
Web制作によってメインの業務に集中できなくなってしまっては元も子もありません。
外注にしてWeb制作の負担を減らすことで、メイン業務に集中できるようになり、生産性が高まるでしょう。
スケジュール通りに公開できる
スケジュール通りにサイトを公開できるのも外注のメリットです。
外注の場合、契約時にあらかじめ納期を決めて制作します。
外注先が責任持って作業を進めてくれるので、自社でスケジュールを管理する必要はありません。
よほど大きなトラブルがない限り、決められたスケジュール通りに納品されると思ってよいでしょう。
一方で自社制作の場合、本業の合間をぬってWeb制作をおこないます。
Web制作はメインの業務ではないため、先延ばしされがちです。
そのため、公開予定日を事前に決めていても間に合わないことがあります。
新サービスの発表やイベント開催に合わせてコンテンツを公開したい場合は、スケジュール通りに作業が進む外注を選ぶのがよいでしょう。
外注のデメリット
さまざまなメリットがある外注ですが、もちろんいいことばかりではありません。
ここからは、外注のデメリットを3つ解説します。
- 迅速な更新ができない
- 外注費がかかる
- コミュニケーションの困難さ
メリットだけに目を向けると、あとで大きな損失につながる可能性もあります。
これらのデメリットがあることも理解したうえで、外注すべきかどうかを検討しましょう。
迅速な更新ができない
外注だと迅速な更新ができないというデメリットがあります。
外部の業者に依頼するため、すぐに対応してもらえるとは限らないからです。
契約内容にもよりますが、一部の機能は自社内で更新できるものの、多くの部分は外注先に依頼しなければ更新できないこともあります。
そのため外注先とのスケジュールが合わなければ、画像の差し替えや文章の追加など、ちょっとした変更でも時間がかかってしまうのです。
しかし、古い情報のままだと顧客を獲得するチャンスを逃してしまうかもしれません。
外注する際は、あらかじめ契約時にどこまで自社で更新できるのかを確認しておきましょう。
外注費がかかる
Web制作を外注するには、外注費がかかります。
外注の相場についてはのちほど詳しく解説しますが、一般的な初期費用の相場は数十万ほどです。
デザインや機能にこだわると、さらに高額になるケースもあります。
外注するためには、一度にまとまった金額が必要になることを認識しておきましょう。
また、必要なのは初期費用だけではありません。
コンテンツの更新やメンテナンスで追加費用が発生することもあります。
外注先を探す際は、初期費用と合わせてランニングコストも考慮したうえで、予算内に収まるか検討してください。
コミュニケーションの困難さ
外注先とのコミュニケーションが難しいこともデメリットの1つです。
サイトで集客するには、自社の強みや魅力を理解したうえで制作を進める必要があります。
しかし、自社とは事業内容もビジョンも異なる外注先にそれらを理解してもらうのは簡単なことではありません。
打ち合わせやメールのやりとりを何度も重ねなければいけないこともあるでしょう。
外注先によっては、特定のジャンルや業界を得意としていることもあります。
外注先の実績を確認し、自社の業務と近いジャンルのWeb制作を手がけているところを選ぶとよいでしょう。
外注のフローチャート
では外注する場合、どのような流れでWeb制作をおこなうのでしょうか。
全体の流れが分からないと、外注先に何をお任せできるのか、自社で何をやるべきなのか、イメージしにくいですよね。
この章では、外注のフローチャートを解説します。
- 打ち合わせ
- 企画提案
- 制作
- テスト・公開
一通りの流れを把握して、外注先へ依頼する準備に役立ててください。
打ち合わせ
まず、自社の担当者と外注先とで打ち合わせをします。
このとき自社から外注先に伝えるべき項目は以下の通りです。
- コンセプト・ターゲット
- サイトデザインのイメージ
- 必要な機能
- 予算
- 希望の納期
打ち合わせの前に、自社内でどのようなサイトをつくりたいのか決めておく必要があります。
Web制作を成功させるためには、自社と外注先とで共通の認識を持つことが大切です。
認識にずれがあると、あとの工程にも大きく影響します。
大幅な修正が発生して納期に遅れが出たり、追加費用が発生したりする可能性もあるのです。
何度も打ち合わせをして、この段階でお互いに認識のずれをなくすことを心がけましょう。
企画提案
打ち合わせの内容をもとに、外注先から企画提案を受けます。
企画提案で外注先から提示される内容は、大まかに以下の通りです。
- 制作の方針
- サイトの構成図(サイトマップ)
- ページの設計図(ワイヤーフレーム)
- スケジュール
- 見積もり
自社でイメージしているものと相違はないか、必要な機能がすべて入っているかなどを確認します。
企画提案時に見積もりを受け取ることが多いので、予算をオーバーする場合は何か削れるものがあるかを検討することも必要です。
このあとの工程で制作に入るので、疑問点や不明点があればこの段階で解消しておきましょう。
制作
サイトの構成やスケジュールに合意したら、提案の内容をもとに制作の開始です。
この段階で実際に原稿やデザインを作成し、コーディングをおこないます。
基本的には外注先に作業をお任せしますが、こまめに進捗を確認し、問い合わせがあれば対応しましょう。
制作途中であれば、デザインや機能の変更をリクエストすることも可能です。
ただし、提案時の内容から大幅に変更する場合は、別途費用がかかることもあります。
また、納期間際での急な変更は対応が難しいこともあるので、要望がある場合は外注先へ早めに相談しましょう。
テスト・公開
制作が完了したら、内容や動作に問題がないか自社でテストをおこないます。
テストで確認するのは、主に以下の項目です。
- 誤字脱字はないか
- 機能に漏れがないか
- 表示が崩れていないか
- リンクが機能しているか
- データを正しく処理できるか
ユーザーがサイトを訪問する環境はさまざまです。
パソコン・スマートフォン・タブレットなど、複数の端末で確認しましょう。
また、OSやブラウザによって動きが変わることもあるので、できるだけ多くの動作環境を用意するのが望ましいです。
不具合が見つかれば外注先に修正を依頼し、修正後に再度確認します。
テストで問題がなければ、いよいよ公開です。
外注で失敗しないコツ
Web制作を外注しようと思っても、自社の要望をきちんと伝えられるか、あとでトラブルにならないか、不安なこともありますよね。
ここからは、Web制作の外注で失敗しないためのコツを3つ解説します。
- 余裕のあるスケジュールを組む
- 目的を明確に
- 誰が保守運用するか決めておく
ポイントをしっかりとおさえて、失敗せずに希望通りのサイトを制作してもらいましょう。
余裕のあるスケジュールを組む
まずは、余裕のあるスケジュールを組むことが大切です。
制作期間が短すぎると、質の高いサイトをつくるのはどうしても難しくなります。
自社と外注先とで十分にコミュニケーションをとる時間がないため、認識にずれが生じるかもしれません。
また、急いで作業を進めたために思わぬミスをしてしまう可能性もあります。
しかし、問題が発生しても時間がないので対応できないのです。
スケジュールに余裕があれば、しっかりと認識を合わせて作業を進められます。
もし問題が発生しても柔軟に対応することが可能です。
そのため、クオリティの高いサイトをつくるなら、納期は長めに設定しましょう。
目的を明確に
サイトを制作する前に、目的を明確にしておきましょう。
「ただなんとなくおしゃれなデザインにしたい」という、あいまいなものではいけません。
どのようなサイトを求めているのかが外注先に伝わらず、制作しても成果が出ないこともあるからです。
以下のように、具体的な目的を設定しましょう。
- 商品の売上を伸ばす
- サービスの成約率をアップさせる
- 自社をブランディングする
- 採用人数を増やす
目的をはっきりさせておくことで、外注先もそれに合わせたサイトを提案してくれます。
これにより、効果的なWeb制作ができるようになるのです。
誰が保守運用するか決めておく
誰が保守運用するのか決めておく必要があります。
サイトは公開したら終わりというわけではなく、公開後の保守運用も欠かせません。
- コンテンツの更新
- 不具合の対応
- アクセス解析
- データのバックアップ
- サーバーやドメインの管理
- OSやブラウザのアップデート対応
メンテナンスを怠ると、ページが表示されなくなったり、検索結果の表示順位が下がったりして、損失につながることもあります。
そのため、これらの業務を自社で行うのか、外注するのかをあらかじめ決めておきましょう。
外注する場合は、作業の範囲や費用をしっかりと確認してください。
RFPのすすめ
Web制作の外注を成功させるなら、RFPを作成するのがおすすめです。
RFPとは「Request for Proposal(提案依頼書)」の略で、外注先に依頼の概要や目的などを説明するための資料を指します。
RFPを作成するメリットは次の通りです。
- Web制作の目的がはっきりする
- 外注先に依頼内容を漏れなく伝えられる
- 認識合わせにかかる工数を減らせる
- トラブルを防げる
RFPにはプロジェクトの概要のほか、以下の項目を記載します。
- ターゲット・目的
- 現状の課題
- 自社の事業やサービスの説明
- 具体的な要望
- 予算・納期
インターネット上にはRFPのテンプレートを無料でダウンロードできるサイトもあるので、活用してみてください。
外注の相場
では、Web制作を外注する場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
一口に外注といっても、どのようなサイトをつくるのか・どの外注先に依頼するのかによって相場は異なります。
実際に依頼する前に、おおよその相場を理解しておくことが大切です。
この章では、サイトの種類・外注先の規模別にWeb制作費用の相場を見ていきましょう。
サイト種類別
サイトの種類別に制作費用の相場を紹介します。
サイトの種類 | 相場 |
コーポレートサイト | 20〜100万円 |
ECサイト | 10〜700万円 |
LP(ランディングページ) | 10〜50万円 |
採用サイト | 30〜100万円 |
オウンドメディア | 20〜150万円 |
サイトの種類によって、制作費用は大きく異なります。
テンプレート使用の有無や搭載する機能によっても変動することを理解しておきましょう。
デザインにこだわったり、ページ数が多くなったりするほど費用は高額になります。
外注先の規模
外注先の規模ごとの相場はこちらです。
外注先の規模(従業員数) | 相場 |
小規模(〜10名) | 30〜120万円 |
中規模(11名〜100名) | 50〜180万円 |
大規模(100名〜) | 100〜300万円 |
規模が大きいほど制作費用は高額になる傾向があります。
大規模な会社にはさまざまなスタッフが在籍しているので、マーケティングも含めた幅広い面でWeb制作をサポートしてもらえるのがメリットです。
小規模な会社だと制作費用が抑えられ、柔軟に対応してもらえることが多いというメリットがあります。
フリーランスという選択肢
Web制作を外注するなら、フリーランスに依頼するという選択肢もあります。
フリーランスに依頼するメリットは次の通りです。
- 費用が安く抑えられる
- コミュニケーションがスムーズ
- 土日祝日も対応してもらえる
- 納品が早い
最大の魅力は、Web制作会社と比較して費用を大幅に抑えられることで、相場は10〜30万円ほどです。
急ぎの修正でもスピーディーに対応してもらえます。
フリーランスは1人で作業するため、大規模なサイトの制作は難しいこともありますが、ある程度の規模であれば相談してみるのもいいでしょう。
依頼はフリーランスの個人サイトからもできますが、クラウドソーシングサイトを利用すると便利です。
これまでの実績を確認して、自社の希望にマッチした人材を探してみてください。
Web制作の外注を成功させよう
今回は、Web制作を外注するメリットや制作の流れ、費用の相場などを解説しました。
外注なら、クオリティの高いサイトを公開日に合わせて制作できます。
Web制作の外注を成功させるためには、目的を明確にしたうえで、余裕のあるスケジュールを組みましょう。
RFPを作成して、自社と外注先とでしっかりと認識を合わせておくことも大切です。
制作するサイトの種類や外注先の規模によって、費用は大きく異なります。
費用を安く抑えるならフリーランスに依頼するのも選択肢の1つです。
外注先によって得意分野はさまざまなので、自社の事業やビジョンに合った外注先を見つけてください。