プログラミング言語の中でも需要が高く、世界中のエンジニアから使われている「Java」。
しかし、Javaは覚えるルールや文法が多いため、プログラミング未経験者にとっては習得難易度の高い言語です。
そこで今回は「効率が良いJavaの学習手順が知りたい」「Javaを学ぶメリット・デメリットって何だろう?」「未経験者にオススメの勉強方法が知りたい」といった疑問や悩みを解決します。
本記事では大きく分けて4つのテーマについて解説します。
- Javaの特徴
- Javaを学ぶメリットとデメリット
- Javaを効率よく学ぶための5STEP
- Javaの勉強方法
最後まで読めばJavaの特徴が理解できるだけでなく、プログラミング未経験者でもJavaを習得する方法が分かります。
Javaとは?
Javaは1995年にアメリカのSun Microsystems(サン マイクロシステムズ)社によって開発されたプログラミング言語です。
Javaが開発されてから20年以上経つものの、今もなおバージョンアップを続けています。それほどJavaは多くの人に愛用されているのです。
また、Javaはオブジェクト指向型言語になります。
オブジェクト指向とは「さまざまなパーツを組み合わせてプログラムを作っていく」といった概念になります。
ふわっとした定義で分かりにくいと感じたかもしれませんが、オブジェクト指向はJava開発を進める中で少しずつ理解できます。
初めは大まかな意味だけ押さえておきましょう。
汎用性の高さもJavaの大きな特徴です。
たとえば、Webアプリや基幹システム、ゲーム開発など幅広い分野でJavaが採用されています。
特に安定性や保守性を求められる大規模システムの開発に使用されることが多く、需要の高いプログラミング言語の一つになります。
Javaを学ぶメリット
Javaを学ぶメリットを下記3つの観点から紹介します。
- プラットフォームに依存しない
- ライブラリやAPIが充実している
- 求人数が多く需要が高い
プラットフォームに依存しない
JavaはJVM(Java Virtual Machine)と呼ばれる仮想マシン上で動くため、プラットフォームに依存しません。
JVMがインストールされている端末ならMacでもWindowsでも、Javaを動作させることが可能です。
そのため、プラットフォームごとの開発が不要となり開発コストの削減が実現できるため、Javaはさまざまな現場で採用されています。
ライブラリやAPIが充実している
Javaは汎用性が高いということもあり、開発現場で役に立つAPIやライブラリの種類が豊富です。
たとえば、グラフを扱う「JFreeChart」、機械学習が得意な「DeepLearning4j」、画像を処理する「OpenCV」が一例として挙げられます。
また、Javaがバージョンアップするごとに新しいAPIがリリースされており、「日付処理」「配列処理」など便利な機能が多数用意されています。
多種多様な開発現場で働いてみたいと考えているなら、Javaを習得する価値は十分にあると言えます。
求人数が多く需要が高い
Javaは大手企業や大規模システム開発をする企業でよく使われる言語です。そのため、Javaを扱えるエンジニアを求める企業が多数存在します。
実際に、フリーランス向けの求人を多数取り扱っている「フリーランススタート」に掲載されている求人を見てみましょう。
下記に、プログラミング別の求人数をまとめてみました。
開発言語 | 求人数(2022年8月時点) |
Java | 50,464件 |
PHP | 29,375件 |
JavaScript | 27,642件 |
Ruby | 10,793件 |
Python | 10,710件 |
ご覧の通りJavaは需要が高く、50,000件以上の求人が公開されています。
つまり、Javaのスキルを兼ね備えていると転職する際の選択肢が広がると言い換えられます。
Javaのデメリット
Javaを学ぶメリットがある一方で、デメリットも存在します。
ここではJavaを学ぶデメリットを下記2つの観点から紹介します。
- 小規模システム開発向けではない
- 習得難易度が高い
小規模システム開発向けではない
Javaは大規模開発向けの言語なので、個人で作成できるシンプルなプログラムや小規模システムの開発にはあまり向いていません。
機能が1つ2つしかない小規模システムの開発では、Javaの強みである拡張性と再利用性が活かされず、ソースコードが冗長になりやすくなります。
結果として、プログラミングエラーが発生する可能性が高くなるのです。
ちなみに拡張性とは「既存機能に処理を追加すること」を意味し、再利用性はその名の通り「既存のプログラムを使い回すこと」を指します。
小規模なシステム開発に携わりたいなら、PHPやRubyの習得をおすすめします。
習得難易度が高い
数あるプログラミング言語の中でもJavaは習得難易度が高いと言われています。
なぜなら、Java独自のルールや構文など覚えることが多く、オブジェクト指向の概念を理解するのに時間を要するからです。
オブジェクト指向の言語を扱えるようにするには、実際にコーディングしながら学ぶのが1番の近道になります。
書籍やネット上の記事を読んだだけでは、オブジェクト指向の考えはなかなか身につきません。
ですので、オブジェクト指向型の言語であるC#やPHPなどの知識がない初心者からすると、Javaの習得は非常に難しく感じるでしょう。
勉強の進め方を4STEPでご紹介
Javaは覚えることが多いので、段階を踏みながら学ぶ必要があります。
ここではどういった順番で学べばよいか紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
STEP1. 開発環境を整える
まずはJavaを動かすために、Pleides All in Oneをダウンロードします。
Pleiades All in Oneは統合開発環境のEclipseと日本語化を行うPleiadesプラグインをまとめたパッケージです。
Eclipse 2022(最新版)(2022年8月時点)をクリックし、WindowsもしくはMacのFull Editionを選択してください。
ダウンロード後、実行ファイルを起動すると画面が立ち上がります。以上で開発環境の準備は完了です。
STEP2. Javaの基礎を学ぶ
開発環境の準備が整ったら、Javaの基礎文法を学んでいきます。
クラスやメソッド、変数やオブジェクト指向の考え方といったJavaを実践する上で必要最低限の知識を身につけていきましょう。
詳しい勉強方法については次章でお伝えします。
STEP3. ライブラリ・フレームワークを学ぶ
次にJava開発を効率化する上で欠かせない、ライブラリとフレームワークを勉強します。
ライブラリは必要な機能(プログラム)がまとまった部品、フレームワークは複数のライブラリから成り立っている枠組みと覚えておくと良いでしょう。
目的によって使用するライブラリやフレームワークは変わってくるので、まずは何を作りたいのかを明確にします。
たとえば、Webアプリ開発・Android用アプリ開発・Webサイト制作が一例になります。
STEP4. 実際に開発する
開発に必要な知識が身についたら、実際にJava開発に取り組んでみます。
ライブラリやフレームワークを学んだものの、実践となると思ったように開発が進められないかもしれません。
もし、躓いてしまった場合は、入門書やネット上にあるサンプルを真似しながらプログラミングしてみてください。
徐々に慣れてきたら、0からオリジナル作品の開発に挑戦してみましょう。
効率的にJavaを勉強する方法
習得難易度が高いJavaを効率的に勉強する方法を4つ紹介します。
自分に合った勉強方法を見つけて、少しずつJavaの仕様を覚えていきましょう。
書籍
Javaの理解レベルによって手に取る書籍は異なりますが、初心者は図やイラストが多く使われている入門書の購入をおすすめします。
初めから経験者レベルの本や分厚い本を買ってしまうと理解するのに時間がかかり、知識がなかなか定着しません。
まずはJavaの基礎知識を身につけてから、徐々にレベルアップを図っていきます。
ただし、書籍を読むだけで満足しないように気をつけてください。
プログラミングは実際に手を動かさないと、まったく体得できません。
ですので、書籍を参考にしながら実際にコーディングをしたり、後ほど紹介するWebサイト・動画・オンライン学習サイトを併用したりすれば、効率よく学習が進められます。
Webサイト・動画
個人ブログやIT系のメディア・YouTubeなどの無料サイト・動画を使って、Javaのスキルを身につけるのも1つの手段です。
初心者向けの解説や、実際にJava開発を行ったときに生じたエラーや解消方法など、実務で使える情報が手軽に見られるのは大きなメリットと言えます。
一方でWeb上にはJavaに関する情報が散乱しているため、知りたい情報を探すのに時間がかかったり、学習の順番が前後して非効率になったり、信ぴょう性の低い情報が混ざっていたりとデメリットもあります。
しかし、隙間時間に勉強できるWebサイトや動画を活用したいと考える方も多いことでしょう。
そんなあなたにおすすめしたいのが、有料動画配信サイト「Udemy」です。
UdemyはJavaを学べるコースが複数用意されており、自分が受けたいコースを選択して好きなタイミングで受講出来ます。
また、現場のプロが質の高いコンテンツを使って授業を行っているので、実践的なスキルや知識が身につきます。
オンライン学習サイト
勉強方法の一つとしてProgateやドットインストール、CODEPREPといったオンライン学習サイトが浸透しています。
オンライン学習サイトはゲーム感覚で楽しみながら学べるもの、未経験者でも分かりやすい基礎から学べるコースなど、学習サイトによってさまざまなコンテンツが用意されています。
有料の学習サイトが多いですが、コースによっては無料で受講できる場合があるので、実際に利用して自分にあった学習サイトを選びましょう。
学習サイトにもよりますが、ソースコードがどういった動きをするのか、実行結果を確認しながら進められるので、ソースコードの記述ミスにも気付きやすくなります。
また、実際に手を動かしながら作業しているため、ソースコードのエラーに対処する力も身につきます。
資格を取得する
資格の勉強は必要な知識を体系的に学べます。
Java関連のおすすめ資格を2つ紹介するので、ぜひ挑戦してみてください。
1つ目は、Javaを開発したOracle社が提供する「Oracle認定Javaプログラマ」です。
Oracle認定JavaプログラマはJava資格の中でも人気が高く、難易度別にBronze・Silver・Goldに分かれています。
未経験者はオブジェクト指向やJavaの基礎文法が学べる「Bronze」取得を目指してみてはいかがでしょうか。
2つ目は、サーティファイ情報処理能力認定委員会が提供する「Javaプログラミング能力認定試験」です。
難易度別に1〜3級に分かれており2・3級は筆記試験、1級は実技試験です。
3級は変数や演算子、クラスやメソッドの使い方など初心者向けの内容になっており、2級は3級の試験内容とクラスライブラリやパッケージなど、より深掘りした内容が問われます。
3級と2級はJava開発する上で必要不可欠な基礎知識が問われるので、未経験者に打ってつけの資格になります。
未経験者はプログラミングスクールを活用しよう
独学での勉強方法や手順をお伝えしてきましたが、一人で続けられるか不安に感じた方もいるのではないでしょうか?
先述した通り、Javaは習得難易度が高いプログラミング言語です。
PHPやRubyのような初心者でも分かりやすい構文ではないため、プログラミング未経験者がJavaを習得するのは非常にハードルが高いと言わざるを得ません。
また個人差はありますが、独学のみでJavaを扱えるようになるまで300〜1,000時間の学習時間が必要だと言われており、毎日2時間学習したとしても最低5ヶ月〜1年半はかかります。
未経験者が効率よく、実際の開発現場で役に立つスキルを身につけたいならプログラミングスクールの利用がおすすめです。
スクールのカリキュラムにもよりますが、約1〜3ヶ月で必要な知識が学べます。
現場を知っているプロの講師に質問や相談できる環境が整っているので、分からないことが出てきてもすぐに解決できるのは嬉しいポイントです。
独学に比べてスクールは費用がかかるものの、「疑問や悩みを相談できるメンターがいる」「授業があるので学習に対するモチベーションが下がりにくい」といった恩恵を受けられるのもスクールならではの魅力でしょう。
まとめ
Javaの特徴やメリット・デメリット、プログラミング未経験者がJavaを習得する方法を中心にお伝えしました。
Javaは汎用性が高くさまざまな現場で採用されているプログラミング言語なので、需要が高く求人数も豊富です。
しかし、習得難易度が非常に高いのでプログラミング未経験者が独学でJavaを習得するのは難しいでしょう。
ですので、未経験者にはプロの講師が直接指導してくれるプログラミングスクールの活用をおすすめします。
Javaを身につけることが出来ればC#やPHP、Rubyなどの他言語の習得も容易になり、エンジニアとしてのスキル幅が広がっていきます。
現場で活躍できるエンジニアを目指しているなら、ぜひJava習得に挑戦してみてください!