フリーランスエンジニアになる人の数は年々増え続けています。
一方で、クライアントからの評価が低く継続して案件を獲得できないフリーランスエンジニアも増えています。
フリーランスエンジニアは、継続して案件をとっていくためにも、クライアントからの評価はとても重要です。
本記事では、低い評価を受けてしまう人の特徴やその対処法について述べていきます。
これからフリーランスエンジニアになろうと思っている人や「フリーランスエンジニアになって、クライアントからの評価が低かったらどうしよう」と不安を感じてしまう人はぜひ参考にしてみてください。
フリーランスエンジニアの需要は高い
フリーランスエンジニアの需要は年々高まっており、それに比例してフリーランスエンジニアの数も増え続けています。
技術レベルの高いエンジニアは、数自体も少ないために採用は難しく、今後もフリーランスエンジニアの需要は高まっていくと考えられるでしょう。
需要が高まっている理由としては、主に以下の2つがあります。
- IT業界の人材不足
- フリーランス向けエージェントの増加
それぞれ詳しく解説していきます。
IT業界の人材不足
需要が高まっている理由の一つに、IT業界の人材不足があります。
2030年に不足するIT人材は、約79万人と言われています。
IT技術は、急速に発達してきており、さまざまな分野でDX化が進んでいます。
あらゆる分野でIT技術が導入されてきているため、IT業界に携わるエンジニアの需要が高まっているにもかかわらず、現状はエンジニアの数が足りていません。
さらに、少子高齢化により労働人口が不足していることも人材不足の大きな要因です。
労働人口の不足に相まって、採用も難しくなっています。
社内に開発リソースが足りない場合に、フリーランスエンジニアは重宝されるでしょう。
これらの要素が相互することで、IT業界の人材不足が深刻になっており、相対的にフリーランスエンジニアの需要が高まっています。
フリーランス向けエージェントの増加
フリーランス向けエージェントが増えたことも需要が高まる要因の一つといえます。
フリーランス向けエージェントとは、営業から案件獲得までを代行して行ってくれるサービスのことです。
フリーランス向けエージェントは、フリーランスとクライアントの両方にメリットがあります。
フリーランスにとっては、安定した仕事の受注につながったり、営業にかける時間を省くことができます。
企業にとっては、フリーランスエンジニアのスキルセットや評価が見やすく、条件に一致するエンジニアが探しやすくなります。
これによって、高いパフォーマンスを発揮するエンジニアを見つけられたり、スキルのミスマッチを防ぐことができます。
このように、エージェントサービスが登場したことで、フリーランスエンジニアと企業とのミスマッチが減り、需要の増加につながっていると言えるでしょう。
フリーランスエンジニアが使えないと言われる理由
フリーランスエンジニアの需要が高まる一方で、低い評価を受けてしまうエンジニアもいます。
中には、「フリーランスエンジニアの仕事は期待できない」と思っているクライアントもいるため、注意が必要です。
ここでは、どういった理由で、低い評価になってしまうのかを解説していきます。
主に、
- 納期遅れの際に連絡が不適切
- 健康管理ができていない
- 案件のミスマッチ
- スキル不足
の4つが原因で、低い評価をつけられてしまいます。
それぞれ解説していきます。
納期遅れの際に連絡が不適切
当初の計画では解決できない問題が見つかったり、突然の仕様変更などで、納期に間に合わない場合もあるでしょう。
そういった際に、クライアントに適切なタイミングで報告ができていない場合、低い評価を受ける可能性があります。
クライアントは、納期にはきちんと動く成果物ができていることを想定したスケジュールを組んでいます。
無断で納期に間に合わないと、クライアントに多大な迷惑をかけてしまうでしょう。
また、納期に間に合わないといった事態になる前に、状況をこまめに報告や相談をするようにしましょう。
事情がある場合は、事前にクライアントとコミュニケーションをとり、トラブルにならないように意識してください。
健康管理ができていない
自分自身で健康管理ができず、業務に支障が出る場合は、低い評価を受けてしまうことがあります。
会社であればコアタイムや定時出勤などの規則がありますが、フリーランスの場合はそういった規則はありません。
そのため、生活リズムが乱れやすく、体調を崩してしまう人も珍しくありません。
さらに、会社の場合は、健康診断などの福利厚生が充実していますが、フリーランスの場合は自分で管理しなければいけません。
また、仕事の量も自分で調節しなければいけないため、健康管理には人一倍気を遣うことになるでしょう。
フリーランスエンジニアは、体調不良により稼働できなくなったとしても、代わりに仕事を頼むことができません。
その結果、プロジェクトの進捗に影響が出てしまい、クライアントや他のメンバーに迷惑をかけてしまうことも考えられます。
体調を何度も崩してしまうと、クライアントからの信頼を失ってしまう場合もあるため、自分自身でしっかりと健康管理ができるようになる必要があります。
案件のミスマッチ
フリーランスエンジニアが低評価を受けてしまう理由の一つとして、仕事内容がスキルとマッチしていないことが挙げられます。
クライアントと契約する前に仕事内容についてよく確認し、双方が同意していない場合、開発案件で使われている技術とフリーランスエンジニアの扱える技術が異なる可能性もあります。
特に、面接の担当がエンジニアではない場合は注意が必要です。
スキルのレベル感や技術領域に対して齟齬が生まれやすいでしょう。
契約後に案件のミスマッチが発覚しないためにも、契約前に業務内容を確認しておくことが大切です。
また、フリーランス向けのエージェントを使うことでこのような案件のミスマッチを減らすことができます。
自身のスキルを登録しておくことで、そのスキルを求めているクライアントとマッチングできるでしょう。
案件の獲得に慣れていない場合は、フリーランス向けのエージェントを利用するのがおすすめです。
スキル不足
スキル不足は、クライアントが「フリーランスは使えない」と思う最も典型的な理由と言えるでしょう。
スキルレベルのミスマッチが起きる原因としては、フリーランスエンジニアが自分の経験や技術レベルを高く見積もってしまい、クライアントが求める基準に達していないといったことがあります。
クライアントは、フリーランスには基本的に即戦力として活躍することを期待しています。
しかし、スキルが不足していて他のメンバーの足を引っ張ってしまうと、プロジェクト全体が遅れてしまいます。
高単価な案件を取りたいがためにスキルを盛ってしまい、雇用後にスキル不足が判明すると、信頼もなくなってしまうでしょう。
自身のスキルを偽ったり盛りすぎることは絶対に避けましょう。
フリーランスエンジニアに求められるレベル
ここまで、フリーランスエンジニアが低評価を受けるのはどういったときかを説明してきました。
それでは、フリーランスエンジニアにはどれくらいのレベルが求められるのでしょうか。
一般的には、
- 会社員エンジニアとしての実務経験が1~3年以上
- プログラミングの基礎を習得済み
であることが求められます。
もちろん、この目安を満たしていることが絶対ではありませんが、案件を継続的に獲得していくためには上の2つを満たしている必要があるでしょう。
これらの基準を満たしていない場合、案件のミスマッチやスキル不足だと評価される可能性も高くなります。
クライアントは、フリーランスエンジニアにはすぐにプロジェクトに貢献してほしいと思っています。
そのため、プログラミングの基本的な知識と実務経験がないと、クライアントからの要求を満たすことが難しいと言えるでしょう。
使えないと言われないためにできること
雇用されたとしても、「このフリーランスエンジニアは使えない」と評価されないためにも、以下のことを意識しておく必要があります。
- 自己管理を怠らない
- 適切なコミュニケーションを心がける
- 保有スキルを明確にする
- スキルアップを続ける
上の4つを意識して取り入れるだけでも、使えないと言われることは減るでしょう。
それぞれ解説していきます。
自己管理を怠らない
低評価を受けないために、スケジュール管理や健康管理などの自己管理をしっかりと行うことが大切です。
健康管理が疎かになり、頻繁に体調を崩してしまうと進捗に影響が出てしまいます。
また、スケジュール管理ができていないと、複数の案件を同時に進められずに納期をすぎてしまうといったことにもなりかねないでしょう。
このように、自己管理ができていないとクライアントに迷惑がかかってしまいます。
睡眠やバランスのとれた食事をしっかりと摂り、体調を崩して仕事に支障が出ないように注意しましょう。
さらに、仕事の受注量や納期をしっかり調整し、納期に間に合わないことがないようにすることが重要です。
適切なコミュニケーションを心がける
フリーランスエンジニアは、入って間もない現場でも成果を出さないといけません。
そのためには、しっかりとコミュニケーションをとることが大切です。
特に現場に入ったばかりの頃は、開発プロジェクトの全体像をキャッチアップすることも必要なため、クライアントや開発メンバーとコミュニケーションをとる機会が多いでしょう。
何か問題があった場合にはすぐに報告するのはもちろん、いただいた連絡にはスピード感を持って返信することが基本です。
スムーズにコミュニケーションをとることで、クライアントも開発メンバーも、今どういった状況なのかが分かるため、安心できます。
さらに、相手の質問の意図を正しく汲み取り、的確に回答することも重要です。
お互いに気持ちよく仕事をするためにも、適切な言葉遣いや話し方を心がけて、相手に不快感を与えないようにしましょう。
保有スキルを明確にする
保有スキルを明確にすることで、クライアントが求めるレベルとのギャップを防ぐことができます。
スキルレベルのミスマッチは、「このフリーランスエンジニアは仕事ができない」と思われてしまう原因となります。
そのため、どのプログラミング言語をどのレベルまで扱えるのかをしっかりと伝え、成果の出せる案件を取ってきましょう。
また、フリーランスエージェントを活用している場合は、担当者にスキルレベルを詳細に伝え、自身のプロフィールにも記入しておくと良いです。
実務で経験したことなのか、趣味の個人開発レベルなのかでも認識に違いがあります。
スキルや経験がたくさんある場合は、シートに書き起こして整理しておくのがおすすめです。
スキルアップを続ける
成果を出し続けるためには、スキルを上げて、できることを増やしておくことが大切です。
会社員の場合は、社内にさまざまなプロジェクトがあり、未経験の技術領域にも挑戦しやすいですが、フリーランスの場合は自分で勉強しながらスキルを上げていかなければいけません。
さらに、IT技術は、日々進化するため、新しい技術をキャッチアップしていかないと、今あるスキルもどんどん使われないものとなってしまいます。
トレンドに遅れないためにも、自ら勉強していくことが必要でしょう。
また、クライアントに満足してもらうためにも、保有スキルを深堀りしたり、新しい技術にどんなものがあるかを調べておくと良いです。
フリーランスエンジニアのスキルアップ法
フリーランスは、会社員と異なり、自らスキルを上げていかなくてはいけません。
ここでは、フリーランスエンジニアがスキルを上げていくには、どういった方法があるのかを紹介していきます。自身の職種やスキルによって適切な方法を取ると良いでしょう。
主な方法は以下の3つです。
- 勉強会やセミナーへの参加
- 新しい分野への挑戦
- 資格取得
それぞれ解説していきます。
勉強会やセミナーへの参加
まず、スキルアップのための方法として、エンジニア向けの勉強会やセミナーへの参加があります。
これは、新しい技術を身につけたい人や、人と交流したい人におすすめです。
フリーランスエンジニアは、人脈から仕事が得られることもありますので、セミナーや勉強会を通して、人とのつながりを作るのも良いでしょう。
しかし、本当に必要なものかどうかを考えて参加をしないと、何も得られないまま時間だけが過ぎてしまうため、注意が必要です。
参加の際は、目的を明確にしましょう。
また、信憑性の薄いセミナーなどもありますので、講師の経歴などもチェックしておくと良いです。
セミナーの登壇者の業務経験や知識が浅く、技術を学ぶにはあまり適さないこともあります。
セミナーは、TECH PLAY・connpassなどで探すことができます。
対面だけでなく、オンラインのものもありますので、一度見てみてください。
新しい分野への挑戦
新しい技術領域を学ぶのも良いでしょう。
業界で新しく出てきた技術について調べたり、手を動かしたりすることで、トレンドをつかむことができます。
また、新しい技術にどんなものがあるかを知っているだけでも、技術選定などで選択肢となるため、仕事にも役立てることができるでしょう。
最新のトレンドをつかむだけでなく、使える技術の幅を広げることも大切です。
例えば、主にフロントエンドエンジニアとして活動している人が、バックエンドの技術を勉強するなどです。
複数の言語を使いこなせると、仕事の幅も任せられる範囲も広がります。
しかし、未経験の技術をメインとした案件を取るハードルは上がりますが、アピールポイントにはなります。
個人開発など、他人に見せられるような形で残しておきましょう。
資格取得
資格取得は、フリーランスで働くために必ずしも必要ではありません。
しかし、資格取得によって、スキルや知識の証明になるだけでなく、資格の勉強がスキルアップにつながります。
特に、難易度の高い資格を持っておくと、専門性をアピールでき、案件獲得につながることもあります。
机上での勉強にモチベーションが上がらない時は、資格取得を目標に頑張るのも良いでしょう。
分野によっては、資格取得よりも実務経験が重視される場合もありますので、注意が必要です。
自分の目指したい方向に資格が必要かどうかやどんな資格が必要なのかをしっかりと見極めて受験する必要があります。
エンジニア向けの資格はたくさん種類があるため、自分に合った資格をぜひ受けてみてください。
成功する人の特徴
フリーランスエンジニアとして成功するために必要なことは、スキルアップだけではありません。
フリーランスとして活動すると、コードを書くだけではなく、さまざまなことを自分一人でできる必要があります。
例えば、いくら技術力があったとしても、案件を取れなければ稼ぐことはできません。
ここでは、フリーランスエンジニアとして成功する人の特徴を挙げていきます。
具体的には、以下の3つです。
- 営業ができる
- 人脈が広い
- 変化に対応できる柔軟性がある
それぞれ解説していきます。
営業ができる
フリーランスエンジニアは、技術力だけでなく、案件を取ってくる営業力も必要です。
企業に勤めていれば、すでに社内にプロジェクトがあったり、営業担当が案件を取ってきてくれたりしますが、フリーランスの場合は、自分で獲得しなければなりません。
また、ずっと営業をしなくても良いように、継続案件を取ってくることも検討しましょう。
継続案件可能なクライアントに営業をかけることで、営業に割く時間を仕事にあてることができます。
そのため、営業をかける相手も重要だと言えるでしょう。
また、営業と聞くと飛び込み営業を想像するかもしれませんが、SNSやブログを利用した方法もあります。
習得した技術や知見を発信していけば、営業の際に技術力のアピールもできます。
もし営業に自信がない場合は、エンジニア向けのエージェントを利用すると良いでしょう。
案件の営業から獲得までをサポートしてもらえます。
人脈が広い
営業だけでなく、人脈が広いことも大切です。
案件を獲得する方法は営業だけではありません。
知人から仕事が入ることも多く、人脈が広ければ、それだけ仕事が入ってくる可能性も高くなるでしょう。
また、業界のトレンドや、知らない技術について知れる機会にもなるため、良い刺激となります。
フリーランスエンジニアは、一人で黙々と開発をすることが多いため、会社員よりも人に会っている時間は短いと言えます。
そのため、積極的に人脈を増やしていく必要があるでしょう。
SNSやブログで発信したり、勉強会に参加をすることで、人脈を広げることができます。
人脈が広がることで、仕事だけでなく、情報交換をしたり、プライベートで会うこともあるかもしれません。
仕事ではもちろんですが、仕事以外にも多くのメリットがあるので、人脈はできるだけ広げておくと良いです。
変化に対応できる柔軟性がある
会社員からフリーランスになると、環境も含めてさまざまなことが変化します。
収入が上がり、自由な時間も増えるかもしれませんが、良い変化ばかりではありません。
案件の管理だけではなく、自身の健康管理、収入から税金の管理まで一人で行わなければならないため、負担はむしろ増える可能性があります。
フリーランスエンジニアとして成功するためには、こういった変化にも柔軟に対応し、乗り越えていかなければいけません。
このような急な変化に備えるためにも、会社員からフリーランスになったら何が変わるかを書き出してみるのがおすすめです。
可視化することで、気を付けなければいけないことをあらかじめ知ることができるでしょう。
こういった環境の大きな変化に対応できる人は、フリーランスになっても、大いに成功できると言えます。
使えないと言われないためにはフリーランスになる前の準備が大切
今回の記事では、使えないと言われてしまうフリーランスエンジニアはどんな特徴があるのか、また、そのためにどんな対策ができるのかを説明してきました。
クライアントから低い評価を受けないためにも、チームメンバーとしっかりとコミュニケーションをとり、継続的にスキルアップを続けましょう。
営業が苦手だとしても、フリーランス向けのエージェントを活用することもできます。
しかし、その場合は、担当者が案件や技術に詳しくない場合は要注意です。
営業は任せたとしても、最後に案件を精査する際は、自身で行うことをおすすめします。
さらに、高単価の案件を目的に自分のプロフィールやスキルを盛るのだけは絶対に避けてください。
クライアントとのトラブルに繋がってしまう可能性があります。
フリーランスとして成功するためには、スキルだけでなく、営業や人脈も必要です。
技術力以外のスキルも意識して伸ばせると良いでしょう。