ITエンジニアとして独立し、フリーランスになりたい方は多いのではないでしょうか?
フリーランスエージェントについて調べていると、マージンがかかると記載があるケースが多いですよね。
本記事では、フリーランスエージェントのマージンの相場や仕組みについて紹介していきます。
マージンの仕組みを理解して、自分が納得して利用できるマージン率のフリーランスエージェントを見つけましょう。
フリーランスエージェントのマージン(手数料)とは
フリーランスエージェントのマージンとは、企業とフリーランスの仲介金としてエージェントが受け取る手数料のことです。
このマージンは、フリーランスエージェントを活用して案件に参加する際に支払うサービス費用として、報酬から引かれます。
この手数料を中抜きや搾取だと感じるエンジニアもいますが、マージンはフリーランスエンジニアが快適に仕事をするための体勢を整えるのに必要な経費になります。
マージンはサービスの質を担保するために必要不可欠なものですが、各エージェントによって何割程度引かれるのかは違うので、自分で比較することが重要です。
フリーランスエージェントのマージンの仕組み
フリーランスエージェントのマージンは、フリーランスエージェントを活用する際に支払うサービス費用です。
具体的な流れとしては以下の例のようになります。
- クライアント企業が100万円で仕事を発注する
- エージェントが2割のマージンを受け取る
- フリーランスに80万円の報酬が支払われる
つまり、エージェントはマージンを受け取って、企業とフリーランスの仲介を行っているのです。
フリーランスはこの仲介によって、安心で快適な仕事を安定して得ることができます。
マージンは運用費用に使われる
フリーランスエージェントにとって、マージンは利益ではありません。
マージンは、フリーランスエンジニアが快適に仕事を行う体勢を整えるための必要経費です。
具体的には、営業コストの回収や福利厚生がマージンの主な使い道です。
フリーランスエージェントは、営業活動やフリーランスのサポートを行うための人件費や教育費、宣伝のための広告費やマーケティング費など膨大なコストの回収を行わなければなりません。
フリーランスエージェントは、サービスの提供を続けるために最低でもこの運用コストを回収する必要があります。
このフリーランスエージェントのビジネスモデルを理解しておくことが重要です。
マージンは受注して発生する
マージンは、フリーランスエージェントに登録して案件を探している段階では発生しません。
案件を紹介してもらっても手数料はかかりません。
実際にマージンが発生するのは、発注者とフリーランスの仕事の受注が決まった時です。
そのため、フリーランスエージェントサービスの登録・相談・案件紹介までは無料で使うことができます。
このように、フリーランスにとってマージンは良心的な仕組みです。
案件探しまでは無料なので、とりあえず案件を見てみたいという方でもフリーランスエージェントサービスに登録しておくことをおすすめします。
フリーランスエージェントのマージン率は決まり方が4つある
フリーランスエージェントのマージン率の決まり方は大きく分けて4つあります。
- 契約回数で決まる
- 報酬金額で決まる
- 一律固定
- 案件ごとに決まる
1つずつ詳しく紹介していきます。
契約回数
まずは、契約回数でマージン率が決まるケースです。
この場合、契約・更新回数に応じてマージン率が設定されており、案件を受注すればするほどマージン率が下がっていく仕組みです。
1つのフリーランスエージェントと長く付き合っていくとマージン率が下がっていく仕組みなので、フリーランスにとっても納得感が生まれやすいでしょう。
しかし、複数回契約しないとマージン率が下がらないことはデメリットだと考えられます。
また、契約回数に応じてマージン率が決まる場合、報酬金額ではマージンが変動しないので、報酬が10万であっても100万であっても一律のマージンになります。
報酬金額
次に、報酬金額に基づいてマージン率が決まるケースです。
報酬金額が50万までであれば25%、51万~80万であれば20%、というように報酬が高額になるほどマージン率は下がる傾向にあります。
契約金額が増えたとしても、エージェントにとって発生する必要経費は変わらないため、マージン率を調整しています。
つまり、この仕組みはフリーランスにとって公平に報酬を得られるように調整する仕組みです。
報酬金額でマージン率が決まるケースでのデメリットは、長期的に付き合ってもマージンは減らないことです。
一律固定
3つ目は、一律でマージン率が変わらないケースです。
この場合は、契約回数や報酬金額に関わらず、全案件マージン率を固定しています。
一律なのでマージン率がわかりやすく、フリーランスもエージェントも計算がしやすいことがメリットです。
マージン率がわかりやすく公開されていると安心してサービスを利用することができます。
しかし、一律固定だと高単価案件の場合マージンが高額に感じる可能性があります。
契約回数でもマージン率が変動しないため、長く付き合うメリットは薄いでしょう。
案件ごと
最後に、案件ごとにマージン率が変わるケースです。
このパターンが最も一般的です。
決め方は様々で、一定のマージン率の中で案件ごとに設定していたり、幅を設けずに営業担当者やクライアントがマージン率を決定する場合もあります。
しかし、案件ごとにマージン率が変わるため、マージン率の詳細は非公開にしているエージェントが多いです。
エージェントによっては、平均マージン率を公開していることもあります。
フリーランスエージェントのマージンの相場は20~30%
一般的にフリーランスエージェントのマージンの相場は20〜30%です。
これ以上高くなるとクライアントが提示した額と、フリーランスが受け取る報酬の差が大きくなってしまいます。
フリーランスエージェントによってマージン率は違いますが、マージン率を高く設定しすぎると評判が下がってしまうので、20〜30%に設定しているエージェントが多いです。
マージン率が少し低めのエージェントだと、10〜25%くらいに設定しているエージェントもあります。
マージン率を公表していないフリーランスエージェントがある
マージン率によってエージェントを見極めようと思っている方もいると思いますが、実はマージン率を公表していないフリーランスエージェントも多くあります。
しかし、非公開にしているからと言って、悪質な会社ではないので安心してください。
マージン率を非公開にする主な理由は、様々な条件によってマージン率が変動する可能性があるからです。
案件の内容やフリーランスのスキルなどによって変動するため、公表を控えているのです。
不安に感じる方は、面談の際にマージン率について聞いておきましょう。
非公開にしていても、聞けばきちんと教えてくれる場合もあります。
マージンがあってもフリーランスエージェントを利用するメリット
マージンがあっても、基本的にはフリーランスエージェントを利用することをおすすめします。
フリーランスエージェントを利用するメリットを4つ紹介します。
- 本業に集中できる
- トラブルリスクを下げられる
- 福利厚生を受けられる
- 高収入を狙える
1つずつ詳しく見ていきましょう。
本業に集中できる
フリーランスは、案件を獲得するための営業から事務手続きまで全てを1人で行う必要があります。
しかし、営業は直接的な収入には繋がりませんし、本業ではないため苦手だという方も多いでしょう。
フリーランスエージェントに登録すれば、営業や事務手続きをプロに任せることができます。
これによって営業に使っていた時間を全て本業に回すことができるので、実質的に収益が上がる可能性があります。
本業に集中できることは大きなメリットだと言えるでしょう。
トラブルリスクを下げられる
フリーランスとして活動する場合、クライアントとのトラブルが起こってしまうかもしれないという不安が付きまといます。
特に、クライアントからの契約に関する書面についてのトラブルが多いです。
書面を受け取っていなかったり、取引条件が明記されていなかったりするケースがあります。
このようなトラブルを回避するために、業務委託契約のプロであるフリーランスエージェントを利用することも1つの手です。
また、もし支払い遅延や書面に関するトラブルが起こってしまったとしても、フリーランスエージェントに対応を依頼できます。
労務関係に詳しいという方以外は、フリーランスエージェントを頼ることをおすすめします。
福利厚生を受けられる
フリーランスエージェントは、様々な福利厚生を提供しています。
フリーランスとして活動する上で大きなデメリットになるのが、社会保障が充分でない点です。
しかし、フリーランスエージェントを利用することで多彩な福利厚生を受けられます。
具体的には税金サポートや給与保障制度、提供サービスの優待利用、保険料半額負担などの福利厚生があります。
特に収入の途切れはフリーランスにとって大きな悩みなので、給与保障制度は大きなメリットになるしょう。
是非エージェントを活用して恩恵を受けるようにしてください。
しかし、エージェントごとにサービス内容は異なり、全てのエージェントが福利厚生を用意しているわけではないので、利用する前に確認しておきましょう。
高収入を狙える
フリーランスエージェントの利用にはマージンがかかりますが、マージンを支払ったとしてもエージェントを利用した方が高収入を狙える可能性があります。
エージェントは個人では獲得できないような案件を持っていたり、大手企業を直接のクライアントとしていたりすることがあります。
そのため、個人で営業をするよりも、案件自体の単価が高く、マージンを差し引いても報酬が高単価となるケースが多いです。
また、現在の案件が終わりそうな頃に次の案件を紹介してくれるので、案件が途切れにくく、安定して収入を得られるでしょう。
常時稼働できれば、結果として年収が高くなる可能性があります。
マージンで損をしないためのポイント3つ
エージェントは活用すべきですが、支払うマージンは少ない方がいいですよね。
マージンで損をしないために気を付けるべきポイントが3つあります。
- 商流が深すぎるフリーランスエージェントは避ける
- SES会社の紹介は慎重に決める
- 案件探しをエージェントに任せっきりにしない
商流が深すぎるフリーランスエージェントは避ける
フリーランスエージェントを探す際には、商流が深すぎるエージェントは避けるようにしましょう。
商流とは、フリーランスに仕事が来るまでに関わっている企業数のことです。
下請けとして仕事を受けることになれば、多くの企業を経由します。
そのため、どうしてもマージンが重なってしまい、最終的に受け取る報酬が少なくなってしまいます。
できるだけ商流を浅くし、クライアントとフリーランスの直接契約をするようにしましょう。
SES会社の紹介は慎重に決める
また、SES会社の紹介は慎重に決めるようにしましょう。
SESとは、企業に対してエンジニアを派遣する技術提供支援サービスのことです。
客先常駐としてSES企業に属した上で、業務の内容は委託先の指示に従うという働き方をすることになります。
この場合、マージン率の相場が高くなり、30~40%になる可能性があります。
受け取れる報酬が低くなってしまうので、エージェントと面談を行う際に企業の情報をしっかり確認するようにしてください。
関連記事:SESとは?未経験者がSESで働くメリットと優良SESを見つけるポイント
案件探しをエージェントに任せっきりにしない
最後に、案件探しはエージェントに任せっきりにしないようにしましょう。
損をしないために、案件は知識を持って判断する必要があります。
エージェントはあくまで案件探しを効率よくするための補助的なものだと捉えておきましょう。
任せっぱなしにすれば自分に合った案件が紹介されると思ってしまうと、トラブルになってしまう可能性があります。
希望や条件は担当エージェントにできるだけ詳しく伝えるようにしてください。
マージン率を公表しているおすすめフリーランスエージェント3選
マージン率を公表しているおすすめのエージェントを3つ紹介します。
この3社はマージン率を公開している透明性のあるエージェントです。
エージェント探しの参考にしてください。
エージェント名 | マージン率 |
PE-BANK | 8~12%の変動型 |
テクフリ | 最低10% |
エンジニアファースト | 最低5% |
PE-BANKのマージン率は変動型で、使えば使うほどお得になる特徴的なサービスです。
テクフリは最低マージン率10%という業界トップレベルの良心的な価格設定をしています。
エンジニアファーストのマージン率は最低水準の5%で、高収入を狙うことができるでしょう。
フリーランスエージェントはマージンを払うだけのメリットは十分にある
フリーランスエージェントのマージンとは、企業とフリーランスの仲介金としてエージェントが受け取る手数料のことです。
マージンはエージェントの必要経費であり、マージンを払うだけのサービスを提供してくれるでしょう。
フリーランスエージェントを使用するメリットは以下の4つです。
- 本業に集中できる
- トラブルリスクを下げられる
- 福利厚生を受けられる
- 高収入を狙える
マージンが引かれたとしてもメリットは十分にあるので、積極的にフリーランスエージェントを利用してみてください。