インターネットの普及によって、自社のサービスや商品をWebサイトで発信したいと考える企業は増えています。
Webサイトの需要に伴って、Webサイト制作に関連した職種の需要も高まっています。
特にデザインに優れたWebサイトを見て「自分もこんなデザインのサイトを作ってみたい」とWebデザイナーを目指す方が多いです。
そんな需要が高まっているWebデザイナーですが、Webデザイナーとして働くためにスクールに行くのは費用や時間が厳しいと感じる方もいるかと思います。
Webデザイナーは独学で勉強しても転職することは可能なのでしょうか?
本記事では、Webデザインを独学で学ぶ方法や学ぶ上での注意点を紹介し、どうやったらWebデザイナーとして活躍していけるかについて解説します。
【結論】Webデザインは独学でも習得可能
結論から述べると、Webデザインは独学でも習得可能です。
きちんとした学習ステップを踏めば、未経験からの独学でもWebデザイナーへの就職・転職をすることができます。
独学で学ぶ上で大事になるのはモチベーション維持です。
一人で黙々と勉強することになるため、分からない状態に陥ったときやうまくいかない状態が続いたときに挫折してしまうことも少なくありません。
特に未経験でコーディングの勉強を始めると、英語や独特のルールに翻弄されて苦手意識を持ったり拒絶反応を起こしてしまう方もいます。
独学で勉強を進めるのであれば、独学ならではのリスクがあることを正しく理解し、そのリスクへの対処を講じておく必要があることを覚えておきましょう。
Webデザインを独学で学ぶ4つの勉強方法
WebやITの人材を増やすべく、最近では無料で学べる学習サイトやYoutubeチャンネルも増え続けており、独学でも学びやすい環境になっています。
Webデザインを独学で学ぶには以下の4つの勉強方法があります。
- 書籍で学ぶ
- 動画学習サービスを利用する
- 学習サイトを利用する
- 資格の習得を目指す
それぞれ解説します。
様々な勉強方法があるため、自分のスタイルに合った方法を選択してみてください。
書籍で学ぶ
Webデザインを独学で学ぶ方法の1つ目は、書籍で学ぶ方法です。
入門書から専門書まで様々な書籍が出版されているため、自分のレベルに合った書籍を見つけて、段階的に学習できます。
実際に本屋に行って中身を確認したり、レビューの良いものを選んだりすると、より自分に適した書籍を選ぶことができるでしょう。
動画学習サービスを利用する
Webデザインを独学で学ぶ方法の2つ目は、動画学習サービスで学ぶ方法です。
YoutubeやUdemyなど、現在では様々な動画サービスが展開されています。
動画で学習する強みは、実際の作業画面を見ながら視覚的に勉強できる点です。
どのサービスも基本的に無料・有料で学べる範囲があるので、自分が興味を持ったサービスはぜひ有料で学習してみることをおすすめします。
学習サイトを利用する
Webデザインを独学で学ぶ方法の3つ目は、学習サイトで学ぶ方法です。
よく使われるものでいうと、Progateやドットインストールなどがあります。
どちらもプログラミング学習サービスで初心者向けにも充実した学習内容となっています。
こちらも無料・有料で学べる範囲があるので、気になるものはぜひ有料で学習してみてください。
資格の取得を目指す
Webデザインを独学で学ぶ方法の4つ目は、資格の習得を目指して勉強する方法です。
Webデザイナーになるのに資格は必要ありませんが、資格を持っておくことで一定のスキルや意欲をアピールすることができるのでオススメです。
Webデザイン関係の資格例としては、Webデザイン技能検定、Webクリエイター能力認定試験などがあります。
関連記事:未経験でもWebデザイナーになれます!必要なスキルや役立つ資格も合わせてご紹介
Webデザイナーに必要なスキル
Webデザイナーの仕事は、Webサイトのデザインだけでなく、クライアントからのヒアリングなど広範囲です。
そのため、Webデザイナーとして必要なスキルもデザインスキルだけに留まらず、様々なスキルが必要となります。
ここでは、ピックアップして3つ紹介します。
デザインツールの知識
Webデザイナーがワイヤーフレームやデザインを制作するのに必要なものが、デザインツールです。
ワイヤーフレームとはWebページのレイアウトを定める設計図のことです。
Webサイト制作の現場でよく使われるのは、IllustratorやPhotoshopなのでこれらを扱える知識を持っておくとよいでしょう。
Illustratorはイラストの作成で使用することが多く、Photoshopは写真や画像の編集で使用します。
コーディングの知識
Webデザイナーは直接システム開発を行いませんが、最低限のコーディング知識はつけておきましょう。
Webサイト制作に必要になるHTML・CSS・JavaScriptについては扱えるようになっておくと仕事の幅も広がります。
未経験の場合は、最低でもHTML・CSSの2つを理解し、コードを書けるようにしておくことをおすすめします。
実際の求人の中にはコーディングスキルがあるかを見ているものもあるため、未経験からWebデザイナーを目指すのに効果的です。
コミュニケーションスキル
Webサイトのデザインを行う前に、クライアントがどのようなWebサイトを望んでいるかを把握することもWebデザイナーの仕事です。
また、自分で制作したデザインを正しく反映してもらうために、Webエンジニアとコミュニケーションを取って意思疎通を図る場面も多いです。
そのため、コミュニケーション能力もWebデザイナーとして必要なスキルの一つといえます。
どの仕事でも必要になってくるスキルなので、日頃から意識するとよいでしょう。
Webデザインを独学で学ぶ5ステップ
今度は実際に必要なスキルをどのレベルまでできるようにすればいいのか、具体的な勉強法を交えて紹介します。
勉強する順番としては、コーディングから勉強することがおすすめです。
自分にWebデザイナーとしての適性があるか判断する材料として、コーディングが一番わかりやすいからです。
未経験の場合、コーディング、デザインソフトの順番に勉強を始めて、そこから実際のデザイン制作に入るとよいでしょう。
勉強する順番も踏まえて、ここからは以下の5ステップに分けて解説します。
- HTML・CSSを学ぶ
- デザインの基礎知識を学ぶ
- デザインツールの使用方法を学ぶ
- サイトを制作する
- 実際の案件を受注する
HTML・CSSを学ぶ
HTMLはWebページを制作するためのマークアップ言語です。
マークアップ言語とは、タグという目印を用いて文章構造を表現する言語のことをいいます。
HTMLはページに表示する文字や画像、リンクなど文書の構造を指定する役割を担います。
一方、CSSはWebページのスタイルを指定するもので、レイアウトやデザインの調整を行います。
この2種類の言語を勉強して、シンプルなサイトを構築するために必要な機能を実装できるくらいになっておきましょう。
デザインの基礎知識を学ぶ
デザインに正解はありませんが、デザインを作成するための一定のルールはあるためきちんと理論を理解することが大事です。
見出しや写真などの並べ方のほか、メニューや目次などの一覧表示、ボタンやチェックボックスの装飾などにはセオリーがあります。
あまりにかけ離れすぎるととても見づらいデザインになってしまうため、基礎知識をあらかじめ学んでおくことが大切です。
また、Webサイトデザインにはトレンドがあり次々と入れ替わっているため、様々なWebサイトを観察して、トレンドに詳しくなっておきましょう。
デザインツールの使用方法を学ぶ
デザインを行うときに使用するツールとして、PhotoshopやIllustratorなどのデザインツールがあります。
特に、PhotoshopとIllustratorは実際のデザインの現場で使うことが多いため、触って使いこなせるようにしておくとよいでしょう。
また、Web制作に特化したAdobe Dreamweaverや、素早いプロトタイピングを可能にするAdobe XDといったツールも、使い方を覚えておくと仕事の幅が広がります。
サイトを制作する
コーディング、デザインの基礎知識を身につけ、デザインツールを扱えるようになったら、実際にWebサイトを作ってみましょう。
方法としては、架空のサイト作りとして、必ずサイトのコンセプトとサイトの目的を固めてから構成やワイヤーを固めます。
Webサイト全体を通して何を伝えたいのか、まとまりのあるサイトにするには必要な手順です。
とはいえ、最初は難しいため世に出回っているWebサイトを参考にデザインしてみることがおすすめです。
たくさんのWebサイトに触れることで、何が良いデザインなのかといったデザイナーとしての感性も磨かれます。
実際の案件を受注する
自分で一からWebサイトを作れるようになったら、実際の案件を受注してみましょう。
実際の案件を受注するにはクラウドソーシングサイトなどを利用するのがおすすめです。
Webデザイナーを目指して転職する際に、実務経験があることは大きな強みとなります。
案件に応募するときには自分で制作したポートフォリオを持っておくとよいでしょう。
ポートフォリオとは自分の作品集で、自分の現在のスキルや制作実績を正しく伝えるための重要な判断材料です。
転職するのにも重要なものになるので、今のうちから取り組んでおくことが大切です。
Webデザインを独学で学ぶ注意点
Webデザインを独学で学ぶ大きなメリットは、スクールを受講する時間や費用を抑えることができる点です。
しかし一方でデメリットとしては、孤独な戦いになるという点です。
自分で期日や目標を掲げ、モチベーションを維持し続けて取り組む必要がありますし、自分の学習習熟度を何かしらの形で客観的に把握することも大事です。
孤独な戦いになる分、前述した学習サイトや本記事などを積極的に活用して、勉強に取り組むことをおすすめします。
ここからは、独学で学ぶ上での注意点を2点お伝えします。
質問できる環境を確保する
前述したように、独学だと孤独になりがちです。
自分が勉強していく中で、つまづいたときに自分が何につまづいているかわからないときもあるでしょう。
そういったときに手軽に質問できる環境があると心強いです。
質問ができるできないとでは、理解度の進め方が大きく違います。
Udemyなどの学習サービスでもいいですし、MENTAのような質問環境を提供してくれるサービスを利用するのもおすすめです。
手を動かす
コーディングの知識やデザインの基礎知識など、座学で身につけるべきものも多いですが、一番デザインの実力が身につくのはとにかく実際にWebサイトを作ってみることです。
特に独学の場合は、書籍を読んだり動画を見たりと知識を入れ込むことに集中してしまう場面が多いです。
あくまで目標は自分ひとりでWebサイトを作れるようになることです。
実践で学んでいくことの重要性も意識して取り組みましょう。
Webデザイン独学後に稼ぐ方法
Webデザインの独学をして自分のデザインスキルがついてきたと自覚が出てきたら、より稼ぐために以下のことに取り組んでみましょう。
- クラウドソーシングサイトを利用する
- エージェントを利用する
どちらもメジャーな案件獲得方法ですので、それぞれ解説していきます。
また、より質の高いポートフォリオの制作に取り組むのもおすすめです。
前述したように、ポートフォリオは自分のデザインスキルや制作実績を示すものです。
より質の高いポートフォリオが制作できたら、それだけスキルのアピールに繋がります。
あとは案件をこなしていき実績をつけ、より高単価な案件に挑戦しましょう。
クラウドソーシングサイトを利用する
案件を獲得するのに、まずはクラウドソーシングサイトを利用するのがよいでしょう。
クラウドソーシングサイトとは、仕事を依頼したい企業と仕事を受けたい個人をつなぐサイトのことをいいます。
クラウドソーシングを利用するメリットは、クラウドソーシングサイトが企業と個人の仲介役としての役割を果たすため、報酬を受け取れないなどのトラブルを防げる点です。
注意点としては、クラウドソーシングサイトの利用に一定の手数料がかかること、単価が低い案件が多いという点です。
まずは実績を積む経験が欲しいという方におすすめです。
エージェントを利用する
案件を探すのに転職エージェントを利用するのも一つの手です。
Web業界やIT業界に特化したエージェントだとなおよいでしょう。
エージェントで取り扱う案件は、一定のスキルやWebデザイナーとしての経験が求められるものが多いです。
クラウドソーシングサイトを利用したりして実績を積んでから、こちらを利用するとスムーズです。
週2~3日前後の案件もあるほか、週5日業務を行う「常駐案件」もあります。
ハイスキルを求めた高単価な案件もあるのが特徴です。
まとめ
冒頭に述べたように、Webデザインを独学で習得してWebデザイナーへ転職することは可能です。
最近では、書籍やオンラインサービスなど学習ツールが充実しており、MENTAなどで質問できる環境を用意すればコミュニケーションを取りながら学習を進めることもできます。
独学で習得する場合は自分で目標を掲げて学習ステップを踏む必要があるので、どういったステップを踏むべきかはぜひ本記事を参考にしていただければと思います。
Webデザイナーへの道を考えている方に対して、本記事が後押しになれば幸いです。