SEOについて調べるなかで、「◯文字以上でなければ検索結果の上位に表示されない」「文字数が多いほどSEOに有利」という情報を見たことがある人もいるのではないでしょうか。
しかし、実際にSEOの評価で重要なのは文字数よりも網羅性です。
「どういうこと?」と思った人もいるかもしれません。
そこで今回はSEOと文字数の関係、網羅性の高い良質なコンテンツを作成するためのポイントを解説します。
検索結果の上位に表示される質の高いコンテンツをつくりたい人は、ぜひ本記事を参考にしてください。
「文字数多い=高評価」は誤解
そもそも、文字数が多ければSEOで高い評価を得られるというのは誤解です。
このことについては、Googleのジョン・ミューラー氏がインタビューやTwitterで次のように述べています。
From our point of view the number of words on a page is not a quality factor, not a ranking factor.So just blindly adding more and more text to a page doesn’t make it better.
(私たちの観点からすると、ページ上の単語数は品質要素でもランキング要素でもありません。したがって、ただやみくもにページにテキストを追加するだけでは、ページは改善されません。)参照:Search Engine Journal「Google Says Word Count Not a Quality Factor」
Word count is not indicative of quality.
(文字数は品質を示すものではありません。)
つまり、文字数はSEOの評価に直接作用しないということです。
無理に文字数を増やそうとして記事によけいな情報を入れると、かえってSEOの評価は下がってしまうこともあります。
例えば、「2023年1月1日 何曜日」と検索した場合を考えてみましょう。
この場合、ユーザーにとって「2023年1月1日が日曜日」という情報が分かれば十分です。
それなのに、おせち料理の由来やカレンダーの歴史など曜日以外の情報が長々と書かれていると、本当に知りたい情報を見つけにくいですよね。
このことからも、単純に文字数が多ければ質の高いコンテンツになるわけではないということが分かります。
先ほども述べたとおり、文字数はSEOの評価に直接作用するものではないので、無理やり文字数を増やそうとするのはやめましょう。
重要なのは文字数より網羅性
SEOの評価において重要なのは、文字数より網羅性です。
網羅性とは、ユーザーにとって必要な情報が漏れなくすべて入っているかを指します。
網羅性の高いコンテンツを作成するためには、ユーザーが検索を通じて何を知りたいのか(=検索意図)を理解しましょう。
例えば「カレー レシピ」と検索した場合、ユーザーが知りたいのは「カレーの材料と作り方」です。
もし作り方しか書かれていなければ、材料を再度検索しなければならないので、情報が網羅されているとはいえません。
ユーザーの知りたい情報を1つのページにまとめられているものが、網羅性の高いコンテンツです。
ただし、何でも情報を詰め込めばいいというわけではありません。
前章でもお伝えしたように、よけいな情報が含まれていると必要な情報が分かりにくくなります。
良質なコンテンツを作成するためには、ユーザーが知りたい情報に絞ってまとめることが大切です。
もちろん、網羅性を高めたことで文字数が多くなることもあるでしょう。
そのコンテンツが検索結果の上位に表示されている場合、それは単純に文字数が多いからではなく、網羅性が高いからSEOで高く評価されたということです。
良質なコンテンツづくりに役立つ知識
SEOの評価を高めるためには、文字数ではなく網羅性が大切だということを解説しました。
それでは、ユーザーのニーズを満たして検索結果の上位に表示させるためには、どのようにしてコンテンツを作成すればよいのでしょうか。
この章では、網羅性の高い良質なコンテンツづくりに役立つ知識を3つ紹介します。
- 競合サイト調査
- 関連キーワード・サジェストキーワード
- 共起語
競合サイト調査
ライバルとなる競合サイトを調査することで、コンテンツづくりのヒントを得られます。
検索結果の上位に表示されている競合サイトは、SEOで高い評価を獲得している良質なコンテンツです。
つまり、ユーザーのニーズを満たしたコンテンツのお手本であるといえます。
競合サイトを調査するメリットは、以下の2つです。
- ユーザーの検索意図を把握できる
- コンテンツの戦略を立てる参考になる
良質なコンテンツを作成するうえで、ユーザーの検索意図を把握することは欠かせません。
しかし、検索意図の予測が難しい場合や、実際の検索意図と自分の予測した内容が異なる場合もあるので注意が必要です。
競合サイトを調査することで、どのような検索意図があるのか、自分の予測した内容と相違ないかを確認できます。
また、ユーザーを獲得するためにどのような戦略をとればよいか、競合サイトの構成や盛り込んでいる情報が参考になるでしょう。
関連キーワード・サジェストキーワード
関連キーワード・サジェストキーワードも積極的に活用しましょう。
関連キーワードとは、検索結果の上部や下部に表示される言葉のことです。
例えば「飲食店」と検索すると、「近くの飲食店」「グルメサイト」などが出てきます。
「グルメサイト」のように検索した語句を含まないキーワードも表示され、ユーザー自身の検索履歴は反映されません。
サジェストキーワードは、検索エンジンに語句を入力したとき、検索窓の下に出てくる言葉のことです。
「飲食店」と入力すると、「飲食店 営業中」「飲食店 求人」などが表示されます。
検索した語句を含むキーワードのみが表示され、ユーザー自身の検索履歴を反映するのが関連キーワードとの違いです。
関連キーワード・サジェストキーワードは、以下のように活用できます。
- ユーザーの検索意図を探る
- 新たなコンテンツを作成する
関連キーワード・サジェストキーワードは、ユーザーが検索したい内容と深く関わる言葉です。
そのため、ユーザーが何を求めているのかを知る手がかりになります。
また、自分では思いつかなかったキーワードや、ユーザーのニーズをより深掘りしたキーワードが見つかることもあり、それをもとに新しいコンテンツを作成することも可能です。
共起語
共起語とは、キーワードと一緒に使われることが多い言葉を指します。
例えば「車」の共起語は「中古車」「自動車」「価格」「新車」などです。
検索エンジンは、特定のキーワードと一緒によく使われる言葉をもとに、コンテンツの内容を判断します。
そのため共起語を使って、どのような内容のコンテンツであるかを検索エンジンに教えることが必要です。
「中古車」「価格」という共起語を使っていれば、「中古車の価格を紹介しているコンテンツ」ということが判断できます。
網羅性が高く良質なコンテンツであると判断してもらうためには、コンテンツ内にさまざまな共起語を含めることが大切です。
ただし、たくさんの共起語を強引に含めてしまうと違和感のある文章になってしまうので、ユーザーの読みやすさをそこなわないように注意しましょう。
適切な文字数の考え方
最初にお伝えしたとおり、SEOの評価において文字数は直接的な効果がありません。
単純に情報量が多すぎても少なすぎても、良質なコンテンツとはいえないでしょう。
では、良質なコンテンツをつくるための適切な情報量をどのように決めればいいのでしょうか。
そのヒントになるのが文字数です。
ここからは、SEOにおいて文字数をどのように捉えればよいのか、適切な文字数の考え方を解説します。
上位ページの文字数が目安
適切な情報量は、検索結果の上位に表示されるページの文字数が目安になります。
検索結果の上位に表示されているということは、網羅性が高く良質なコンテンツと判断されたということです。
もし自分のコンテンツの文字数が極端に多い・少ないなどがあれば、情報に過不足があると考えられます。
上位ページと見比べて、何がよけいなのか・何が足りないのかを整理してみるといいでしょう。
もちろん、必ずしも上位ページと同程度の文字数にしなければならないわけではありません。
あくまでも目安として考えましょう。
キーワードごとに異なる
キーワードによって、適切な文字数は大きく異なります。
ユーザーの検索意図が単純ではっきりしている場合は、文字数が少なくてもそのニーズを満たすことが可能です。
先ほど例に挙げた「2023年1月1日 何曜日」というキーワードの場合、ユーザーが知りたい情報は「2023年1月1日が何曜日なのか」だとはっきりしています。
検索結果の上位に表示されるのは、2023年1月1日の曜日を簡潔に示したサイトです。
文字数は少ないですが、ユーザーのニーズに応えているといえます。
一方、キーワードが「保険 選び方」の場合はどうでしょうか。
保険にはさまざまな種類があり、保障内容も月々の掛け金もバラバラです。
加入希望者それぞれの状況に合った商品を選ぶ必要があります。
このようにユーザーの検索意図が複雑な場合、コンテンツ内で詳しく説明する必要があるため、文字数は多くなるでしょう。
大切なのは単純な文字数ではなく、ユーザーのニーズを満たしているかどうかです。
キーワードを検索したユーザーの疑問や不安を解決できているかを考えましょう。
文字数カウントに役立つツール
文字数は適切な情報量を考えるためのヒントになりますが、自分で数えるのは手間がかかりますよね。
そこで、文字数カウントに役立つツールを4つ紹介します。
無料で使えるネット上のツールもあり、よく使われるのはトレード(交換)掲示板 文字数カウントとSEOテキスト文字数カウントです。
どちらもテキストボックスに文章を貼りつけるだけで文字数を数えられます。
トレード(交換)掲示板 文字数カウントなら、段落数や原稿用紙に換算すると何枚分かも分かるのでおすすめです。
またSEOテキスト文字数カウントは、特定のキーワードの使用回数を調べることもできます。
WordやGoogleドキュメントでも文字数を調べられるので、使いやすいものを選びましょう。
文字数が大事な項目
ここまで、文字数の多さとSEOの評価が比例するわけではないと解説してきました。
とはいえ、コンテンツを作成するうえで文字数が大事になる項目もあります。
それは以下の2つです。
- タイトル
- メタディスクリプション
なぜこの2つは文字数が大事なのか、適切な文字数はどのくらいかをそれぞれ解説します。
タイトル
タイトルの文字数がSEOの評価に直接影響することはありませんが、コンテンツのクリック率に関わります。
ユーザーが検索するとき、タイトルを見てコンテンツの内容を判断するからです。
タイトルからユーザーが求める情報を得られると判断できれば、クリック率は向上します。
検索結果に表示されるタイトルの文字数は、パソコンが30字程度、スマートフォンが30〜40字程度です。
アクセスする端末によって異なり、タイトルが長い場合は後半が省略されます。
そのためタイトルの文字数は、どの端末でも見切れずに表示できる30字程度が適切です。
ただし、タイトルが極端に短いとコンテンツの内容を十分に伝えられません。
長すぎず短すぎず、キーワードを盛り込んだ適切な文字数のタイトルをつくりましょう。
メタディスクリプション
メタディスクリプションとは、検索結果でタイトルの下に表示されるコンテンツの要約文のことです。
タイトルと同様、ユーザーにコンテンツの内容を判断してもらう役割があるため、クリック率を向上させることができます。
また、検索エンジンにコンテンツの内容を判断させる材料にもなるので、大事な項目です。
メタディスクリプションもアクセスする端末によって表示される文字数は異なります。
パソコンが120字程度、スマートフォンが60字程度です。
そのため、メタディスクリプションの文字数は70字程度にするとよいでしょう。
後半はどうしても見切れてしまうことがあるので、特に伝えたいポイントは文章の前半に持ってくるのがポイントです。
コンテンツ作成時の注意点
コンテンツを作成する際、情報を網羅することが大切だということは、先にもお伝えしたとおりです。
ただ、情報量を意識するあまり陥りやすいミスというのも存在します。
そこでこの章では、コンテンツ作成時の注意点を2つ見ていきましょう。
- コピーコンテンツ
- テーマの混在
事前に注意点を理解しておくとミスを防げますよ。
コピーコンテンツ
コンテンツを作成する際、検索結果の上位にあるページを参考にすることはよくあります。
ただし、ほかのサイトの内容をコピペしてコンテンツをつくる(=コピーコンテンツ)のは絶対にやってはいけません。
なぜなら、コピーコンテンツの作成は著作権の侵害になるからです。
それだけではなく、SEOの評価を大きく下げることにもつながります。
検索エンジンはオリジナリティのあるコンテンツを高評価とするため、コピーコンテンツはペナルティを受けてしまうのです。
こうした事態を防ぐためにも、ほかのサイトはあくまでも参考にするだけに留めましょう。
自分の頭で考えたオリジナルのコンテンツをつくることが大切です。
テーマの混在
情報を網羅したいからといって、1つのコンテンツに複数のテーマを混在させるのもよくありません。
例えば、「車」というキーワードに対して「中古車買取、新車販売」というテーマを混在させたとします。
すると、検索エンジンはこれを「中古車買取」のコンテンツなのか「新車販売」のコンテンツなのか判断できなくなってしまうのです。
そのため、検索エンジンは1つのテーマに絞ったコンテンツを高く評価する傾向があります。
また、1つのテーマに特化しているほうがユーザーにとっても分かりやすいでしょう。
複数のテーマを書きたい場合は、テーマごとに別々のコンテンツをつくるのがおすすめです。
SEOで重要なのは文字数ではなく情報の網羅性
今回は、SEOと文字数の関係、網羅性の高い良質なコンテンツを作成するためのポイントを解説しました。
コンテンツを作成するうえで重要なのは、文字数ではなく情報の網羅性です。
網羅性の高い良質なコンテンツをつくるためには、競合サイトや関連キーワード・サジェストキーワードを調査して、ユーザーの検索意図を把握しましょう。
文字数は、適切な情報量を考える目安として考える必要があります。
注意点を踏まえたうえで、必要な情報を網羅してユーザーのニーズを満たすコンテンツを作成しましょう。