URLはWebページに欠かせない要素です。
Webサイトを運用したことがある方なら、一度はURLの設定について頭を悩ませたことがあるでしょう。
また、URLがSEOにどのような影響を与えるのかも気になる点ではないでしょうか。
本記事では、SEOとURLの関係性について解説し、SEOの効果を最大限に引き出すためのURLの設定方法をご紹介します。
ここで得た情報を、ぜひみなさんのWebサイトに役立てていただけたら嬉しいです。
SEOとは?
SEOとは「Search Engine Optimization」の略語で「検索エンジン最適化」を意味します。
具体的には、GoogleやBingといった検索エンジンの検索結果に、自社のWebサイトやWebページを上位表示させる(=最適化する)ことです。
そして、このSEOを目的とした総合的な取り組みのことをSEO対策と言います。
SEO対策の主な手法としては、内部対策・外部対策・良質なコンテンツ制作などがあります。
これらの取り組みを行うことで、自社のWebページを上位表示させることが可能となるでしょう。
その結果、Webサイトのアクセス数が増え、自社サービスの認知度の向上や商品の販促に効果をもたらします。
SEOとURLの関係
Webサイトの設計では、URLをどのようにするか頭を悩ますことがあると思います。
URLを考えるにあたって、SEOを意識する必要があるのでしょうか?
結論から言えば、URLに含まれた情報もSEOに影響を与えるためSEOを意識する必要があります。
この章では「SEOとURLの関係性」について、考慮すべき3つの点をお伝えします。
- キーワード
- URLの長さ
- 検索エンジンやユーザーへの配慮
キーワード
URLにWebページの内容を表すキーワードを含めることで、SEO効果が期待できます。
Google公式でも、URLにキーワードを含めることで得られるSEO効果について言及しています。
2021年3月のGoogle SEO office-hoursでJonh Mueller氏が以下のように述べました。
Once again that Google does use the words in the URL as a ranking factor.
つまり、「GoogleはURL内の単語(キーワード)をランキング要素として使用している」ということです。
ただし、同時にその影響は「かなり軽微な要素である」とも補足しています。
URLは検索結果にも表示される情報です。
SEO効果が軽微といえど、URLにキーワードを含めることでユーザーはページの内容をより正しく把握することができます。
この点を意識して、URLに適切なキーワードを取り入れましょう。
URLの長さ
URLの長さは、SEOには直接的な影響を与えません。
GoogleのJonh Muller氏も「URLの長さは重要ですか?」という質問に対し、次のように回答しています。
It doesn’t matter how long they are.
Personally,I try to keep them shorter than 1,000 characters.
but that’s just to make monitoring easier.
The number of slashes in there also doesn’t matter
つまり、「URLの長さは関係ありません。個人的には1,000文字以内に収めるようにしていますが、それは監視を容易にするためです。スラッシュの数も関係ありません。」ということです。
ただし、URLは直接入力することもあるためユーザーへの配慮やリスク軽減の観点からは、短い方が望ましいと言えるでしょう。
検索エンジンやユーザーへの配慮
URLを設定する際には、検索エンジン(クローラー)やユーザーとって分かりやすいものにすることが重要です。
具体的には、シンプルなディレクトリ構造にすることやURLのバージョンを1つにすることが挙げられます。
ディレクトリ構造とはフォルダの階層のことを意味します。
トップからカテゴリー、カテゴリーから記事へと階層が下がるツリー構造にするのが基本的な形です。
URLの階層構造は、シンプルで深くなりすぎないように設定することが重要です。
また、同じWebページに複数のURLからアクセスすることがないよう、URLのバージョンを1つに統合しましょう。
詳しくは次の章の「正規化する」で解説します。
SEOに効果的なURL設定
ここまでSEOとURLの関係性をお伝えしてきました。
それでは、実際にSEOの成果を出すためにはどうすれば良いのでしょうか?
この章では、SEOに効果的なURL設定について7つのポイントを詳しく解説します。
- コンテンツ内容に合わせたURLにする
- 簡潔にする
- 英語やハイフンを使う
- ディレクトリ階層を浅くする
- https化する
- 正規化する
- 静的なURLにする
コンテンツ内容に合わせたURLにする
URLを設定する際は、Webページ(コンテンツ)の内容に合わせたものにしましょう。
前の章でもお伝えしましたが、コンテンツに合ったキーワードを設定することでユーザーや検索エンジンがWebページの内容を正しく理解できるようになります。
その結果、ユーザーにとって分かりやすい親切なURLになるのです。
この考え方は、Googleが重視している「ユーザーファースト」の精神にも調和するものです。
可能な限り、URLにはコンテンツの内容を端的に表したものを設定するよう心がけましょう。
簡潔にする
前の章で「URLの長さはSEOに直接影響しない」ということを、理由とともに述べました。
しかし、あまりにも長いURLはユーザーへ不信感を与える可能性があります。
みなさんも、長すぎるURLはまるで暗号のようで少し敬遠してしまうのではないでしょうか。
さらに、URLが長いとページの読み込み速度が遅くなるというマイナスポイントもあります。
読み込みに時間がかかると、ユーザーエクスペリエンス(UX)を悪化させ、Webサイトの閲覧に支障をきたす可能性があります。
そのような事象を避けるためにも、分かりやすく簡潔なURLを心がけましょう。
英語やハイフンを使う
URLには英語を使うことをおすすめします。
Googleはアメリカの会社なので、日本語よりも英語の方がコンテンツの情報を正しく認識しやすいという傾向があります。
また、複数の単語を使う場合には、単語ごとに「-(ハイフン)」を使って区切るようにしましょう。
例えば、夏のイベントに関するWebページであれば「summer-event」などと書きます。
区切りの意味であれば「_(アンダースコア)」でも良いと思われるかもしれませんが、Googleの公式サイトでは「-(ハイフン)」の使用を推奨しています。
ただし、「_(アンダースコア)」を使ったからといって大きな問題がある訳ではありません。
ディレクトリ階層を浅くする
ディレクトリ階層とは「フォルダの階層のことを意味する」と前述しました。
トップからカテゴリー、カテゴリーから記事へと階層が下がるツリー構造にするのが基本的な形です。
SEOにおいては、この階層の深さを考慮しましょう。
階層の深さは、トップページから何クリックでそのページに到達できるかを基準に数えていきます。
つまり、クリック数が少ないページは階層が浅く、クリック数が多いページは階層が深くなるのです。
インターネット上の膨大な情報を集めるクローラーは、階層の浅いWebページほど見つけやすいという特徴があります。
ですから、可能な限りURLのディレクトリ階層を浅くしクローラーが見つけやすい構造にすることが重要です。
https化する
https化とは「常時SSL化」とも言い、セキュリティ向上のためにインターネット上の通信を暗号化することです。
https化されたWebサイトはユーザーに安心感を与えるため、結果として信頼を得ることに繋がります。
ユーザーの信頼を集めることに成功すると、GoogleはそのWebサイトを良質なものと認識しSEOにも影響を与えるでしょう。
ただし、現代では多くのWebサイトでこの対策が行われているため、https化だけで検索順位が大きく改善するとは限りません。
むしろ、https化は順位を下げないための対策と言えます。
また、Googleなどではhttps化されていないWebサイトにアクセスすると、警告のポップアップが表示されることがあります。
警告表示が出ると、すぐにそのWebページを離れる方も多いのではないでしょうか。
ユーザーの離脱を防ぐためにも、自社のWebサイトをhttps化することが大切です。
正規化する
URLの正規化とは同一のWebページに対して複数のURLが存在する場合に、URLのバージョンを1つに設定(=統合)することです。
URLの正規化を行っていないと以下のようなデメリットが生じます。
- URLごとに評価が分散し検索順位に影響を与える
- 不要なWebページも巡回の対象となりクローラビリティが低下する
- 不要なWebページのデータも抽出されトラッキング分析に手数がかかる
このように、正規化していないことで生じる悪影響が多くあります。
ですから、複数のURLが存在することに気づいた時は「301リダイレクト」という方法を使ってURLを1つに統合することをおすすめします。
301リダイレクトとは、古いURLから新しいURLのWebページへ自動的に転送する仕組みです。
静的なURLにする
静的なURLとは、「?」や「=」や「&」が含まれないシンプルなURLのことです。
反対の意味をもつ動的URLには「?」や「=」や「&」が含まれます。
動的URLは、ユーザーのアクションに応じてURLが自動的に生成されるもので、商品検索などデータベースから情報を抽出する際に使用されることが多いです。
一方の静的URLは、誰がいつアクセスしても同じページになる固定のURLで、トップページなどに使用されます。
動的URLは「?」や「=」などを含むことで複雑になるため、検索エンジンがWebページを認識しにくくSEOにも影響を与えると言われています。
ですから、可能な限り静的なURLを使うようにしましょう。
ただし現在では、クローラーの処理能力も改善しどちらでも大きな差がなく処理できるようになっています。
SEOに不利なURL構造
ここまでSEOに効果的なURL設定のポイントをお伝えしました。
しかし、これらを行うだけでは十分な対策とは言えません。
なぜなら、SEOに不利となるURLの構造があるからです。
ここでは注意すべき3つの点について解説します。
- 不要な文字が入る
- URL構造が変動する
- 日時が入る
不要な文字が入る
URLを設定する際には、不要な文字を含めないよう注意する必要があります。
不要な文字が入ると、URLが分かりづらくなってしまいます。
以下は、特に初心者がやってしまいがちな点です。
- 多数のキーワードを意味もなく詰め込む
- 大文字、小文字が混在する
- 日本語が入る
キーワードはメインのものだけに絞り、URLは小文字に統一するようにしましょう。
また、日本語もブラウザによっては正しく認識されない可能性があります。
可能な限り英語で表記するようにしましょう。
こちらについては「日本語URLにするときの注意点」で詳しく解説します。
URL構造が変動する
URLは「プロトコル://ホスト.ドメイン/ディレクトリ/フォルダ名」といった5つの要素から構成されています。
前の章で「同一のWebページには1つのURLにしましょう」という話をしましたが、URL構造が変わることで複数のURLが発生することがあります。
例えば、ECサイトで商品検索をするケースを思い浮かべてみましょう。
人気の商品や価格に応じて並び替えを行うと、同じ検索結果であってもURLの構造が変化することがあります。
URLの構造が変化すると、同一のWebページに対して複数のURLが表示されることになり、重複したコンテンツとして見なされます。
その結果、検索結果に表示されなかったり順位が低下したりする恐れがあるため、URL構造が変動する状況には注意が必要です。
日時が入る
URLには日時を含めないように意識しましょう。
なぜなら、日時は流動的な要素だからです。
Webページの内容を更新するたびにURLの日時とページの更新日時にズレが生じてしまいます。
ページを更新するごとにURLを変更してはキリがありませんし、その度にリダイレクト処理を行うというのも現実的ではありません。
また、日時のみを使ったURLだとWebページの内容が分からないという不都合も発生します。
日時よりもコンテンツに合ったキーワードを入れるなど、そのページを端的に表すURLにすることが重要です。
日本語URLにするときの注意点
前の章で「可能な限りURLは日本語表記を避けるのが望ましい」という話をしました。
それでも場合によっては、日本語を使用せざるを得ないケースがあるかもしれません。
ここでは、WebサイトのURLに日本語を設定する際に注意すべき3つの点をお伝えします。
- 検索順位への影響
- 文字化けリスク
- ターゲットユーザー
検索順位への影響
URLに適切なキーワードを含めることで、英語でも日本語でも検索順位に影響を与えることが可能です。
ただし、日本語が正しく認識されなければ検索順位が上がることはありません。
日本人のユーザーにとっては、日本語のURLはWebサイトの内容が一目で理解できるため安心感を持つことでしょう。
その結果、日本人のクリックが増えるかもしれません。
クリック率が上がれば、間接的にSEOの成果に繋がります。
ですから、URLを日本語で表記することで少なからず効果が期待できると言えます。
文字化けリスク
日本語で設定したURLは日本人にとって理解しやすいものになりますが、一部のブラウザでは文字化けしてしまう恐れがあります。
日本語が英数字などに置き換えられ、意味の分からない文字列になってしまうこともあるでしょう。
その結果、ユーザーが文字化けしたURLを見て不信感を抱くことが考えられます。
文字化けしたURLは怪しく、クリック率の低下に繋がるリスクも持っています。
ですから、ユーザーのためにはURLの言語表記をどうするのが望ましいか、Webサイトの目的などに応じて総合的に検討しましょう。
ターゲットユーザー
URLを日本語に設定すると、そのWebサイトのターゲットが日本人もしくは日本語が理解できる人に限られてしまいます。
もし世界中で広くアクセスしてもらえるWebサイトにしたいのであれば、URLは英語にすることをおすすめします。
ターゲットユーザーが日本人のみと明らかになっているのであれば、日本語のURLでも問題ありません。
重要なのは、Webサイトの内容やターゲットとURLの言語表記を一致させることです。
つまり、URLがサイトの内容やターゲットを適切に伝えられるようにする必要があります。
SEOではわかりやすいURLが大切
本記事では、SEOとURLの関係性や、SEOの効果を最大限に引き出すためのURLの設定方法について解説してきました。
URLひとつとってもユーザーや検索エンジンに対して、いかに分かりやすい表現にするのが望ましいか分かっていただけたかと思います。
URL設定には考慮すべき点も多くありますが、SEOの成果を目指してぜひご自身のWebサイトで試してみてください。
この記事が、これからSEO対策に取り組む方の少しでも参考になれば幸いです。