Webサイトの知名度を上げるためには、SEO対策が重要であるというのはよく聞く話です。
しかし、初めてWebサイトを運営する方にとって、SEOは聞き慣れない言葉だと思います。
「どんな対策をすれば良いの?」「そもそもSEOって何だっけ?」「どんな仕組みなの?」と頭にハテナがたくさん浮かんでいる方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、初心者に向けてSEOをわかりやすく解説していきます。
目指すゴールは、SEOの仕組みを理解し、初心者が実際に行うべき施策を知ることです。
SEOとは
SEOとは「Search Engine Optimization」の略語で、検索エンジンの最適化を意味します。
検索エンジンは、インターネット上から必要な情報や画像を探して表示するシステムのことです。
代表的な検索エンジンに、GoogleやBingがあります。
Googleで特定の単語やフレーズを検索すると、関連性の高いものから順に表示されますが、この表示順位は検索エンジン独自の評価基準に基づいて決定します。
つまり、自社のWebサイトを検索結果の上位へ表示させる(=最適化する)ことがSEOなのです。
上位に表示できれば、多くの人がアクセスしやすいWebサイトとなり、集客効果が見込めます。
SEO施策とは
SEO施策とは、SEOを目的とした総合的な取り組みのことです。
具体的な手法としては、内部対策、外部対策、良質なコンテンツの制作があげられます。
これらの内容については、記事の後半で詳しくお伝えします。
SEO施策はあくまでもマーケティング戦略の一部であり、最終的な目的は、Webサイトのアクセス数を増やすことです。
たくさんの人々がWebサイトを見つけて訪れることで、自社サービスの認知度の向上や、商品の販促につながります。
検索エンジンはGoogleを基準にする
みなさんは普段、どの検索エンジンを使ってネットの情報を調べていますか?
世の中にはさまざまな検索エンジンがありますが、SEOにおいては、Googleを基準に対策すれば十分であると言われています。
Googleはユーザーの利用率が高く、StatCounterの調査によると日本国内で77%(2023年5月データ)のシェアをもちます。
また、Yahoo!の検索エンジンもGoogleのアルゴリズムを基準に作られているため、Googleで対策をしておけば国内のほとんどのユーザーのニーズに対応できるのです。
ちなみに、日本国内のYahoo!の利用率は14%(2023年5月データ)で、Googleの次に大きなシェアをもちます。
アルゴリズムとは、ユーザーが検索した意図に基づいて、関連性の高いページを表示するための仕組みです。
そのため、検索順位を決める仕組みを知るには、アルゴリズムを理解する必要があります。
Googleの検索上位表示の基準
Googleは、会社を設立してから数年後にGoogleの経営理念を示す10箇条を掲げました。
それが「Googleが掲げる10の事実」です。
アルゴリズムの考え方の根底には、Googleの理念があります。
そのため、検索順位が決まる仕組みを正しく理解するには、アルゴリズムの技術的な面だけでなく、Googleの理念を知ることも大切です。
- ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
- 1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
- 遅いより速いほうがいい。
- ウェブ上の民主主義は機能する。
- 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
- 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
- 世の中にはまだまだ情報があふれている。
- 情報のニーズはすべての国境を越える。
- スーツがなくても真剣に仕事はできる。
- 「すばらしい」では足りない。
これらのことから、Googleはユーザーファーストの精神を最も大事にしていることがわかります。
順位が決定する仕組み
ここまで検索エンジンはGoogleを基準にすべきであるという話をしてきましたが、実際に表示順位はどのように決まるのでしょうか。
ここからは、検索結果の表示順位を決定する仕組みを説明します。
仕組みを知るためには、以下の3つの言葉を正しく理解しておく必要があります。
- クローリング
- インデックス登録
- スコアリング
クローリング
検索エンジンが順位を決めるためには、インターネット上に存在するWebサイトやWebページから情報を集めてくる必要があります。
この作業はクローラーと呼ばれるロボット(bot)が担い、クローラーがインターネット上を巡回することを「クローリング」と言います。
インターネット上には膨大な量のページが存在するため、クローリングするに値しないと判断した場合は、せっかくコンテンツを作ってもスキップされてしまうのです。
そうならないためにも、コンテンツを制作する際は、クローラーが巡回しやすく、正しい情報を取得できるように意識しましょう。
インデックス登録
クローラーが巡回して情報を収集しただけでは、Googleの検索結果には表示されません。
集めた情報が整理されデータベースに格納されることで、初めて検索結果に表示されるのです。
データベースに格納するこのプロセスのことを「インデックス登録」と言います。
ただし、クローラーが巡回しても「内容が薄い」「他の情報と類似している」などの理由から、インデックス登録されないことがあります。
そうならないためにも、充実したコンテンツを作ることが重要です。
また、クローラーが情報を集めてデータベースに格納する作業には時間がかかります。
SEO施策を行ってから、実際に検索結果に反映されるまでは時間がかかることを念頭においておきましょう。
スコアリング
スコアリングとは、インデックス登録されたWebページを、どの位置に表示させるのが適切かスコアをつけることです。
スコアが高いWebサイトやWebページほど、検索結果の上位に表示されやすくなります。
アルゴリズムとは「ユーザーが検索した意図に基づいて、関連性の高いページを表示する仕組み」と前述しましたが、スコアリングのルールこそがアルゴリズムです。
Googleのアルゴリズムは、200以上の基準を持ち日々進化を続けています。
この進化によって、ユーザーが求める情報をより適切に届けることが可能なのです。
SEO対策のメリット
ここまで、Googleでは検索結果の表示順位をどのように決定しているのかを話してきましたが、実際にSEO対策をすることでどのような効果が得られるのでしょうか。
ここからはSEO対策をすることのメリットを3つお伝えします。
- 検索からの流入増加
- ブランディング効果がある
- 広告と比べて費用効果が高い
検索からの流入増加
一般的に、ユーザーは、Googleの検索結果の上位に表示されているWebページから順に閲覧していきます。
そのため、ユーザーがどのような単語やフレーズで検索するのかを分析し、検索結果の上位に表示することができれば、自然とサイトへのアクセス数が増えるでしょう。
また、検索からサイトを訪れるユーザーは、情報収集や課題解決を目的にしていることが多いです。
ユーザーのニーズにあった情報を発信できれば、ユーザーの満足度の向上や、自社商品やサービスの販促など、直接的な成果にもつながります。
ブランディング効果がある
適切なSEO対策を行い効果が出てくると、サイトの露出が増え、ユーザーがサイトを目にする機会が増えます。
ユーザーは、上位に表示されているサイトに対して良い印象を持つ傾向があります。
また、サイトの認知度が向上することによって、サイト名で直接検索するユーザーも増えるでしょう。
つまり、SEO対策はブランディングにつながる可能性を持っているのです。
広告と比べ費用効果が高い
適切なSEO施策を行い、一度検索結果の上位に表示されたWebページは、継続して上位に表示される傾向があります。
つまり、しっかり対策を行えば広告費用はかけずともユーザーの目に留まり、成果を発揮し続けることができるのです。
もちろん、コンテンツの情報を最新にするなどの作業は必要です。
一方の広告には、検索結果の上位に表示させるためのリスティング広告や、Webサイト内の広告枠に掲載されるディスプレイ広告などがありますが、継続的なユーザーの流入を確保するためには、一定の費用がかかります。
SEO対策のデメリット
SEO対策には、前述した魅力的なメリットがある一方でデメリットも存在します。
人によっては「それはデメリットではない」と思う方もいるかもしれませんが、ここでは一般的に考えられるデメリットを3つお伝えします。
- 効果が出るまで時間がかかる
- 検索アルゴリズムによる順位変動リスク
- SEOの正しい専門知識を学ぶ必要がある
効果が出るまで時間がかかる
SEO対策を行ってから、クローラーがWebサイトやWebページを認識し、実際の検索順位に反映されるまでには時間がかかります。
そのため、検索結果の上位に表示されることやサイトのアクセス数が増えるといった効果が出るまで、気長に待つ必要があるでしょう。
このことに関しては、Googleも公式サイトで以下のように発表しています。
成果が出るまで時間がかかることを忘れないでください。変更に着手してからメリットが得られるようになるまで、通常は 4 か月から 1 年かかります。
検索順位の決定にはコンテンツ(記事)の質も大きく影響します。
効果を待つ間にも、継続して質の高いコンテンツが発信できるように準備しましょう。
検索アルゴリズムによる順位変動リスク
「検索結果の順位を決めるルールこそがアルゴリズムである」と前述しましたが、このアルゴリズムがGoogleのアップデートによって知らないうちに更新されている場合があります。
その結果、順位に大きく影響を受けることがあるため、一度上位に表示されたからといって何も対策をしなくていいわけではありません。
順位変動のリスクがあることを理解し、定期的に見直す必要があります。
SEOの正しい専門知識を学ぶ必要がある
SEO対策で効果を出して成果を上げるためには、正しい専門知識を身につけることが必要不可欠です。
後の「SEOでペナルティを受けるNG行為」でも説明しますが、間違った知識のまま対策を続けると、知らぬ間にGoogleのペナルティを受けることとなり、それまで積み上げてきたものを一気に失う恐れもあります。
また、前述のとおりGoogleのアップデートによってアルゴリズムが変更になる可能性があるため、常に最新の知識や対策方法を学びつづけることが大切です。
初心者が知っておくべきSEO施策4つ
ここまで、SEOの仕組みとメリット・デメリットを紹介してきましたが、SEOについて少しは理解が深まりましたか?
ここからは、SEOの考え方だけでなく実際に対応すべき施策についてです。
初心者でも必ず知っておきたいSEOの施策を4つ紹介します。
- 内部施策
- 外部施策
- コンテンツ制作
- ページエクスペリエンス最適化
内部施策
1つ目は内部対策で、自社のWebサイト内で対策をすることです。
内部対策を行う理由は、クローラーが自社のWebサイトやWebページを正しく認識できるようにするためです。次の3つは最低限実施するようにしましょう。
- タイトルタグの設定
タイトルタグはそのページがどのような内容なのかを表す顔のようなもので、Googleで検索した結果に出てくる重要な情報です。ページの内容を簡潔に表すもので、文字数は40文字程度が最適と言われています。検索結果に表示される際に、40文字だとタイトルが途中で見切れず綺麗に表示されます。 - 見出しタグの設定
記事を書くときには、見出しタグもしっかり設定しておきましょう。適切な見出しを設定することで、クローラーに対しても読み手に対しても、わかりやすく記事の内容を伝えることができます。 - 内部リンク構造の最適化
自社のサイト内部でリンクを設定する際は、ユーザーが欲しい情報に簡単にアクセスできるよう、関連ページのリンクを設定するようにしましょう。その際、わかりやすい位置にリンクがあることが理想です。
外部施策
2つ目は外部対策で、自社のWebサイト以外で対策をすることです。
他のサイトなど外部から評価してもらうことで「このサイトは信頼できる」とクローラーに認識させることができ、結果として検索結果にも影響を与えます。
外部対策で評価につながる最も重要な対応が、被リンク(外部リンク)を獲得することです。
外部リンクとは、外部のWebサイトから自社のWebサイトに対して設置されたリンクのことを言います。
つまり、「ここのサイトにはとても良い情報が書かれているから参考情報としてリンクさせたい」と思ってもらえることが重要です。
そのためには、良質なコンテンツを作成する必要があります。
また、SNSや広告などを使って自社のWebサイトを積極的に共有することも効果的です。
少しでも知ってもらうことで、リンクを張ってもらう機会を増やします。
コンテンツ制作
3つ目は、ユーザーのニーズにあった良質なコンテンツの制作です。
SEO対策をするには、まずはユーザーのことをしっかり理解することから始まります。
ユーザーがどのような単語やフレーズで検索するかを分析し、その検索意図にあったコンテンツを作成しましょう。
コンテンツを作成する際には「E-E-A-T」を意識することも大切だと言われています。
「E-E-A-T」とは、Googleの検索品質評価ガイドラインに定義されているWebサイトの評価基準を指し、「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の頭文字を取った言葉です。
これらの4つを意識してコンテンツを作成しましょう。
ページエクスペリエンス最適化
最後はページエクスペリエンスの最適化を紹介します。
ページエクスペリエンスとは、言葉の通り「Webページのユーザー体験」を意味し、ユーザーにとってそのWebページの利便性が高いか否かを測る指標です。
Googleのランク評価にも含まれている指標のため、最適化は必要不可欠です。
ここでは、具体的な対応を3つ紹介します。
- ページスピード改善
Webページの読み込みスピードが遅いと、ユーザーの離脱にもつながります。表示速度が遅い場合は、改善するようにしましょう。 - レスポンシブデザインの採用
レスポンシブデザインとは、PCやスマートフォンなど様々な大きさの画面に適応することです。
近年、スマートフォンで閲覧するユーザーが急激に増えたことから、Googleは2018年よりモバイルフレンドリーなWebサイトを評価する基準に変えました。
SEOにおいては、スマートフォンでも見やすいWebサイトにすることが重要です。 - インタースティシャル広告の適切化
インタースティシャル広告とは、Webページが他のページに遷移する際に表示される広告のことです。
ユーザーにとっては、このインタースティシャル広告を煩わしく感じてしまうことも少なくありません。
適切に扱うことが重要です。
SEOでペナルティを受けるNG行為には注意
SEO施策は、Googleのガイドラインに違反しないように正しく行っていく必要があります。
もし、ガイドラインに違反してしまった場合、Googleペナルティが課せられる可能性があるので注意が必要です。
ペナルティを受けることになる主な要因として「質の低いコンテンツ」と「質の低いリンク」の2つがあげられます。
そのため、SEOのために質の低いコンテンツを大量に作ったり、質の低いWebサイトからのリンクの数を増やそうとするのは逆効果です。
ユーザーのことを第一に考えながら、SEO施策を行うことが何よりも重要です。
SEOの仕組みはユーザーのためにあるもの
本記事では、SEOの仕組みと具体的な施策を4つ紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。理解は深まりましたか?
SEOの仕組みは、ユーザーが情報にアクセスしやすいようにできていることがわかりましたね。
これからSEO対策をするうえで何よりも重要なのが、常にユーザーの目線に立って、ユーザーの求めている情報を発信していくことです。
この記事がこれからSEO対策を始める方の少しでも参考になれば幸いです。