SEO対策に励んでいると、発リンクというワードを目にする機会があります。
リンクという言葉は知っているという方でも、発リンクという表現や、SEOとの関わりについてはよくわからないという場合が多いかもしれません。
そこで本記事では、発リンクに関する以下のようなポイントについてお話ししていきます。
- 発リンクとは何か
- 発リンクの種類
- 発リンクの利点
- 発リンクの調査ツール
- 発リンクを貼る際に気をつけるべきこと
読めば発リンクについての理解が深まり、発リンクの最適化に取り組めるような内容になっています。
ぜひ、今後のサイトの運営に役立てて下さい。
発リンクとは?
発リンクとは自サイト内のあるページから異なるページに誘導するためのリンクのこと。
この言葉を初めて聞くという方がいるかもしれませんね。
しかし、発リンクは我々が日常的に利用するサイトの中にもたくさん使われていて、実はとても馴染みの深いものです。
一言に発リンクといっても、リンクを辿って行きつく先によって内部リンクと外部リンクの2つに分類されます。
以下にそれぞれの違いについて具体例を挙げながら説明していきましょう。
内部リンク
内部リンクとは、同一サイト内の異なるページやコンテンツへと誘導するリンクのことをいいます。
どういうものかイメージしやすいように具体例を挙げてみましょう。
例えば、トップ画面から、会社の紹介・商品の紹介・問い合わせなど個々のページに誘導するリンクは内部リンクです。
また、当該記事と関連性の高い他の記事を関連記事として内部リンクで繋いでいるのもよく見かけますよね。
他には、あるコンテンツの内容を補足するために、特定の事柄についてさらに詳しく書かれたサイト内の他のコンテンツに誘導するリンクを貼るのも内部リンクの例。
このように内部リンクをうまく使えば、訪問者にとって使いやすく、有益なサイトを構築することができるのです。
外部リンク
外部リンクとは、自サイト内のページから外部の他サイトへと導くリンクのことです。
つまり、外部リンクと内部リンクの異なる点は、たどり着く先が同一サイトの他のページか、外部のサイトかという行先の差といえるでしょう。
外部リンクも多くのサイトで活用されています。
具体例としては、以下のようなものが外部リンクに該当するものです。
あるコンテンツの中に、厚生労働省が公表している出生率の推移に関するデータを引用しているとしましょう。
この際、データの引用元として厚生労働省のサイトへと導くリンクを貼っているのが外部リンクに該当します。
外部リンクは、ユーザーに付加価値を与えるということでGoogleにも推奨されているので、正しい貼り方を学んで活用したいものです。
発リンクと被リンクの違い
発リンクと被リンクの相違点は、リンクがスタートする地点と移動する方向に注目すると理解しやすいでしょう。
発リンクは自サイトのページからスタートして、同一サイト内の他のページや外部サイトに移動するリンクです。
逆に被リンクとは、外部サイトから自サイトに向けて移動してくるリンクのことで、バックリンクと書かれていることもあります。
例えば、コンテンツに自社で行ったアンケートの結果を掲載しているとしましょう。
このアンケートの集計結果が、他社の記事から引用され、引用元としてリンクを貼ってもらえた場合に被リンクを受けたといえるのです。
SEO上では、被リンクのほうが上位表示化に大きく影響するとして重視されています。
とはいえ、被リンク数は自在にコントロールできるものではありません。
そのため、他のサイトから被リンクしてもらえるような、良質で価値の高いコンテンツ作りを心がけたいものです。
発リンクのSEO効果
発リンクはSEOに直接的な関係はありませんが、サイトにとって良い影響をもたらすことが期待できます。
自サイトに発リンクを用いたからといって、検索結果で上位化できるわけではありません。
しかし、だからといって無価値というわけでもないのです。
効果的な内部リンクは、ユーザーの利便性を向上させ、自サイトへの満足度を上昇させてくれます。
また、作成する記事に専門性・権威性の高いサイトへの外部リンクを貼れば、コンテンツの信頼性を高めることにも繋がるでしょう。
逆に、適当でないリンクにより自サイトの査定を下げ、SEOに悪影響をもたらす場合があることも知っておかなければなりません。
このように、発リンクは間接的とはいえSEOに影響を与えます。
正しい知識を身につけ、サイトのコンテンツ制作や運営に応用しましょう。
発リンクのメリット
発リンクには、用いただけで上位表示に繋がるような直接的な作用はありません。
しかし、上手に活用することでサイトにとって良い影響をもたらしてくれます。
ここから先は発リンクの利点として、以下の4つの事柄について詳しくみていきます。
- クローラビリティの巡回促進
- ユーザーの滞在時間増加
- データの信憑性を高める
- サイトの利便性向上
クローラーの巡回促進
内部リンクを活用することで、検索エンジンクローラーの自サイト内での巡回を促すことが可能になります。
クローラーとは、Googleなどの検索エンジンがオンライン上のページを見つけるためのプログラムです。
このクローラーにみつけてもらい、インデックスされないことには、せっかく記事を作成しても検索結果に表示されません。
そのため、クローラーが情報収集しやすいようにクローラビリティをあげるのはとても重要なことといえます。
Googleのクローラーは、リンクを辿ることでページの存在を認識する仕組みです。
このため、内部リンクを貼り、クローラーがサイト内を巡回しやすくすれば、作成したコンテンツの早期発見・インデックス化が期待できるでしょう。
ユーザーの滞在時間増加
内部リンクの最適化により、ユーザーの回遊を増やすことで滞在時間の伸長が図れます。
滞在時間とは、ユーザーがサイト内にとどまった時間の長さです。
この滞在時間は検索結果での上位表示に直接的な影響を与える要素ではありません。
しかし、利用者の満足度を向上させたり、滞在時間が伸びることでサイト内の商品購入の可能性を高めるなどの良い影響があるといわれています。
例えば、ある記事内に登場する専門的な内容について詳細に説明する関連記事への内部リンクを貼ったとしましょう。
もっと詳しく知りたいと考えたユーザーは、リンクを辿って他のページも閲覧します。
そうすることで、自然とユーザーに長く滞在してもらえるようになるのです。
その結果、自サイトがより内容の濃い、価値のあるものと認識してもらえるようになるでしょう。
データの信憑性を高める
専門性の高いサイトから数値や調査結果を引用し、引用元として外部リンクを貼ることで、情報の信憑性を担保することができます。
例えば、家探しの記事に「○○市は保育所の待機児童ゼロ、子育てしやすい環境です」という内容を記載するとしましょう。
この文章だけでは、読者は情報が本当なのかや、他の市町村と比べてどうなのかがわからない状況です。
しかし、ここに関係する公的機関が公表している近隣市町村との待機児童数の比較を提示し、引用元とリンクで繋げるとどうでしょう。
信頼性の高いコンテンツからの引用ということで、記載内容の信憑性がぐっとあがりますよね。
また、良質な情報源へのリンクは、検索エンジンにもユーザーにとって有益な情報を提供しているという好印象を与えることに繋がります。
サイトの利便性向上
内部リンク・外部リンクともに、ユーザーの利便性向上に貢献します。
例えばある記事を、関連性の高い他の記事と内部リンクで繋げたとしましょう。
そうすることで、1つの記事だけでは記載できなかった情報を補完することになり、読者により濃密な検索体験を提供できます。
また、外部リンクにより、ユーザーが必要な情報に楽に到着できるようになるでしょう。
具体例を挙げると、観光情報として京都のおすすめホテルを紹介したとします。
そこに、ホテルの公式サイトへのリンクを貼れば、ユーザーはそれを辿るだけで簡単に必要な情報を手に入れることが可能になりますよね。
仮にこのリンクがなければ、ユーザーは再び検索画面へ戻り、自ら再検索しなければならず不便な思いをするでしょう。
このように、内部リンク・外部リンクを適宜用いることで、訪問者にとっての利便性向上を図れるのです。
発リンクのチェックツール
発リンクは、良質なWebサイト作りに欠かせない要素です。
ここからは、サイトの発リンク対策をする際に役立つ以下の3つのツールを紹介していきます。
- SEOチェキ!
- 発リンク比率評価チェックツール
- Googleサーチコンソール
どれも利用にお金がかからず、SEO初心者でも手を出しやすいチェックツールです。
気になるツールがあれば、一度試してみてくださいね。
SEOチェキ!
SEOチェキ!は無料で簡単に使えるツール。
SEOに関連する様々な情報が一括で調べられて便利なことから、愛用者も多くおすすめです。
そんなSEOチェキ!にも発リンクを調べる機能が備わっています。
トップページに並ぶ複数のタブから「発リンク」タブを選んで、検索窓に調べたいサイトのURLを入力しましょう。
ページ内に設置された内部・外部リンク・nofollowリンクをまとめて確認することができます。
SEOチェキ!については詳しく解説した別の記事があるので、活用してみたいという方はぜひそちらも参照してみてください。
関連記事:SEOチェキの使い方完全ガイド|データの活用方法まで徹底解説
発リンク比率評価チェックツール
発リンク比率評価チェックツールは、SEOラボによる発リンクチェックツールです。
使い方はサイトにアクセスし、指定の箇所にURLとキーワードを入力し、「発リンク比率をチェックする」というボタンをクリックするだけ。
上位10位内にランクインする競合サイトとの発リンク・外部発リンク・内部発リンクの割合の比較が表示されます。
評価は〇×で表され、コメントもついているので、これを参考に対策ページの発リンク最適化が図れます。
Googleサーチコンソール
Googleサーチコンソールは、Webサイトの状況や問題点を分析できるツールです。
自サイトへの流入キーワード、表示された数、インデックス状況の確認などサイトについて総合的に把握できます。
SEOを行う人なら、登録している方が多いのではないでしょうか。
そんなサーチコンソールでも、内部発リンクのチェックが可能です。
ログイン後、「リンク」メニューをクリックすると、「内部リンク」のパートに複数のURLが表示されます。
その中から任意のURLをクリックすると、リンクの詳細が確認できる仕組みです。
発リンク設置時の注意点
発リンクには様々なメリットがありますが、だからといってむやみやたらに設置すればいいというものでもありません。
適切に貼れば良い効果をもたらす一方、間違った手法で用いれば効果がないどころか、逆効果をもたらするリスクすらあるのです。
そこでここからは、以下のような発リンク設置時に気をつけるべき注意点について解説していきます。
- リンクの増やしすぎ
- 対価の引き換えにリンクを貼る
- 質の悪いリンクはペナルティの対象
リンクの増やしすぎ
発リンクの数は、不用意に増やしすぎないように気をつけましょう。
そもそも、設置するリンクの数については、Googleのガイドラインに記載があります。
これによると、1ページで最大1000個までと規定されているのです。
1000個以上はガイドライン違反となるので、当然それ以下に抑えるべきなのは分かりますよね。
しかし、1000個以下ならいくらでも設置してもいいのかというと、それも考えものです。
極端な話になりますが、ページ内のあらゆる文章・単語にリンクが設置された記事があったらどうでしょう。
記事が読みづらく、ユーザーにストレスを与えるのではないでしょうか。
コンテンツ作成は、あくまでもユーザーの目線に立って行うのが基本。
リンクに関しても、必要な箇所に必要な分だけ貼るのが理想です。
対価の引き換えにリンクを貼る
何らかの対価の引き換えにリンクを設置するのは、Googleのガイドライン違反となる危険性があるので絶対にやめましょう。
Googleはランキングを操作することを意図したリンクは、リンクスパムと判断する場合があるとして、以下のような行為を例に挙げています。
- リンク自体やリンクを含む投稿に関して金銭をやり取りする
- リンクに関して物品やサービスをやり取りする
- 特定の商品について記載してリンクを設定してもらうのと引き換えにその商品を送る
つまり、自身の運営するサイトにある企業への外部リンクを貼り、その見返りとして金銭や物品・サービスをもらってはいけないということです。
ガイドラインに違反していることが発覚すれば、ペナルティとしてインデックス登録からの削除やランキングの順位を落とされる可能性があります。
2016年には、Googleが不自然な外部リンクを掲載しているサイトに対し、大規模な手動対策を実施した事例もあります。
対象は、商品・サービスを無料でもらうことを対価に、その商品・サービスのページに向けたPageRankを転送するリンクを設置していたサイト。
このような事態に陥らないためにも、ガイドラインに抵触するようなリンクの設置は行わないようにしましょう。
質の悪いリンクはペナルティの対象
質の悪いリンクを貼れば、ペナルティの対象となるリスクがあるので十分注意しましょう。
検索エンジンのクローラーは記事内の外部リンクも巡回します。
そのため、リンク先のサイトのクオリティが悪ければ、リンク元である自サイトまでもが評価を下げる事態が起こりうるのです。
このようなリスクを回避するためには、第一に信頼できないサイトや記事に外部リンクを貼らないことが大事といえます。
また、やむを得ず設置する場合は、nofollowタグを利用しましょう。
nofollowタグを使えばクローラーに対し、発リンクを辿らないようにヒントを与えることができるからです。
そうすれば、リンク先の質の悪さが原因で自サイトの評価が落ちるのを避けることができるでしょう。
発リンクは重要な概念
本記事では、発リンクに関する基礎知識や、発リンクの利点、設置する際の注意点などを解説してきました。
発リンクは直接的なSEO効果がないにせよ、サイト運営上とても重要な要素であることがお分かりいただけたでしょうか。
また、設置に関してはむやみやたらに行うべきではなく、適切な量を適切なやり方で行うべきであることも頭に置いておきたいポイントでしたね。
発リンクの設置は、他のSEO対策と同様にユーザーの役に立つかどうかという視点に立って実施するのが基本といえます。
自サイトが訪問者にとって有益なサイトになるように、上手に発リンクを活用してくださいね。