サイト運営を行う上で、外部リンクは非常に有益だというのを頻繁に耳にします。
とはいえ中には、そもそも外部リンクとは何かや、なぜメリットがあるといわれるのかが分からないという方もいるのではないでしょうか。
適切な施策を施すためには、まず基礎的な部分を十分に理解する必要があるでしょう。
そこで本記事では、外部リンクの定義や大事な理由を解説した上で、外部リンク獲得の手段や関連する注意点といった、より実践的な内容を紹介します。
じっくり読み込んで、ぜひ今後のSEO施策に応用してくださいね。
外部リンクとは?
外部リンクは、自サイトと外部の別サイトを繋ぐリンクのことです。
これについて調べていると、発リンク・被リンクといった具合に、いくつかの種類があることに気づくでしょう。
また、内部リンク・サイテーションなど似ているようで違うタイプのリンクや概念もあります。
まずは、それぞれの違いを明確に理解しておきましょう。
発リンクと被リンクがある
外部リンクの中には、発リンク・被リンクの2種類があります。
両者はどちらも自サイトと別サイトを結ぶ役割を果たしますが、移動の方向が正反対なのです。
具体例を挙げながら、1つずつみていきましょう。
発リンクは、自分のサイトから別のサイトへと誘導するリンクです。
例えば、飲食店の口コミの紹介記事を作成しているとしましょう。
口コミの後に、店の公式ページへのリンクを貼る場合、これは発リンクに該当します。
次に、被リンクですが、こちらは別のサイトから自サイトへと遷移してくるリンクのことです。
自分の記事に掲載している情報を外部サイトが引用し、引用元としてリンクを設置してくれた場合、被リンクを受けたことになります。
一般的に、外部リンクといえば被リンクを表していることが多いといえるでしょう。
当記事でもこれより先は特別な言及がないかぎり、外部リンク=被リンクとして扱っていきます。
内部リンクとの違い
内部リンクとは、読者をあるページから同一サイト内の別のページへと誘導するリンクです。
外部リンクとの違いは、遷移先が同一サイトの中か、外かという点といえます。
ドメインをまたいでの移動かどうかの差と言い換えることもできるでしょう。
例えば、「パリのおすすめホテル」という記事に、関連記事として「パリ市内交通」という同一ドメイン内の別記事を繋ぐといった形です。
このように内部リンクは、1つの記事だけではカバーできない情報を補足したりと、読者にとって有益に働くものといえます。
それに加え、適切に設置すれば検索エンジンのクローラーの巡回促進も期待できるのです。
内部リンクの最適化は、忘れずに行うよう心掛けましょう。
サイテーションとの違い
サイテーションとは、インターネット・SNS上で、特定のサイト名や企業名などが言及されている状態を表す言葉です。
外部リンクと大きく異なるのは、リンクが設置されているか否かという点。
サイテーションは、いわば文字だけが記載されている状態ともいえます。
イメージが湧きやすいように具体例を考えてみましょう。
あなたの勤務先が○○飲食店という名前だとします。
Twitter上で、「先日、○○飲食店に食事に行った」と言及されれば、○○飲食店がサイテーションされたといえるのです。
サイテーションとSEOの関係については未知数な部分がありますが、MEO(Map Engine Optimization)には大きく関与するといわれています。
外部リンクのSEO効果
外部リンクは、SEOに良い影響をもたらすことが分かっています。
なぜなら、Googleがサイトの価値をはかる基準として外部リンクを用いているからです。
このことは、同社がはっきりと公言しています。
Google 検索が機能するのは、どのサイトのコンテンツが重要かを判断するうえで、膨大なユーザーがウェブサイトに張ったリンクを基準としているからです。
Googleは、多くのリンクを受けているサイトを、それだけ高い価値があると判断しているということです。
分かりやすくいえば、外部リンクはインターネット上の人気投票のようなものだということですね。
検索エンジンに高評価を受ければ、結果的に検索結果で上位表示されやすくなるので、外部リンク獲得は非常に重視されています。
また、それ以外にも、リンクを辿って読者が別ドメインから流入するという集客への影響も期待できるでしょう。
このように、外部リンクはSEOへの影響も含め、サイト運営上とても有益なので、万全の施策を練りたいものです。
外部リンクの獲得方法
ここまで読んでいただいた時点で、外部リンクがSEOにおいて非常に大切だということが分かっていただけたことでしょう。
ここからは、外部リンクを獲得する方法として以下のような事柄について詳しく解説していきます。
- 良質なコンテンツをつくる
- オリジナルな情報を発信する
- SNSを活用する
- 他サイトに寄稿する
- プレスリリースの配信
良質なコンテンツをつくる
まず第一に挙げられるのは、クオリティの高い記事作りに励まなければならないということ。
「そんなことは当たり前じゃないか」と思われるでしょうが、やはりこれが一番大切なことなのです。
ところで優良なコンテンツとは、どのようなものなのでしょうか。
具体的には、次のような点に気をつけながら作成された記事は、クオリティが高いと考えられます。
まず、検索意図に沿った内容であること。
読者は何らかの目的を持って検索という行為をとります。
彼らの悩みを解消し、ニーズを満たすような記事作りを心掛けてください。
また、専門性が高いものも質が良く、リンクを集めやすいと考えられます。
例えば、弁護士が執筆した法律に関する記事は高い専門性を有するため、それだけ参照される確率が高くなりますよね。
そうすればナチュラルに、多くの被リンクが集まるはずです。
オリジナルな情報を発信する
執筆記事の中にオリジナル情報があれば、引用目的で外部リンクされやすいものです。
仮に、会社で行った研究やアンケートの調査結果を、グラフや表を使って分かりやすくまとめて、会社のホームページに掲載したとします。
そういったデータは別の所にはない貴重な情報として、読者が引用する可能性が高いのです。
逆に、どんなに良い情報だとしても、別の複数のホームページにも掲載されているようなオリジナリティに欠ける情報がリンクを集めることはありません。
「うちの会社には調査や研究の結果などない」という場合もあるでしょう。
しかし、日々の業務における気づきや実際に会社の製品を使ってみた感想でも、立派なオリジナル情報になり得ますよ。
SNSを活用する
SNSにおける更新情報の発信も、試す価値がある方策です。
別のいい方をすると、SNS上で記事を宣伝することともいえます。
今の時代、Twitter・Instagram・Facebookなど、数多くのSNSがありますよね。
多くの人が何かしらのSNSを利用しているということは、それだけ影響力も大きいということです。
SNS上で話題になれば、拡散されることにより露出が増えます。
そうして人の目に触れる機会が増えれば増えるほど、メディアやブログなどで紹介され、外部リンクを受けるチャンスも高まるでしょう。
作成するページには、SNSへのシェアボタンを設置するのをお忘れなく。
シェアしたいと思ったときに、すぐ行動にうつせる仕組みをつくっておけば、読者のSNSへの投稿を促進できます。
他サイトに寄稿する
関連性の高いジャンルの別媒体に、記事を寄稿するというやり方も有効です。
他の媒体に自身が書いた記事を掲載してもらうことを寄稿といいます。
寄稿は、向こうからお願いされることもあれば、こちらから執筆した記事を掲載してくれるよう依頼することもあるでしょう。
「なぜ寄稿が外部リンクの獲得に繋がるのだろうか」と不思議に思うかもしれません。
実は寄稿すると、提供した記事とともにライターのプロフィールや運営サイトの情報を掲載してもらえることが多いため、被リンクを受けやすいのです。
別媒体への寄稿のメリットは非常に高いといえます。
有名な媒体に掲載してもらえれば、多くの読者の流入や、これまでとは異なる層の訪問者獲得も望めるでしょう。
プレスリリースの配信
プレスリリース配信サービスを利用することで、外部リンクのチャンスを増大させることが可能です。
プレスリリース配信サービスを行う会社には、PR TIMEやValuePressなどがあります。
実は、プレスリリースの利用には、直接的なSEO効果は望めません。
プレスリリースに載せたコンテンツには、Googleがリンク先をクロールしないようにするnofollowタグが付けられているからです。
ただし、だからといって外部リンク対策に無意味というわけでもありません。
このようなサービスを利用すれば、多くの媒体に掲載されることにより、作成した記事が多くの人の目に入ります。
そうすれば、自ずと外部リンクの可能性が高まるのです。
サービスの利用には費用がかかりますが、検討してみる価値はあるでしょう。
外部リンクの注意点
外部リンクはSEO施策として効果的ですが、単純に数が多ければ良いというものではありません。
良質なリンクが良い影響をもたらす一方で、低品質なリンクを受ければ効果がないどころか、悪い影響をもたらすこともあるのです。
ここからは、そのような事態に陥らないために知っておきたい、外部リンクにまつわる注意点を説明していきます。
悪質サイトからの外部リンク
悪質サイトからの外部リンクにより、自サイトの評価が落ちる恐れがあります。
ここでいう悪質なサイトとは、ユーザーの役に立たないようなもののことです。
例えば、サイト名とリンクが羅列されただけのリンク集サイト。
以前は、被リンクの「質」ではなく「数」が重視されていたため、このようなサイトが多く存在しました。
2012年のペンギン・アップデート後はこのようなサイトは停止状態といわれていますが、リンクだけが残り続けている場合もあります。
また、コピーコンテンツばかりで構成され、オリジナルな内容がほとんどみられないようなサイトも質が悪いといえるでしょう。
他にも、内容が薄いアフィリエイト記事ばかりで構成されたサイトも、ユーザーのためにならない悪質サイトに数えられます。
こういった質の悪いサイトからのリンクは、それにひっぱられる形で自サイトの評価を
下げる危険性を孕んでいるので注意が必要です。
悪質外部リンク対策
サイトを運営していると、気づかぬうちに悪い外部リンクが増えることがあります。
悪質リンクを放置したせいで、ペナルティにより検索順位が下がったということがないよう、定期的な点検を行いたいものです。
点検ツールには、Google Search Console・hanasakigani・Ahrefsなど無料のものから有料のものまでが揃っています。
対策の手順としては、まずこれらのツールを活用し、どのような被リンクがついているかデータを収集することが第一歩。
次に、収集したデータを精査し、悪質サイトや関連性のないところからのリンクなど問題のあるリンクがないかチェックしましょう。
問題のあるリンクがあれば削除・否認という処置を施す必要があります。
リンク元サイトの運営者へコンタクトを取り、削除を要請してみましょう。
相手がこちらの要請に応じてくれればそれが一番ですが、対応を拒否されるケースも起こっています。
そういう場合には、Google Search Consoleの機能を使い被リンクの否認をすることも可能です。
否認したいページのURLをリストアップし、否認リストとしてアップロードしてGoogleに処理してもらいましょう。
違反行為をしない
外部リンクを増やしたいがために、ガイドラインに違反する行為をとることは絶対にやめましょう。
外部リンクがSEOに有効と知り、とにかく数を増やそうと躍起になり、お金を払って被リンクを購入しようとする運営者もいます。
しかし、そのような手段はGoogleのガイドラインに抵触するのです。
PageRank を操作することを目的としたリンクの購入やリンク プログラムへの参加は、Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に違反しています。
参照:手動による対策レポート
2000年代前半ごろまでは、リンク購入によるSEO対策は数多く行われていました。
実際に、金銭をやりとりしてリンクを大量に獲得するだけで上位表示されていた時代もあったようです。
しかし、Googleもこれらを駆逐するための対策を行ってきたため、今では自然なリンクか、有料の不自然なリンクかが判別可能になりました。
検索エンジンからポジティブに判断されるのは、あくまでもユーザーが「シェアしたい」と思うことから生まれるナチュラルなリンクです。
ペナルティを受けるリスクを背負って違反行為をはたらくのは、絶対にNGだと肝に銘じておきましょう。
外部リンクはSEO的にも重要
外部リンクは、検索エンジンにサイトの支持率をはかる指標として採用されているため、SEOに強く関係します。
外部リンク獲得への第一歩は、価値のあるコンテンツを作成すること。
その上で、SNSやプレスリリースを使って記事を宣伝したり、他サイトへの寄稿でリンクを稼ぐ努力をしましょう。
一方で、外部リンクの中には自サイトの評価を落とすような質の悪いものもあるので、定期的なメンテナンスも欠かせません。
また、リンク稼ぎのためにルールを破る行為には決して手を出さないようにしましょう。
サイト運営の目的は、あくまでもユーザーに満足してもらうことです。
常にそれを頭に置いてコンテンツ作成を行えば、結果的に外部リンクも増えていくはずですよ。