Webサイトを運営していると、取り扱っている商品とドメインがマッチしていないこともありますよね。
ドメインの変更を検討しているが、ドメイン変更で悪影響がないか気になる方も多いでしょう。
実際、悪影響のあるケースも珍しくはありません。
本記事ではドメイン変更がSEOに与える影響について解説していきます。
SEOへの悪影響を抑えてドメイン変更をするための方法も紹介するので、参考にしてみてください。
ドメイン変更によるSEOへのデメリット
ドメイン変更によってSEOに悪影響を与えてしまうことがあります。
ある程度運用してきたサイトであれば、リスクが大きいので基本的にはドメイン変更は推奨されません。
ドメイン変更によって引き起こされるデメリットを3つ紹介します。
- 被リンクがなくなる
- ドメインパワーがリセットされる
- ドメインエイジがリセットされる
被リンクがなくなる
1つ目は、被リンクがなくなってしまうことです。
被リンクとは、個人ブログなどの外部のWebサイトに自社のWebサイトのリンクを貼ってもらうことです。
他のWebサイトからのリンク獲得によって、検索結果上位に表示される可能性が高くなるのです。
被リンクは外部対策の中でも重要度が高いものになります。
しかし、ドメイン変更を行うとURLが全て変更されてしまいます。
そのため、他のWebサイトからのリンクが正しく機能しなくなってしまい、検索エンジンからの評価を下げてしまう可能性が高いです。
サイトの評価が下がってしまうと、検索順位も下がってしまいます。
ドメインパワーがリセットされる
2つ目は、ドメインパワーがリセットされてしまうことです。
ドメインパワーとは、名前の通りWebサイトの影響力や知名度のことを指し、権威性とも呼ばれます。
サイトを継続して運用するとドメインパワーが少しずつ強くなり、ドメインパワーが強いサイトほど、検索エンジンからコンテンツが適切に評価されやすくなります。
しかし、ドメイン変更をするとドメインパワーがなくなってしまいます。
ドメインパワーがなくなることにより、ドメイン変更後はSEO効果が失われてしまうので、検索順位が急激に下落してしまうこともあるのです。
ドメインエイジがリセットされる
3つ目は、ドメインエイジがリセットされてしまうことです。
ドメインエイジとは、そのドメインのWebサイトの運用歴のことを指します。
ドメインエイジが低いサイトでは、クロール頻度が低いため、新規コンテンツが評価されにくいと言われています。
クロール頻度とは、検索エンジンがページを評価するためにWeb上を巡回するロボットが巡回する頻度のことです。
ドメイン変更によってクロール頻度が下がってしまうため、サイトの運用期間が長ければ長いほどデメリットは大きいでしょう。
ドメイン変更を検討するべきタイミング
ドメイン変更には前述したようなデメリットがありますが、サイトを運用していく上ではドメイン変更を検討するべきタイミングがあります。
それは以下のタイミングです。
- 社名・サービス名を変更したとき
- ホームページ作成サービスから独自ドメインに変更するとき
理由とともに1つずつ解説していきます。
社名・サービス名を変更したとき
1つ目は、社名・サービス名を変更したときです。
以前使用していた社名・サービス名がドメインに入っている場合、ユーザーが社名・サービス名を混同してしまうかもしれないからです。
ドメイン変更をすることで新しい名前の認知にも繋がります。
しかし、ドメイン変更を行うと検索エンジンからの評価が下がってしまうため、あらかじめ汎用性の高いドメインを取得しておくのも1つの方法です。
例えば、社名ではなく事業内容に関わるドメインなどの取得がおすすめです。
ホームページ作成サービスから独自ドメインに変更するとき
2つ目は、ホームページ作成サービスから独自ドメインに変更するときです。
ホームページ作成サービスとは、誰でも簡単にホームページを作成できるサービスです。
テンプレートが用意されており、1からデザインする必要もありません。
しかし、ホームページ作成サービスではそのサービス名が入ったドメインを使用しなくてはならないことが多いため、企業などでは使いにくいでしょう。
独自ドメインを取得すると、ブランド力や信頼性が向上し、サイトのURLが継続的に利用できるというメリットがあります。
また、サービスが終了してしまうと大元サイトのドメインパワーを失うリスクもあります。
ホームページ作成サービスを使う場合は、将来独自ドメインを取得する可能性があるかどうか?長期的にサイトを運用するかどうか?を考えてから利用開始しましょう。
SEOに悪影響を与えないドメイン変更の方法
ドメイン変更をする場合、極力SEOに悪影響を与えたくないですよね。
SEOに悪影響を与えずにドメイン変更をするためには5つの手順でドメイン変更を行う必要があります。
- 旧ドメインのURLをすべてリストアップする
- 新ドメインの作成
- リダイレクトの設定
- Google Search Consoleでアドレスを変更する
- サイトマップを送信する
1つずつ紹介していきます。
旧ドメインのURLをすべてリストアップする
1つ目は、旧ドメインのURLをすべてリストアップすることです。
現在のサイトに存在するURLをすべて確認できるようにリスト化しましょう。
このリストは、ドメイン変更後に、リダイレクト設定が正しくできているか確認するために使用します。
リダイレクト設定とは、自動的に新しいURLへ転送する設定のことです。
WordPressなど、使用しているサービスによっては一括でURLを取得できる機能もあります。
新ドメインの作成
次に、新ドメインの作成です。
新ドメインのサイトは、以前使用していたドメインとの重複コンテンツとみなされる可能性があるので、インデックスさせないように設定しておきましょう。
インデックスとは、サイトが検索エンジンのデータベースに登録されることです。
robots.txtを使えば、サイト全体をGoogleのクローラーからブロックすることができます。
robots.txtとは、収集されたくないコンテンツをクロールされないように制御するファイルです。
このファイルは、ドメインのルートディレクトリに設置されています。
ブロックしておけば、コンテンツの重複を避けることができるので必ずしておきましょう。
リダイレクトの設定
新ドメインの作成ができたら、リダイレクトの設定を行います。
リダイレクト設定をしておけば、旧ドメインで蓄積したSEO効果を極力落とさずに新しいドメインに引き継ぐことができます。
リダイレクト設定はいくつか種類がありますが、Googleは301リダイレクトを推奨しています。
301リダイレクトとは、URLが今後ずっと変わる場合に適用されるリダイアルのことです。
リダイレクト後のページが同じコンテンツになるように、それぞれのページでリダイレクト設定をする必要があります。
リダイレクト設定は、Webサーバーに送信するファイルの1つである.htaccessで行うことができます。
WordPressを使用している場合は、プラグインを利用する方法もあるので、使っている環境から最適な方法を選ぶようにしましょう。
Google Search Consoleでアドレスを変更する
次に、Google Search Consoleでアドレスを変更しましょう。
アドレス変更は、Google Search Consoleでプロパティを検索し、設定からアドレス変更を選択することでできるようになります。
リダイレクト設定など、指示された設定を行うとアドレス変更が完了します。
アドレスを変更することで旧ドメインのデータを残せるので、新ドメインと旧ドメインの数値の違いを確認することが可能です。
サイトマップを送信する
最後に、サイトマップを送信しましょう。
サイトマップとは、サイト全体のページやコンテンツの構成をリスト化したものです。
サイトマップを送信することでGoogleに認識してもらうことができます。
新ドメインでの新しいURLを含むサイトマップと、旧ドメインでの過去のURLを含むサイトマップの2つを用意してください。
すべてのページが新旧ドメインで対応しているわけではないので、両方のURLを用意する必要があります。
サイトマップの送信は、Google Search Console内で送信できます。
Google Search Consoleにログインし、サイトマップからサイトマップ追加をクリックします。
ドメイン変更時の注意点
ドメインを変更する際には、注意しなければならない点があります。
注意してほしい点は以下の3つです。
- ページごとにリダイレクト設定をする
- インデックスされているか確認する
- SSL化されているか確認する
これらに注意してドメイン変更を行わないと、変更に失敗してしまう場合もあるので気をつけましょう。
ページごとにリダイレクトを設定する
ドメイン変更の際は、ページごとにリダイレクトを設定しましょう。
リダイレクト設定をすべてトップページに集めてしまう、というミスが起こりがちです。
すべてのページをトップページへリダイレクトすると、今まで評価されていたコンテンツの検索順位が下がってしまう可能性があります。
個別でリダイレクトを設定することでSEO効果を引き継ぐことができるので、ページごとに設定して同じコンテンツに移行されるようにしましょう。
リダイレクトを正しく設定するために、新旧のURLをリストアップした一覧表を元に設定することをおすすめします。
インデックスされているか確認する
新しいドメインのサイト運用を開始したら、インデックスされているか確認しましょう。
インデックスされているかどうかは、Google Search Consoleにログイン後、URL検査に新しいサイトのURLを入力すれば確認できます。
インデックスされていない場合は、robots.txtを使ってサイト全体をGoogleのクローラーからブロックしてください。
インデックスされていれば、コンテンツの重複を避けることができます。
SSL化されているか確認する
最後は、SSL化されているか確認することです。
ドメイン変更後、SSL化をしていない場合はドメイン変更に合わせて設定するようにしてください。
ユーザーに自社のサービスを安心して利用してもらうためには、SSL化が有効です。
SSL化とは、SSL証明書を取得することを指し、ユーザーが安心してサイトを利用するためには必須になっています。
この証明書は、Webサイトの運営者が実在していることを確認し、通信データを暗号化することができる証明書です。
SSL化はSEOにおいて非常に重要ですし、サイトの安全性が上がるので必ずしておきましょう。
ドメイン変更後にすること
検索エンジンとユーザーの双方からより良い評価を得るために、ドメイン変更後に注意すべきポイントがあります。
ドメイン変更後に行うべきことは以下の3つです。
- 内部リンクの更新
- 外部リンクの変更
- 検索流入数の確認
どれもSEO効果のために重要なことなので、1つずつ解説していきます。
内部リンクの更新
まずは内部リンクの更新です。
ドメイン変更後、内部リンクは旧URLのままになってしまっているので、更新しておきましょう。
リダイレクト設定をしていればページは表示されますが、サーバーに負荷がかかりページの表示スピードは落ちてしまいます。
ページの表示に時間がかかってしまうとユーザーの離脱率が上がってしまうので、内部リンクの更新は必要です。
内部リンクをきちんと更新しておくことでクローラーが巡回しやすくなり、正しい評価をしてもらうことができます。
外部リンクの変更
次に、外部リンクの変更です。
外部リンクとは、自分のサイトと外部のサイトをつなぐリンクのことです。
外部リンクを用いることで、関連度の高いページなどと自社サイトをつなぐことができ、ユーザーの満足度向上に繋がります。
外部リンクを変更することで、新しいサイトへの誘導がスムーズになります。
外部リンクは自社SNSなどすぐに変更できるものもあれば、他社サイトなど更新してほしい旨を直接連絡しなければならない場合もあります。
直接連絡して変更を依頼する場合は時間がかかってしまうので、できることから取り組むようにしましょう。
検索流入数の確認
最後に、検索流入数の確認です。
検索流入数を確認して、旧サイトの流入数が減り、新サイトの流入数が増えていればドメイン変更がうまくいったと判断することができます。
流入数はGoogle Search Consoleで確認しましょう。
インデックスからカバレッジを選択すると、WebページがGoogleにインデックスされているか見ることができます。
また、検索パフォーマンスからクエリを選択すると、指定した機関の流入数や流入キーワードが確認できます。
SEOにデメリットがない方法でドメイン変更をしよう
ドメイン変更をすると、SEOに以下のような悪影響を与えてしまうことがあります。
- 被リンクがなくなる
- ドメインパワーがリセットされる
- ドメインエイジがリセットされる
そのため、基本的にはドメイン変更は推奨していません。
しかし、社名・サービス名が変更になった時や、ホームページ作成サービスから独自ドメインに変更するときなど、ドメイン変更するべきタイミングもあります。
ドメイン変更する際には、極力SEOに悪影響を与えないように正しい手順で変更する必要があります。
リダイレクト設定や、インデックス、SSL化されているかをきちんと確認しながら進めていきましょう。
このように、デメリットを最小限に押さえてドメイン変更をしてみてください。