「Webマーケターとして働くために資格は必要なの?」「Webマーケティング業界で活かせる資格が知りたい」「Webマーケター向けの資格が多くて迷ってしまう」
こんな悩みや疑問を抱えていませんか?
本記事では、大きく分けて3つのテーマについて解説していきます。
最後まで読めば本当に必要な資格が分かり、効率的に学習が進められるようになります。
そもそもWebマーケティングに資格は必要?
Webマーケターになるために資格は必要ありません。
極論を述べると、あなたが「Webマーケターです」と名乗ればWebマーケターになれるのです。
しかし、資格取得はWebマーケティングに関する知識を広げられたり、就職や転職活動で大いに役立ちます。資格取得のための勉強が無駄になることはありません。
ですので、「Webマーケターを目指している」「Webマーケターとしてさらにステップアップしていきたい」とお考えなら、資格取得を検討してみてください。
Webマーケティング資格は大きく分けて4種類
Webマーケティング資格は大きく分けて下記の4つに分類されます。
- マーケティング全般
- SEO
- 解析・統計
- SEM・広告
どの分野の資格から勉強すればいいか悩んでいるなら、「業務に関係ある資格」もしくは「マーケティング全般の知識が学べる資格」をおすすめします。
業務に関係ない資格を取ってしまうと、せっかく身につけた知識を現場で活かせず無駄になる可能性があります。
また、未経験者や初心者はマーケティング全般の基礎知識を身につけてから、SEOや広告といった専門分野を学んだほうが挫折しにくくなるでしょう。
マーケティング全般の知識が学べる資格
マーケティングの概念や基礎知識を身につけると、実務で役立つ応用力の土台作りに繋がります。ここでは、下記3つの資格についてご紹介します。
- ネットマーケティング検定
- マーケティング・ビジネス実務検定
- Web検定
ネットマーケティング検定
ネットマーケティング検定はインターネットの特性を理解し、効果的なマーケティング手法が選べる人材を育成するための試験です。
検索エンジンの構造やインターネット広告の知識、LPO(ランディングページ最適化)やSEM(検索エンジンを活用したマーケティング手法)といったマーケティングする上で欠かせない基礎知識が問われます。
合格率が85.9%と比較的高めなので、初心者におすすめの資格です。
合格基準 | 受講料(税込) | URL |
– | 6,000円 | https://www.sikaku.gr.jp/nm/ |
マーケティング・ビジネス実務検定
マーケティング・ビジネス検定は、特定の業種や業界にとらわれないマーケティングの知識が問われる試験です。実務で役立つ知識や時事情報、事例を習得できます。
レベルはA級/B級/C級の3つに分かれているので、初心者はまずC級から挑戦してみてください。
級数 | レベル |
A級 | 戦略立案、意思決定や管理、判断業務ができる |
B級 | 業務の運営ができる |
C級 | 定型業務ができる |
公式テキストはもちろん、通信講座と通学講座も用意されているので、勉強しやすい環境が整っています。
合格基準 | 受講料(税込) | URL |
– | 6,270〜12,760円 | https://www.marke.jp/ |
Web検定
Web検定は、Webに関する基本的な考えを身につける試験です。先ほど紹介した資格に比べると、マーケティングの出題範囲は狭くなります。
しかし、Webマーケターはディレクターやデザイナー、クライアントなどとコミュニケーションをとる機会が多い職種です。
ですので、職種の異なるメンバー同士が円滑に業務を進めるためにも「Webに関する標準知識」が必要です。
Web検定は4種類用意されています。どれを受ければいいか迷ったら、Webに関する標準知識が身につく「Webリテラシー検定」か広告やマーケティング担当者向けの「Webプロデュース試験」の受講をおすすめします。
合格基準 | 受講料(税込) | URL |
70%以上 | 11,000円 | https://webken.jp/ |
SEOが学べる資格
Webサイトを訪れるユーザーの増加を目指す施策がSEOです。ここでは、SEOの技術体系を習得できる「SEO検定」について紹介します。
SEO検定
SEO検定は実務で活用できるSEO技術を習得できる試験で、レベルは4段階に分かれています。
級数 | 内容 |
1級 | ソーシャルSEOとモバイルSEO |
2級 | コンテンツSEOと外部要因最適化 |
3級 | キーワードリサーチと内部要因最適化 |
4級 | SEOの基礎知識 |
図解入りの公式テキストや動画講座が用意されているので、自分に合った学習方法でSEOの勉強が可能です。
「SEO知識と技術を改めて勉強したい」「自社サイトの集客を伸ばして売上貢献したい」と考えるあなたに取得してほしい資格になります。
合格基準 | 受講料(税込) | URL |
– | 5,500〜8,800円 | https://www.zennihon-seo.org/ |
解析・統計の知識が学べる資格
Webマーケターはビジネスに関するデータを活用し、売り上げを伸ばしていく役割を担っています。データを活用するためには、データ解析や統計の知識が必要不可欠です。
ここでは、下記3つの資格について紹介します。
- Webアナリスト検定
- ウェブ解析士
- Google Analytics Individual Qualification(GAIQ)
Webアナリスト検定
Webアナリスト検定はGoogle Analyticsといった解析ツールの使い方や、マーケティングに必要な市場動向やトレンド情報の解析や活用法が学べる資格です。
5時間の講習受講後に検定試験を受ける流れになります。もしくは、試験のみ受けることも可能です。
講習はGoogle Analyticsの画面を使いながら実例とともに解説してくれるので、データ解析が苦手なあなたでも安心して受けられます。
合格基準 | 受講料(税込) | URL |
– | 17,600円〜 | https://www.jwa-org.jp/webanalyst/ |
ウェブ解析士
ウェブ解析士はデータ解析に必要な知識を習得し、正確なデータ活用ができる人材育成を目的とした資格です。
ウェブ解析士以外にも「上級ウェブ解析士」「ウェブ解析士マスター」の3つの資格が用意されています。
資格名 | 特徴 |
ウェブ解析士マスター | ウェブ解析士の最上位資格(上級者向け) |
上級ウェブ解析士 | ウェブコンサルティングに必要なスキルが学べる(中級者向け) |
ウェブ解析士 | データ解析に必要な基礎知識が学べる(初心者向け) |
「上級ウェブ解析士」「ウェブ解析士マスター」といった上級資格が設けられているので、データ解析のプロフェッショナルを目指しているなら、ぜひ取得しておきたい資格になります。
合格基準 | 受講料(税込) | URL |
– | 17,600円〜 | https://www.jwa-org.jp/webanalyst/ |
Google Analytics Individual Qualification(GAIQ)
GAIQはGoogle社が認定した世界的な資格で、Google Analyticsの知識を一通り網羅できます。
Google Analyticsは多くの企業に導入されており、Webマーケターとして活躍するなら使えるようにしておきたい分析ツールの一つです。
試験は無料ですが有効期限が1年間なので、更新するためには1年ごとに試験に合格する必要があります。
また、不合格の場合でも24時間後に再受験可能なので、気軽に受験できるのも嬉しいポイントです。
合格基準 | 受講料(税込) | URL |
80%以上 | 無料 | https://skillshop.exceedlms.com/student/path/2938-google-analytics-individual-qualification |
SEM・広告の知識が学べる資格
集客を図る施策として広告やSEM(検索エンジンを活用したマーケティング手法)の知識も重要です。ここでは、下記4つの資格について紹介します。
- IMA(Internet Marketing Analyst)検定
- Google AdWords認定資格
- Yahoo!プロモーション広告プロフェッショナル認定試験
- ウェブ広告マネージャー
IMA(Internet Marketing Analyst)検定
IMA検定はWebマーケティングに特化し実践レベルのスキルが身につく試験で、StandardコースとProfessionalコースの2つが用意されています。
コース名 | 内容 |
Professional | ターゲット別の集客プラン立案と運用スキル |
Standard | リスティング広告とサイト分析の運用プロセス |
eラーニング受講と試験がセットになっており、どちらもオンライン上で行えます。仕事や学業で忙しくても取り組みやすいのがIMA検定の魅力です。
合格基準 | 受講料(税込) | URL |
– | 19,800円 | https://ima-kentei.jp/ |
Google AdWords認定資格
Google AdWords認定資格はGoogle社が認定した資格です。Google AdWordsとは、広告主向けの広告出稿サービスを指します。
共通科目の「インターネット広告の基礎」と選択科目の「検索広告」「ディスプレイ広告」「モバイル広告」「動画広告」「ショッピング広告」の中で1つ合格すると、資格が認定されます。
合格基準 | 受講料(税込) | URL |
– | 無料 | https://www.google.com/partners/?hl=ja#h_p |
Yahoo!広告 ベーシック
Yahoo!広告 ベーシックは、Yahoo!広告に関する基礎知識を有していることを証明する資格です。
Yahoo!社が認定している資格で「Yahoo!広告ベーシック」以外にも「Yahoo!広告 検索広告アドバンスト」「Yahoo!広告 ディスプレイ広告 アドバンスト」が設けられています。
資格名 | 内容 |
ディスプレイ広告 アドバンスト | ディスプレイ広告の効果を上げるための機能と運用知識 |
検索広告アドバンスト | 検索広告の効果を上げるための機能と運用知識 |
ベーシック | Yahoo!広告に関する基礎知識 |
Yahoo!広告の試験に合格すると認定ロゴと認定証が授与されます。認定ロゴはWebサイトや名刺に載せられるため、スキルの証明が可能です。
合格基準 | 受講料(税込) | URL |
– | 無料 | https://marketing.yahoo.co.jp/service/yahooads/yahooads_campus/ |
ウェブ広告マネージャー
ウェブ広告マネージャーは、Web広告の基本用語や特徴、運用管理の要点を押さえた資格です。初級/上級/エキスパートのレベル別になっており、初級に合格すると上級にチャレンジできます。
公式テキストの内容を中心とした講座が用意されているので、何から学習すればいいか分からないあなたにもおすすめです。
2021年10月に新設された資格のため知名度は低いですが、Web広告を基礎から学び実務に活かしたいと考えているなら受講を検討してみてください。
合格基準 | 受講料(税込) | URL |
70%以上 | 33,000円※ | https://www.waca.associates/jp/news/66804/?ref=front-page |
※公式テキスト・講座受講料・試験受験料を含む
Webマーケティングの資格を取るメリット
Webマーケターが資格を取得するメリットは一体何があるのでしょうか?
下記に示した3つのメリットについて解説します。
- 知識の幅が広がる
- 自分のスキルを客観的にアピールできる
- 就職や転職で有利になりやすい
知識の幅が広がる
資格取得に向けた学習は、基礎知識や実務に活かせる応用方法などを体系的に学べます。
学習を通して忘れていた知識を思い出したり、業務では学べない知識や最新情報が習得できたりと、資格取得は知識の幅を広げてくれます。
結果としてキャリアアップに繋がったり、難しい案件を任されたりと、あなたが出来る仕事が増えていくでしょう。
自分のスキルを客観的にアピールできる
資格は自分のスキルを客観的にアピールできる材料として役立ちます。
口頭でどんなにあなたのスキルや実績を力説しても、証明できる材料が無いと説得力に欠けてしまいます。そこで役立つのが資格です。
資格は特定分野において一定水準の知識を有していることを明確にしてくれます。
ですので、クライアントや一緒に働くメンバーから「●●分野なら任せても大丈夫だろう」といった信頼獲得にも繋がります。
就職や転職で有利になりやすい
資格は就職や転職で有利に働く場合があります。
特に未経験者は実務経験が無いため、企業側にWebマーケターとしてアピールできるポイントが少なくなります。
もし、あなたがWebマーケターに関係ある資格を持っていれば「自ら積極的に学ぶ姿勢を持っている人だ」「将来的にWebマーケターとして活躍してくれるだろう」といった好印象を企業側に与えられるでしょう。
また、経験者も専門性と難易度の高い資格を持っていると「●●分野案件のリーダーを任せてみよう」「●●分野のプロとしてチームを教育してもらおう」など、新境地で活躍できるチャンスが生まれるかもしれません。
Webマーケティング資格を取得するための勉強方法
資格取得するためにどのように勉強すれば良いのでしょうか?
ここでは3つお伝えするので、あなたに合った勉強方法を取り入れてみてください。
書籍
まずは書籍を活用した勉強です。
書籍は資格取得に必要な知識が1冊にまとまっているので、体系的に学べます。「書籍を読む→問題を解く→分からない箇所を調べる」を繰り返しながら知識を吸収していきます。
また、書籍を購入する際は1度手に取ってから選ぶようにしましょう。
書籍によって「イラストや図が多く視覚的にも分かりやすい」「活字で埋め尽くされている」「コンパクトサイズなので持ち運びしやすい」といった特徴があり、どういった書籍が自分に合っているかは人それぞれです。
ネット上の情報だけで判断してしまうと、「想像していたのと違った」と感じるかもしれません。
あなたにとって使いやすい書籍に出会えるように、購入前にしっかり書籍の中身を確認することを忘れずに行なってください。
動画配信サービス
動画配信サービスは、仕事や学業で忙しいあなたにおすすめの勉強方法です。
パソコンやスマホがあればいつでもどこでも勉強できるので、隙間時間にサクッと学べます。
図やイラストを使った解説が目と耳から入ってくるので理解しやすく、分からないことがあればプロ講師に直接質問できるサービスもあります。
動画配信サービスで有名なのがSchooやUdemy、ジッセン!です。料金体系は買い切りタイプや月額制などサービスによって異なります。
特におすすめなのがUdemyです。
UdemyはWebマーケティングに関する講義を幅広く取り扱っており、キャンペーン期間だと割引価格で動画が購入できます。さらに動画視聴の有効期限がないので、自分のペースで学習が進められます。
スクール
「一人で勉強を続ける自信がない」「困ったときに相談できる相手がほしい」「教材の選び方が分からないのでプロに選んでほしい」といったお悩みを抱えるあなたは、スクールの活用を検討してみてください。
スクールは書籍や動画配信サービスと比較すると高額ですが、メリットも多数あります。
プロ講師に相談できる環境が整っているので、分からない問題が出てきてもすぐに解決できます。
また、スクール独自のカリキュラムが用意されているので教材選びに悩むこともありません。
資格取得に向けた学習はもちろん、実務で使えるスキルや応用力が身につくのもスクールの魅力と言えます。
資格取得を最終目標にしない。重要なのは実践スキル
資格取得のメリットや勉強方法をお伝えしましたが、「資格取得」が最終目標にならないように注意してください。あくまでも資格は、目標を達成するための一手段です。
Webマーケティング業界で重視されるのは実践スキルです。
どんなにSEOや広告運用の知識を身につけていても、現場で活用出来なければ意味がありません。
「資格を取ったら終わり」ではなく、資格の勉強過程で身につけた知識をどのように実務で活かすか考え、実際に取り入れていくことが大切です。
まとめ
Webマーケターになるために資格は必要ありませんが、資格取得は知識の幅を広げてくれたり、就職や転職で有利に働いたりとメリットが多数あります。
特に実務経験の無い未経験者にとって資格は、あなたのスキルや熱意をアピールしてくれる貴重な材料となります。
しかし、「資格取得」が最終目標にならないように注意してください。
あくまでもWebマーケターに求められるのは実践スキルです。
Webマーケティングの知識をどんなに身につけていても、現場で活用出来なければWebマーケターとしての価値は下がってしまいます。
資格が無駄にならないように、実務に活かせる内容を網羅した資格を選び、合格に向けて勉強していきましょう。