年々市場が拡大し、注目を集めているWebマーケティング業界。
聞いたことはあるけれど「そもそもWebマーケティングってなに?」「Webマーケティングってどんな仕事をするの?」「未経験でもWebマーケティング業界に挑戦できるの?」といった疑問を抱えているあなたに向けた記事になります。
本記事では大きく分けて4つのテーマについてお話しします。
最後まで読めば、Webマーケティングへの理解が深まり、未経験からでもWebマーケティング業界に挑戦しやすくなるでしょう。
そもそもWebマーケティングってなに?
Webマーケティングとは、WebサイトやWebサービスを通してユーザーに製品やサービスを知ってもらい、購入してもらうまでの仕組みを作ることです。
Webマーケティングは、施策に対するユーザーの行動を定量的に判断できるのが特徴です。
従来の紙媒体による広告では、「どれだけの人が広告を見たのか?」「1番見られている内容はどれか?」といったユーザーの詳細な行動を把握できませんでした。
しかしWebマーケティングなら、「1週間に何人がWebサイトを訪れたのか?」「1人あたりのWebページ閲覧時間は?」「メールマガジンの開封率」「メールマガジン内のリンククリック率」といったデータを測定できます。
得られた結果をもとに施策の内容を改善し、製品の売上増加やWebサイトの閲覧数増加といった成果を生み出すのがWebマーケティングの役割になります。
デジタルマーケティングとの違いとは?
Webマーケティングと似た言葉で、デジタルマーケティングという言葉が広く普及してきました。
しかし、WebマーケティングとデジタルマーケティングはWeb上で施策を行なっているので、違いが分からずに混同してしまいがちです。
両者の違いは、マーケティングの領域と手段になります。
WebマーケティングはWebサイトやWeb広告、SNSなどのWeb上の仕組みを駆使してマーケティング活動を行います。
一方デジタルマーケティングはWebサイトやSNSはもちろん、ビックデータAI、IoTなどあらゆるテクノロジーを活用したマーケティング手法です。
デジタルマーケティングの中にWebマーケティングが内包されていると覚えておきましょう。
Webマーケティングの仕事内容に迫る!
Webマーケティング担当者は、一般的にWebマーケターと呼ばれます。Webマーケターは具体的にどのような仕事をするのでしょうか?
下記の仕事内容について具体的に解説していきます。
- 市場分析
- 集客施策を打つ
- データを分析し改善施策を打つ
- PDCAサイクルを回す
市場分析
市場分析とは自社が所属している業界の特性や動向、市場の将来性などを分析するために用いる手法です。
分析結果をもとに自社サービスの改善や新規事業の参入など、適切な戦略を打っていきます。
ターゲットとなるユーザーが求めていない価値を提供しないためにも、市場分析を行い、ユーザーのニーズを把握することがWebマーケティングする上で大切です。
集客施策を打つ
Webマーケティングでは、多くのユーザーを集める「集客」が重要です。
集客=新規顧客を連想してしまいがちですが、既存顧客をリピーターにするための集客施策も行います。
SEOや広告運用、SNS運用などが集客方法です。
具体的な内容については後述の「Webマーケティングの施策例を5つご紹介」の項目でお伝えします。
データを分析し改善施策を打つ
マーケティング施策で得られたデータを分析し、サービス改善につなげます。
客観的なデータで現状把握ができたり、新しいアイデアのヒントが生まれたりと、事業を成長させる上でデータ分析は必要不可欠です。
そして分析結果をもとに、「ターゲットとなる多くのユーザーが使っているInstagramを活用する」「動画広告に力を入れて販路拡大を目指す」といった改善施策を打ち、サービス向上を図ります。
PDCAサイクルを回す
PDCAとはPLAN(計画)、DO(実行)、CHECK(検証)、ACTION(改善)のそれぞれの頭文字を取った総称です。PDCAを繰り返し行い、業務改善に努めます。
PDCAサイクルを1度で終わらせてしまうと意味がありません。
計画実行後に評価を行い、改善して次に繋げていきます。学んだことを次のPDCAサイクルで活かし、より良いサービスを提供する姿勢が大切です。
Webマーケティングの施策例を5つご紹介
Webマーケティングする上で「集客」が大事なポイントになることが分かりました。では、具体的にどんな施策を打って集客を行なっているのでしょうか?下記の施策内容について具体的に解説していきます。
- SEO
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- SNS広告
- LPO
SEO
SEO(Search Engine Optimization)とは、検索エンジン最適化を意味します。
ユーザーが自社の製品やサービスに関するキーワードで検索した時に、検索結果上位に表示されるように行う施策がSEOです。
Webページ内に検索キーワードをただちりばめるだけでなく、ユーザーが知りたい情報が書かれているコンテンツを作成することが重要です。
また、SEO施策はGoogleの検索エンジンをベースに考えられています。
なぜなら、日本の検索エンジンのシェア率はGoogleが75%と大きなシェアを占めており、シェア率2番目のYahoo!Japanの検索エンジンはGoogle検索のアルゴリズムを採用しているからです。
参考:Search Engine Market Share Japan | Statcounter Global Stats
リスティング広告
リスティング広告とは、検索キーワードに関連した広告を指します。検索結果に表示されるので、別名「検索連動型広告」と呼ばれています。
ユーザーのニーズにあった広告が表示されるので、製品やサービスに興味をもっているユーザーを効率よく関連サイトに誘導できます。
リスティング広告は、購入意欲の高いユーザーにアプローチする手法です。
ただし、広告なので有料です。キーワードごとに入札が実施され、競合他社とのオークションで掲載順位が決定します。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webページやアプリの広告枠に表示される画像や動画、テキスト広告を指します。ディスプレイ広告はバナーが使われることが多いので、別名「バナー広告」とも呼ばれています。
ディスプレイ広告の配信媒体としてGoogleやYahooが有名ですが、UNICORNやUNIVERSE Adsなどサービスの種類は多種多様です。
ディスプレイ広告は、商品やサービスに興味はあるが購入を検討していないユーザーである潜在層にも配信可能です。
リスティング広告よりは幅広い層に広告配信ができるので、多くのユーザーにアプローチができます。
SNS広告
SNS広告とはTwitterやLINE、Instagram、TikTokといったSNSに掲載する広告を指します。
SNS広告は、運用型広告に分類されます。運用型広告とは予算や配信内容、ターゲットをリアルタイムで変更できる広告のことです。
各SNSには膨大なユーザーデータが蓄積されています。
データを活用し年齢や性別、趣味や嗜好といった属性を選択し、広告配信が可能です。狙ったターゲット層にアプローチできるのがSNS広告のメリットと言えるでしょう。
LPO
ユーザーがWeb広告や外部リンクをクリックし、最初に表示されるWebページをランディングページと呼びます。
LPO(Leading Page Optimization)とは、ランディングページに訪れたユーザーが途中でWebページを閉じてしまわないように工夫を凝らし、CVRを上げる手法です。
CVR(コンバージョン率)とは、Webサイトの成果を達成した割合を示す指標です。
例えばWebサイトの最終目標(CV:コンバージョン)が会員登録の場合、訪問ユーザーのうち会員登録を行なったユーザーの割合がCVRになります。
CVはWebサイトの種類や目的によって異なりますが、会員登録や資料請求、商品購入や申し込みがCVに該当します。
Webマーケティングに必要な知識と能力
Webマーケティングに必要な知識と能力は以下の通りです。
- マーケティング全般の知識
- 論理的思考力・仮説思考力
- トレンドを抑える能力
- データの収集と分析スキル
- コミュニケーション能力
どのようなスキルが大切なのかしっかり把握し、少しずつ身につけていきましょう。
マーケティング全般の知識
まずはマーケティング全般の知識を身につけていきます。
マーケティングに関する専門用語は多いので、最初から全て覚えるのは難しいかもしれません。
資格勉強やブログ運営といった経験の中で、少しずつ知識を習得するのをおすすめします。もし、知らない用語が出てきたらすぐに調べる習慣をつけるようにしましょう。
論理的思考力・仮説思考力
Webマーケティングでは、先入観や思い込みで話を進めてはいけません。分析データをもとに物事を客観的に判断し、根拠をもって論理的に考える必要があります。
また、時代によってトレンドの移り変わりが激しいマーケティング業界では、仮説思考力も大切なスキルです。
Webマーケティングはスピード感が求められるので、闇雲に施策を打ってしまうと非効率的です。
そのため、立てた仮説にもとづいて調査や検証を進める仮説思考が必要になります。
トレンドを抑える能力
Webマーケティングを行う上で、流行やトレンドを抑える能力も重要です。
常にアンテナを張り巡らせて新しい情報をキャッチできると、現代のニーズや市場の変化に気づけます。
今あるデータを分析するだけでは、先手を打った戦略が立てられず競合他社に負けてしまいます。
競合他社に追い抜かれないためにも流行やトレンドをしっかり把握し、先を見据えた施策を打つことが大切です。
データの収集と分析スキル
数字やデータと向き合う機会が多いのがWebマーケティングの仕事です。
商品購入数やWebサイトのアクセス数、メール施策の効果といったデータを適切に分析し、売れる仕組みを作る必要があります。
また、ターゲット層のニーズや市場の動向を把握するために、分析結果から「今、何が求められているのか?」を知る能力も大切です。
GoogleやAdobeが提供する分析ツールを導入している企業が多いので、使いこなせるように勉強しておきましょう。
コミュニケーション能力
Webマーケティングの仕事は、データと向き合うだけではありません。
チームで仕事をすることが多く、Webデザイナーやエンジニア、多部署の仲間やクライアントなど多岐に渡ります。
特にクライアントとのコミュニケーションは大切です。クライアントの要望や意見にしっかり耳を傾け、適切な施策を打たなければ、信用を失ってしまうかもしれません。
プロジェクトを円滑に進めるためにも、コミュニケーション能力は必要不可欠です。
未経験でもWebマーケターになる方法とは?
「Webマーケティングの仕事に興味はあるけど、未経験から挑戦できるの?」と心配になっているあなたに向けて、下記の2つの方法について具体的に解説します。
- 転職する
- 自分でブログや広告運用をやってみる
転職する
結論からお伝えすると、未経験からWebマーケターに転職することは可能です。
求人サイトindeedで「WEBマーケター 未経験」と検索すると、約3,000件以上の求人がヒットしました。(2022年5月31日時点)
参考:indeed
Webマーケターは未経験からでも挑戦しやすい職種になりますが、Webマーケティングに関する最低限の知識は必要です。
全くWebマーケティングに関する知識がない状態で転職活動を行なってしまうと、「学習意欲がない」「本当にWebマーケターとして活躍したいのか?」といったネガティブな印象を企業に与えてしまう可能性があります。
転職前の準備としてWebマーケティングの勉強や、ブログ運営や広告運用をしてスキルを身につけてから転職活動に踏み切ってください。
自分でブログや広告運用をやってみる
ご自身でブログや広告を運用し、実践的スキルを身につけるのも1つの手段です。
SEO施策やアクセス解析ツールの活用、PDCAサイクルといったWebマーケティングに必要な工程を一通り学べます。
ある程度の経験を積んだらクラウドソーシングやSNS経由で仕事を受注し、Webマーケターの仕事を体験してみるのも良いでしょう。
実務経験は転職の際にアピール出来るので、ぜひ挑戦してみてください。
Webマーケティングの将来性に迫る
結論からお伝えすると、Webマーケティングの将来性は高いと言えるでしょう。今後さらに需要が高まり、市場価値も伸びていくと予測されます。
なぜ、将来性が高いと言い切れるのかデータをもとに解説していきます。
1つ目は、インターネット広告市場は年々拡大しており、今後も成長が予想されているからです。
矢野経済研究所によると、2022年は2兆7,180億円、2024年には3兆2,740億円までに拡大すると発表しています。
参考:インターネット広告市場に関する調査を実施(2021年)
中でも動画市場の伸びは著しく、2020年は2,954億円、2025年には1兆455億円に達する見込みです。5年で354%の成長が予想されています。
Webマーケティング全体の将来性が高いのはもちろん、なかでも動画分野に携わるマーケティング業務は需要が大きく拡大するでしょう。
まとめ
Webマーケティングの仕事内容や、必要なスキルを中心にご紹介しました。
Webマーケティング業界は未経験者でも目指しやすい環境ですが、知識ゼロの状態で挑戦するのはおすすめしません。
まずはWebマーケティングの基本知識を学んだり、自身でブログや広告を運用したりと、事前準備をしっかり行いましょう。
Webマーケティング業界は移り変わりが激しく、専門用語も多いので、日頃からコツコツと勉強し、常にアンテナを張って情報収集する姿勢が大切です。
また、Webマーケティング業界は将来性が高く、今後も需要が伸び続けていくと予想されています。
もし、あなたがWebマーケティングに興味を持ったなら、ぜひこの機会に挑戦してみてください。